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ページ公開:2020/04/28


POWER STONEパワーストーン 2


プラットフォームドリームキャスト
開発カプコン
発売カプコン
発売年月日2000年 4月
ジャンル冒険アクション
プレイ人数1〜4人
セーブデータシステム:5ブロック
ミニゲーム:128ブロック


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
派手さはある 不明瞭 カメラワークにやや難 にぎやか アイテムゲー 前作とは好みが分かれる





・ゲーム概要

 対戦型アクションゲーム「パワーストーン」の続編。「2」が付いた分多少検索の利便性が良い。
 段差や壁を活かして走り回りながら攻撃を応酬し、3つの「パワーストーン」を集めて変身し一気に勝負を決する・・・という爽快感あふれるゲームデザインを持っていた前作。
 ガード不能というシステムにホーミング性の強烈なジャンプキックが直撃して一見大味なゲームであったが、その実これは対戦を構成する一要素に過ぎず、手慣れれば簡単操作ながら豊富な選択肢を可能とし緊張感のある駆け引きを楽しめる優れた対戦ゲームであった。

 本作は続編として「4人対戦」に対応し、「アイテム」の種類も100種類へと大幅増加、「マップのギミック」もド派手で影響力の大きい物となり、大勢でにぎわえる楽しさを集中的にパワーアップさせた一作となった。
 また対戦についてはローカル環境のみならずデータ連携に対応したアーケード版の展開や通信対戦への対応に取り組み、この楽しさを誰とでも共有できる土台作りに挑戦していた。
 「マヴカプ2」でもビジュアルメモリによるデータ連携を取り入れていたが、そのあたりの試行錯誤の一つと言える。

 残念と言うべきか嬉しくもと言うべきか、発売からかれこれ20年経った現在でも本作の中古価格はなかなか崩れず少々のプレミアが付いているようなので、例によって「番外編」という扱いにして内容を見てゆくことにしたい。
 今遊んでもあまり古臭さを感じない内容なので、色んな意味で20年経っていることには「嘘だろ・・・」の一言である。


・対戦 Lv1 [◇◇]

 本作の基本ルールは前作を踏襲する。
 壁や段差の概念がある箱庭状のバトルフィールドでキャラクターを動かし、格闘攻撃やアイテム攻撃によって相手のHPを0にすれば勝利。
 そのうえでキャラクターはまた「パワーストーン」というアイテムを所持しており、相手の物を奪ったりフィールドに現れるものを拾うことで3つ集めると「変身」。
 一定時間強力な攻撃が使えるようになって相手を圧倒できるようになり、このため対戦ではいかにしてパワーストーンを集めるかという争奪戦がキモになる・・・とこういう感じだ。

 とはいえ本作は最大4人対戦可能な作品。勝利条件は「規定数のプレイヤーが倒れた時点で生き残っている」というバトルロイヤル方式になり、また対戦開始の時点で箱庭の中に最大4つのパワーストーンが存在していることになる。
 このため「一人が変身しそうな状況では自分のパワーストーンを死守して追撃を狙う」や、「変身後もイニシアチブを活かして積極的にパワーストーンをカバーし攻め手を緩めない」、といったバトルロイヤルならではの戦術が求められるようになっている。
 またプレイヤー同士で協力関係を結ぶチームバトルも設定可能だ。
 パワーストーンは箱庭に7つまで現れるルール(基本設定)となっているので時には変身したキャラクター同士の衝突というのもあり、前作のプレイヤーであっても驚くような状況が次々に待ち構えていると言えるだろう。

 また、驚くと言えば本作のステージ設計である。
 例えば古代遺跡を模した「トゥーム(墳墓)」エリア。
 投げられる棺や地面から飛び出す槍の罠、攻撃によって転がるメガロッ・・・大岩と初見の印象でも様々なギミックが用意されている。
 しかし、ここでギミックを叩いたり槍に刺さったりして戦っていると地面が揺れ出し・・・突如大穴が空いて全員が転落、通路をふさぐ大岩が転がってきてこれから逃げる横スクロールアクションへと場面が転換する
 もちろん大岩に接触すれば大ダメージは必至。ここでは大岩から逃げることを優先しながら、時に敵へ妨害攻撃を繰り出すことで普段以上の優位を狙うことができるパートとなるわけである。

