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Steamポップ その9


 唐突だが、「Staem」をご活用されているだろうか。


 これは米「Valve」社によって開発・運営されているゲームのダウンロード配信サービス兼ランチャーで、ダウンロードならではの低コスト・メディア要らずの販売形態を特徴とするものだ。
 企業側にとっては物理的なパッケージや輸送・小売といった中間業者を必要としないために販売コストを抑えられ、またSteamのアカウントとゲームの購入が紐づけられているためユーザー同士での転売が行われることが無い。
 ユーザー側にとってはコスト削減分が還元された低価格でゲームを購入でき、また同一アカウント内ならば異なるPCでも同じゲームやデータで遊べるほかSteamコミュニティのフレンドに対する「ギフト」としてゲームを購入する事も出来る。
 などなど、双方に魅力のある設計であるわけである。

 そして、ユーザー側から見た「Steam」の一番の特徴といえばその強気なセール群。
 毎週始めに開催され、全ゲームの中から数十〜百数十本が割引かれる「ウィークロングセール」、
 週の中ほどに行われ、一定のコンセプトを持ったゲームが割引かれる「ミッドウィークマッドネス」、
 さらには週の終わりに行われ、ピックアップされたゲームが無料で遊べる「フリーウィークエンド」およびそれらのゲームが割引かれる「ウィークエンドディール」、

 といった割引イベントが毎週開催されており、しかもその割引き率は33%OFF、50%OFFは当たり前。物によっては75%OFFや90%OFFなど驚異の価格が設定されることもある。
 毎週行われるこれらのセールに、新たなゲームの発見や欲しいゲームの割引きを期待するのが「Steam」ユーザーにとって心を躍らせる魅力となっているのだ。


 と、前置きはこれくらいにして。

 遅めの梅雨とともに今年もSteamのビッグセールの一つ、「サマーセール」が始まっている(2024/6/28〜07/11)。
 今回はロマサガ2リメイクの「リベンジオブザセブン」や新作「真・女神転生V Vengeance」など様々なビッグタイトルが新発売・予約受付中というタイミングとなって注目を奪われがちだが、時を重ねれば重ねるほど過去の傑作の割引率が増してゆくSteamのこと、こちらへの興味も絶えず温めておきたいところ。
 ・・・個人的には「シャドウズ」のぶん予算が浮いた気持ちであるし。

 と、いうわけで今回は比較的割引率の高いゲームを中心的に紹介してみることにしよう。
 例によって内容はなでる程度として抑えるが、ゲームの公式サイトとSteam内の作品ページへの誘導リンクを配置したので興味を抱いたらぜひそちらにも足を運んでいただきたい。




「Zarathustra - Cybergeddon (ザラシュストラ‐電脳最終戦争)

開発Tim Rachor(※個人、リンクはXアカウントへ)
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/2779230/Zarathustra__Cybergeddon/
公式ページなし
リリース日2024年01月29日
人気タグ「ポイント&クリック」「ラヴクラフト」「サイバーパンク」ほか
日本語サポートなし (英語ネイティブでないとお手上げの謎解きあり

 ダークフューチャーポイント&クリックアドベンチャー。
 その世界は大規模な戦争ののち異星人によって極端な文明がもたらされた未来世界であり、成長する有機体によって頑丈な建築物を生じさせる「フレッシュ教会」と、電子の羅列によってこの世ならざる視点から情報を管理する「ネオン教会」の二つによって世界が構築されたという。
 死と隣り合わせにある生物と機械の融合、いわば、H.P.ラヴクラフトやH.R.ギーガーといったダーク・アーティストたちに影響を受けた内容なのだ。
 しかして、それを色数の少ないドット絵という旧世代機を思わせるビジュアルによって表現しており、個人的には「ダークシード」に強い既視感を覚える内容でもあった。

 ゲームの流れとしては、プレイヤーはFBI捜査官・ターナーの意識にリンクした内なる意識となって、フレッシュ協会の経典の紛失に始まるカルト教団と世界終焉の予言にまつわる事件に巻き込まれてゆくこととなる。
 原則的にゲームオーバーがなく、パズルや推理要素なども控え目(一か所英語ができないと半泣きになるところがあったが)、とつとつと人の話を聞いて回ってフラグを立ててゆくというカジュアルなバランスだ。
 魅力となるアートワークはゲームが進むごとに新鮮なものが提示され、豊かな登場人物たちはフルボイスで物語を盛り上げてくれるので、日本語サポートが一切ないにせよ最後まで飽きが来ることなく楽しめるだろう。

