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ページ公開:2023/04/25
「モンスターハンター:ワールド」雑感まとめ
今更?というのは禁句の方向で。
・10年の空白
前回、レビューのために「モンスターハンターポータブル2G」のプレイを再開し、すっかり萎えていたプレイ意欲を奮い立たせた結果ソロでG級祖龍を討伐してしまったことを先ず白状する。
必死こいて叩いていた部位が実は弱点でも何でもなかったダメージ表示のないUIとか、砥石やクーラードリンクを持ち込み忘れたら即リタイア必至の煩わしいばかりの没入要素とか、吹っ飛ばされるたびぐるんぐるん回転するモンハンカメラとか、咆哮やら風圧やらガッツポーズやらの操作不能要素でプレイヤーを失敗させる不快な設計とか・・・当作を嫌う要素は山ほどあったものの、結局今更にしてDLC除く内容を(当然ソロとオトモで)遊び倒してしまったのだ。
流れるサンドバッグの一番デカい部分を殴り続けるだけのラオシャンロン亜種はいまだに全く面白くなかったし、
通常種に有効な龍属性の武器を担いでいって必死の思いで尻尾を切り落としてきた銀龍は後から龍属性が0%しか通らないと確認して愕然としたし、
グラビ亜種を筆頭に2頭クエで合流されると手を出せず50分の時間切れ濃厚で頭を抱えることもザラ、
最終的にありとあらゆる近接攻撃が弾かれる祖龍なんてトウモロコシ使うしかないじゃないかと憤慨したが・・・
長らくホコリまみれだったポッケ村の自宅にはようやくネコートのコートと集会所の盾が並ぶことになった。
ほんとにアホらしいとは思うが、意地は突き通したと思う。
とはいえゲームをクリアーすればまた新しいゲームが欲しくなるのが我々のサガ、ちょうどSteamで-50%セール中だったこともあって途中のシリーズ作をすっ飛ばして「モンスターハンター:ワールド」本編を購入し本格的なプレイに取り組みだしたのだ。
もちろんこれも「ライズ」・「サンブレイク」発売後の話題なので周回遅れなのだが、10年の時を隔てたシリーズ作を続けざまにプレイした感想なんてのはなかなか酔狂だろうと思いここに形として残しておくことにする。
なお、ゲームの進捗状況は歴戦王一通り討伐済み(もちろんソロとオトモ、「防衛隊」シリーズはバランスブレイカーとして封印)。
本当は拡張コンテンツのアイスボーンまで手を出そうかと検討していたのだが、今作のナナ・テスカトリの自重の無さとアイスボーンのマスターランク連中が「それ以上」だという評判を耳にして完全に縮み上がっているのでこの段階で公開に踏み切った次第である。
・11個のサプライズ
「P2G」の発売が2008年、「MHW」の発売が2018年なので、この2作の間にはまさに10年分の試行錯誤と変更が詰まっている。
もっとも、「MHW」という作品は世界観を「新大陸」へ移しシステムを一新、手前の「MHXX」から見ても別物と言える作品に仕上がってはいるのだが。
まずはその違いにおいて、特に目を引いた箇所を11個ほど挙げてみよう。
・ダメージ数値の表示
本作をプレイして、あるいはプレイ動画を見て真っ先に目に飛び込んでくるのは(当時の)最新ハード向けの美麗な映像と控えめなサイズのUI、そして攻撃を受けたモンスターの頭上に浮かぶ謎の数字だろう。
そう、これはプレイヤーの攻撃がエネミーにどれだけのダメージを与えたかという「ダメージ表示」である。
これまでのシリーズ作品では世界観を重視してかこのダメージ表示が存在せず、攻撃を当てた時の血しぶきやモンスターの反応の仕方で有効度を漠然と判断するしかなかった。
自身、このせいでラオシャンロンの頭にダメージがよく通ると思い込んで挫折を味わうことになったわけで――この変更は、個人的に「MHW」で最も喜ばしい点となった。
有効な攻略手段を検討するのにももちろん、より単純に自分の攻撃でデカい数値が出る痛快さだって立派な魅力だ。
なお、PVではこれが表示されない通り任意で表示・非表示を切り替えられるので不要と思うなら切る自由もある。
・ハンターノートの存在
そもそもなぜダメージ表示が重要なのかと言えば、本作の大型モンスター一般がその構造を前足や翼と言った「部位」で区切られ、そのそれぞれでダメージカット率「肉質」が個別に設定されているためである。
同じモンスターであっても頭に攻撃するのと前足に攻撃するのとではその有効度がまるで異なり、またモンスターによっても頭が最大の弱点だったり前足が最大の弱点だったりと設計を異にする。
そして、本作はそんなモンスターの構造を「ハンターノート」という資料としてゲーム内で確認できるようにしてあるのだ。
内容としてはおおざっぱでダメージの通りやすさが☆なし〜☆三つくらいの表現となっているのだが、個人的にはこのくらいがヒントとして最も好みな塩梅だと思っている。
・ペイントボール廃止
そして、ハンターノートは最初から情報が埋まっているわけではなく、モンスター毎に「調査ポイント」を貯めて「調査レベル」を上げることが必要とされる。
本作のフィールド内にはモンスターが残した足跡や食事跡といった「痕跡」が点々と残されており、これをインタラクトすることによって調査ポイントを獲得できる。
これは、一度や二度モンスターに敗北したとしても情報を持ち帰ることで勝利に近づけるということをシステムとしても示した形と言えるだろう。
また、こうして痕跡を集めるとその持ち主に対して「導虫」という誘導ビーコンが機能するようになり、モンスターとの遭遇や追跡を補助するようにもなる。
従来作では「千里眼の薬」を消費したり遭遇したモンスターに「ペイントボール」を投擲していたりしていた作業だが、大きく快適になった点だと言える。
・砥石と通常弾Lv1を無限に所有
ほかにもシリーズではプレイングを助ける様々なアイテムが登場するが、中には無いとゲームにならない類のアイテムもあった。
近接武器の「斬れ味」を回復する「砥石」と、ボウガン系統の各種の「弾丸」などは特に欠かしてしまうと攻撃アクションが封じられるような代物だったのだが・・・。
本作では「砥石」と「通常弾Lv1」が最低限の基本装備として無条件に常備され、使用したりリロードしたりする手間こそあれ持ち込み忘れるということはなくなった。
特に剣士/ガンナーを切り替えた直後はよくある悲劇だったろう。
・キャンプに倉庫を設置
とはいえ、そもそも本作の場合はキャンプに倉庫が設置してあって所有する全アイテムを出し入れ可能、クエスト中に装備の変更も許されているという大盤振る舞い。
クーラードリンクあたりを持ち込み忘れても、ちょいとキャンプに戻って補充するだけでクエストを万全の態勢で継続できることとなったのだ。
火山で即リタイアを選択したあの思いはいったい・・・。
・ガッツポーズ廃止
アイテム周りで言えば、さらに消費アイテム使用後のガッツポーズが完全廃止。
回復薬を飲んだはいいがその後両手を掲げる謎のガッツポーズを行い、操作を受け付けない間にガルルガが突っ込んでくるという無意味な悲劇は繰り返されることはなくなった。
ただし回復薬を飲むモーション自体はずっと長くなり、このモーション中徐々に回復するという風に仕様が改められた結果、一口目を付けた直後に咆哮におびえて残りを全部こぼしたり回復が間に合わなくて追撃で乙ったりという問題は新たにあるので注意されたい。
・スキルシステム変更
ちなみに、回復アイテムの仕様が変わった結果それまでネタスキルでしかなかった「食事」が「早食い」に名を変えて大いに有効なものとなった。
こうしたスキルを発動するにも、一定のスキルポイントを貯めてようやく有効化されるという従来の形式から、1スキルポイントあれば1Lv発動するという風に大きく改められている。
どのような装備の組み方をしても何かしらのスキルは発動しているし、軽い気持ちでスキルの効果を試すこともできるという設計で、大いに歓迎できるものだろう。
マルチプレイで「地雷装備」と嫌われるようなものもー・・・無くなってはいないが大幅に減っている。はずだ。