 他のステージにもそれなりのギミックがあり、本作ではこうしたパニックの中でいかにしたたかに・臨機応変に立ち回れるかが勝敗を左右すると言えるのだ。
 初見におけるサプライズや緊張感は大したものだろう。


・対戦 Lv2 [◇]

 とまあ、良い所を挙げればそんな感じだ。
 代わりに4人対戦に対応した弊害も少なくなく、例えばキャラクターの演出が弱い点。
 4人全員を画面内に映さなければならないため本作のカメラは前作と比べてかなり引いた位置に配置されており、変身時の時間停止やアップ演出もカット。
 派手なステージギミックの数々もキャラクターよりギミックを移すような視点になっているためキャラクターの操作感が変わりやすく、またほかのプレイヤーが隠れてしまうような死角もできやすい。
 対戦ゲームなのにキャラクターが何をしているのかわかりづらい、というのは結構な欠点だろう。

 またキャラクターのアクションは前作から半減した
 前作ではパンチ、キック、ジャンプ、の3ボタン制で「パンチ+キック」の操作をアイテムを拾ったり相手を投げたりする「アクション」に割り当てていた。
 しかし本作ではパンチとキックを「アタック」に統合して、「アクション」をワンボタンで行えるようにしたのだ。
 アクションボタンが出来たのは一見うれしいところだがこれは家庭版では前作と同様。
 ドリームキャストコントローラーは4ボタンあるのでアクションに割く余裕があり、今作ではアーケードをこちらに合わせてほしかったところである。

 さてパンチとキックのいずれかが犠牲になってどのような影響が出たかというと、まずジャンプキックがほぼ廃止された
 なぜか(というか必然と言うか)ジャックのみ継続して使用可能だが速度やホーミング性能は大幅に落ち、他のキャラクターでは空中で目の前に攻撃する技が残されることとなった。
 垂直落下攻撃は続投したので縦方向にかく乱するアクションはそれほど損なわれたわけではないが、横方向に接近するアクションはかなり限定されたと言える。

 また、入力上キャラクターの必殺技に相当する「パワードライブ」が半減、各キャラクター地上・空中の1〜2種のみになった
 これはかなり致命的である。飛び道具と突進、直線と面、など各キャラクターのパワードライブは相互に補い合うような性能の物が多かったというのに、それを一つないし二つに減らしてしまったのだ。
 戦術はワンパターンになりやすく、キャラクターの個性においても悪手と言える変更である。
 サマソのないガイルや波動拳の無いケンはキャラクターとして相当厳しい所であろう

 さらに、こうした調整とは別にして、投げ技も削除
 本作の投げは相手キャラクターを頭上に持ち上げて任意の方向に投げるリフトに統一され、喰らわせてもパワーストーンを落とさなくなったほか各キャラクターのユニークな投げの数々は失われた。
 ダメージ的にもあまりリターンの無いアクションとなり、この変更には頭を抱えるところだ。
 いっぽう、変身後のハイパーアーマーを廃止。通常攻撃でもひるむようになってしまった
 防御力は上昇するので多少の優位はあるが、技が減ったことと併せて変身しても前作ほどの圧倒的な優位というのは得られなくなっていると言える。

 追い打ちをかけるように、キャラクターの移動や攻撃など全体的なゲームスピードもだいぶ低下している
 とはいえ「ガンロック」と「あやめ」でほとんど移動速度に差が付かないあたり、これはおそらく移動速度の格差を埋め合わせた結果なのだろうが・・・。
 これらの調整はあまりゲーム慣れしていないプレイヤーに向けた調整かと思える面もあるが、前作経験者として言わせてもらえば「改悪」、あるいは「劣化」という変更である。
 こうも変身やキャラクターの要素が薄いと「パワーストーン」というタイトルを怪しく思うくらいだ
 何しろ、ここまで変更点を挙げてもまだ100種類のアイテムについては触れていないのである。


