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ページ公開:2022/03/08


MONSTERモンスター HUNTERハンター PORTABLEポータブル2G


プラットフォームプレイステーションポータブル
iOSスマートフォン
開発カプコン
発売カプコン
発売年月日2008年 03月 27日(PSP)
2014年 05月 08日(iOS)
ジャンルハンティングアクション
プレイ人数1〜4人
セーブデータ約1.4MB(PSP)


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
「ハンティングアクション」 ほぼなし モンスターのモーションが豊富 多くのモンスターに専用曲あり 理不尽さが無視できない PSP最大のヒット作





ひと狩りいこうぜ



※※※今回のレビューは多めのネタバレを含みます※※※


・ゲーム概要

 2007年2月22日にリリースされ、PSP初のミリオンヒットを記録した「モンスターハンターポータブル2」の拡張版。
 拡張版ということで内容の大部分は「P2」と同じくするものの、「1」、「2」、と続いてきた口コミでの評判がここにきて開花し400万本もの、まさに怪物的な売り上げを記録することとなった歴史的ヒット作である。
 PSPソフトの歴代売り上げは続編「P3」が470万本でトップであるものの、本作はベスト盤とベスト盤の廉価版まで出ていて合算では572万本、売上ランキングでシリーズの次に来るのが「ディシディア」の100万本というからこれはケタ違いの数値というほかない。
 本作は誇張一切なしにPSPで最も遊ばれたゲームソフトなのだ。
 (※本数はいずれも国内の数値)

 なお本作はiOSスマートフォン用のアプリとしても移植されたが、こちらはiOSのアップデートに付き合いきれなくなってすでにサービスを終了しているため本稿では特に触れないこととする。


・思い出はコゲ肉の味

 ・・・とはいえ、個人的にはこのブーム期には冷ややかな反応であった。
 というのは一緒にプレイしようという友達がいなかったからとか一緒にプレイしないかという友達がいなかったからとかではなく、ましてや一緒にプレイ や ら な い か などという友達がいなかったからでもない。

 「クソモンス」のクソ挙動っぷりや「斬れ味(※ゲーム内表記)」・「肉質」などの説明不足ぶり、硬直が長くレスポンスの悪い操作感に「モンハンカメラ」とも言われる劣悪なカメラワークなどなどがまっっったく肌に合わなかったためである。
 お試しということで「P2」の方を借りてプレイした際は、「訓練所」で長々チュートリアルを受けた後「簡単クエスト」という言葉をうのみにして集会所下位☆1に突撃し、
 初期装備でドスギアノスと30分にわたる死闘を演じたり、
 その後「頭がドロップしない」と言いながら何日も周回を重ねたり、
 調子が出てきたと思ったころにガノトトスの亜空間タックルでキャンプまで吹っ飛ばされたり、
 大量のカジキマグロを抱えながらいつまでも黄金魚が釣れないと涙目になったり、
 しているうちにすっかり興味が冷めてよそに関心が移るという様相であった。

 今振り返れば意地になっていたとはいえ、ほんとにアホらしいことをしていたと思う

 ストーリーらしいストーリーのない本作はゲームの導線という物が貧弱であり、「訓練所」の初心者講習はまさにチュートリアル専用として装備の強化に結びつかず、ソロ向けクエストを案内する「村長」は道端の老婆として存在感が希薄、クエストの窓口として目立つ「集会所」はオンラインとオフラインに分かれているもののともにマルチプレイ推奨の強さに設定されている、等々思いもよらなかったのである・・・。
 ちなみにその後「P3」の微妙な反応を見て本作「P2G」に手を出したものの、今度は今度でラオシャンロン亜種に心を折られてしばらくホコリを被らせることになった(足を叩いてひるませつつ「弱点の頭」を攻撃するものだと思い込んでいた)。

 本作が大ヒットした背景には、
 ・同時期にプレイする人口が多く話題の共有がたやすかったこと
 ・攻略情報を共有するためのwikiやyoutube動画といったネットインフラが整った時期と重なったこと
 ・PSP自体も映像出力ケーブルでテレビ・ビデオに映像を出力できるなどしてプレイ記録を保存する環境をサポートしていたこと
 ・攻略に詰まっても友達に助言や協力プレイを頼めたこと、また、「訓練所」にてマルチプレイ必須の高難易度コンテンツが用意されていたこと

 といった「攻略情報の共有のたやすさ」がひとつ挙げられることがあり、またこれは多くの場合友達や家族との「コミュニケーション」をゲームの一部として楽しませることにつながったのではないかと思える。
 参考程度だが本作は海外ではあまり反応が芳しくなかったらしく、このあたりからも流行大好き日本人という国民性が上手くかみ合ったのではないかと愚考するところだ。


・砥石の持ち込み忘れにご用心

 さて、PS2でリリースされた初代「モンスターハンター」よりゲームのジャンルは「ハンティングアクション」である。
 村ないし拠点で「装備」を整え一種類の「武器」を決めたら「クエスト」を受注してフィールドに移動、「モンスターの狩猟」や「アイテムの納品」といった目標を達成して新たな装備を作るための「素材」を集め、作った装備でより高難易度のクエストに挑んでゆく・・・という流れだ。
 クエストにはプレイヤー1人で挑むものもあるがシリーズが主眼に置いているのは最大4人のプレイヤーと協力して攻略するという「マルチプレイ」向けのクエストであり、より一般的な表現を用いれば本作のゲームジャンルは「MOARPG(マルチプレイヤーオンラインアクションロールプレイングゲーム)」、あるいは「協力プレイ対応アクションRPG」となる。

 (開発者のコメントとして「ファンタシースターオンライン」を参考にしたことが有名だが、本作のヒットを受けて多数の後続が出たこともあってすでにジャンルとして定着した形式だろう)

 こうした流れは本作の「ひと狩りいこうぜ」というキャッチコピーに集約されるが、ひと狩り行く前にちょっと待って「準備」について気にしておこう。
 というのは、本作のプレイヤーキャラクターとなる「ハンター」は、空腹の度合いに相当する「スタミナゲージ」、武器の消耗度に当たる「斬れ味ゲージ」、寒さや暑さに対する「バフ」、といったいくつかのステータスを万全の状態に保っていかなければならないのだ。
 シンプルなアクションゲームならわずらわしいだけだしぶっちゃけ無い方がいい概念だが、逆にこのわずらわしさがあることによって「狩り」という行為の没入感を得られるのが本シリーズの言う「ハンティングアクション」なのだろう。

 まず、ハンターは獲物となるモンスターを探し回るためあちこちを走り回らなければならない。
 通常移動のほかにRトリガーを押している間「スタミナ」を消費しながら移動速度の速い走り状態になることができ、またこのスタミナは一部の武器アクションや回避アクションを使用するためにも消費することとなる。
 消費したスタミナは時間経過で回復してゆく一方、「スタミナゲージの上限」は時間と共に減少して行動が制限されていってしまうため、適度に「こんがり肉」や「元気ドリンコ」といったアイテムを口にしてこの上限を回復させてやる必要があるわけだ。

 「こんがり肉」の場合、フィールドにいる(おおむね)無害な草食モンスターを狩って「生肉」を手に入れ、持ち込んだ「肉焼きセット」で肉を焼くミニゲームをこなせばいい。
 軽快な音楽と共にハンドルを回し、タイミングを見て取り上げて「上手に焼けました〜♪」の声が響くのはCMでも使われた代表的なシーンだ。
 「元気ドリンコ」の場合、フィールドを注意深く探してハチの巣からハチミツを、また一部の草むらから落陽草を「採集」し、この二つを「調合」することによって作成する。
 ほかにも薬草とアオキノコで「回復薬」、サボテンの花とにが虫で「漢方薬」、といった消耗品を現地調達することができ、この調合システムはハンターにとって欠かせない。

