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闘神伝(とうしんでん)


プラットフォームプレイステーション
開発タムソフト
発売タカラ
発売年月日1995年 1月
ジャンル3D対戦格闘
プレイ人数1人〜2人
セーブデータなし(セーブ機能がない)


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
単純・爽快 バックストーリー濃厚 キャラクターが個性的 カッコイイ やや大味 公式イラストレーター:
ことぶきつかさ





・ゲーム概要

 プレイステーション、ひいては3D格闘ゲームの黎明期に生まれたゲーム。セガの「バーチャファイター」に対抗してプレイステーションで発表された本作は他に先駆けて「側転(軸移動)」という3Dならではのシステムを搭載していた。とはいえ飛び道具の存在や後ろ要素によるガードなど2D格闘ゲームの要素も残しており、従来の格闘ゲーマーも親しみやすいつくりであったと言える。

 また、プレイステーション初の3D格闘であったことや公式イラストレーターとしてセイバーマリオネットJなどのキャラデザインを手がけた ことぶきつかさ氏を招いたことで話題を集め、さまざまなメディアミックスを行うなどして後のシリーズの人気の基盤を築いた。


・システム

 本ゲームの特徴は「飛び道具」と「側転(軸移動)」だろう。

 飛び道具は2D格闘のそれと変わらないが、「ガード」、「飛び越える」の他に「軸をずらしながら接近する」という選択肢が加わったことでその使用方法はだいぶ異なるものとなっている。
 また、側転は飛び道具を避けるためだけではなく、接近時の攻防で相手の背後へと回り込んだり、リングアウトを回避したりと幅の広い活用が可能。特にリング際の攻防は側転があるために非常にエキサイティングなものとなっている。
 そして、体力が一定量まで減ると使うことの出来る「秘伝必殺技」の存在。いずれも相手の体力を大きく奪い、かつ扱いやすいものがそろっているため試合展開を大きく変えることができる。CPUも遠慮なく使用してくるため勝負は最後まで油断できない。

 それから、複雑なコマンドを必要とせずボタン一つで必殺技が出せる「一発必殺技」というシステムもある。強版に限るなどの制約はあるものの、ライトユーザーにはうれしい仕様だ。

 蛇足ではあるが、本ゲームにおいては攻撃やダメージの瞬間にキャラクターの表情が変化する。小さなことではあるが、このことがキャラクターに活き活きとした印象を与え、キャラクターの人気に良い影響を与えたことは想像に難くない。


・対戦

 で、実際対戦してみてどうかというと、側転の重要度が非常に大きい。それに加えて奇襲や投げなどお互いの行動に対して有効な選択肢が多いため、対戦は読み合いの激しい、意外性のある展開が多くなって白熱するだろう。
 それと秘伝必殺技の存在。一発逆転の大技はむしろ有利な側にとってプレッシャーを与え、最後まで気の抜けない緊張感が続く。
 キャラクターもとがった個性を持っており、ボスキャラクターを除けば各々の相性も決して悪くは無いため、好きなキャラクターを使って勝ってゆける魅力を持っている。
 そして何より、簡易必殺技や側転といったシステムをワンボタンで行えるため、ライトユーザーであっても気軽に対戦に参加できることが闘神伝の一番の魅力だろう。

 とは言え、ある程度実力の伯仲した対戦だと秘伝必殺技の撃ち合いや側転の応酬などしょっぱい試合展開になることも多く、特に初心者同士だと先に体力が赤くなったほうが勝つなんて本末転倒な試合になることも。できれば上級者同伴でプレイしたい。


・まとめ

 なんだかんだで古いゲームではあるが、目新しい格闘ゲームを求める人やこれから格闘ゲームに挑戦したいという人にはオススメできる一本だ。
 キャラクターが気に入ったなんて理由からでも手にとって見て欲しい。


・キャラクター

 「闘神伝」で人気を集めた個性豊かなキャラクターたちを軽く紹介しよう。

  ・エイジ・シンジョウ  (日本刀使い)
   いかにも主人公といった感じのキャラクター。飛び道具に突進兼対空技、対地奇襲技に乱舞技と一通りのものがそろっており使いやすい。

  ・カイン・アモウ  (クレイモア使い)
   いかにもライバルといった感じのキャラクター。エイジと比べると自分から突っ込むより相手の攻撃をさばくことに長けている。

  ・ソフィア  (鞭使い)
   きわどいファッションに身を包む女王様。連続ヒットする必殺技でガードの上から体力を削る。

  ・ラングー・ライアン  (棍棒使い)
   棍棒を振り回すいかついおっさん。通常技の威力が非常に高い。

  ・ホー・ファイ  (鉤爪使い)
   齢100を超える老殺人狂。だが飛ばない飛び道具などトリッキーでコミカルな技の数々はどこか憎めない。

  ・モンド  (槍使い)
   古風な日本人キャラクター。上下の揺さぶりに長け、槍なだけある長いリーチを誇る。

  ・デューク・B・ランバート  (両刃剣使い)
   騎士道精神豊富な変則キャラクター。突進技のサザンクロスは弱で出すと相手を追尾し、強で出すと威力が跳ね上がる、彼を象徴する技だ。

  ・エリス  (短剣使い)
   妖精のようなコスチュームを着たヒロイン。スピードが速く、空対空、空対地の必殺技によるトリッキーな闘い方が可能。

  ・ガイア  (斬馬刀使い)
   圧倒的な火力で挑戦者を粉砕する、本作のラスボス。体力の1/5を軽く奪い去る飛び道具の数々が驚異的だ

  ・ショウ  (長刀使い)
   エイジの兄、カインの師匠。そのため二人を合わせ、さらに強化したような壊れた性能の持ち主。





・関連作品

 以降のシリーズは迷走を続けた。

闘神伝S新キャラクターやキャラクター同士の会話イベントを追加したSS移植版。だが・・・。
闘神伝2新キャラクター、新システムを導入し、最も人気を集めた続編。
・熱闘闘神伝キャラクターの頭身を下げGBに移植した作品。
・闘神伝2PLUS闘神伝2にセーブ機能を付け、一部の演出やカラーを変えた作品。
にとうしんでんPSで二頭身のキャラクターたちが闘う怪作。
闘神伝URA闘神伝2をベースにしてSSで発売された外伝。だがやはり・・・。
闘神伝3前作「2」の軽く倍のキャラクターが登場する続編。が・・・。
D-XHIRDエイジがゲスト出演。
・パズルアリーナ闘神伝なぜか落ち物パズルに。
・闘神伝カードクエストなぜかボードゲームに。
闘神伝昴シリーズにトドメを刺した問題作。


闘神伝:キャラクター紹介


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