・ソロハンが楽に
マルチプレイで胃に穴を開けたくないとか一緒にプレイする友達がいないとかいった諸々の事情には一人でゲームを進める「ソロ」ハンターが選択肢になることがあるが、本作の場合はむしろこれがマルチ以上に楽なスタイルになっているという声もあるらしい。
というのはクエストにソロ向け・マルチ向けの区分がなく、ともに同一のクエストに挑戦し、人数に応じて体力や耐性に補正がかかるという仕様になったため。
2人プレイの場合体力も倍・・・というほどではなく多少手心が加えられているが、連携の取れないプレイヤーがバラバラに攻撃するようではソロよりも部位ごとの耐久力が上がってしまうようなものとなるわけだ。
なお、マヒやスタンと言った、本来味方に攻撃チャンスを提供するための状態異常も人数に応じてかかりづらくなってしまうといい、ぶっちゃけこの点に限れば失敗だったようにも思うところである。
・防具が統一化
なお、スキルについてはこれを構築する防具にも大きな変化があった。
それまで近接武器を使う剣士と遠距離武器を使うガンナーとでそれぞれ別の性能の防具を用意する必要があったのだが、これが「装備中の武器によって補正が変化する」仕様として統一化されたのだ。
この点互いの武器を試しやすく間口が広がったと言えるのだがー・・・。
反面、「通常弾強化」や「研ぎ師」などどちらかの武器種でしか効果を発揮しないスキルがあって、いくつかの防具は露骨に相性が悪いという不足もある。
中には「業物/弾薬節約」のように両者で適切な効果に切り替わる物もあるのだが、すべてにこれを徹底することはできなかったらしい。
・重ね着システム
というわけでビジュアルを使いまわせる分、本作の防具は細部まで緻密に作りこまれたクオリティがある。
あるのだが、シリーズの恒例としてスキル構成を優先すると防具が全身ちぐはぐになるのは相変わらず、本作はこの問題に「重ね着」というシステムで対応した。
「重ね着」用のアイテムを獲得し適用することによってそれぞれの部位の外見をそのアイテムに替えることができ、ドスギルオス頭のカラスマスクやパオウルムー胴のフライトジャケットを性能の制約なく楽しむことが――・・・。
できるようになったのは「アイスボーン」からで、これなしには鎧武者シリーズか全身一括か被り物かしかない未完のシステムである・・・。
・スリンガー
そんな防具(ほぼ)全ての左腕には小型の弩、「スリンガー」が付属している。
これは飾りではなくしっかりとアクションに関わるもので、例えば本作には石ころを手に持って投げる、というアクションを代わりにスリンガーに装填して射出するというものにしている。
これによって従来はできなかったような急角度の目標にも狙いを付けることができ、飛距離も向上、移動や「乗り」中など他のアクションの合間にも行えるといった数々のメリットを叶えているのだ。
ただしそんなスリンガーの弾は大部分が持ち込むことができず、現地で「ヒカリゴケ」や「はじけクルミ」をインタラクトしてその都度補充するという仕様となっている。
これは本作の一つのテーマ、「あるものはすべて使え」を象徴した部分なのだろう。
・12種の環境利用
本作「ワールド」のタイトルはその世界観の作りこみを真髄とするゆえと思う。
坂や崖といった地形のなか、回復液をたたえた花や閃光を発する虫が点在し、ここに息づくモンスターたちは時に互いのテリトリーをかけて争い合うこともある。
中には、こうした世界観を掘り下げるためにゲーム進行にほぼ影響しない「環境生物」なるものも配置されているくらいだ。
そして、本作ではこうした環境からアイテムを収集したり、時には即興で利用して戦術に活かしたりすることができ、これをして作中では「あるものはすべて使え」というアドバイスが送られるほどだ。
本作の特色とも評せる、これらを利用した戦術から12通りほどの例を並べてゆこう。
・回復ツユクサ
薬効があり体力を回復させる液体が詰まった白い花で、ゲーム最初の舞台「古代樹の森」始めの湿地で早くも目にすることができる。
プレイヤーがインタラクトしたり攻撃を当てたりすると中の液体が飛散して即座に体力を回復することができ、アイテムとして入手することはできないが補給としてみなせるだろう。
特に、この湿地のあたりまで出歩く可能性のあるドスジャグラスとの戦闘においてはこの花の位置を覚えておき、被弾したらこれに攻撃すれば武器を構えたままでも体力を回復できるという保険になる。
ほかにも「瘴気の谷」や「龍結晶の地」で見ることができ、「回復ミツムシ」という類似品もある、基本的なギミックの一つだ。
・シビレガスガエル
両手で持ち上げるくらいのまんまるとしたカエルで、その体の中に麻痺効果のあるガスをため込んでいるもの。
プレイヤーがインタラクト(キック)したり攻撃を当てたりするとひっくりかえってそのガスを周囲にまき散らし、一息吸えばプレイヤーはおろか大型モンスターでさえ体がしびれて動けなくなってしまう。
というわけで、モンスターをこの付近に誘導してカエルをひっくり返し、しびれて動けない大型モンスターへの攻撃チャンスとするのが当然の活用方法。
ただしガスの範囲はそこそこあるうえある程度その場に残り続けるので、得意顔で斬りかかって自分もガスを吸った・・・なんてことにならないよう要注意である。
近似種として「ネムリガスガエル」、「ニトロガスガエル」、というものもいるが、何が起こるかはひっくり返してのお楽しみ。
・綿胞子草
細かな綿毛がこんもりと生えた植物で、刺激を加えるとその綿毛があたり一面にまき散らされるというもの。
その勢いは結構なもので、綿毛も想像以上に大きく開くことから視界を遮る煙幕として利用できる一面がある。
モンスターとの戦闘中でもこれを利用すれば姿をくらますことができ、回復アイテムを使用して体勢を立て直すことはもちろんこちらを見失ったモンスターを一方的に攻撃することもできるだろう。
ただし・・・綿毛の範囲を出れば当然再度発見されるリスクはあり、散った綿毛は時間と共に落下して効果がなくなってしまう。
このチャンスを生かすも殺すも戦術次第だ。
ちなみに「環境利用の知識」というスキルは当初「綿胞子草の知識」という名前で、ひじょーに使いどころのないものだったそう。
・草の茂み
身を隠すという観点では、腰の高さくらいまである背の高い草の茂み一般に入って「しゃがむ」手もある。
こちらは効果を発揮するまで時間がかかるが、綿胞子草と違って効果が切れるということがないのでそのままモンスターが立ち去るのを待ったりキャンプへファストトラベルしたりといった離脱目的に使えるだろう。
・・・というのがチュートリアルの中で言及されるのだが、使用した瞬間に最寄りのキャンプへ移動できる「モドリ玉」という便利なアイテムがあるのでこの戦法を使う状況は皆無。
強いて言えば、しゃがみ状態で一定時間待つと治療できる「裂傷」状態を安全に治療する際に使える戦法だが、よりによってこれを繰り出す「オドガロン」は優れた嗅覚で隠れているこちらの位置にアタリを付けて攻撃してくるので結局この戦法に有効な使いどころはないだろう。
いちおう「潜伏」というスキルや、現在入手できない「アサシンの装衣」という要素もあるにはあるが・・・。
・キャンプ
シリーズにおいて現地における狩猟の拠点となる「ベースキャンプ」は、モンスターが侵入してこれない安全な場所に設営されるという設定がある。
マップがシームレスの本作においては特にこの設定が生きており、狭い洞窟の先やはるかな高台など実際にモンスターが入ってこれず安全が確保された箇所となっているのだ。
本作ではモンスターと交戦しある程度攻撃を加えているとモンスターの敵対状態を意味する目のアイコンが赤くなることがあり、この状態ではモンスターが従来作におけるエリアの概念を飛び越えてどこまでも追跡してくることになる。
立て直しを図って撤退しようにもそれが許されない恐怖はなかなか印象的だが、キャンプの位置を覚えておけば九死に一生を得ることもあるかもしれない。