 興味深いのは、本作の特徴的なアートワークやボイスの数々は実は生成系AI(Dall-E3)によるものだということ。
 言われてみれば、背景のメカは緻密に書き込まれたリアリティを持つのに人物はかわいくデフォルメされているとか、顔グラフィックもリアル調からアニメ調までバラバラだとか、「画風が一定していない」という違和感はあるにはある。
 とはいえソシャゲなどに慣れていれば画風のばらつきなど日常茶飯事、サビやコケといった「汚し」まで丁寧に描かれたビジュアルには説得力があり、ボイスに関しては前後の会話の流れなしには用意できないような感情による声の起伏まで表現されている、と、今の生成系AIにはここまでのことができるのかと唸らされたところである。

 生成系AIに関しては急速に知名度を増したため国際的な法や倫理観の支度が後れを取ってしまい、様々に混乱のある現状だが、熱意と目的をもってこれを活用すれば個人であっても独力以上のゲームを作れるようになったのだ、と示す例(モデル)としてひとつ取り挙げておきたい。
 無料作品で要求スペックもさして高くないはずなので、Steamの入門用としても手ごろなところだろう。
 ツクールシリーズのこともあるし著作権の問題さえクリアできればゲーム界隈への生成系AIの導入は広く受け入れられるだろうと思っているが、さあてどうなることだろうか?
 ・・・少なくとも今のうちは、AIによって日本語の壁が打ち破られるくらい先の話なら議論も煮詰まってるだろうなと頭を抱えておくが。




「Dandara: Trials of Fear Edition (ダンダラ:「恐怖との対峙」版)

開発Long Hat House
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/612390/Dandara_Trials_of_Fear_Edition/
公式ページhttps://www.longhathouse.com/games/dandara-tof/
リリース日2018年02月07日
人気タグ「ソウルライク」「メトロイドヴァニア」「良質サントラ」ほか
日本語サポート字幕あり

 2Dメトロイドヴァニア。
 と、言っても本作はスクロール方向というかキャラクターの移動方法が非常に特徴的で、重力の概念が一切なく、上下左右にある壁から白く色分けされている箇所(ソルト?)同士を飛び回って移動するものとなっている。
 主人公ダンダラはこの上で好きな方向にエイムして射撃攻撃を繰り出すことができ、プレイ感は位置取りとエイム力、状況に応じた判断力に、未知のギミックを解く発想力が求められるという横シューティングゲームに寄ったものとなっているだろうか。
 また、ゲームはキャンプでの休憩を中心に探索の足を広げてゆくソウルライクかつ、新たなアクションを覚えることで障害物を突破できるようになり探索範囲が広がってゆくメトロイドヴァニアであるが、基本の「飛び回る」という移動方法から興味の薄いエリアは敵を無視して駆け抜けるような動きが可能であり、プレイ時間は戦闘の繰り返しよりもいかにしてギミックを解くかの謎解きに頭をひねることに割かれることになるだろう。

 舞台となる世界観「ソルト」は幻想的な抽象世界であり、豊かな色彩と透明感のある音楽で彩られている一方、支配者による圧政によって徐々に破壊されており色彩や音楽が失われた闇と腐敗の世界が隣り合ってもいる。
 重力の概念がないことも併せてかなり奇抜な世界ではあるのだが、一方、同じパターンの繰り返しによって描かれるドットによるグラフィックであることがそこにわかりやすさと親しみを加えていてこれが難点として映ることはないはずだ。

 また、少々尖った話題となるが本作にはタイムアタック系の実績があり、その目標タイムとは「2時間未満」である。
 しかしてさらに難易度の高いものとして、開発チーム内で出た最短タイム「1時間17分」を破ってみろという挑発的な目標も用意されているのだ。
 これに挑んだ感想を言えば、飛び回るという基本操作に慣れることでゲーム全体がかなりのスピード感をもって進行することや、かなり多くの敵を無視できることによる大胆なルート取りの考案など、上達することに特に喜びのある設計だと感じたものである。
 結局達成できたかどうかは・・・現時点のSteamのグローバル実績データを見ればどちらの実績も達成率は「1.7%」ずつ。
 挑戦した誰もが、それをやりきるまでモチベーションをかきたてられたということなのだろう。

