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にとうしんでん


プラットフォームプレイステーション
開発Japan Vistec
発売タカラ
発売年月日1996年 9月
ジャンル新格闘アクション
プレイ人数1〜2人
セーブデータなし(セーブ機能がない)


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
苛烈! お遊び色強し 非常に粗い ポップ調 意外と良好 オリキャラ多し





・ゲーム概要

 PSの格闘ゲーム「闘神伝」シリーズの番外編に当たる一本。
 おなじみの面々+オリジナルキャラが「タカラ学園」の学生として大乱闘を繰り広げるというストーリーもさることながら、「技合成システム」という独自色の強いシステムがいかにも番外編たる内容である。


・技合成システム

 本作の基本となる「技合成システム」とは、あらゆる技があらゆる技でキャンセル可能、というシステム。
 早い話が、本作は常時オリコン状態というわけである。
 加えて本作には「ガード」が存在していない。

 ・・・と脅かすような言い方になってしまったが、本作の攻撃は基本的にいずれも大振りであり、各攻撃にはそれぞれ回避方法が用意されているので先に手を出したもの勝ちというわけでもない。
 本作の攻撃は「縦攻撃()」、「横攻撃()」、「突き攻撃()」、「足ばらい攻撃(×)」、と「必殺技(R1)」、「秘伝必殺技(R1+R2)」の6種類からなっており、縦攻撃や突き攻撃は「軸移動」で、横攻撃は「しゃがみ」や「ジャンプ」、足ばらいは「後退」して回避してしまえば良いわけだ。
 本作ではこの最初の一撃を入れるまでの応酬・・・素早く動き回って牽制打を避け、一瞬のスキを見て素早く接近して攻撃、という流れがハイテンポで繰り広げられ、なかなか白熱する対戦が楽しめる。
 また「R2」ではキャンセル不可能な代わりに相手の通常攻撃を弾く「はじき返し防御」攻撃が使用でき、これを駆使すれば劣勢からの逆転も可能となっている。

 また攻撃面についてもう少し詳しく見てみると、相手に素早く4ヒット分の攻撃を当てると「連続技」として完成し、相手を大きく吹き飛ばすと同時に追加ダメージを与えることができる。
 この際の追加ダメージは「連続技」に使用した技のバリエーションによって変動するので、より多彩な技を組み込んだ魅せコンボほど威力が高いということになる。
 もっとも全体的にノックバックが大きめであったり安定したコンボが一切なかったりするためなかなか「言うは易し」なのだが、ともあれ。
 一見読み合いもへったくれもないような過激なシステムだがその実意外と調整が施されており、全体として「それなり」以上に遊べるものに仕上がっている。
 軸移動や一発必殺技など「闘神伝」シリーズの流れをくむ一本ではあるが、その内容は非常に独特だ。


・キャラクター

 そんな本作にはどれだけのキャラクターが登場するのだろうか?
 結論から言うと本作に登場するキャラクターは8名+1で、うちオリジナルキャラクターが3名に、ゲストキャラ(香山リカ?)が1名という構成。
 ・・・つまりは「闘神伝」本編のキャラクターは5名しか登場していないことになる。
 その5名も「エイジ」、「エリス」、「ソフィア」、「トレーシー」、「『V』」と、妥当と言えば妥当なのだがやや男女格差の酷いチョイス。
 いや学園モノでモンドおじさんを出すのは無理があるかもしれないが、「カイン」や「ショウ」がいないあたり物足りない人数である。

 もっとも、その5名でさえ「学園」という舞台に合わせて本編とは異なるキャラクターに設定されているフシがあるのだが。
 キャラゲーとして学園モノをやりたかったというより、「にとうしん」というコンセプトに合わせたら学園が舞台になった・・・というニュアンスだろうか。
 そういう面でも、「闘神伝」シリーズとは少し離れた内容であると言える。


・グラフィック

 なお、本作のキャラクターはタイトル通り2〜3頭身で作成されている。
 それが可愛いか、と言えば、残念ながら粗いポリゴンと激しい動きのせいで案外そうでもない。
 また攻撃を受けてぺしゃんこにつぶれてみたり、びよよんと伸びてみたり、とコミカルな表現に挑戦してはいるものの、これが少々過剰で当たり判定が不安定になっているのもいただけない。
 新たに「やりたかったこと」がなんとなく伝わってくる分、実現力不足が非常に残念な状態である。


・オープニング

 さて、様々な点でシリーズとのつながりが薄い本作だが、よりによって オープニングは「2」に引き続き実写コスプレイヤーを起用している。
 それも表キャラの8人を全員登場させ、ハードロック調の曲で最初から最後まで実写で突っ走るなど本編との格差を完全に無視した暴走っぷりだ。
 いやカッコイイことはカッコイイのだが、本編のストーリーとか「タカラ学園」の説明とか他に語るべきところがあったのではと突っ込まざるを得ない。
 直後に「にとうしんでん」のロゴが出るのでギャグとして狙ったのだとは思うが、はてさて。


・まとめ

 ・・・と、「闘神伝」シリーズの番外編という位置にふさわしく、流れをくみつつも独自色の強い一本。
 シリーズキャラクターの登場数が少なくキャラゲーとして見ると不満の残る内容であるが、格闘アクションとして見ればその出来は悪くない。
 ソウル○ャリバー・・・いや、3D空間を縦横無尽に駆け回って戦う格闘ゲームに興味があるなら、要チェックの一本である。


・ワンポイント攻略

 ・初期設定をいじり、方向キーの上下で軸移動できるようにしておくと戦いやすい。お試しあれ。
 ・「大会参加」モードをノーコンテニューでクリアすると・・・?





・関連作品

闘神伝第1作。3Dであることを生かした「側転」の存在や公式イラストレーターとしてことぶきつかさ氏を迎えたことなどが話題を集めた。
闘神伝S新キャラクターやキャラクター同士の会話イベントを追加したSS移植版。だが・・・。
闘神伝2新キャラクター、新システムを導入し、最も人気を集めた続編。
・熱闘闘神伝キャラクターの頭身を下げGBに移植した作品。
闘神伝URA闘神伝2をベースにしてSSで発売された外伝。だがやはり・・・。
闘神伝3前作「2」の軽く倍のキャラクターが登場する続編。が・・・。
D-XHIRDエイジがゲスト出演。
・パズルアリーナ闘神伝なぜか落ち物パズルに。
・闘神伝カードクエストなぜかボードゲームに。
闘神伝昴シリーズにトドメを刺した問題作。


闘神伝:キャラクター紹介


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