なお、一つのフィールドには複数のベースキャンプが存在しうり、うち初期キャンプ以外は「候補地」を自力で発見し必要な資源を納品することによってアンロックされる。
ゲーム序盤には、必至で逃げ込んだ先がキャンプ候補地だった、なんて巡り合わせもあるかもしれない。
・崖・坂道
本作のマップは道が途切れていて落下してしまう崖や、立ち位置によって高さに変化がつく坂道といった高低差が多い。
「P2G」の時はディアブロスあたりを前に高台に登って相手の攻撃手段を限定させるのがひとつのセオリーだったが、本作の場合はモンスターたちもこれに順応して華麗なジャンプを披露するなどするのでハメ目的で使うことはない。
それよりも、崖から飛び降りたり坂道を勢いよく滑り落ちている間にジャンプしたりして空中攻撃を繰り出せるということと、これをモンスターに当てることでその背中にしがみつき拘束のチャンスを獲得する「乗り」状態に入れるということ、つまりより積極的な利用法が想定されている要素というところだろう。
また、新大陸にはアイルーに似た「テトルー」という種族がおり、彼らと親睦を深めることによって時と場所によってはこの「乗り」状態でモンスターを拘束する支援を受けることができる。
かなり長い時間一方的に攻撃できるチャンスとなるので、「乗り」に入れるシチュエーションは見逃さないようにしたいところだ。
・楔虫
もちろん、崖や坂道には利用価値ばかりではなく、単純に移動を妨げる不便さを覚えることもある。というかその方が多い
特に高低差の激しいマップの場合にはここに救済措置があることもあり、頭上の枝などに逆さに張り付いている「楔虫」がそれである。
スリンガーでこれに狙いを付けたらロープをひっかけてぶら下がることができ、この状態から勢いをつけてジャンプしたり、また別の楔虫に飛び移ったりすることができる。
これを使ってモンスターの攻撃から回避するようなシチュエーションがあれば・・・それを強要するクソ要素になっただろうが幸か不幸かそんなものはないので、まぁ移動手段と割り切って気軽に利用することである。
ちなみに、これをもっとも必要とするのはマム・タロトのエリア1。
・上昇気流
ほか、特に高低差が激しい「陸珊瑚の台地」では楔虫ではおっつかないロケーションもある。
崖をいくつも登ってようやくたどり着けるというロケーションがあるのだが、よりによってここが特定のモンスターの巣となっているため弱らせた後に逃がしてしまえば憂鬱な崖登りの時間ということになってしまう。
これに対しては、そのふもとに高く吹き上がる上昇気流があってこれを利用することができる。
プレイヤーが羽織って使用する「装具」という特殊アイテムの中にジャンプの滞空時間を延ばす「滑空の装衣」というものがあり、これを着ている間に上昇気流にインタラクトすると一瞬にして巣へと移動できるわけだ。
また、巣の中にも数か所上昇気流が吹き上がっている場所があり、くだんの装衣を着ている間であればこれを利用して武器を選ばず乗りを狙えるようになる。
ただ・・・一連のギミックは「陸珊瑚の台地」以外にはなく、装衣のほうもあまり使いどころがない気がしてならない。
(クシャルダオラの巣にもあると言えばあるが・・・。)
・地割れ
上方向へのギミックがあるとすれば、下方向へのギミックがあるものもある。
「大蟻塚の荒れ地」北東部の砂丘は大小さまざまな砂丘が入り乱れていて高低差が激しいかなり戦いづらいマップなのだが、この一角に特に平坦な部分がある。
戦いやすいと言ってここにモンスターを誘導し戦闘したとして、足元になんらかの強い衝撃を加えてしまうと・・・。
平坦な地面はその表情を変えて一点に集中、足元がぽっかりと口を開けて周囲のものを飲み込む「地割れ」ギミックが作動するのだ。
不幸にもこれに巻き込まれたモンスターは勢いよく直下の空間に叩きつけられて大ダメージと共に転倒してしまい、ハンターはと言えばノーダメージでその後に大きな優位を獲得することができる。
ド迫力で戦術的にも大いに利用しがいのあるギミックだが、この一か所で1クエスト1回しか使えないギミックなので注意深く使いたい。
・サボテンダー
・・・「大蟻塚の荒れ地」といえば一つ苦い思い出がある。
はじめてこの地を訪れた時、テーブル状の岩の上に見慣れた特徴的なシルエットを発見したのだ。
全身目に優しい緑色、物理的性質を無視したシュールなポーズ、頭の上の3本のトゲ・・・「ファイナルファンタジー」シリーズのサボテンダーだ。
後から知ったことだが本作は「FF14」とコラボしており、その一環としてこうして大蟻塚の荒れ地にサボテンダーが配置されているということであった。
驚きと親しみをもってこれに近づいてインタラクトし――
た瞬間にサボテンダーは高速で回転をはじめ、全身を覆う1ダメージの連続にあえなくキャンプ送りとなったのだった。
サボテンダーの代名詞「はりせんぼん」である・・・が、その初見殺しっぷりに正直コントローラーをブン投げんばかりであった。
その性質を把握してからはテオ・テスカトルを誘導して針まみれにするなど利用してはいるが・・・コラボモンスターがこんなぶっ壊れでいいのかと釈然とはしていない。
・落石
落下に関したギミックは他にもある。頭上の鍾乳石や結晶が落下する「落石」だ。
スリンガーで狙い撃つことで近接武器でもこれを起動することができ、上手くモンスターを誘導してヒットさせれば説明不要の大ダメージを与えることができる。
のだが―・・・残念ながらこれが配置されたロケーションがあまり多くなく、利用できる場所でもモンスターを落石の真下に誘導することがあまり容易ではない。
いちおうシリーズではモンスターを誘導するアイテムとして「生肉」の存在が恒例であり、本作の場合先述のような「潜伏」要素で交戦状態を解除する手段もあるのだが、そのうえでなお食いつきが悪いようなのだ。
これは特に説明のない「欲求状態」が関連しているのかもしれないし、あるいはモンスターの「食性」が関連しているのかもしれない。
身を隠しながら本作の大型モンスターを観察してみると、彼らは縄張りを歩き回ったりマーキングしたり、そしてもちろん食事をしたりと言った生態に基づいた行動を見せることになる。
そして、プケプケは草食、ボルボロスはアリ食、ドドガマルは鉱物食、と肉食性のモンスターばかりではないということに驚くことになるだろう。
こうしたモンスターの生態が作りこまれていることも本作の魅力の一つと言える――のだが、同時に罠肉の類がロクに機能していないことは難点の一つと言える。
まぁ、「P2G」でもババコンガに効くらしい程度の認識しかなかったアイテム群ではあるが・・・。
・モンスターの巣
モンスターに攻撃を加えその体力を減らしてゆくと、あるタイミングでモンスターがピタリと攻撃をやめ足を引きずりながら立ち去ることがある。
体力が残り少なくなった「瀕死」状態であり、その行先はと言うとモンスターそれぞれの寝床、ここにたどり着いたモンスターは眠りにつき体力の回復を図ることになる。
眠り状態では初めに受けた攻撃のダメージが2倍になるという副作用があり、残り少ない体力を一気に削り切れることもままあるが・・・。
同時に、本作におけるモンスターの寝床はそのモンスターが最も実力を発揮できる場所であるという設定が少なくない。
ボルボロスなら足を取られる泥沼でハンターの機動力を封じ、ディアブロスなら流砂の壁に隠れて突進を繰り出すようになる、といった具合である。
特に捕獲できない古龍種にこの傾向が強く、自宅のクシャルダオラと言えば本作最悪のクソモンスという声すらあるほどだ。
「あるものはすべて使え」・・・これは、モンスターの側においても例外ではないのかもしれない。
・13体のモンスター
「MHW」に登場する大型モンスターは全部で35体。(亜種3種とマグダラオス、コラボモンスター含む)
うち、21体が過去作に存在しない新規モンスター(コラボ2体)であり、残る14体にもまるで一新と言えるような変化があるものもいる。(※数え間違いを訂正)