 ただし肉焼きはタイミングを見誤ると「生焼け肉」や「コゲ肉」になってしまい、調合も成功率の設定があって「もえないゴミ」になることがあるので必要な分は初めから持ち込むのが基本だが。
 むしろ、一度に「10個」までしか持ち込めない回復薬でもその材料を持ち込むことによってそれ以上に持ち込むことができるため、現地調達はともかくこうした用法において世話になることだろう。

 次に、ハンターは「大剣」や「双剣」といった武器を振るってモンスターに斬りかかることとなるが、刃物というのは使うたびに刃が欠けたり油が付いたりして「斬れ味(※ゲーム内表記)」が落ち、「砥石」で研いでやる必要が出てくる。
 鈍器の「ハンマー」や「狩猟笛」も研いでやる必要がありどう見ても柄をこすっているだけなのだが、まあそういうものとしておこう。
 砥石もやはり必要な分を持ち込むのが基本だが消費アイテムとして使い捨てることになり、不足してしまえばモンスターの「肉質」の前に刃が立たないということになる。
 肉質については後ほどとくと説明するとして、砥石を現地調達するには岩場で「ピッケル」を使って採集すればよい。
 フィールドのところどころに裂け目のある岩場があり、ここで「ピッケル」を使用すればランダムなアイテムが返されるという仕組みである。
 もっとも中には「カブレライト鉱石」や「鎧玉」など装備の制作や強化に必要なアイテムも含まれているため、砥石が必要でなくとも折を見てこなしておく必要があるだろう。
 同様に「虫あみ」や「釣りエサ」も採集に用いるアイテムだが、こちらの需要はやや限定的だ。
 本作の場合はフィールドに行かずとも拠点に当たる「ポッケ村」の農場である程度これらのアイテムを調達できるため、うまく活用しよう。

 それから、マップによっては極端に「寒い」とか「暑い」とかいうロケーションがある。
 雪山などではスタミナゲージが高速で消耗され、火山などでは徐々にHPが減少してゆく、という具合である。
 これに対処する場合、ひとつには「装備」を見直す手がある。
 毛皮が温かい「マフモフ」シリーズであれば寒さの影響を無効化することができ、大きなヒレが放熱板になるのか「ガレオス」シリーズであれば暑さの影響を無効化できる、という調子だ。
 ただ、こうした防具はキャラクターの「スキル」や「防御力」を決定づける極めて重要な存在であり、寒さや暑さの対策として選ぶのは役不足だ。
 もうひとつに「ホットドリンク」や「クーラードリンク」を使用して無効化状態、すなわち「バフ」を獲得するというものがあり、実態としてはこれで対策すれば問題ない。
 それぞれ調合によって作成することもできるが、雪山では材料のトウガラシが、火山では材料の氷結晶が、という具合に材料が現地調達できないので準備を忘れるとかなり厳しいことになるだろう。

 ・・・と長々書いておいてなんだがはじめのうちはクエスト開始地点の「キャンプ」に「支給品」として必要な消耗品一式が用意されている
 ついでに、すべてのクエストで1時間未満の「制限時間」が設定されているのでふつうはのんびり現地調達をアテになどしない
 こうした知識が本格的に必要になってくるのは支給品の到着にタイムラグがある「上位クエスト」や「連続狩猟クエスト」あたりからで、そこに至るころには「行商」のバアちゃんや「アイルーキッチン」から消耗品の安定供給も可能になっていることだろう。

 この辺、個人的には必要なんだか必要でないんだか困惑するところなのだがちょっとした理由から「砥石」を持ち込み忘れて地獄を見た覚えがあり、やはりクエスト前後の持ち物のチェックは欠かせない行程ではある。
 マルチプレイではこうしたアイテムを「受け渡す」事も可能なので、一度や二度のドジならむしろネタとして楽しむぐらいの出来事なのかもしれない。


・こやし玉が目にしみる

 消耗品の現地調達はともかく、モンスターの狩猟を二の次にフィールドのあちこちを調べてアイテムを集め、「調合」によって活用方法を探ってゆく・・・というのはMMOを彷彿とさせる本シリーズらしい楽しみ方の一つだ。
 序盤のほんの一時のことではあるが、モンハンの世界に訪れたのだという没入感に浸れる体験だろう。

 で、あれやこれやと採集と調合を繰り返しているとひとつ用途不明の謎のアイテムが手に入る。
 「こやし玉」である。
 調合の材料は「素材玉(石ころ+ネンチャク草)」と「モンスターのフン」、アイテムのアイコンは見事な4段とぐろ、というまごうことなきう○ちである。
 用法はボタンで投擲するというもので、着弾した個所から何とも言えないエフェクトが立ち上り画面全体を覆ってしまう
 アイテっ・・・アイテムの、解説を見ると、「着弾地点から、特定の飛竜が苦手とする異臭を発散する玉」とあるが、ではゴホッ その効果とは何だろうか?

 (〜 消臭玉 〜)

 投げて使うアイテム自体は他にもある。
 モンスターに直接当てることでミニマップにモンスターの位置が表示されるようになる「ペイントボール」、地面に潜るタイプのモンスターを驚かせ地上に引きずり出す「音爆弾」、毒状態にする攻撃を繰り出せる「毒投げナイフ」、といったものだ。
 いずれも戦闘に関連して活用することができ、その効果も明快という代物なのだが・・・。
 この「こやし玉」に関しては、その効果が明快ではない。
 「特定の飛竜」というのが何を指しているのか明確ではないし、「異臭を発散」したからどうだという話でもある。
 例えば代表的な飛竜「リオレウス」との戦闘中にこれを投げても特に反応はなく、「視力が退化し嗅覚によって獲物を察知する」という「フルフル」にこれを直撃させたとしても一切リアクションをとることなく茶色の煙の中で鼻を鳴らして索敵する
 しいて言えば同じようにフンを投げつけて攻撃してくる「ババコンガ」と平成う○ち合戦を繰り広げるくらいで、このアイテムはその効果が非常に分かりづらいのだ。

 正解は、「こちらに気づいていないリオレウスに投げると移動させることができる」である。
 敵対行動をとってしまえば効果はなく、フルフルのように対象を間違えていても効果はない。
 そもそも、本作は広いマップの中でどこにモンスターがいるか探し回って戦闘に持ち込まねばならないというひと手間を必要とし、これを緩和するために「千里眼の薬」や「自動マーキング」といった要素まで用意されている。
 「事前に戦闘を回避するアイテム」というのが、あまりに場違いで予想外なうえその説明も十分になされていないというわけだ。
 (なお「3」以降では条件や対象が大幅に緩和され「直撃させて」使うものになったことで大きく地位を向上させたという。)

 これが「こやし玉」に限った話ならまあ御覧の通りのネタ要員として片付くのだが、残念ながらこの「不条理」や「説明不足」は本作全般に散見される。
 例えば「スキル」である。
 本作においては各部位の防具に特定のスキルに対応した「スキルポイント」が設定されており、合計が一定の値に到達すると該当の「スキル」が発動する、という仕様になっている。
 ただし、ゲーム内で「スキル」それぞれが具体的にどういう効果なのか説明している箇所はほとんどない。
 「防御+20」や「体力+20」ならば、まあ分かりやすい。
 文字通りそれぞれのステータスに値を加算し、その伸びしろも「ステータス」画面や画面上の体力バーで確認することができる。
 しかし「攻撃UP【中】」は伸びしろが明記されておらず、「ステータス」で確認できる伸びしろは武器によって変化する。そう、これは「+5%」の倍率スキルなのだ。
 また「見切り+1」は「ステータス」に一切影響がない。「装備詳細」から武器の性能を確認すると「会心率」が+20%されているということを確認できるが、名前からは回避関係のスキルと勘違いしかねないだろう。

 いちおう、本作では自宅に「月刊 狩りに生きる」という雑誌が追加されるという設定で簡単な解説があるものの、この雑誌自体ゲームを進めなければ追加されないうえ具体的な数値に触れない話が多く、結局は「これら以外にも、便利なスキルはたくさんある。」として解説を放り投げている。

