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BOUNTY HOUNDSバウンティ・ハウンズ


プラットフォームプレイステーションポータブル
開発バンダイナムコゲームス
発売バンダイナムコゲームス
発売年月日2006年 9月
ジャンル3Dアクション
プレイ人数1〜2人 (対戦機能あり)
セーブデータ1つ416KB、3ファイルまで


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
煮え切らず 消化不良 光のエフェクトが美麗 やや変化に乏しい 粗い 「UGSF」の内部が垣間見える一作





※今回のレビューは若干のネタバレを含みます※


・ゲーム概要

 PSP初期に発売された3Dアクションゲーム。
 銀河連邦宇宙軍に所属するワケアリ傭兵部隊「バウンティ・ハウンズ」がエイリアンのはびこる惑星に飛び込んできったはったの大立ち回りを繰り広げて行くという内容を持ち、その最大の特徴としては装備中の武器の切り替えシステム「フラッシュウェポンチェンジ」を掲げている。
 またゲーム中に登場する武器や防具については「500以上」の数が登場しているらしく、ハックアンドスラッシュ系の魅力となるアイテム収集の面白みもアピールしているようだ。
 SFでハクスラ、しかもPSPと来れば後の「ファンタシースターポータブル」シリーズとの比較は避けられないと思われるが、さて・・・?


・ストーリー

 A.D.22XX、地球以外の天体を居住可能な環境へと改造する”テラ・フォーミング”計画を推し進める中、ETI(地球外知的生命体)と遭遇した人類は、宇宙領土を巡り、彼らとの激しい戦闘に突入する。
 戦場には、受刑者やマフィアから身を隠す逃亡者など、ワケアリの者たちばかりが集った傭兵部隊もいた。
 正規軍が嫌がる”汚れ仕事”を引き受け、報酬を得る彼らを、誇り高き銀河連邦宇宙軍(UGSF)の機動歩兵たちは「バウンティ・ハウンズ(報奨金に目の無いイヌども)」と呼んだ。
 そんな傭兵部隊のベテラン戦士、マキシミリアン・ウェブは、新たな仕事のため、仲間と共にある惑星に派遣された。
 戦いの中、彼は自分を取り巻く陰謀の渦を感じ始める……

 (説明書より抜粋)

 また少し捕捉すると、UGSFは兵器や技術を出資する「ゼネラルリソース社」の影響を強く受けており、またゼネラル社は同分野の「ニューコム社」と対立関係にありながらも「統合本部」の下で呉越同舟(同宇宙船)の状態にある。
 そして軽いネタバラシになるのだが、予備知識としてマキシミリアン(以下マックス)を狙う陰謀は2つある。
 一つはニューコム社の開発した「ウロボロス」というシステムに関する物、もう一つは「ゲノムハンター」と名乗る集団に関する物。
 こうした物語はハードボイルド調のイラストによるアニメーションコミックとして展開されるのだが、ここでは陰謀の規模に対して伏線が乏しく、最初のプレイでは物語のどんでん返しに対して驚きというよりは拍子抜けな感想を覚える恐れがある。

 また、このジャンルに厚い人ならばゲームの概要とストーリーを見比べてやや引っかかる点があったかもしれない。
 そう、本作の主人公は「マキシミリアン・ウェブ」という一人の男であり、「キャラクターメイキング」や「マルチプレイ」といった概念が存在しないのである。
 ストーリーに重みを持たせる意味では必要な設定だったのかもしれないが、「ファンタシースターユニバース」が採ったようなストーリーとマルチプレイを分ける設計もなく、この点は流行に乗りそびれた難点と映るだろう。
 バンナムと言えば後の「ゴッドイーター」が「モンハン」・「PSPo」に並ぶ3本の柱の一つとなるわけだが、そこには本作の反省が活かされていたのかもしれない


・アクションシステム

 本作のシステムは「直感的」と「簡単」をキーワードに作られているらしい(公式サイトのスタッフコメント集より)。
 主人公マックスは左右両方の手に武器を持って戦い、時にはバリアを張って身を守ったり、補助効果を持つフィールドを展開して状況を整えたりしてエイリアンの群れをなぎ払って行く。
 右手武器での攻撃は、左手武器は、バリアが×で、フィールドがだ。
 また本作の特徴とも言える「フラッシュウェポンチェンジ」は、Rトリガーとそれぞれのボタンを押すことでメニュー画面や読み込み時間を待たずして武器を瞬時に切り替えられるというシステムである。

 ・・・と、基本システムは確かに直感的で簡単なのだが。
 本作にはさらに、両手の攻撃を交互に繰り返すことで途切れること無い連続攻撃(≒ザコ一体ならハメられる)を繰り出せる「スイッチ攻撃」、展開したバリアごと体当たりして攻撃の隙をキャンセルする「フォースチャージ」、バリア展開中の攻撃がゲージ消費の必殺技になる「フォースインパクト」、補助フィールドを2つ以上干渉させることで発生する「シナジーフィールド」や「フィールド・エクスプロージョン」、HPやMPを回復させる予備エネルギー「ライフフォーム・トランスファー」・・・。
 ・・・と多数の応用システムがある。(しかも、どれも名前を覚えづらい気がする
 特にバリア、正式名称「フォースシールド」周りはかなり複雑で、