・対戦 Lv・・・? [◇◇◇]

 数字の多さで魅力的に見えるが、100種類のアイテムというのは実のところ物によっては拾っただけで対戦を一変させうる劇物を含む。
 どれから見てゆくか悩ましいが、例えば前作には「パワーシールド」というアイテムがあった。
 拾ってから手放すまでの一定時間相手の攻撃を無力化し、投擲などの遠距離攻撃から身を守ったり強引に接近したりといった用法が可能、しかし持ちながらの攻撃はできず投げには無力なのでつけ入るスキもあると言うアイテムであった。
 本作にもこれが続投したのだがー・・・
 加えて投げも無力化する「豪華な盾」、装備中に相手を石化するパルス?を放てる「メデューサ」、という上位互換が登場してしまっている
 持っている間プレイヤーに対して完全無敵になるアイテムも、反撃を無力化しつつ行動不能化攻撃を連射してくるアイテムも、対戦においては大概な壊れだろう

 また、前作では目の前に振り回すことでダメージを与えていた「鉄パイプ」や「剣」についても、相手を派手に吹き飛ばす「デカイラケット」や凍結の追加効果がある「氷の剣」、また単純に痛い「冷凍マグロ」など様々なバリエーションが登場した。
 ほか、「りんご」や「肉」などの回復アイテムにもより上位の物が拡充され、「ブタの丸焼き」や「ウェディングケーキ」という体力を大幅に回復するアイテムも登場している。

 ・・・つまり、前作よりはるかにアイテムの影響力が大きく、またたまたま拾えたアイテムの質の良し悪しによって戦局が左右される運ゲー色も濃くなってしまったのだ。
 パーティーゲームとしては、このランダム性やド派手な効果の数々は飽きづらく「楽しい」要素と見ることができる。
 しかし対戦としては運の要素が大きくなりすぎるし、アイテムを使った攻防ではキャラクター固有の能力がほとんど活かされない。遅い方に合わせてキャラクター全体の速度を調整したのもここでの有利・不利に配慮したのではあるまいか。

 家庭版で言えばこうしたアイテムは「エクストラオプション」によって一括して無力化することもできるが、個別のオンオフやアイテムの「ランク」ごとの制限などは対応していない。
 ここを細かく調整出来れば個人個人で納得のいくアイテムバランスや爆弾アイテムオンリーのド派手な攻防、冷凍マグロでの叩き合いなどさらに多様な遊び方を提示できたと思うだけに残念である。

 また、本作で最も強力なアイテムとしては「スクーター」を挙げよう。
 拾った瞬間から全身に攻撃判定を発生させつつ行動可能なこのアイテム、ひき逃げアタックによる一撃離脱戦法は変身なんぞよりよっぽど戦況を一変させる
 仕様上パワーストーンはフィールド上に7個まで現れるためいくら積極的に確保しても他人の変身を防げないのに対し、こうしたレアアイテムは誰が取ったかで有利・不利を決定づけるだろう。


・アイテムショップ

 ・・・と文句を付けながらも、さらに本作のアイテムをいくつか挙げてみたい。
 実のところこれらのアイテムは最初からすべてが開放されているわけでは無い。  アーケードモードをアレンジした「アドベンチャーモード」でアイテムを拾い集め、インベントリに加わったアイテムを「アイテムショップ」モードで合成することによって徐々にアンロックしてゆくという形式なのだ。
 いわばRPGのようにアイテムを集めてゆくという工程があり、物欲センサーに負けじと掘ったり合成結果に期待しながら一喜一憂したりしているうちにそれなりの愛着が湧くのである。

 ・3WAYショットガン
 水平に飛ぶ弾丸を3方向に発射する武器。適当に撃っても当てやすいほか密着して撃てばさらなる大ダメージを期待できる。
 ゲーム初期から合成によって作ることができ、その他の銃系武器のもとともなる、本作の代表的な新アイテムの一つである。

 ・アームガン
 孤独なSilhouetteが動き出すヤツ。腕に装着して緩やかに相手をホーミングするビームを発射でき、威力・命中率ともにかなり驚異的。
 ちなみに本作には同じモーションで使えるMEGAでロックなソレもある。