 しかして「斬れ味レベル+1」というスキルがあって、必要以上にスキルポイントを加算できるのに「斬れ味レベル+2」は存在しない、
 「砲術師」というスキルがあるがより多くのスキルポイントで「砲術王」という上位スキルが発動できる、
 「広域化+1」に対する「広域化+2」はほかのスキルであれば二段階分の追加ポイントを必要とする、
 肉系アイテムのスタミナ上昇量が増える「まんぷく」に対し上位スキルの「拾い食い」は肉系以外でもスタミナ回復のチャンスが発生する代わり発動が安定しなくなる、
 とスキル関連はプレイヤーを誤解させる設計が多く、それを確かめるにはゲーム内の素材と現実の手間を浪費するしかなく、試した結果無意味だったという例が幾度となく起こりうる。
 ゲーム内で「説明」ひとつあれば無用のストレスであり、これは難易度でも検証の面白みでもない
 モンスターの行動の中に突破口を探すようなゼロの中にプラスを探す感覚はなく、プラスだと思うところにゼロが出るという調子で落胆が残るのみだ。

 これはそもそもの「スキル」システムが同系統の防具一式を揃えて装備したときに必要十分なスキルポイントが貯まって発動する、というシステムであり、付け外しできる「装飾品」によって多少の追加や調整が効くにせよ、コストが重く構成の自由度が効かない設計であるという都合とも衝突する。

 もちろん当時からwikiやyoutubeでいくらでも攻略情報を得られたわけだが・・・この攻略情報を調べるという行為それ自体を自力での「攻略」を放棄する行為として嫌い、極力個人で完結させたいと思う者もいる。
 自身としては、当時これに意固地になった結果無意味にストレスを溜め本シリーズになじめないという形になったのだ。
 (同じ理由でMMOによくある「予習必須」のコンテンツも嫌っている


・憎き肉質

 「説明不足」について指摘したい部分はまだある。
 本作はこれまた没入感を高めるためなのか「ダメージ表示」がなく、攻撃がモンスターにどれだけのダメージを与えられたかは「出血」エフェクトや討伐時間から漠然と経験則を得るしかない。
 このせいで理解が難しいのが「斬れ味」と「肉質」、そして「武器の攻撃力」と「属性」というシステムだ。

 武器に「斬れ味ゲージ」があるということにはすでに触れたが、このうえで斬れ味ゲージの内容は武器によって不規則な色分けがなされている。
 この色によって割り振られるのが実際の「斬れ味」の段階だ。
 ゲーム内では「どんなザコを相手にしていても、ゴリゴリ斬りつけているウチに、斬れ味が落ちるモンだ。」、「斬れ味が落ちると、威力も落ちるし、攻撃した時に弾かれ易くもなる。」と説明されており、「連続使用」がやがて「ダメージの低下」と「弾かれ」の2つのデメリットを招くとされる。
 「ダメージの低下」については、攻略情報を参照すると「黄色」の段階で表記の100%の威力が出るのに対して一段階落ちた「橙」だと75%、二段階落ちた「赤」だと50%にしかならないという。
 「斬れ味」という表記から鈍器の「ハンマー」にはあまり影響がないのでは?と思うかもしれないがバッチリ有効な補正であり、特に最大でも橙状態にしかならない「骨塊」は表記上の威力そのものが出せないほどに重要な要素ということだ。
 逆に一段階上の「緑」では112.5%、二段階上の「青」では125%、となる。
 言い換えると緑から見て黄色は約88.9%、青から見て黄色は80%、であり、武器を選択するうえでは表記上の攻撃力より斬れ味ゲージの色分けの方が重要と言っても差し支えないわけだ。

 それから「弾かれ」とは攻撃を当てた際に「ガキン!」という音と共に特殊なエフェクトが出て、攻撃したハンターの体勢が操作不可のよろけ状態になってしまうというもの。
 一見ダメージも無効化されているようだがいちおうダメージ自体は通っており、この状態のデメリットは操作不能になって攻撃を食らう危険があることと、斬れ味を通常以上に消耗してしまうということである。
 結果余計に弾かれやすくなっていくわダメージも低下していくわよろけた分手数も減っていくわで、この状態の武器で戦闘を継続するのははっきり言って無謀でしかない。

 厄介なのは、こうした重要な要素でありながら「武器やアクションごとに補正がある」という点にもある。
 表記上の攻撃力が低い「片手剣」はプラスの補正があって実ダメージが高くなり、武器アクションによって斬れ味を消費しやすいガンランスはさらにマイナスの補正まであって通常攻撃が弾かれやすく、「大剣」の溜め斬りは瞬間的に強烈な補正がかかってダメージが跳ね上がる、といった具合だ。
 使い込むうちに経験的に分かってくるとは言え、画面表示上は同じ「斬れ味」なのに弾かれたり弾かれなかったりするというのはしばらく混乱のもととなるだろう。

 また斬れ味と共に「弾かれ」が発生する要因となるのがモンスター側に設定された「肉質」である。
 モンスターの足や頭、胴体といった部位にはそれぞれ「どの攻撃の何割をカットする」という「肉質」が設定されており、これと斬れ味によって極端にダメージが低下する場合に「弾かれ」が発生するわけだ。
 部位によって設定が異なるため、逆説的に斬れ味が落ちても弾かれづらい部位ほどよくダメージが通ると考えて構わないのだが・・・。
 ゲーム内ではこの「肉質」という表現は一切ない
 肉質については部位それぞれに大剣や双剣の「切断」とハンマーや狩猟笛の「打撃」、それから遠距離武器の「弾」に各種の属性を何割と非常に細かく設定されているのだが、プレイヤー視点では「自分の武器で弾かれないところを狙う」か「部位破壊のために弾かれても無視する」かくらいの対応しか取れず、そもそも斬れ味を保つよう心掛けていたら弾かれづらいことによってかえって肉質の差に気づきづらくなるというパラドックスを抱えているのだ。
 全身が岩に覆われたバサルモスやグラビモスを例に柔らかい個所を狙う重要性については言及しているものの、ガノトトスのように頭に当たるか首に当たるかでダメージが倍変わってくる例は自力で気付けるもんじゃないだろうと舌打ちするところである。

 加えて言えば「飛竜種」とされる多くのモンスターについて、姿勢上どの方向からでも攻撃できる「足」の肉質は硬い傾向があるようだ。
 本作は「味方同士の攻撃が当たり、体勢も崩れる」という基本システムがあるためマルチプレイにおいては各々離れて包囲するのが基本となるはずなのだが、これでは・・・。

 ・・・かくして「斬れ味」と「肉質」の影響を大いに受けるのが武器の「攻撃力」である。
 武器にはそれぞれ「攻撃力」の表記があり、本来であればこれを比較して装備の優劣を比較できるわけだ。
 だが、一部の武器にはさらに「属性」の表記があり、例えば「フロストエッジ」なら攻撃力98に対して氷属性240、「レッドサーベル」なら攻撃力154に対して炎属性150、と言った数値が割り振られている。
 ここまでを見てくるとある疑問がわいてくると思う。「この意味不明の数値はなんだ?」と。
 同レアリティ帯の武器は攻撃力196だがほとんど黄色ゲージの「クリムゾンクラブ」、攻撃力168だがそこそこの緑ゲージがある「ドスバイトダガー」、があるのだが、斬れ味のことを振り返るとドスバイトダガーの方は実質攻撃力189でやや弾かれにくいという点で比較しても見劣りしない。
 (まあ会心率とスロットの差もあるが置いておくとして)
 では、フロストエッジは攻撃力98に加えて氷属性240のダメージが通り、レッドサーベルなら攻撃力154に加えて炎属性150のダメージが通る、同レアリティの1.5倍ほどの高ダメージを誇る優秀な武器なのだろうか?
 答えはもちろん「ノー」である。
 イノシシ型モンスターの「ドスファンゴ」に使えば属性なしの武器よりは有効に通るが1.5倍なんて威力はなく、また雪山に適応した「ドスギアノス」にフロストエッジを使えば見るも悲惨な目に合うのみだ。
 なぜかと言えば、モンスターの「肉質」において有効でない属性は5%とか10%、最悪0%しか通らない設定なのである
 属性の有効度はそのモンスターの素材を使って作成できる「防具」の耐性からほぼほぼ類推できるようになっており、これが攻略のヒントとして非常に重要なのだが、それでも火耐性が低いはずの「ゲリョス」の足には10%しか通らないなど「肉質」の影響は無視できない。
 無視できないのだが、ゲーム内で「そして、堅い部位であっても、属性攻撃であればダメージを与えやすい。堅くて手が出せない相手には、そいつの弱点となる属性武器を使ってみるのも手だな。」などというヒントが掲載されており、基本攻撃力と違ってエフェクトで有効度を計れないこともあってこれは大層なひっかけとなっている有様である。
 「斬れ味」が落ちてもダメージが落ちないのが属性ダメージの特権ではあるが、「肉質」の方が無視できないので効かない相手や部位には結局ただのムダな努力でしかないのだ。
 掲示板などを見るに無属性の高威力武器一本あれば属性武器など不要という意見が結構あったようだが、これは正確でないにせよぶっちゃけ仕方がないと思う