おおまかな稼働区域、「骨格(スケルトン、アーマチュア)」にまで言及すればさすがに見慣れた動きということにはなるものの、「新大陸」という世界観に違わない構成だろう。
うち、個人的に印象深かったモンスターを13体ほど挙げてみよう。
・ゾラ・マグダラオス
本作の物語が始まるきっかけとなった「溶山龍」。
その存在を知るものは溶岩滾る火山を指してあれがマグダラオスだといい、つまりは火山に生息している――・・・のではなく、その全長200メートル超・体高100メートル規模?の火山そのものがモンスターである超巨大古龍である。
そして、この巨体にしてシリーズの中心的な舞台であった大陸から別の大陸へと移動する「古龍渡り」を行うという習性があり、ハンターズギルドと古龍観測所はこれまで4度の調査団を編成しその調査を行ってきたものの芳しい結果はなく、この度発見された過去最大サイズのゾラ・マグダラオスを相手に「5期団」を編成、プレイヤーハンターもこれに組み込まれる形で新大陸の冒険を始める・・・とこういう流れであるわけだ。
物語はマグダラオスが移動した痕跡を追う形で進み、意外にも早い段階でその「捕獲作戦」が決行されるものの、マグダラオスの調査は新大陸にさらなる謎が眠っていることを暴く幕開けに過ぎなかったのだった。
なお、このサイズは本作に登場するモンスターで最大・・・ではないかもしれないというところに「モンハン」のスケールを覚えるところだ。
(「瘴気の谷」のマップをよく見てみると・・・)
・プケプケ
「古代樹の森」を根城とする鳥竜種のモンスターで、外見はヤモリとカモを足したようなもの。
その外見には一瞬古龍の「オオナズチ」を連想するところだが、プケプケの場合は口から毒を吐く以外にこれと言った能力を持たず非常に対処が易しい部類に当たる。
ただし、直線的に毒を吐く以外にフィールドにある環境オブジェクトを口に含み、毒沼の滞留や毒霧の発生といった具合にその性質を変化させてしまう特徴も持つ。
瀕死に追い込んで巣へと逃げ帰った後も、ほかのモンスターのように眠りにつくのではなく「回復ツユクサ」を必死に舐めているという調子で「あるものはすべて使う」新大陸の狩猟をモンスターの側で実践する存在だと言えるだろう。
・トビカガチ
「古代樹の森」を根城とする牙竜種のモンスターで、外見はヘビ(=カガチ)とモモンガを足したようなもの。
尻尾でバランスを取りながら四足歩行で歩き回るという本作の新規骨格を持つモンスターの一体で、ドスジャグラスを中型とみなせば大型モンスターとしては初めて相対する存在。
身軽な体で樹木に飛びつき、皮膜を展開して滑空、宙返りして尻尾を叩きつけるという一連の動きは複雑な本作のフィールドを最大限生かした立体機動としてなかなか見ごたえのあるものである。
序盤の相手としてこれと言って厄介な能力こそ持たないが、縦横問わずこちらの死角死角へと回り込んでくる狡猾さは慣れるまで時間を要するだろう。
・ジュラトドス
「大蟻塚の荒地」に住み着いた魚竜種のモンスターで、外見は泥まみれで二足歩行する巨大魚。
旧作のヴォルガノスをマイルド調整したようなモンスターで、沼地という動きづらいフィールドで泥を投げつけて攻撃してくるがダメージは大したことなく、鈍重なうえ全身を常に晒しているので近接にとって殴り放題の相手である。
が、(アイスボーン未導入の)本作で唯一水属性を使うモンスターであるためその武器は重要で、これを最も苦手とするという相手も少なくはない。
また、痕跡として残す「付着した泥」の数が多く調査クエストの確保と選別に都合が良かったという面でもありがたい存在であった。
・オドガロン
「瘴気の谷」を根城とする牙竜種のモンスターで、外見は毛や皮が削げて筋肉がむき出しになったイヌ科動物といったもの。
絶えず動き回りながら爪と牙による鋭い攻撃を連続で繰り出してくるという行動パターンを持ち、悔しくも本作で初めて3乙を喫することとなった相手であった。
とはいえ咆哮を除いて風圧や震動などプレイヤーの操作を阻害してくる行動はなく、数々の攻撃は鋭いがゆえに無敵時間での回避が容易、肉質に厄介な部分はなく反撃は良く通り、和風ビジュアルの防具も「剛刃研磨」はじめ剣士に使いやすい性能ということで気が付けば最も討伐数の多いモンスターとなっていた。(滋養エキスもおいしい)
こういうのでいいんだよこういうので
・リオレウス
「古代樹の森」を根城とする飛竜種のモンスターで、シリーズ全体の看板ともいえる代表的モンスター。
作中においては「空の王者」の異名を持つものの、近接攻撃の届かない空中に退避したり遠距離攻撃すら届かないマップの外周を飛行したりといったガン逃げ戦法を多用することからついたあだ名がヘタレウス。
そんなマイナスイメージを払しょくするように、本作では基本的に近接でも手が届く低空飛行を維持しながら滑るように位置を変え火炎放射や体当たりを矢継ぎ早に繰り出してくる強敵として大幅リファインされている。
攻撃こそ激しいがその合間には必ず反撃のチャンスがあるため、ひるむことなく立ち向かい地に伏せてみせたい。
なお亜種のほうはー・・・。
・バゼルギウス
マップを問わず行動している飛竜種のモンスターで、全体としてドーム状の異様な姿をしたモンスター。
上半身や尻尾の先に無数に垂れ下がった不気味な球体は爆発性の体液をたっぷりとたたえた「爆鱗」であり、バゼルギウスは宙を飛行しながらこれをボトボトと落下させ衝撃によって起爆、それぞれが連鎖的に爆発し超広範囲を一挙に吹き飛ばすという無差別的な攻撃を得意とする。
しかも、好奇心が強く好戦的という性格から近隣でハンターが戦闘状態に入った折にそれを狙って飛来、これ以上ないほどに戦況を混乱させて分が悪くなったら早々に撤退するという厄介極まりない乱入型モンスターとして、ついたあだ名がう〇こ爆撃機である。
とはいえ、攻撃が極端に爆鱗頼りな都合上あしらうのはそう難しくもなく、広範囲を無差別に攻撃するということは本来のターゲットである別の大型モンスターほど効果的にヒットし大量の体力を削ることができるということでもある。
特に本作はモンスター同士が与えあうダメージが従来作から大きく引き上げられ「縄張り争い」や同士討ちを目論むのが有効な戦術となっているため、バゼルギウスの襲来は逆用を想定された仕様であると言えるのだろう。
専用BGM「飛来せし気高き非道」がやたらと格好いいのと防具に耳栓がついているのもあって、個人的には好きなモンスターの一つ。
・ヴォルガノス
「龍結晶の地」に住み着いた魚竜種のモンスターで、外見は溶岩まみれで二足歩行する巨大魚。
ジュラトドスの原型となったヴォルガノスも本作に登場、ジュラトドスに似た外見ながら攻めては灼熱の溶岩を飛ばし、受けては硬化した溶岩を鎧とするという攻守ともに別次元の能力を持つヴォルガノスに度肝を抜かれた新規プレイヤーは少なくないだろう。
・・・が、要はクソ肉質で付かず離れずにょるにょる動き回るというたいへん不愉快な性質、メインストーリーにも全く関わってこず、装備もべつに火属性モンスターが余るほどいるという都合から見向きもされなかった結果一周年時点で最も相手にされなかったモンスターという不名誉をいただくことになったという。
これを元ネタにした「我が名はヴォルガノス」というイベントクエストにおいて、本来クエスト報酬として1個2個手に入れてゆく「珠」系アイテムを攻撃ごとにボロボロ落としてゆくという大盤振る舞いを、エンドコンテンツの一種という大出世を果たし、たいへん世話になっている次第である。
(また、クエスト報酬の風化した珠*2確定が大きい)
アイスボーンを導入すればこの辺インフレしているとも言うけどなぁ・・・。
・ネルギガンテ
ゾラ・マグダラオスを追って姿を現す謎のモンスター。本作のメインビジュアルを飾るメインモンスターでもある。
マグダラオスの調査がひと段落、つまり下位クエストのストーリーがひと段落したことでその正体が追及され、マグダラオスのエネルギーを摂取するべく現れた「古龍を喰らう古龍」であると明かされる。