 ・子猫
 拾ってからしばらく自律行動して敵を攻撃する黒(?)猫。
 複数の上位アイテムが存在するが、キャラクターのアクションを制限せずに攻撃を補助してくれるこれらはいずれも使い勝手が良いだろう。

 ・石化薬
 飲むとハイパーアーマー状態になるアイテム。
 一方で相手に投げつける応用も可能で、この場合は一定時間操作不能にさせる。

 ・トラバサミ
 ベアトラッ・・・投げたり置いたりするとその場に残って接触した相手にダメージを与える罠系アイテム。
 有効に使える場面は少ないと思うが、先の「トゥーム」マップで槍と重ねたり大岩の軌道上に置いたりすればトラップコンボが実現できるかもしれない。

 ・斬竜刀
 柱振り回し並の広範囲・高威力攻撃を、持ち歩きながら複数回繰り出せるトンデモ武器。
 あまりにも巨大で大雑把なのでポップしたら一発で気付くが、それゆえに他人に拾われたらなかなかの威圧感を覚えるだろう。

 ・悪魔の鎌
 威力は低いが切りつけた相手を短時間行動不能にする特殊効果付き。
 アドベンチャーモードの最終ステージで入手可能なあるアイテムを組み合わせることで合成でき、少々印象深い。

 ・悪魔の羽
 拾うと背中に装着し、しばらく多段ジャンプが可能になるアイテム。
 後述のシステムと組み合わせてぜひ欲しいアイテムの一つだが、入手はかなり困難・・・?

 ・・・とこうしたアイテムがあり、またこのうち気に入ったものは5つまで「ハンディアイテム」として登録することができる。
 登録したアイテムは対戦中にプレイヤー番号を明記したビジュアルメモリ型の宝箱として現れ、対応したプレイヤーのみが獲得できるハンディとして機能するのだ。
 最初にちらりと触れたアーケード版とのデータ連携というのもこれのことで、家庭版で集めたアイテムの数々はゲームセンターで強力な優位として機能しえたわけだ。
 ・・・対戦ゲームとして、当時の反応が気になるところであるがともあれ。

 またアイテムの中には「デコレーションアイテム」というものがあり、「麦わら帽子」や「猫のしっぽ」といったものをキャラクターに装着してささやかな着せ替えを楽しめるという要素もある。
 これは対戦中には登場せず、事前に登録しておくことによってのみ利用可能だ。
 21種しかなく拡張コンテンツなどもないのであまり本格的に導入されたものとは言い難いが、3D対戦ゲームにおいて自キャラクターの外見をカスタマイズする要素としては先駆け的な物であったと言える。

 対戦バランスに与える悪影響が恨めしいが・・・こうしたアイテムの数々はひとつ本作の魅力として数えられるだろう。


・キャラクター

 繰り返す通り本作ではキャラクターごとの個性や性能差が抑えられてしまっている。
 前作と比較するとどこが削がれたかという話が中心となってしまうが、まあそれでも一通りを見てゆくとしよう。

 ・フォッカー
 赤を基調とする主人公キャラ。冒険家で、飛行機を模したロボットのような姿に変身する。
 前作では神龍拳のようなパワードライブ「パワーハリケーン」を使うことが出来たが、本作ではオミットされてミサイル一本槍に。
 どのキャラも移動速度が変わらない本作では「二段ジャンプ」の特性をフルに活用したい。

 ・ルージュ
 占い的中率200%の妖艶な女占い師。炎を操り、変身後は炎をまとったランプの魔人のような姿に。
 出が早く強力だった突進技「夢への誘い」がオミット。変身後は業火の吐息や絨毯爆撃で広範囲をまとめて制圧できるが・・・。
 本作のジャンプ攻撃はパワーストーンを落とせないがジャンプキックに近いもの。速度もそこそこあるのでこれを活かして機動力を発揮しよう。