 ちなみに、自身がこうした攻略情報を解禁したきっかけはラオシャンロン亜種がどうしても倒せなかったためである。
 一定ダメージごとに大きくひるむ(よろめき値400)頭が切断28%・龍属性20%で、でかくてろくに反応のない(よろめき値1200)腹が切断55%・龍属性30%、など表現に反する設定にどうして気付けようか
 ・・・結局根負けして攻略情報を解禁したわけだが、龍属性の武器を担ぎ頭を追って位置調整しながら「4人攻略ではそれぞれ別の位置を狙うだろうから、足への攻撃でひるませると防御力低下などのギミックがあるんじゃないか」とか「尻尾が怖いが通路のギリギリまでダメージを稼がなければ」とか「今回は通路で残り10分を切った、相当ひるませたし今度こそいけそうだ」とか言っていた自分は、完全にバカである。
 斬れ味のいい無属性武器を担いで腹狙いで行ったら一発で撃退できたものの、後に残ったのはただただ敗北感だけであった。

 仮に、没入感のためにあえて説明を不足させたのだとしても、ダメージ表示さえ出ていればこんな諸々はなかったのにと心底思うし、のちのシリーズ作品でダメージ表示を採用したのも正解だったと強く思う。


・モンスターの書

 さて、ここらで遅ればせながら本作の主役、モンスターについて見てゆこう。
 プレイヤーを見下ろす巨大なモンスターの数々は一般的なアクションゲームで言う「ボスキャラクター」に相当するものだが、本シリーズはこれこそをメインコンテンツとして数十種というバリエーションを用意している。
   他のアクションゲームで最も熱中する「ボス戦」をひたすらに楽しめるのが「モンスタハンター」シリーズの贅沢な面白さだろう。

 その設計は肉質の件でわかる通り細かく作りこまれており、例えば発見されていない状態で観察していると腐肉をついばむイャンクックや水を飲むリオレウスといった日常を垣間見ることができる。
 いざ戦闘に入って部位ごとにダメージを蓄積させてゆくと「ひるみ」や「転倒」と部位に応じたモーションで反応し、最終的には「瀕死」モーションをとってエリアを離脱し巣に帰るなど、命ある生物としてのリアリティを感じさせるのだ。

 ストーリーこそ希薄で淡々とクエストを繰り返すくらいの本作だが、ことモンスターに関しては「モンスターリスト」や「生態ムービー」で設定面を披露しており、
 突進を得意とする「モノブロス」の強固な頭骨を背負って身を守る「ダイミョウザザミ」、
 「グラビモス」の幼体として様々な能力が未熟なため岩に擬態して身を守る「バサルモス」、
 「イャンクック」に外見が似ていることで亜種として考えられている「イャンガルルガ」、
 草食モンスター「ポポ」を捕食するために砂漠から雪山まで遠征する「ティガレックス」、
 といった、モンスター同士の関係性にも言及しているあたりは趣深い。

 こうした設定はシリーズ全体で共有されており、「ガルルガは托卵のためにクックに姿が似ているだけの別種」、「ポポはティガから身を守るためにガムートと共生する」、と研究が進んでゆくのが新作やメディアミックスにおける楽しみの一つだ。
 そう、「モンスターハンター」シリーズはこうした過去作のモンスターに手を加えながら繰り返し登場させており、ある一作に慣れるとシリーズのほかの作品においてもある程度勝手が通用するという普遍性がある
 それでいて武器側の新システムやモンスターへの新モーションの追加などによって新たな刺激も提供しており、この点はシリーズとしての展開の巧みさに唸るところか。

 ・・・のだが本作はシリーズの比較的初期に当たる作品として、攻略対象としての設計にはのちのシリーズ作品で改められることとなった考え方がなされている。
 ひとつは「相性の良い武器で挑むよう推奨されていること」。
 アイルーキッチンで「モンスターと武器には、相性があるニャ。(中略)ある武器で勝てなかったら、別の種類の武器に持ち替えてみるのもいいかもニャー。
 と説明があり、逆説的に相性の悪い武器では対処法を考慮していないのではないか?と疑いたくなるような組み合わせがある。
 例えば、本作の「リオレウス」は垂直に飛び上がって攻撃を避けつつ火球を打ち下ろしてくる、という攻撃を多用する。
 火球自体は足元に入れば当たらないのでどうでもいいが、当然のごとくこの攻撃中は近接攻撃がまるで届かない
 遠距離武器を中正解として、宙にいる間に力を溜め、降りてきたところを叩き割る「大剣」や「ハンマー」を使うのが大正解という設計だろう。
 次に「フルフル」は定期的に帯電し自身周囲を一斉に攻撃するという行動をとる。
 範囲が広く持続が長いので攻撃をキャンセルしてローリングでは避けきれないという格好だが、「ランス」と「ガンランス」においてはガード突きで一方的に攻撃するチャンスである。
 それから「ディアブロス」は突進でヒット&アウェイを繰り返すわ地面に潜って無敵になるわのやりたい放題だが、気絶しやすいため鈍器が有効で「狩猟笛」なら移動速度と音波攻撃をカバーすることができる。

 「なら有効な武器に持ち替えればいいじゃん」とは思うところだが、本シリーズは1クエスト中に各自1種類の武器しか使えない設計、また武器もそれぞれで異なるシステムを持つためある程度扱いに練習を必要とし、武器アイテムの制作費も上位やG級では馬鹿にならない、とあまり容易な話ではない。
 そもそも、有効な武器以外では指をくわえ見ているとか覚悟して喰らうとかしかない、というのは単純に面白くない。
 のちのシリーズではこの点を見直し、モンスターのアクションは極端に手出しできなくなるものを控え、武器のアクションは選択肢を拡充し武器を一つに絞っても様々な状況に対処できるように、と舵を切っていたというから、シリーズ初期の粗さというところだろう。

 特に「ガノトトス」はでかくて攻撃が届かない・水場に逃げて攻撃が届かない・攻撃が届く間合いでは体当たり(通称亜空間タックル)が避けられない、と近接武器をまるで考慮していないぶっちゃけっぷりであった

 そう、「当たり判定がおかしい」というのも本作で問題視された点だ。
 文章で説明するのが困難なのだが、「ガノトトス」の体当たりは足の間の何もない空間でやり過ごそうとすると謎の衝撃を受けて吹っ飛ばされるという仕様であった。
 「フルフル」の短い尻尾は根元にいれば当たらないが二歩ほど下がると謎の衝撃を受けて吹っ飛ばされる
 「ダイミョウザザミ」の口から泡を吹く攻撃は全く関係ないハサミに触れてしまうと謎の衝撃を受けて吹っ飛ばされる
 「イャンガルルガ」が走り抜けてずっこけたところに攻撃を当てに行くと謎の衝撃を受けて吹っ飛ばされる
 「リオレイア」のバク宙攻撃の着地に反撃を合わせようとすると謎の衝撃を受けて吹っ飛ばされる
 そしてそのくせ「ディアブロス」の体当たりは棒立ちでも当たらなかったり「ペイントボール」は足の間をすり抜けてミスしたり、という有様であった。