超自然的な能力を有する他の古龍に比べると一見特殊な能力を有しておらず、全身に無数に生えたトゲと屈強な肉体を活かした肉弾戦法のみを繰り出してくるのだが、このトゲを破壊することによってその真の能力、ただちに新たなトゲが生えそろう「超再生力」を示すこととなる。
傷ついた部位から現れるトゲは時間と共に硬化し必殺の武器にして無敵の鎧となり、ネルギガンテ自身もこの性質を理解していることからひとたび獲物を定めれば自らが傷つくことをいとわず・・・というべきかむしろ望んで捨て身の攻撃を繰り返してくるという。
ストーリー上、「下位から・不意打ちの形で」戦う古龍ということもあって実際にはそれほど厄介な相手ではないのだが、のちの強化とリファインを施した高難易度クエスト「歴戦王」においては「MHW」最後の追加コンテンツとしてケタ違いの体力と攻撃力、そして新技を以ってその幕引きを担ったという。
実際ナメてかかってトラウマになりました。
・テオ・テスカトル
主に「龍結晶の地」をねぐらとする古龍種のモンスターで、高熱の炎と引火性の粉塵を武器とする同種の雄の個体。
比較的個体数が多いのかシリーズへの登場回数が多めのモンスターで「古龍」としては代表的な存在。
活発な状態では近づいただけで命にかかわる高熱にさらされ、高熱への対策や能力を阻害する特効手段が必須となる。
本作の場合は一部の武器に「龍封力」というパラメータがあり、これらの武器で攻撃することによって能力を阻害し対処しやすくなる・・・
と説明されてはいるのだが、龍封力は瞬間的に能力の段階を下げるという効果でしかなく、龍封力によって鎮静化した直後に活発化しなおすなどして気休めにもならないというのが実態である。
ぶっちゃけ、従来の毒が効いている間継続的に能力が無効化される仕様の方がよっぽどよかった。
特にガンナーの場合活発化したテオ・テスカトルの高熱によって弾丸が無力化されてしまい、しかもこれを解除する銀の弾丸たる滅龍弾までもこの高熱を無効化できない(し、当てても気休めにもならない)有様でその設計をたいへんに非難されたという。
・ナナ・テスカトリ
主に「龍結晶の地」をねぐらとする古龍種のモンスターで、高熱の炎と引火性の粉塵を武器とする同種の雌の個体。
かつてはソロ向けクエストに登場するテスカト種という扱いでテオよりいくぶんかマイルドな性能だったのだが、それも「P2G」から10年の間未登場としてその存在が忘れられつつあったらしい。
本作でも当初未実装だったものの、追加アップデートとして驚きをもって迎えられ、その日のうちに相対した全員を絶望の淵に叩き落したという。
その性能はテオよりマイルドどころか、テオの動きを高速化し、起爆まで無害な粉塵に代わって接触しただけでスリップダメージを引き起こす青い炎をまき散らし、同時に風圧を起こし、肉質はテオよりまんべんなく固く、テオより頻繁に飛行状態に入り、閃光玉を実質無効化し、最大の攻撃では戦闘エリアひと区画をカバーするような超範囲に青い炎の高スリップダメージを展開しつつ風圧を連続で発生させてプレイヤーの操作を阻害し最後には致死威力の大爆発を引き起こすという極悪ぶり。
そして、これらに対して弱点はと言うと何もない。
特に公式が「ヘルフレア」と名付けた最大の攻撃は安地とか発動阻止とかといったスマートにやり過ごす方法がホントに何もなく(使わせることだけはできる)、モドリ玉で拠点まで戻ってしまうか、ひたすらジャーキーを食って被ダメージを相殺するか、近場の青い炎を踏んで吹き飛ばされ重体を負ったまま死んだふりをしてやり過ごすか、風圧の中緊急回避を連発して・・・ナナに尻を向けてジャンピング土下座を繰り返して命乞いするか、くらいしか生き延びる方法がなく、そのいずれにおいても攻撃のチャンスにはつながらないという壊れっぷり。
さらに初見ではこれを狭い闘技場の中で15分以内に撃退せよというクエストとして現れるため、そりゃあ「やりすぎだ」という非難も必然というものである。
いちおう歴戦王も倒したものの、「アイスボーン」がこの調整チームによるものだとしたらと・・・考えるのをやめた。
・ヴァルハザク
「瘴気の谷」の底の死骸の山の中に横たわる、その存在が謎に包まれていたモンスター。
その正体は四足歩行し翼を持つ見慣れた古龍のそれなのだが、その身を他のモンスターの死骸と、有機物を蝕む「瘴気」とを幾重にもまとうことによって隠し・守っているためその真の姿は死骸としてしか見る機会はないだろう。
「瘴気」とは瘴気の谷の空気中に含まれる微生物の集合体で、生身の生物がこれに触れていると緩やかに生命力が奪われてゆくのだがヴァルハザクはこれを自在に操ることができ、プレイヤーが相対する場合無条件に体力が蝕まれ続ける戦いとなることを意味する。
そのほかにも瘴気をブレスとして吹きつけたりその巨体を以って体当たりを仕掛けたりと致命的な攻撃手段を持つものの、ヴァルハザク最大の武器は瘴気の谷という特異な環境そのものが敵として牙を剥くことにこそあるというところだろう。
・・・と強者の雰囲気プンプンの非常に存在感あるモンスターなのだが、実のところ「瘴気浸食状態」さえ予防しておけば避けようがないが削りダメージにしかならない攻撃と、当たれば致命傷だが予測出来れば当たりっこない攻撃との両極端で対処は楽な部類になる。
肉質も全体的に甘めでひるませればよろよろと長い隙をさらし、今作の古龍で最弱という評もあるほどである。
歴戦王においてはスリップダメージが格段にえげつなく致命傷になるうえ防ぎようがないという点で理不尽の類ではあるが、本体はあまり変化がないため瘴気の範囲を嫌って走り回るようにすればちょっと戦闘が長引くのと回復アイテムの消費がマッハなのとくらいで後はだいたい同じだろう。
なお、龍属性が弱点ではあるものの身にまとう死骸や瘴気にさえぎられて大部分で通りが悪い、という点には多少注意か。
そんなビジュアルや設定と共にBGMや防具のデザインも非常に秀逸であり、個人的に本作で好きなモンスターの一つ。
・マム・タロト
ストーリークリア後にその痕跡を見つけることができる大型古龍。
古龍としての能力は「金属を体に吸着させることができる」で、普段はこの能力を発揮しながら地下洞窟を気ままに徘徊しているとされ、その通り道はおびただしいほどの黄金によって輝くという。
かつて調査団がその生態を調査しようとした折にはハンターを意に介さない巨体と人手不足のもとにあえなく失踪、その体にはこの調査に失敗したハンターたちの無念の武器が取り込まれており、5期団によって体制が整い人数も補充された今ふたたび姿を現したマム・タロトに対し総力を挙げて再調査を行う運びとなる。
その設定どおり集会所(ロビー)のプレイヤー全員で進捗が管理される特殊なレイドイベントで、はじめのうちは耐久力が高く短時間でマップを離脱してしまうが「痕跡の収集」や「部位の破壊」によって追跡ポイントを集めることでより攻略しやすいクエストに差し代わってゆく形となる。
(「追跡ポイント」は調査ポイントや与ダメージとは全く関係がない点に注意。下手に攻撃するよりは金色のガジャブーやカッパーカラッパの相手をしていた方が貯まりやすい。)
報酬としては既存の武器よりも若干強力な「ガイラ〜」や「皇金の〜」武器がランダムに現物で獲得され、本作のエンドコンテンツの一つに位置していると言える。
後発組としてよく仕様が分っていなかったのだが、現在は通常のマム・タロトが配信されることはなくより強力な歴戦王マム・タロトが2週間ごとに出現と失踪を繰り返しているらしい。
この点、上位クリア後すぐにソロで挑んでとんだ地獄を見たものである。
世の中には初期段階のマムをソロでクリアしてしまうプロハンターもいるようだが、並みの腕で追跡ポイントを貯めながらやるとなると数時間はかかると覚悟しておいた方が良いだろう。
いろんな意味で、始めてクリアした時本作で一番大きなガッツポーズをした相手だ。
・・・でも、大型古龍の「大角の破壊」がクリア目標ということで片手剣や双剣でのソロクリアはそもそも絶望的なんじゃあ・・・?