 ・一度に攻撃を防げるのは3回まで
 ・回数を超えて攻撃を受けると逆に大ダメージを受けるようになる
 ・展開中は移動速度が上がる
 ・展開中の攻撃が必殺技に変わる
 ・ちなみに必殺技のモーション中は無敵
 ・展開中のが体当たり攻撃に変わる
 ・対応した「スキル」を覚えると、被弾直後に展開する事で前転して後続の攻撃を回避するアクションに変化する (端的に言って手遅れなのだが説明書では必須スキルとして勧められている)
 ・対応した「スキル」を覚えると、防いだ分のダメージを必殺技の威力に上乗せできる

 と、ざっとこれくらいの機能が詰め込まれている。
 必殺技の発動前は被弾への保険になり、またそのまま無敵時間による回避が可能、移動速度の上昇も回避からマップ内の探索まで活躍するなど、至れり尽くせりの多機能っぷりだ。

 が、いかんせん3回しかもたないので防御性能の方がまるで期待できない
 敵の包囲を凌ごうと思って展開しても通用せず、敵がばら撒いてくる牽制射撃などには連続ヒットしてあっという間に破られる、しかも破られた後は普段以上の大ダメージを喰らってしまうので力不足どころか逆効果という自滅っぷり。
 またボスの大攻撃などには一撃でバリアを破り大ダメージまで適用させて来るインチキくさい特性があるため、巨大ボスの突進に対してバリアで待ち構えようものならもりさきくん ふっとばされたーっ!
 機能それぞれはシナジーが有っていいのだが、肝心の防御性能がもうちょっと何とかならなかったのかと頭を抱えるところである。

 一方で、視点の変更システムはシンプルすぎて問題がある。
 Lトリガーでカメラがキャラクターの背後に移動するのみ、ズームイン/アウトや視点回転はもちろんロックオンすら実装されていない。
 このため戦闘中は常に「相手を視界に捉える」操作や立ち回りを必須としてしまっており、この点で余計なストレスを溜める形となってしまっているのだ。
 (実はボス戦に限ってLトリガーをホールドし続けることで相手を視界内に捉え続けるシステムもあるのだが、カクカクと断続的に位置調整を行うような動きなうえキャラクターの向きが同期されないなど頼りなく、扱いとしては開発スタッフのコメントでようやく存在が明かされた裏技のようなものである。

 また、これと相乗効果的に影響する問題点がさらに2つ。
 一つは、本作の敵キャラクターが時間差でリポップするという点。
 具体的に言うと、一か所に沸いた敵を殲滅しているといつのまにかそこに新たな敵が湧いて攻撃してくるのである。
 視点変更の乏しさがこれと合わさって、本作ではいくら敵を倒しても背後から新たな敵に襲われるというなんともストレスフルなプレイ感を受けてしまう。
 もう一つは、本作のアイテムの回収方法が「相手の残骸の上に立ってLトリガーを押し、表示されたボタンを押す」という操作である点。
 操作自体も煩雑だと思うのだが、敵との戦闘の真っ最中に視点変更がアイテムの取得画面(※リアルタイム)に化けるのだからこれもたまったものでは無いだろう。

 と、実際にプレイして見るとあまり操作性は良くない部類である。
 本作の特徴であるはずの「フラッシュウェポンチェンジ」も、実は「一度に設定できる武器が片手につき2つずつ」という制約があるためシステムとしてあまり活きていない。(切り替えずに同時押しで第二武器使用、でもさほど問題が無い)
 読み込み時間を省くためにこの数に限ったのかもしれないが、なんとも煮え切らない実現度である。


・アイテム収集

 では、操作関連を確認したところで本作における戦闘の報酬、アイテムについて詳しく見てみたい。
 本作に登場するアイテムは大雑把に分けて「武器」・「防具」・「モジュール」の3つ。
 「武器」と「防具」はそのまま、「モジュール」はそれらに特殊な能力を付け足す物と考えればまず問題は無い。
 回復アイテムなどは先のライフフォーム・トランスファーに統合されており、拠点への帰還はノーコストで行える。

 「武器」は9種類。
 ・攻撃力は控えめだが攻撃範囲が広く動作も軽い「ソード」
 ・やや動作が重いが威力に長ける「アックス」
 ・さらに攻撃力に長け相手の体勢も崩せるが非常に重い「ハンマー」
 ・攻撃範囲が広く、さらにヒットした相手に残像を残して一定時間動きを妨げる「スライサー」
 ・攻撃範囲が長く、ヒットした後に連打するほど攻撃を継続する「パイルバンカー」
 ・小型の弾丸を3連射し小回りの利く「マシンガン」
 ・中威力の弾丸を発射し燃費に長ける「ショートガン」
 ・高威力のレーザーや榴弾など威力に特化した攻撃を放つ「ビッグガン」
 ・射程が短いが扇状に向き直りながら攻撃でき制圧力の高い「ガトリングガン」