 アクションゲームではキャラクターの見た目とは別に「当たり判定」というものを設定して攻撃に当たる・当たらないを決めているわけだが、基本的にこの当たり判定自体は視覚的に表示されるものではなくプレイヤーに対処なんてできっこない。
 キャラクターの体や攻撃エフェクトに当たり判定の大きさや位置を合わせ、動きの勢いに合わせてどこからどこまでが有効かを区切り、視覚上の攻撃を避けることで処理上の当たり判定も回避できるというのがアクションの大前提であるわけだ。
 そのあたりがすごく大雑把でプレイヤーに理不尽さを感じさせていたのが本作までの作風であったという。
 ちなみに本シリーズでは同じモンスターでも個体ごとにサイズが異なるという仕様があって当たり判定もこれに倣い、大型なことで攻撃範囲が広がったり、逆に小型なことで安地が通用しなかったりと攻略に変化を求められるのがユニークではあるのだが、一連の理不尽はこれとは特に関係なく擁護の余地はない。

 この「何を食らっても吹っ飛ばされる」や「ガッツポーズ」も後々緩和されていった感があるか。
 「ワールド」から開始したプレイヤーにとっては馴染みがないわけだが、モンスターハンターシリーズは「回復アイテムを使用し、効果が出た後、ハンターが両腕を振り上げてガッツポーズする」という意味不明なアクションをとっていた。
 注目したいのは「効果が出た後」ガッツポーズするという点で、プレイヤー視点では何の意味もない無駄行動でしかなく、やれ新陳代謝を高めるためだのやれ肉体の急激な回復に筋肉が緊張するだのと、この謎の儀式になにかしら必然性を見出して納得したいと様々な考察が繰り広げられたという。
 まあ演出面はともあれ、ゲームバランス面ではこれはむしろ計算されたモーションなのである。
 例えばモンスターを転倒させた後武器を収めアイテムを使ってガッツポーズをとる、この一連の動きが終わったあたりでモンスターは起き上がり状況は互角に戻ってしまう。
 自分が狙われていないからと焦って回復アイテムを使ってガッツポーズをとる、結局モンスターはこちらに向きなおって腕を下ろすか下ろさないかくらいで攻撃を食らい回復分が無駄になってしまう。
 こういった具合に、ガッツポーズは硬直によって安易に回復できないようにし使用に緊張感を持たせるという狙いがあった、のだと思われる。
 モンスターの攻撃を食らって吹っ飛ぶというのも、一心不乱に攻撃するよりも一旦回避や防御に手間を割くことで結果的により多く攻撃を加えられるという設計を強調するための物だったはずだ。
 こうしたモーションの硬直と回避や防御の優位性を意識させるモンスターとして「イャンクック」がおり、「先生」と慕われているのはお馴染みである。

 「アクションの基礎」たるものがここにあり、これこそモンハンのアクション面の面白さの源だと推したいところだがー・・・。
 それにしたってキャラクターが頻繁に操作不能になるから、どうだ難しいだろうは理不尽の部類ではある。
 特に多くのモンスターが使ってくるアクションに「咆哮」がある。
 概要としてはモンスターが大声で鳴き周囲にいるハンターが耳を押さえてひるんでしまうというもので、このひるんだ硬直に追撃が飛んでくるのが珍しくないわけだが、ではこの「咆哮」にどう対処すればいいのかというと「耳栓」スキルを発動するか「ガード」を使える武器を使うかくらいで、装備によっては何も対処法がない
 「クシャルダオラ」が咆哮→風圧→咆哮→風圧のコンボを繰り出してきたときはいっそ笑ってしまったが、普通のアクションゲームであればこんなもの許されるはずもなく。
 斬れ味の維持やスキル構成の自由度など、RPG要素がことごとくアクションの邪魔にしかなっていないうえ、視覚と一致しない当たり判定やガッツポーズという露骨な硬直など、表現一般にプレイヤー心理への配慮が乏しいことは、本作のアクションを手放しに傑作とは評せない難点というところだ。


・武器珠

 最後にプレイヤー側のアクション、「武器」について一通り見てみよう。
 多くの武器に固有のシステムがあり、武器を変えるとがらりとプレイ感が変わって新鮮な気持ちで攻略方法を探せるのが本作の面白さではあるが、同時にモンスターの設計上使い分けの必要に迫られるというのが苦痛に感じる点でもある。
 一通りの武器から自分に合う武器と自分に足りない武器を考えて使ってみるようにしたいところだ。

 ・大剣
 剣というにはあまりに大きく、分厚く、重く、大雑把な塊を担ぐ武器種。
 そのサイズから威力とリーチと攻撃範囲に長けるが、当然のごとく攻撃が遅く当てるだけで一苦労するうえ時間単位での攻撃力はそれほどでもない。
 の縦斬り、の横斬り、+の斬り上げ、の三種類の攻撃が相互に派生可能だが、もたもた振りかぶる間に蹴っ飛ばされるのでこの点はあまりメリットでもない。
 大剣の最大の特徴は納刀時に繰り出せる「抜刀斬り」にあり、比較的出が速いほか攻撃時にを長押しすることで武器を構えたまま力を溜め、一撃に最大級の威力を求めることができる。
 普段は武器を納刀したまま走り回り、相手の攻撃を避けた後背後に急接近、振り向いた相手の頭を真二つに叩き割らんばかりに打ち付ける、という運用が効果的なのだ。
 運用が特殊すぎて初心者にはまったく勧められないが、ビジュアルとしてはシリーズを代表する武器であり、様々なコラボによってこの武器からモンハンを知ったというプレイヤーも多いことだろう。

 なお、初心者に勧められないと言っても「抜刀」と「納刀」の区別、「緊急回避」と「ガード」、といった基本システムを学ぶ教材として最適ではある。
 モンハンでは武器を背中にしまって両手を空け採取やアイテムの使用を行える「納刀」状態と、武器を構えて攻撃やガードを行える「抜刀」状態とを切り替えながら行動してゆくことになる。
 モンスターと戦闘する場合はもちろん「抜刀」して対峙することとなるのだが、この時は移動速度が落ちアイテムも使えないため、例えば突進で走り去った相手を追いかけたり、ダメージに対し回復アイテムを使ったり、といった状況では「納刀」に切り替える必要がある。
 納刀状態でも「緊急回避」という無敵時間の長い回避行動や、「抜刀攻撃」という攻撃しつつ抜刀状態に切り替える攻撃を繰り出すことはでき、これを最大限に生かせるのが大剣であるわけなのだ。
 一方抜刀状態では「ガード」と言って武器や盾で相手の攻撃を受け止めるアクションを行うことができる。
 Rボタンを押して防御の構えをとり、攻撃を正面から受けることができれば成立、相手の攻撃の威力に応じてスタミナを消費し押しのけられるが体力へのダメージは軽減ないし無効化することができる。
 モンスター一般の咆哮やゲリョスの閃光のような回避方法の無い攻撃も防ぐことができるため、これらはガードで対処できるよう練習を積んでおきたいところだ。
 実を言うと納刀状態でもR++で素早く武器を取り出し武器アクションを行うことができ、ガードを使える武器ではこれがガードに相当するため、慣れてきたら活用しよう。