・14種の武器
では、最後にこれらモンスターに対抗するための「武器」について見てゆこう。
プレイヤーキャラクターが取れるアクションはこれら武器の選択によって大きく変化し、攻撃への対処法、効果的な位置取り、反撃の呼吸、ここぞというときの猛攻、といった諸々においてまるで別の動きを見せることになる。
これがシングルプレイにおいて新鮮な気分で何度もゲームを遊び直せる要素になるほか、マルチプレイにおいてプレイヤーそれぞれの個性を演出し、相性の得手不得手を埋める自己表現ともなるわけだ。
「P2G」のころはこの武器種間の得手不得手が明確過ぎ同一のプレイヤーであってもそれぞれの武器種を使い分けてゆくというプレイスタイルで設計されていたのだが、その後のシリーズでは武器のアクションやシステムを深掘りし習熟すればどのような組み合わせでも活路を見出せるようにと改められていったという。
そしてここにおける追加や変更がひとつシリーズファンにとっての楽しみであり不安ごとともなるわけなのだが・・・いかんせん自身にはその視点が欠けているため参考情報を織り込みつつも本作単独での使い心地について雑感を残してゆくこととする。
・大剣
申しわけ程度に片側を研ぎあげて刃を持たせた馬鹿でかい塊を担ぐ武器種。
見た目通り動作が非常に重いが、そのぶん力を込めて叩きつける「溜め斬り」の威力は必殺級。
ただし本作においてこれは三段攻撃の一段目に過ぎず、振り終えた余韻に追加入力をすることで「強溜め斬り」、「真・溜め斬り」とさらに強力な攻撃へと派生してゆく。
これらは溜め動作を「タックル」でキャンセルしても次の攻撃につなぐことができるので「溜め斬り→キャンセルタックル→強溜め斬り(→キャンセルタックル)→真・溜め斬り→モーションの2撃目をヒット」という動きは大剣における一つの必修課題というところだ。
・・・たいがいにめんどくさいうえ外しでもすればその間のダメージ効率はゼロ、操作こそ簡単だがどの溜め斬りを当てに行くかで相当の先読み能力を求められる上級者用武器という印象である。
しかして、使用率では太刀に次ぐトップクラスなのだからシリーズファンの愛着の強さがうかがえるところか。
なお、さすがにあんまりすぎたためか拡張コンテンツ「アイスボーン」ではこの辺に新スキルを含む大幅な調整が入っているという。
おすすめスキルは溜めを妨害されないための「耳栓」や「耐震」。
いちおうタックルとかち合えば無効化できるが、この辺なしにバゼルギウスが飛んで来たらマジで何もできなくなるので基本的に付けっぱなしだと思ってよいくらい。
・太刀
身の丈を超える大型の片刃の剣で、日本における「大太刀」をさらに極端にしたもの。
リーチと攻撃範囲があり操作のレスポンスも良く、ビジュアルも映えることから使用率はぶっちぎりのナンバーワン。
ただし「P2G」から移るとなると「練気ゲージ」に加えて「オーラ」の覚醒があるのが煩わしく、立ち回りの中で「(前動作)→気刃切り3→気刃大回転斬り」のアクションを必須とされるのが大変窮屈に映った。
看板級の扱いを受けている「ライズ」でもこの仕様は続投なので、みんな慣れているのだろうとは思うが・・・うーん。
おすすめスキルはコンボの段階を妨害されないための「耳栓」や「耐震」、また立ち回りにスタミナを必須としないことから「渾身」も一考できるか。
いずれも上位では装飾品が簡単に手に入るので、超会心や弱点特効などその他のスキルとの組み合わせの選択肢は豊富だろう。
・片手剣
比較的小型の刃物と小型の盾をそれぞれの手に持つ武器種。
ひとつひとつの攻撃が非力だが流れるような連続攻撃を行うことができ、抜刀状態でもアイテムやスリンガーを使うことができる特権がある。
部位を選んで攻撃すれば決して低くないDPSを発揮しうるがリーチが短いため攻撃できる部位の選択肢に乏しく、必殺技たる「溜め斬り」は使用に制限がないものの出が遅く動く相手にはまず当たらないと、使うのは難しくないが使いこなすのは難しいという玄人好みの武器。
飛行するモンスターは閃光玉で墜落させる、背の高いモンスターは落とし穴に落とす、スリンガー弾はこまめに補充する、と「あるものはすべて使う」を最も問われる武器なのだろう。
おすすめスキルは棒立ちの相手を前に動けない時間がもったいないので「耳栓」、安全性と時間的リソースの有効活用を計って「早食い」、マルチプレイではもちろん「広域化」、など。
ちなみに本作の属性強化スキルは「武器の属性値の強化には、上限があります」という注意書きがデカデカと書かれており、(マム武器までの)片手剣は特にこの上限が低いことでシリーズファンに不興を買った・・・らしい。
・双剣
比較的小型の刃物を両手に持ち交互に叩きつける武器種。
ひとつひとつの攻撃は非力だが怒涛の連続攻撃を繰り出すことができ、任意に起動できる「鬼人化」状態ではスタミナを消費し続ける代わりに「乱舞」という強力な攻撃が可能になる。
「P2G」時代には「強走薬」を飲んでスタミナが減らない状態にし常時鬼人化状態で乱舞を連発するというのがお馴染みの運用だったが本作では強走薬の効果が「スタミナが減らなくなる」から「スタミナが減りづらくなる」に変更されたため、適度に鬼人化を解除しての立ち回りも考える必要ができている。
なお鬼人化状態で攻撃を当て続けることで「鬼人強化状態」が得られるが、高速突進技の「鬼人突進連斬」を使えるくらいしかメリットがないのでこれにこだわる意味はあまりない。
おすすめスキルはスタミナの消費量を軽減し鬼人化を維持しやすくなる「ランナー」、同様にして「スタミナ上限突破」。
・・・だがどちらもレアスキル、スタミナ上限突破に至っては上位ジャナフシリーズの4部位セット効果でほかにロクなスキルが付けられない形となってしまう。
この点はナナ・テスカトリのエンプレスシリーズで改善する・・・のだが討伐の難易度が・・・。
・ハンマー
でかくてかたいカタマリに柄を付けてブンまわす武器。
他多数の近接武器と異なり「打撃」属性の攻撃を繰り出し、これは頭に当てることでモンスターを「スタン」させたり、モンスターのスタミナを大きく削いで疲労状態にさせる「減気」効果が発動したりと攻撃チャンスを作り出す効果に長ける。
のだがー・・・ハンマーの場合モーションが遅いうえにリーチが短く、本作のモンスターはなめらかな動作で動き回るので頭を狙って叩くという基本の立ち回りでさえ結構な困難がある。
叩きつけコンボなどはコンパクトで威力があり非常に強力なのだがそれぞれの攻撃がヒットしていなければ続く攻撃を繰り出せず、途中でモンスターがスタンして転倒されたり部位が壊れて大きくひるまれたりと自分の攻撃の影響であっさり途切れる事となるだろう。
また抜刀時の移動速度が早くなくガードも使えないため回避能力に致命的に難があり、難があるというのに敵に密着しなければ攻撃がままならないためリオレイアの突進など割とどうしようもない攻撃も散見される。
あげく、本作はマルチプレイの人数に応じて状態異常にかかりづらくなるという仕様があるため攻撃チャンス獲得に貢献するという意味ではハンマーはそれほどアテにならないという。
トータルで、ぶっちゃけ不遇武器ではないかというところだ・・・。