 ・ワンタン
 スーパーでサイヤ な姿に変身する拳法家。
 本作では「龍颱風」がオミット。ただし主力の龍牙弾を撃てる弾数がかなり増加しているのでトータルでは強化と言ってもいいか?
 もっとも、ウリであったスピードが落ち込んでいるうえ垂直落下攻撃の速度が遅く、全体的にパッとしないが・・・。

 ・竜馬
 強者との戦いを求めて放浪の旅を続ける武士。銀の鎧武者姿に変身する。
 出の早い飛び道具「居合斬」がオミット。ただし地上と空中で性能が大きく変わる「雷刃剣」は選択肢として十分だ。
 また武器持ちとして通常攻撃のリーチがやや長く、地上での差し合いとなれば比較的有利を取れるだろう。

 ・あやめ
 旅芸人に扮するくノ一。変身すると巨大な手裏剣を背負ったピンクの忍者姿に。
 元々あまり使わなかった「桜花隠れ」がオミット。これはいいがパワーフュージョン「桜花の舞い」も演出の長い投げ技と言うことを嫌ってか別物に差し替えられている。
 一応スピードキャラとして紹介されている本作では「二段ジャンプ」を持つとともに垂直落下攻撃の速度に優れる。上下の速度で相手をかく乱すべし。

 ・ガンロック
 パワーが持ち味の鉱夫。筋肉質すぎてシルエットがちょっと丸い。岩で出来た巨人に変身する。
 座標攻撃「ロック・ザ・クラッシュ」がオミット。4人対戦ではやむを得ないか・・・?
 鈍足という欠点は無くなったが投擲の速度は相変わらず目を見張る水準。アイテムに頼らずとも遠距離戦での応戦能力が高いキャラだ。

 ・ジャック
 謎に包まれた連続殺人鬼。奇妙な動きが目立つ不気味なキャラだがなぜか萌えキャラとの声が高い?
 「ローリングスラッシュ」がオミット。残る「ラウンドスラッシュ」は範囲が広く複数キャラクターをまとめて薙ぎ払う快感があるが片手落ちを感じるか。
 イロモノとして唯一ジャンプキックが据え置き。ただし全体的な速度低下がかなり厳しく腕も伸びなくなり滞空攻撃も消滅。かなりのナーフを受けた感が否めない。

 ・ガルーダ
 マッスルでパワフルなインディアン。変身すると木彫りのロボットのような姿になる。
 飛び道具「裁きの光」がオミットされ対空突進技「天空の叫び」のみに・・・なったかと思えば水平に飛んでいく応用技を習得したので死角はない。
 投げ技の大幅な弱体化やコンボの激減によって投げキャラと言う個性が薄れたが、別段不利が付く要素でもなく相変わらず強い。

 ・ピート
 大きなベレー帽とコミカルな動きが特徴のピノキオ少年。変身するとブリキのロボットになる。
 新キャラクター。通常アクションではあまり特徴が無いが、ジャックとは違う方向性でトリッキーな攻撃モーションにやや煽り性能を感じる。
 変身後は移動しながら飛び道具を放つことができ、パワーフュージョン2種とも広い攻撃範囲を持ちながら位置や向きの調整が利くことから制圧力に優れる。

 ・ジュリア
 日傘を手放さない貴婦人然とした少女。変身すると変態になる。 これよくお許しが通ったな・・・
 新キャラクター。日傘を武器にしてリーチに長けるほか、ジャンプボタン長押しで落下速度を緩めることもできる。
 変身後は股間の白鳥から何かを飛ばして相手を拘束でき、単純な攻撃にとどまらず強力なアイテムを奪ったりステージギミックを利用してダメージを与えたりといった嫌らしい戦法に応用が利く。

 ・グルマン
 一見コミカルなコックさんだが美食のためならどんな犠牲もいとわないという悪の料理人。変身すると怪獣になる。
 新キャラクター。パワーキャラでありながら武器持ちでリーチがあり攻撃速度も素早い部類。ぶっちゃけると強キャラ。
 変身後は飛び道具「フォール・エンタセル」が扱いやすいほか、複数のホーミング弾を打ち出すパワーフュージョン「プラ・ド・レジスタンス」はほぼ回避方法がない凶悪な性能を持つ。