 ・太刀
 片刃で細身の大きな剣を振り回す武器種。
 攻撃を当てるごとに「練気ゲージ」が上昇し、これが最大まで溜まると一定時間斬れ味上昇+ゲージ減少無効のバフを獲得することができる。
 またRボタンではゲージを消費して高威力の気刃斬りを繰り出すことができ、この攻撃からは再度気刃斬りを繰り出す、通常攻撃でゲージを回収する、前転回避で退避する、といったアクションに派生することができる。
 通常攻撃も・R・+、とある攻撃からある攻撃へと派生してゆくことができ、相手の隙ごとにこうした連続攻撃をどう組み立ててゆくかが楽しい武器種である。
 つまりは操作のレスポンスが非常によく、ほかのアクションゲームに慣れたプレイヤーであればまずこれを使うようにすると「もっさり感」などと不要なストレスを貯めずに済むだろう。
 欠点としてはガードが使えないため咆哮や風圧など使われたら最後何も対処法がないクリーンヒット宣告という理不尽がほとんどのモンスターで発生すること。
 (ほかのアクションゲームに慣れたプレイヤーはこの点やっぱりストレスだっただろう)
 スキルで補うことが必須と言えるが、それはつまりスキル選択の幅が狭いということでもあり、この点もまた欠点として挙げるべきだろう。
 また、太刀の長いリーチと広い攻撃範囲は相手に攻撃を当てやすいという長所であるとともに、FF(フレンドリーファイア)のある本作では仲間を攻撃に巻き込んで邪魔しやすい欠点ともなってしまうもの。
 とっつきやすいという点では初心者向きだといえるが、初心者のままでは使っていられない、心剣一如を求める武器種というところだろうか。
 相性の良い・・・というか必須のスキルはモンスターの咆哮を無効化する「聴覚保護(最大15pt)」、また攻撃が弾かれなくなる「剣術(最大10pt)」は気刃斬りがそもそも弾かれないため微妙に思えるが、攻撃範囲が広い分意図しない部位に当たりやすい太刀においてはそう悪くもない。

 ・片手剣
 片手で扱える大きさの剣と盾をそれぞれの手に持つ武器種。
 重量が軽いため移動と攻撃のレスポンスがよく、抜刀攻撃や+のジャンプ斬りによって素早く間合いを詰めつつ攻撃することができる。
 最低限の性能に留まるが「ガード」を使うこともでき、さらにガード中にで「抜刀中にアイテムを使うことができる」という全武器中唯一のメリットを持つ。
 相手の攻撃をしのいだのち即座に回復薬を使う、相手が潜ったのを見て素早く音爆弾で叩き出す、いかんともしがたい場合はモドリ玉で体勢を立て直す、とその応用範囲は広い。
 また、片手剣は斬れ味に特別な補正がかけられており見た目よりダメージが通りやすく弾かれにくいというメリットもある。
 欠点としてはこの補正を考慮しても攻撃力が低く「大タル爆弾」などを積極的に使ってゆかなければ真価を発揮できないこと、リーチと攻撃範囲に乏しく攻撃する部位の選択肢が限られること、攻撃アクションの種類がないためジャンプ斬りから連打を延々とやってるうちに飽きること、などがある。
 攻撃アイテムを使わないと時間がかかる、アイテムを使うと調達に手間と資金がかかる、インベントリが圧迫されるとなると討伐目標以外の戦利品はあきらめなければならない、という具合で長期的に見れば効率に劣る武器であり、ソロでの運用は勧められない。
 (ので実は個人的にはほとんど使っていない)
 臨機応変に有効なアイテムを使用し仲間の戦いをサポートすることに向いた、指揮官向けの武器なのではないだろうか。
 相性の良いスキルは爆弾系のアイテムを強化する「爆弾強化(最大10pt)」、回復薬や怪力の種が仲間にも効果を発揮するようになる「広域(最大20pt、15ptでの変化なし)」、など。

 ・双剣
 片手で扱える大きさの剣を両手に持ち交互に叩きつける武器種。
 一撃の威力は低いが時間単位の攻撃数が多く、理論上のDPSは非常に高い。
 武器アクションの「鬼人化」ではRボタンを押したタイミングからスタミナを消費し続ける代わりに攻撃力上昇や弾かれ無効といった効果が発生し、+で「乱舞」攻撃が使えるようになる。
 欠点としては太刀のようにガードが使えないことによる諸々や、片手剣のようにリーチと攻撃範囲に乏しいことによる諸々、による連続攻撃や乱舞の硬直が長く別段レスポンスが良くないことに、手数武器なのに斬れ味ゲージが見劣りしガリガリ攻撃力が落ちてゆくこと、これに関連して頻繁に砥石を使う必要があり攻撃の手を止めなければならないこと、また斬れ味に劣るということで鬼人化しないと攻撃を弾かれやすく長所の手数も発揮しづらいことのほか、鬼人化でスタミナを消費するため回避が使いづらいこと、などなど欠点が多すぎる感
 また片手剣と共に通常攻撃力に比べ属性攻撃力が高い、というメリットがあるのだが、これを活かそうと種類をそろえるとなると素材集めに奔走した挙句あっさり金欠になることだろう。
 本作の「攻略」の到達点がいかにクリアタイムを縮め効率的に周回できるかに帰結するとしたら無視できない武器種だが、一方本作では環境が悪すぎてゲームデザインに合っていない不遇武器なんじゃないかと捉えている。
 相性の良いスキルは斬れ味ゲージの上限を延ばす「匠(最大10pt)」、研ぎ時間を大幅に短縮できる「研ぎ師(最大10pt)」、それからもちろん「聴覚保護(最大15pt)」に、鬼人化状態を長く維持できるようになる「スタミナ(最大10pt)」、などなど。

 ・ハンマー
 棒の生えたでかい塊を振り回す武器種。
 すなわち高い攻撃力を誇るが動作が緩慢で攻撃範囲も狭い・・・と思うところだが武器アクションの「溜め」中はダッシュ扱いで自在に走り回ることができ、相手の攻撃を集中的に回避しつつ、回避に割いた時間をダメージソースに変換してまとめて叩きつけることができるという攻防自在の武器種である。
 またハンマーの攻撃は「打撃」属性扱いであり、モンスターの尻尾を切断できない代わりにダイミョウザザミのヤドを破壊でき、これに準じるようにいくつかのモンスターに対して剣系の武器よりも効果的にダメージを与えることができる。
 さらにモンスターの頭部などに攻撃を当ててゆくことで「スタン(ゲーム内表記にならえば「めまい状態」)」させ無防備な状態にすることができ、通常のよろけや転倒よりはるかに長い攻撃チャンスを獲得できる。
 マルチプレイでは部位破壊とスタンの二点で居場所を見つけやすい武器だろう。
 欠点としては武器のリーチが決して長くないこと、スタンさせるには正確な部位に攻撃を当てなければならないこと、この二点からサイズの大きい相手にはわりとお手上げなこと、などがある。
 相手と状況、時には仲間を選ぶ武器であるといえるが、条件がそろったときの有効度は突出しているためサブ武器として使えるようにしておくと心強い代打のビッグスラッガーというところか。
 相性の良いスキルは溜め状態のスタミナ減少を抑える「スタミナ(最大10pt)」、優先して狙われるようになり頭を叩きやすくなる「気配(最低-10pt)」のマイナス効果、など。