おすすめスキルは「耳栓」、「風圧」、「耐震」。ハンマーは特に接近できなければお話にならないので、この手のモンスターの操作妨害行動はなんとしても拒否してしまいたい。
・狩猟笛
鈍器として利用できるサイズの大型の楽器を振り回す武器。
楽器として奏でることでパーティーに様々なバフ(良性効果)を発生させるサポート力があるほか、リーチがあるため直接頭をぶんなぐって気絶させる運用もやりやすい。
・・・のだが武器ごとに演奏できる音色が違うとか属性と音色の両面から有効度を図らねばならないとか全体的に挙動が重くレスポンスが悪いとかそのうえで音色に合わせて攻撃を選択せねばならないとか煩わしい仕様が山積していて使用率はぶっちぎりのワースト、というか本作では1%台だった時期もあるとか。
これはそもそもの人気のこともあるが、それでなくとも移動速度上昇効果をはじめ多数の弱体化要素が加えられており不遇武器として数えられているゆえらしい。
なお「P2G」と比較すると演奏の仕様が一新されていて戸惑ったが、これは「MH3」からなので浦島太郎状態である。
おすすめスキルは演奏の効果時間を延ばす「笛吹き名人」(ほぼ必須)。
上位ではボーンシリーズの腰かギルオスシリーズの頭かに1Lvついているだけのレアスキルだが、装飾品の鼓笛珠がレア6のスロ1なので用意するのはそう難しくない。
・ランス
身の丈を超える巨大な突撃槍と身体をすっぽり隠すような巨大な盾とをそれぞれの手に持つ武器。
その巨大な盾は相手の攻撃を受け止める「ガード」の性能に活かされ、多くのモンスターの攻撃をほとんど動じずに受け止めて即座に反撃に転じることができる。
また、この一連の動作を一体化させ強力な反撃を叩きこむカウンター突き、全方位の攻撃に対応できるパワーガード、と防御に特化したアクションを持つことがランスの強みである。
・・・じゃあ攻撃は?
残念ながらというかダウン中の相手に最も有効なのが通常3段くらいで盛り上がりに欠け、肝心のガードも反撃たるガード突きの威力がかなり物足りないので、要所要所でカウンター突きの出番があるにせよステップで回避しながらひたすら通常3段という「P2G」時代と変わらない地味で単調な戦法が最も正解らしい気がしてならない。
ガードダッシュや突進など張り付き性能に長けているため退屈を覚える暇はないが、狩猟笛の次くらいに不人気なのも納得してしまう・・・。
おすすめスキルは体力最大の間攻撃力が強化される「フルチャージ」、ヴァルハザク防具一式で発動する「超回復力」orネルギガンテ防具一式で発動する「加速再生」。
ガードの上から受ける削りダメージは一式スキルで相殺し、デカい攻撃をもらったら迷わず回復薬G。フルチャージは思ったほど難しいスキルでもない。
・ガンランス
炸薬による衝撃波で物体を破壊する携行サイズの大砲に柄と刃を取り付けた武器。
肉質無視の砲撃に、ランスと同等のガード、高い部位まで届く斬撃と、かゆいところに手が届くマイティツールで竜撃砲という派手な必殺技もあるのだが現在の統計によれば使用率は14種中12位。なぜだ。
シリーズ作では「熱量」などシステムに迷走した経緯もあるようだが、本作では通常カートリッジと竜杭砲のリロード、竜撃砲のクールタイムにだけ気を付けておけばよく、斬撃一辺倒でも砲撃一辺倒でももちろん複合でも有効な戦術となりうる良調整となったようだ。
おすすめスキルは一部のガード不能攻撃をガード可能にする「ガード強化」、ほかガード性能にしろ砲術にしろ装飾品がまるで出ないので長く遊べてたのしいです(白目)
ガード強化はヴァルハザクの吹きおろしブレスやテオ・テスカトルのスーパーノヴァを密着してガードし即座に反撃に転じられるなど手数につながるため斬撃でも砲撃でも有効だが、装飾品がレアなうえ防具では金色のゴツい鎧であるガンキンシリーズのセット効果でしか発動しないのがネック。
破壊王やガード性能などほかについてくるスキルポイントまでガンランスに適したものとなっているので一度着用すると脱げなくなるかもしれない。
ちなみに、マム・タロト武器には砲撃Lv4のものがチラホラ混じっているので他の武器種と比べて明確な優位があり、つまり武器まで金色ということに・・・。
・スラッシュアクス
ゲージを消費して強力な攻撃を出せる「剣」と、この刀身を折りたたみ出力を封印した「斧」との2つの形態を持つ変形武器。
剣の状態は高威力・広範囲の攻撃を素早く繰り出せるが使用に制限があるうえ移動速度が極端に落ちてしまうため、敵の動きが激しい間などは斧の状態でこまめに位置を合わせ反撃の機会をうかがう・・・と言った立ち回りになるか。
攻撃面では非常に強力な武器なのだが、移動が遅いうえにガードもできないということで防御面を捨てており変形ギミックに慣れるにも結構な練習がいる難点がある。
今作では斧モードの移動性能が向上したほか剣モードの攻撃を当て続けると高出力状態に突入するという要素もあり、モンスターの体にしがみついて繰り出す最大の攻撃「零距離解放突き」の追加もあって、慣れてしまえば痛快な武器であるのは間違いないのだろう。
おすすめスキルは両ゲージに効果のある「集中」、高出力状態を維持する「強化持続」、など。
あとはもちろん、防御面を補うために体力増強や回避関係も欠かさない方が良いだろう。
・チャージアクス
取り回しよく攻撃できる「剣」と相手の攻撃を防ぐ「盾」、この二つを扱いながら時には一つの「斧」に合体させて強力な攻撃を繰り出す合体武器。
通常は片手剣に近い感覚で扱えるが攻撃によってエネルギーを貯める働きがあって使い込みすぎるとオーバーヒートしてしまい、このエネルギーを「ビン」に込めてから使用する斧形態は広範囲に強力な攻撃を繰り出せるもののビンが枯渇すると弱体化してしまう。
またさらに斧モードで「属性強化回転斬り」を使用すると盾強化状態に突入し、一時的に盾のガード性能や斧の出力が強化され高出力属性解放斬りが超高出力属性解放斬りにパワーアップする。
・・・という14ある武器種中最も難解で制約の多い武器種。正直多少練習した程度では全く扱える気がしない。
ただし剣モードの移動斬りでの張り付き性能、溜め二連斬りの定点火力、盾強化状態のガード性能、榴弾ビンの減気効果、超高出力属性解放斬りの瞬間火力・・・と出来ることは多く、このあたりで使用率は片手剣やスラッシュアクスより上、むしろ人気武器側なのだからハンターとは大したものだ。
おすすめスキルは盾強化状態を維持する「強化持続」、またガード強化や集中に、果ては砲術や装填数UPなどガンランスにしか効果がなかったようなマイナースキルまで多くのスキルが効果を発揮するという形で応用範囲をうかがうこともできる。
構成の自由度があるというのも人気の秘訣の一つなのかもしれない。
・操虫棍
「猟虫」という虫に指示を出して連携攻撃や自己強化を行える特殊な武器。
猟虫がモンスターから吸い上げたエキスによって自身を強化出来たり、時や場所を問わず自力でジャンプアクションを行い空中戦を展開出来たりと非常に独特な挙動を持つ。
反面基本のダメージは近接武器の中でもぶっちぎりに低く、モンスターの部位を正確にエイムしてエキス強化状態を獲得したり「飛燕」スキルを発動させたりと最低限として求められる要素も少なくない。