 これらから両手に2種ずつ、合計4つの武器を選択して戦闘に使用して行くこととなる。
 惜しくも両手の武器を同時に使用した応用攻撃などは無いので、スライサーとパイルバンカー、マシンガンとビッグガン、など過不足を埋めるような構成で行くと快適だろう。

 「防具」は5種類。
 頭、胴、腰、腕、足、の5箇所に装備することとなり、中には名前や外見に統一性のあるシリーズ物の防具もある。

 また、これら装備には「テックスペック」という特殊な能力が付いており、例えば「物理ダメージを軽減」、「最大HP増加」、「敵撃破時にHP回復」、といった形で同じ装備でも異なる個性を発揮させている。
 多少性能に劣る装備でも、これらテックスペックに優秀な部分があれば十分逆転して装備を検討できるバランスだと言えるだろう。
 装備にはコモン、ハイ、オーバー、レジェンド、という希少性を示すグレードもあり、これが高いほど多くのテックスペックが付くのでこだわればこだわるほど長く遊べるはずだ。

 が。
 困った事に、本作は最初のプレイでは「コモン以外の装備が登場しない」という強烈な問題点がある。
 この原因を説明するのは困難なので割愛するが、せっかくアイテム収集に面白みを持たせたゲームだというのに最初のプレイ、すなわち第一印象においてその面白みにお預けをかけてしまっているのだ。
 これは、どう考えても悪手である。
 負けじとゲームを進めて行くとソウルエッジなるソードやディグダグなるパイルバンカーが登場してニヤリとさせられるのだが、操作性の良くなさに第一印象の絞りっぷり、このゲームを長く続けるのは少々厳しい話となるかもしれない。


・まとめ

 恐らく出発点は比較的オーソドックスなものだったと思うのだが、複雑にシステムを取り込み過ぎ、また必要なシステムを取り込まず、結果歪な形にまとまってしまった・・・といった内容。
 最初のプレイ感はハズしていると言わざるを得ず、一方で長くプレイしてもマルチプレイに対応していない(なぜか1対1の対人戦はあるが)ため飽きが来るのを避けられない。
 初めに触れた「ファンタシースターポータブル」との比較についてだが、本作の方をより推せる点はハードボイルドな世界観とアイテム個々の個性の幅、それからビッグガンの爽快感とパイルバンカーの吶喊プレイ、あたりに留まり、大多数の人にはあちらをオススメしたいのが本音といったところだ。
 あるいはむしろ・・・。
 「宇宙開発に携わる軍管理の戦闘集団」、「エイリアンと戦闘を繰り返してアイテムを収集する」、「特殊能力による装備の個性とカスタム性」、といった特徴に「メニューを開かずに装備を変更できる」、「必殺技などの派手なアクションを取り入れた」、といった改善点を加えた、元祖「ファンタシースターオンライン」の発展作として見た方が相応しいのかもしれないが。
 ・・・だとすると今度は「ファンタシースターゼロ」が対抗馬となるか、後発を前になんとも立つ瀬の無い一本である。


・ワンポイント攻略

 ・マックスはレベルが上がっただけでは一切ステータスに変化が無い。メディカルセンターでステータスポイントを割り振ろう。
 ・が、ステータスポイントは有限で振り直しも不可能。攻撃系ステータスの伸びはあまり良くないので、消去法的に体力か精神力に振るのが無難だとは思うが・・・。
 ・同様にレベルアップで獲得するスキルポイントの方は若干の資金と引き換えに振り直し可能。こちらは色々と試してみよう。
 ・敵を全滅させると稀に金色のオーラを纏った強敵が追加ポップする事がある。裏を返せば敵を全滅させるメリットはこれくらいなので広すぎるマップなどでは(障壁が無い限り)敵を素通りしてしまってもかまわない。
 ・第3章、扉が開かないと悩んだ場合は5本の柱に攻撃してみよう。





・関連作品

・『ギャラクシアン』ほか銀河連邦宇宙軍(UGSF)はナムコのSF作品に共通した設定。ロード画面でもその辺りにちょっと触れたコメントがある。
・ファンタシースターポータブルPS2とPCをメインプラットフォームにしたオンラインゲーム「ファンタシースターユニバース」の携帯機向け外伝作品。
市街の散策や自室のコーディネートといった世界観的な面白さは縮小したが、アクション面では高い再現度を誇り、成長などのRPG要素も形態機向けのスケールに整理され遊びやすさも押さえている。
個人的には続編の「PSPo2」が最も完成された作品だったと思うが、どちらもワゴン価格なので気になる人は要チェック。


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