 ・狩猟笛
 鈍器として利用できるサイズの楽器を担ぐ武器種。
 武器アクションで「演奏」を始め、)・+、の入力で音符を並べることによりパーティーに様々なバフ(良い効果)を発生させることができる。
 このため補助用の武器という印象が強いが「体力回復+解毒」や「暑さ・寒さ無効」など自身に恩恵のある効果も多く、場合によってはインベントリを空けて多くの戦利品を持ち帰れるというユニークな恩恵を発揮することもできる。
 このため採取やポポノタン周回(生肉狩り)においては、ソロであってもほかの武器種を抑えて最も有効であると言っていい。
 また武器としては、素早いが威力と範囲に乏しい、出が遅いが威力と攻撃範囲のある、もっと出が遅いが最も威力の高い+、の三種の攻撃が必要十分な性能であり、鈍器として相手をスタンさせることもできる。
 「自身の移動速度上昇」のバフを活用すれば位置取りや張り付き性能もピカ一であり、ほかの武器種と比べて特別見劣りするということはない。
 欠点としては「武器アイテムそれぞれで演奏できる音色が違うこと」があり、発動させたい効果の音色と、それを可能とする武器とを把握し、素材と資金を貯めてそれぞれを確保し適宜切り替えなければならないなど準備段階の労力がやたらと厳しい。
 またマルチプレイでは演奏のヘイトが高くモンスターが優先的に狙ってくるため、安全圏で支援だけしていようなどと思うと孤立した状態で襲われるわ仲間が戦闘に参加できないので余計に時間がかかるわとかえって妨害になってしまう難しさもある。
 こうした難しさがあると知っておくためにも、誰もが一本は用意し動きを把握してみたい戦場のトリックスターというところだ。
 相性の良いスキルはヘイトを下げる「気配(最大10pt)」や一部の補助アイテムが全体化する「広域(最大20pt、15ptでの変化なし)」・・・と言いたいところだがヘイト低下は大した効果がなくアイテムは演奏に忙しく使っているヒマがない、とこれらはたいして意味がない。
 演奏効果の持続時間を延ばす「笛(最大10pt)」、演奏を中断されたくないという意味で「聴覚保護(最大15pt)」、あたりだろうか。

 ・ランス
 長い槍と大きな盾をそれぞれの手に持つ武器種。
 槍による攻撃は横の範囲が狭い突きばかりで威力にも物足りなさがあるが、盾を使った「ガード」は全武器中最も優れている。
 モンスターの攻撃を受け止めてもほとんど体勢が崩れず、結果としてスタミナの消費も抑えられ、さらには「ガード歩き」によってガードを維持したまま位置の調整とスタミナの回復を、「ガード攻撃」によってガードモーションの合間にごくコンパクトな攻撃を、行うことができる。
 結果としてモンスターによっては攻撃をほぼ封殺し一方的に勝利してしまえる組み合わせもあるほどだ。
 欠点としては全体的に攻撃の打点が低く攻撃する部位の選択肢に乏しいことや、スタミナを消費する行動が多いうえこれに防御能力を依存しているために息切れしないよう管理する必要があること、などがある。
 とはいえ、「ランス・ガンランスによる攻撃は切断と打撃のうち有効な方の肉質を参照する」という補正がありあまり相手に苦手意識を持つことがない、渋みのあるオールラウンダーである。
 (まあ、ランスは若干この補正にマイナス補正がかかっているらしいが)
 相性の良いスキルはガードとステップのスタミナ消費を軽減する「体術(最大15pt)」や攻撃を受け止めたときの影響全般を軽減する「ガード性能(最大20pt、15ptでの変化なし)」など。

 ・ガンランス
 空砲の機構を組み込んだ長い槍と大きな盾をそれぞれの手に持つ武器種。
 ランスの特徴をほぼそのままにボタンで「砲撃」というアクションを行うことができ、正面の一定範囲に肉質を無視した固定ダメージ攻撃を繰り出すことができる。
 これは使うぶんのカートリッジを武器に「装填」して使う必要があるが特にアイテムは必要なく、代わりに使うたびまとまった量の斬れ味を消費する。
 基本的な威力そのものは通常攻撃に見劣りする程度だが、大型モンスターの肉質の大部分が50%未満とやたら堅いため転倒するまで足に叩き込むといった運用で相対的に威力が上がってゆく。
 逆に転倒時に柔らかい頭や腹を集中攻撃する場合はあまり有効ではないのだが、砲撃アクションは通常攻撃と相互にキャンセルできるため攻撃密度を上げる目的で、いわば突き出した槍を勢いよく手元に引き戻すイメージで運用するのも効果的である。
 また、「竜撃砲」といって「ガード中に+」で砲口から火をほとばしらせ超威力の砲撃を叩きこむという必殺攻撃もあり、いかにしてこれを叩きこめるよう戦闘の流れを組み立てるかという面白みもあるだろう。
 欠点としてはランスと同様だが抜刀時の移動性能が最低で武器の納刀も遅いこと、そのうえでランスの「突撃」アクションがなく「ステップ」回避も単発なため離脱・張り付き性能ではランスに見劣りすること、ボタン同時押しや特定行動時など操作が複雑で非常にとっつきづらいこと、などがある。
 ランスでありガンであり盾であるガンランスは決して一筋縄ではいかず、頻繁に扱いにつまづくだろうが、そこから立ち上がれれば相手によって幅広い突破口を見出せる華のあるオールラウンダーだ。
 相性の良いスキルは砲撃の威力を上げる(本来は砦マップの大砲の威力を上げるだけだったらしい)「砲術(最大15pt)」や砲撃で消費する分も含め斬れ味の消費を抑えられる「斬れ味(最大10pt)」など。

 ・ライトボウガン
 複数の矢をつがえて途切れることなく連射できる遠距離武器。
 弾数無制限の「Lv1通常弾」をはじめ一度に複数部位を攻撃できる「Lv1散弾」、火属性攻撃を行える「火炎弾」、仲間に命中させることで攻撃力を上昇させる「鬼人弾」、といった弾薬アイテムを持ち込んで「リロード」しながら使うことができる。
 距離をとって安全を確保することもRボタンで主観視点に切り替えて任意の部位を狙って撃つこともできるが、防具が「ガンナー」専用の貧弱なものしか選択できないことには要注意である。
 またライトボウガンの場合は「速射」といって一部の弾薬の発射数が数倍に増えるという機能があり、これを活用すれば低い攻撃力を多少補うことができる。
 欠点としては、速射を考慮しても攻撃力が低すぎること。
 Lv1通常弾程度ではモンスターの肉質についてよく下調べしておき弱点を的確に攻撃していったとしても近接武器全般に火力面で見劣りし、各種の上位弾薬は持ち歩ける数に限りがありあっという間に弾切れになってしまう。
 弾薬の材料までを持ち込んで適宜補充することが必須となるといえるが、これは要するに極端にインベントリを圧迫するうえに調達に手間や費用を浪費しクエストの成果が赤字とすらなりうることを意味している。
 モンスターの体力が高いほどこういった弱点が際立つので、集会所ソロでは時間切れ失敗、要するに50分間できる限りのことをして弾代も浪費したのにはじめからクリア不可能だったというケースを覚悟する必要がある。
 (というわけで片手剣と同じく個人的にはほとんど使っていない)
 ライトボウガンの場合はLv1徹甲榴弾を速射できる「ラージャンデグ」やLv1回復弾を速射できる「ハートフルギプス」などでパーティーをサポートすることが必須というところだろう。
 相性の良いスキルは調合による弾の生成数を最大に固定する「弾調合(最大10pt)」、調合の成功率を上げる「調合成功率(最大20pt)」、など。

 ・ヘビーボウガン
 複数の矢をつがえて途切れることなく連射できる遠距離武器。
 ライトボウガンをより高威力にした武器で、その代償として移動速度や抜刀・納刀速度がダウンしている。
 高威力という点で強力な弾薬をより有効に扱うことができ、正確にエイムして撃つことに見返りが大きい、扱い甲斐のある武器というところだが・・・。
 欠点としてあまりに取り回しが悪く、紙防御であるガンナーにとって扱うリスクが大きすぎることが挙げられる。
 いちおう「シールド」という強化パーツを取り付けて咆哮からの確定即死コンボを避けることはできるのだが、一度モンスターに狙われてしまうと接近を止めるすべはなく、接近を許せば何か喰らっただけで体力半分持ってかれることが必至。
 回避アクションは標準的なローリングなので、相手の気が済むまでゴロゴロ転がってどうにか脱出のスキを探してゆくことである。
 攻撃目的で使う分にはライトボウガンよりも有効なので、マルチプレイでは「気配」のマイナス効果を使ってもらうなどして存分に集中砲火を浴びせてやろう。
 相性の良いスキルはローリングの距離が伸びる「回避距離(最大10pt)」、倍率で効果のある各種「○○弾強化(最大10pt)」、など。
 また実質的に装弾数が無限になる「自動装填(最大10pt)」は、威力が高い代わりにリロードが遅いという各種の武器を欠点の無いスーパーウェポンに変貌させるバランスブレイカーである。