とはいえ地形が全体的に複雑になった本作においては空中で方向転換する「空中回避」や空中で任意の方向に突進する「突進斬り」による空中機動のメリットが計り知れず、相手の反撃を許さず空中から一方的にモンスターを切り刻む戦術は広く支持を得て次回作「ライズ」においてさらに本格的に仕上げられることとなったという。
おすすめスキルは空中での攻撃力を上げる「飛燕」、空中での各種挙動のスタミナ消費を抑える「体術」、エキスの効果を伸ばす「強化持続」、など。
スキルが組めず猟虫のスピードが育たない序盤は特に厳しい感があるが、いかんせん動きが独特なのでほかの武器種との使い分けは難しそうだ。
・弓
引いた弓の弾力を利用して矢を飛ばす古典的な遠距離武器。
攻撃ボタンを押しっぱなしにすることで力を溜め武器ごとの強力な遠距離攻撃を繰り出してゆく
・・・というのは「P2G」での話、本作では「溜め射ち(通常)」・「剛射(拡散)」・「竜の一矢(貫通)」の3種の攻撃が基本アクションとして確保され、チャージステップで華麗に回避しながら最適な攻撃を使い分けるという「遠距離専門の近接武器」とでもいうべきアクション性の強さに仕上がっている。
(ハンターノートにも「おすすめコンボ」のページがある)
とはいえもちろん有効な部位を狙って攻撃するエイムスキルも必須、習熟のハードルは非常に高いはずだが大剣と並んで使用率ナンバー2の座を争う人気武器というからハンターとは(ry
おすすめスキルは剛射やチャージステップのスタミナ消費を最大で半減まで持って行く「体術」。
溜め射ちの溜め動作に軽減効果がないのだが、溜めなくともコンボで次の段階の溜め射ちを繰り出せる仕様があり、どちらにせよ矢を放つときにまとまったスタミナを消費するのでほぼ必須。
各種の矢強化スキルは魅力的だが、立ち回りが狭まるうえ古龍や歴戦王の防具に一切スキルポイントが付いておらず装飾品もレアなのでハードルが高すぎる感。
・ライトボウガン
複数の弾丸を装填し任意のタイミングで繰り出せる遠距離武器。
恐るべきことに、本作では装填可能なすべての弾薬をあらかじめ装填しておきリロードせずに撃ち分けられるという仕様が加わりラッシュ力が別物に向上した。
なんという四次元ポケット
また時間経過で補充される強力な「特殊弾」というシステムが追加され、ライトボウガンの場合は地面に爆薬を設置し衝撃を加えるたびに肉質無視のダメージを与えられる「起爆竜弾」を扱うことができる。
設置した後起爆する二度手間が必要だが、相手の足元に強引に潜り込んで設置するもよし自分の足元にタル爆弾などと共に設置しておびき寄せるも良しと応用範囲が広くライトボウガンの機動力の見せ所ともいえるのでうまく活用して見せたい。
なお、本作は「トレーニングエリア」とダメージ表示があるおかげで簡単に検証できるがライトとヘビィ間の攻撃力の比較には何の意味もない。
シリーズでは実際の攻撃力をより派手に見せるための「武器係数」という虚飾のシステムを好んで取り入れているようなのだが、本作の場合はこれがホントにダメージに影響せず同格の「チェーンブリッツ(攻撃力130)」と「アイアンアサルト(攻撃力150)」で通常弾Lv1の威力を比較すると与ダメージが同じ、というか速射があるぶんチェーンブリッツのほうが与ダメージが多いということにすらなっているのだ。
とはいえ、一度に込められる装填数で差がつくため高Lvの弾薬ほどヘビィ有利、低LvやLvの概念がない弾薬はライト有利、という住み分けができているようであるが。
おすすめスキルは弱点部位に攻撃した時に会心率が上がる「弱点特効」。
機動力が高く常に狙いやすいポジションを取れるライトボウガンなら活用しない手はなく、「渾身」や「超会心」との組み合わせも好感触だ。
・ヘビィボウガン
複数の弾丸を装填し任意のタイミングで繰り出せる遠距離武器。
今作での仕様の多くはライトボウガンに同じ、装填数が多く高Lvの弾薬を使うことに適しモンスターがひるんだ隙に圧倒的な物量を叩きこめるのが華というところ。
特殊弾は相手を貫通しながら炸薬を残し連鎖爆発を引き起こす「狙撃竜弾」か無数の弾丸を息つく暇もなく叩き込む「機関竜弾」。
体が大きいとか縦に長いとか言った相手には狙撃が効果的にブッ刺さり、弱点が小さい相手には機関で集中射撃するのが有効、と使い分けできるが武器によってどちらかが固定なので選択の上では対応した弾薬を評価するのが優先だ。
おすすめスキルはガードの安定感を高め反撃のチャンスを増やす「ガード性能」。
ヘビィの場合は工房で「シールドパーツ」を取り付け相手の攻撃を防御することができ、しかも防具が統一化された仕様から(基本的に剣士用だった)ガード性能が簡単に確保できるため「相手の攻撃を真正面から受け止めたうえでノーリアクションで反撃に移る」ターミネーターみたいな運用が可能だ。
以上14種。
なおガンランスやチャージアックスなどギミックの複雑な武器が多いことと新規モンスターが多いこととが悪い形で噛み合ったのか、本作の武器は「鉄系や骨系のベース武器にモンスター由来の飾りをちょっと足しただけ」のビジュアルが圧倒的多数を占め、この点に大変不評を集め「ライズ」で全面改修を行ったという。
強力なモンスターを討伐し、そのモンスターの素材を用いて武器を作る、という流れを持つ「モンスターハンター」シリーズにおいて武器とはモンスターを討伐した勲章であり、多様な選択肢から選んだ自己表現でもあるという特別な要素として見られていた、ということらしい。
本作で一度つまづいたのは残念だが、こうしてシリーズファンが「武器」を通してモンスターとどう関わり合っているか確認されたことはきっとのちのシリーズに活かされてゆくものだろう。
・そして15年目の・・・
そて、先日17日には最新作「Monster Hunter Now」の情報が発表された。
「ポケモンGO」の開発と提携したARジオゲームとして、我々の日常世界にモンスターが入り込むという概要であるらしい。
2023年中のリリースを計画しているということで、「ワールド」から5年、「P2G」から15年を数えるタイミングとなる。
個人的にはあまりやらないだろうと思うものの、その公開情報の中で大きく描かれ、試験的に狩猟されていたモンスターが「ワールド」初登場のドスジャグラスだったことは少しの驚きをもって目を引いた。
シリーズを通して共通したモンスターが登場し、ある一作に慣れるとほかの作品においてもある程度勝手が効くというモンハンシリーズ、新作に備えて「ワールド」で肩慣らしをしておくというのは悪くない選択肢であるように思える。
そして一方で、現実の光景にキャラクターを重ね合わせるARゲームという性質をしてシリーズの大型モンスターの見上げるようなスケール感がどう表現されるのか、という期待を膨らませるのも良いだろう。
ビルの壁面を飛び回るトビカガチ、市街地に飛来するバゼルギウス、夜空に光るテオ・テスカトル・・・さすがにゾラ・マグダラオスは無理だとは思うが、さてどうなることか。
今更「ワールド」と思われるかもしれないが、モンハンシリーズはこうして新作が出るたびに「旬」がぶり返す、そんな感覚を覚えた一報であった。
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