 ・アクセル
 二丁拳銃を武器とするガンマン。変身するとバイク風のロボットになる。
 チュートリアルイラストでも活躍する新主人公的ポジションで、顔に傷があるあたりもロックマンXの同名キャラを連想するがまあ偶然だ。
 新キャラクター。壁アクション攻撃で銃を発射し遠距離まで攻撃することができるという目を見張る特徴がある。
 変身後は移動速度が飛躍的に上昇し、射撃攻撃「ビートアサルト」と合わせて戦場を圧倒できるだろう。

 ・メル
 アイテムショップの管理人。一定条件を達成すると使える隠しキャラクターで性能はジュリアのコンパチ。
 とはいえ容姿と変身後の性能は全く異なる。攻撃能力にやや乏しいが他を圧倒する三段ジャンプと滞空能力でアイテム争奪戦を制するのだ。

 ・プライド
 プライド・フォッカー。フォッカーのマイペースな親父さんで、一定条件を達成すると使える隠しキャラクター。
 二段ジャンプが使えず攻撃モーションも異なるなどコンパチとは言い難いが、変身後の容姿や攻撃は似通っている。
 旧式なのか攻撃の誘導性能に劣るが、その分高い威力を持つので直撃を狙え!

 ・・・と、前作からだいぶ増えた14人+ボスステージ。
 ストーリー面も気になるところではあるが、残念ながら本作に個別のエンディングはないようで特に新キャラクターたちの人物像は詳しく知ることが出来ない。もったいなく思うところだ。


・まとめ

 「パワーストーン」と「変身」の影響力からそこに至るまでの争奪戦、攻防の応酬に醍醐味があった前作に対し、キャラクター性能や変身後の優位を削いで「ステージギミック」や「アイテム」による偶発性を対戦の中心とした本作。
 簡単操作から誰でもとっつきやすくアイテムの引きやパワーストーンの巡り次第でド派手に快勝可能、はじめは見る側も遊ぶ側も「楽しさ」や驚きを得ることができるが、練習して上達する要素に乏しく派手なステージギミックも結局は見慣れたものになってしまうのですぐに飽きてしまうだろうというのが個人的な感想だ。
 「スマブラ」の例を見るにランダム要素を排した終点派と地形やアイテムも包括する戦場派は自然に住み分けがなされるらしいが、本作の場合も「1」派と「2」派に好みが分かれるように思う。
 あまり続編と言うことにこだわらず、大味でも賑やかな対戦アクションを求める人、特にゲームに不慣れなライトユーザーに勧めてみたい一作である。

 (もっとも、微妙にプレミアの付いたドリキャスソフトということでプレイするハードルがそれなりに高いのだが。PSP移植版もあまり内容が芳しくない。)





・関連作品

パワーストーン前作。ジャンプキックが強すぎると言われがちだがキャラクターのアクションの幅は本作より多く、キャラクターの個性や対戦内容の密度はむしろ上であると思う。
個人的には「1」派である。(終点派というわけでもないが)
 
・パワーストーンポータブル略してPSP。「1」と「2」をカップリングした移植版で、双方のキャラがクロスオーバーして参戦するなどした・・・が・・・。
 
・「SNK VS  CAPCOM 激突カードファイターズ」シリーズ本作のキャラが出演。
 
・CAPCON VS SNK 2砂漠ステージの背景にフォッカーらしき人物が。
 
・「ポイッターズポイント」シリーズプレイステーションの対戦アクションゲーム。対戦フィールドの中に落ちているアイテムを拾って投げつけるというシンプルな対戦ルールで最大4人対戦に対応している。
ぶっちゃけたところ前作とこちらのどちらが本作に近いか悩ましく思う。
 
・The Grim Adventures of Billy & Mandy同名のカートゥーン(邦題は「ビリー&マンディ」)をゲーム化した作品。ハードはWiiで、日本未発売。
カプコンは一切関わっていないがキャラクターのアクションやアイテムの性能などに本作を模倣したと思われるところが多い。
 


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