 ・弓
 攻撃のたびに矢をつがえて引き絞る必要がある遠距離武器。
 ライトボウガンと打って変わってリロードや弾薬の概念がなく、を長押しすることでスタミナを消費しながら攻撃の威力を高め、武器ごとに「拡散」や「貫通」といった異なる効果を発揮することとなる。
 溜め中は自由に移動できるため位置の調整や回避に活用することができ、この点は(移動速度に劣るにせよ)ハンマーと共通した特徴だ。
 攻撃の威力は「強撃ビン」を消費して高めるのが基本だが無くてもそれなりに使うことができ、火や水といった攻撃属性は武器ごとに付随しコンスタントに発揮することができる。
 毒や麻痺といった状態異常は「ビン」系アイテムによって付与することとなるが、全体的に近接武器とあまり変わらない感覚で運用することができるだろう。
 間合いについても、拡散矢を複数ヒットさせたり相手の近接攻撃を誘導してそのスキを突いたりといった戦術のためにあえて距離を詰めて戦うことがあり、近接武器で培った経験が立ち回りに生きてくるはずだ。
 欠点としては、やはりガンナーとして防具の性能が低いことや、放物線を描く軌道に慣れがいること、エイム操作に押しっぱなしが必要で指がとんでもない構えになること、などがあるが・・・。
 本作の場合ガノトトスやグラビモスが軽く近接のことを考慮していないクソデザインなのでバックアップ用としていくつか確保しておくとよいだろう。
 相性の良いスキルは弓にも効果のある各種「○○弾強化(最大10pt)」、溜め時のスタミナ消費を軽減できる「スタミナ(最大10pt)」、など。
 欠点を補うというより長所を伸ばすスキルを選択できるので、スキル構成はいろいろと試してみたい。


・まとめ

 本作はPSPで最も多く遊ばれたゲームである以上、「最も評価された」と表現しても差し支えないだろう。
 だが、「最も面白い」ゲームだったとは決して思えない。

 アクション面は内容を強大な「モンスター」との戦闘に絞った贅沢な設計で、モーションの硬直から攻防を整えた調整には唸る完成度があるものの、硬直が多すぎてレスポンスが悪く「もっさり感」などとまとめられてしまうあたりは難点でもある。
 「ハンティングアクション」としてスタミナゲージや斬れ味など様々なパラメータを取り入れているもののこれも没入感と不便さが隣り合ったものであり、攻略の過程で更新する「装備」もスキルや属性の観点で選択肢が限られ多くは無用となってしまう。
 ある程度は面白いと言えるが、それ以上にストレスが溜まるのだ。
 特にアクションでの対処法がなく追撃必至ながら、RPG面で予防すれば一転攻撃チャンスとなる「咆哮」はこれら問題点を浮き彫りにしていると言える。

 また肉質やスキルに関して説明やヒントが乏しすぎる。
 ノーヒントでモンスターの動きを覚え、徐々に対処して撃破にこぎつけるというのはアクションゲームにおいて最も充実した行程だろう。
 自身テオ・テスカトリやラージャンを撃破したときはガッツポーズする程度にはうれしかったし、その体験を大事にしたいからネタバラシの類を嫌っているのだが、その上であえて肉質や属性の概念については最初から調べておけばよかったと非常に後悔している。
 なにしろモンスターの部位がどのように分けられているかも、肉質によって属性ダメージがどれだけ軽減されるかも、プレイヤー視点では分かりようがない案件なのだ。
 実際に使ってみて討伐時間が伸びたの縮んだので判断するしかないが、そもそもの火力不足で討伐に至らない場合はその判断基準すら与えられない。
 個人的に一番の「クソモンス」はガノトでもクシャでもなくラオシャンロン亜種である。

 むろん、当時定着したwikiやyoutubeによって攻略情報を交換するインフラは構築されていたし、流行しているがゆえに話題に上りやすいという環境でもあった。
 まさにそこである。
 今にして振り返ると、本作はそれ自体が傑作というより、本作を遊ぶプレイヤーたちを含めた環境全体が、共有された体験が評価された一作だったのではないかと思う。

 その売り上げ数から中古在庫は安定していて価格もワンコイン内、いくつか目をつぶればアクション面を十分以上に評価できる内容ではあるが、今本作を手にとっても当時の熱狂は理解できないかもしれない。
 ネタバレ大嫌いなぼっちプレイにまっっったく向かないという点もそうだが、流行を軽視してマイペースに古典的作品を楽しみたいというスタイルと相容れない、中古ゲーム殺しとでもいった怪作である。





・関連作品

・「モンスターハンター」シリーズ言わずと知れたビッグネーム「ハンティングアクション」シリーズ。
強大な「モンスター」を相手に様々な条件を整えながら挑戦し、戦利品から強力な装備を作って新たな強敵に挑んでゆくという流れを持つ。
シリーズでは「リオレウス」や「イャンクック」など複数のモンスターがシリーズを通して登場しており、ひとつの作品で身に着けた腕前は他の作品においてもある程度通用する、という世代を超えた普遍性がある。
モンスターハンターワールドメインシリーズ第6作。世界観を「新大陸」へと移しシステムの大幅リファインを行った意欲作。
マップの複雑化や武器グラフィックなどのボリューム不足が難点とされやすいが、軽快なアクションや豊富なギミック、これらを成立させる緻密で圧倒的な世界観は国内外問わず評価が高い。
ファンタシースターオンラインDCのオンラインアクションRPG。
複数のプレイヤーが合流して「クエスト」に挑んで装備を集め、集めた装備でより強力な武器を集めに行く、という流れが「モンハン」の着想となったという。
回避・防御アクションがほぼないことからアクションは単調にならざるを得なかったのだが、結果ステータスがダイレクトに重要な要素となり、性能にランダム性のある装備群は当時のプレイヤーたちを熱中させる目標となった。
のちのシリーズ作品とはコラボすることもあったが、基本的に関係ない。
ナノダイバーPSPのCOOP対応アクションRPG。
強大な「ウィルス」を相手に様々な条件を整えながら挑戦し、戦利品から強力な装備を作って新たな強敵に挑んでゆくという流れを持つ。
・・・かなり思い切った模倣品で、アイテムの効果や操作方法など様々な点で感覚を変えずにプレイできる。
・巨神と誓女DMMゲームス(R18版含む)で提供されていたソーシャルゲーム。サービス終了済み。
キャラクターを収集するという要素やプレイヤー一人で攻略するという形式はともあれ、強大な「巨神」を相手に様々な条件を整えながら挑戦し、戦利品から強力な装備を作って新たな強敵に挑んでゆくという流れが「モンハン」的であった。
装備の制作に「庭園」というスローライフコンテンツを必要としたという点も「ポータブル」シリーズの農場を意識していた感があるのだが、いかんせんソシャゲとしてコレの収集に月単位の時間(か課金)を要求したため後発プレイヤーのボトルネックとなり次々と脱落させたという。
他にもいろいろと言いたいことのある、世界観とグラフィックとエネミーデザインとキャラクターデザインと音楽とストーリーテリングだけは傑作間違いなしのクソゲー。
・FAR CRY PRIMALPC・PS4・XBOX ONEクロスプラットフォームのFPS。
原始時代の部族抗争を題材としたFPSという前代未聞のコンセプトながらFAR CRYシリーズのDNAを受け継いだ本格的で自由度の高いゲームバランスが楽しめる怪作。
熊やサーベルタイガーを狩猟し、手なずけて相手を襲わせたり乗って移動できたりするシステムがありモンハンとイメージがかぶらないでもない。


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