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Robbit mon Dieuロビット・モン・ジャ


プラットフォームプレイステーション
開発シュガーアンドロケッツ
発売ソニーコンピューターエンターテイメント
発売年月日1999年 10月
ジャンル3Dアクション
プレイ人数1人
セーブデータ1ブロック


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
新システム追加 平和的・・・? ファンシー フルボイス
BGMは明るめ
散発的 コレクション要素あり





・ゲーム概要

 「ジャンピングフラッシュ!」シリーズの第4作としてリリースされた3Dアクションゲーム。
 おなじみ「宇宙市役所」の職員として「ハナウマ星」に住む住民たちのトラブルを解決してゆく・・・という内容であり、各地で発生する小規模なミッションがアクションの舞台となっている。
 発売当時の某体験版によると「mon Dieu」とはフランス語で、英語の「My God」、日本語の「おやまあ」、「あ、困った」に相当する言葉らしく、数々のトラブルに奔走するロビットを表現しているのだとか。
 第一作、第二作とは大きく内容を変え、シリーズ最終作となった本作の出来は果たして・・・?


・システム

 本作のアクション面における最大の特徴は、シリーズのキモである「3段ジャンプ」に加えて登場した「急降下」だろう。
 これは空中において任意のタイミングで使用でき、文字通りの凄まじい速度で降下するという機能。
 空中での姿勢制御に活躍するほか通常ジャンプより踏みつけの威力が高くなり、その他さまざまなギミックを作動させることができる。

 これを実際に使用してみると、ゲーム中では本シリーズの特徴である上昇方向のアクションに下降方向のアクションが加わったことでより機敏に、爽快感のあるアクションが味わえる。
 落下のタイムラグを無くすことでこうもプレイ感が変わるのかと、ちょっとした驚きが感じられることだろう。


・依頼

 そんなアクションの舞台となるのが、ハナウマ星の住民たちから舞い込む「依頼」。
 浮島となっている各ステージの中でさまざまな目標が定められ、これを達成するように跳び回るのが本作の内容となっているわけだ。
 この目標と言うのが実に多彩で、例を挙げれば

 「まいごになったのでおうちまでつれてってほしい」(すみだあきひこ5さい)
 「村おこしの為に温泉を掘り当ててほしい」(ドエライ村 村長)
 「ニンジンを食べあらすモグラちゃんをポッカーンとやっつけてほしい」(ジョニー)
 「ロビット操作の基礎研修を行う」(研修部長)

 などなど、千差万別。
 それぞれの依頼ではまるで別のアクションが要求されるため、常に新鮮な気持ちでゲームをプレイすることができるという設計だ。
 ゲームはこの依頼を一定数攻略するとひとまずクリアとなるが、その後もフリープレイとして未達成の依頼を攻略したり、依頼ごとにある隠された目標を達成したり、と多くの目標が用意されているので遊びごたえも十分である。


 ・・・が。
 一つ一つの依頼は短く小規模な物であるため、シリーズの魅力である爽快感や解放感には難の残る内容となってしまっている。

 ステージの広さについて見ると、従来作と同様の広さを持つものもある反面、狭いものとなると「ニンジン畑1」のようにステージの端から端まで3段ジャンプで届く程度になる。
 設計自体にもボーナスアイテムや隠しルートといった「遊び」が少なく、クリアする以外にマップを探索する楽しみが薄い。

 依頼の内容について見ると、長いマップのゴールを目指すといったものもある反面、移動するアイテムを回収する、落下しながらリングを通過する、と1分前後で攻略できる程度のものも多い。
 依頼の前には依頼人から依頼内容を説明するデモ、依頼の後には依頼人からお礼を言われるデモ、がそれぞれ欠かさず挿入されるのだが、下手をするとステージの内容よりこのデモの方が長くなる始末である。

 ・・・など、その規模は従来の「ステージ」よりも「ボーナスステージ」に近いものとなっている。
 ステージを跳び回るのはプレイヤーの自由意志からではなく攻略コース上そう定められているから、となり、「ジャンピングフラッシュ!」に慣れたプレイヤーからするとボリュームに欠け、自由度の低い内容だと映るかもしれない。


・ドットカード

 なお、本作には「ドットカード」なるコレクション要素が存在している。
 これはステージ内の宝箱から入手できるほか、駄菓子屋で「ドットスナック」を購入することによっておまけとして入手できるという、まぁプロ野球カードのパロディである。
 ゲーム中で入手できる通貨「KIWI」は一応ステージ内の「自販機クン」からアイテムを購入するのにも用いるが、ほとんどはこのスナックの大人買い用に費やすこととなるだろう。
 全80+20種類。入手できるカードはランダムであり、購入したスナック(チリ、カレー、ミント、青のり、イチゴ、レインボー味)の消費方法が気になるところである。

 さて、そんなカードの「絵柄」とはどのようなものだろうか?
 いくつか例を挙げてみると、

 No.17 アルコールランプ
 No.31 マカダミアンナッツ
 No.38 ウツボカズラ
 No.43 カピタンマント
 No.61 愛のハイヒール
 No.65 五重塔貯金箱
 No.80 アロハのアロハ

  _,._
 (;゚д゚) ・・・!?

 ・・・カード名そのまま、3Dでモデリングされたマカダミアンナッツや貯金箱がこのカードの絵柄となっているのだ。
 一部アロハ男爵などキャラクター関連のグッズがあるものの、その大半はゲーム内容と微塵も関係が無く、なぜこんな内容なのかと理解に苦しまざるを得ない
 何が悲しゅうてスナックを大人買いしてまでマカダミアンナッツの描かれたカードを当てなければならないのか・・・。

 なおこれらカードにはギミックが搭載されており、調べることによってマカダミアンナッツがダイナミックなBGMと共にズームイン・ズームアウトを行うなどする。
 本気で意味がわからない


・まとめ

 「ジャンピングフラッシュ!」の純粋な続編と言うより、シリーズのシステムを応用したボーナスゲーム集と言ったニュアンスのある本作。
 本作の魅力は爽快感や解放感ではなく、多彩な依頼に挑戦する新鮮味、それらをサクサクと攻略してゆく達成感、にこそあるといえる。
 依頼ごとに新たなテクニックを身につける必要があるため少々大変だが、シリーズ未プレイでもそういった3Dアクションに興味があればそこそこオススメである。
 またシリーズ経験者であっても番外編だと思えば、ふとした機会に連続踏みつけや高高度急降下といったテクニックを楽しめるボーナスディスク的な一本となる・・・かもしれない。


・ワンポイント攻略

 ・高度を稼ぐジャンプはジャンプの頂点で。距離を稼ぐジャンプはジャンプの終わり際に。練習しておこう。
 ・2段目、3段目で小さくジャンプすると落下速度が上がる。緊急時に活用しよう。
 ・エクセレントクリアのヒントは備考欄と主任のコメント。クリア後にじっくり挑戦してみよう。
 ・ドットスナックのレインボー味には必ず未入手のカードが封入されている。迷わず買うべし。





・関連作品

・ジオグラフシールX68000という初期のPC(ワークステーション)用に発売されたゲームで、本シリーズのひな型。
ジャンピングフラッシュ!第一作。3D空間を自由に飛び回る爽快感や解放感が魅力的。
ジャンピングフラッシュ!2第二作。前作の内容をマイナーチェンジして大幅なボリュームアップを施した。
・ポケットムームー「ポケットステーション」のミニゲーム集。本シリーズのキャラクターたちが出演。
・IQ FINALポケットムームーと連動、本シリーズのキャラクターが出演する。


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