 システムが変則的で比較的難易度の高いソウルライクというジャンルからゲーム初心者にはやや難しいかもしれないが、やりがいがあって印象深く広く勧められる作品だということにしておこう。




「Submerged (サブマージド)

開発Uppercut Games
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/301860/Submerged/
公式ページhttps://www.uppercut-games.com/submerged
リリース日2015年08月04日
人気タグ「探検」「女性主人公」「家族向け」ほか
日本語サポート字幕あり

 3Dアドベンチャー。
 大事変として世界中が海に飲まれてしまった世界で、ただ二人残された姉と弟のうち弟は重傷を負っていて何日も目を覚ましていなかった。
 日が落ちる頃になると、辺りに名残を残すビルのうちに発煙筒の明かりが目につくものもあり、つまりは救援物資の存在を知らせてくれたが、それらはいずれも崩落しつつあるがれきの屋上にあった。
 それであっても――姉はそのうちのひとつに小舟を走らせると、空に飲み込まれてゆくような苔むした壁に向きあって、目いっぱいに手を掲げたのだった。

 一言で言えば、巨像のいない「ワンダと巨像」である。
 巨大な建築物に対しわずかな突起やへりを見出してよじ登ってゆく、ボルダリングを体験するようなアクションを中心としている。
 比較すると、握力ゲージや転落の概念がなくこれといって「失敗」に当たることがないしステージごとの個性的なギミックに頭をひねることもなく、絶望を前に攻略の糸口を閃く高揚感があるわけでもない。
 が、そのぶん一面の海原に小船を浮かべてビルの合間を縫い進む非現実感や、ビルの壁面を一掴み一掴み登ってゆく征服感、その合間にふと人跡と自然の対比に気づく諸行無常感(≒廃墟萌え)に、そうして攻略したビルから辺りを眺めて新たな目標に狙いを定める挑戦心、といったものがゲーム全編にわたって刺激される一本だ。
 単調で飽きが来るという難点としてみることもできるが、実のところ数時間あればクリアしてしまえるくらいのゲームボリュームなので無駄がないという利点としてみることもできるものだろう。
 先に挙げたような雰囲気に何か惹かれるものがあれば、セール時の価格分は十分に期待できる作品だと推しておこう。

 ただ難点としては、ストーリーのほうがいくら手を尽くしても弟の状態が回復せず次々に問題が表れるという淡々としていて絶望的な内容であり、こちらのほうで心が折れかねないことと、そのくせ結末のほうがいやにあっけなく消化不良を残すことを挙げておく。
 続編として、もう少しゲーム内容に変化がつき色彩的にも色鮮やかになった「Submerged: Hidden Depths」があり、こちらのほうが万人受けするだろうとも思うのだが、平地やエレベーターが増えて上り下りの手探り感が減った点が正直物足りなく感ずるので一長一短とする。
 ただ、続編の方は若干パラレルながら弟が元気なところから物語が始まるので、やはり本作の旅路を通して感情移入を高めてから手を出すのが正道だろう、とも言っておくか。




「MARVEL SNAP (マーベル・スナップ)

開発Second Dinner
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/1997040/MARVEL_SNAP/
公式ページhttps://www.marvelsnap.com/
リリース日2023年08月23日
人気タグ「無料プレイ」「カードバトル」「PvP」ほか
日本語サポート十分

 基本無料カードゲーム。
 と、言うとカードパックに課金して環境カードを揃えてアグロデッキで先攻後攻ジャンケンという流れになりがちだが、本作の場合カードは原則としてコレクションレベル(だいたい戦ってれば上がるもの)に応じてアンロックされ、課金ではそのスキンを充実させるというビジネスモデルを採っている。
 キャラクター及びイラストはアメリカン・コミックスのMARVELのものであり、例えばアイアンマンなら通常のアメコミ風のほかにちびキャラ風、モンスター風、ドット絵、タイツっぽい1970年代ブロンズ・エイジ版、素顔のトニー・スターク、といったバリアントを収集し選択できるのだ。
 また、中には「ミッドナイト・サンズ」版のカードイラストもある。
 これらはさらにカードの破片を集めることによって3D風やアニメ付きといったふうに演出が強化され、プレイヤーごとの愛着を色濃く反映できる仕組みでもある。(この段階の合計がコレクションレベルである)

 ゲームのルールもかなり新鮮で、3か所ある拠点それぞれにカードを展開していって最終的にカードパワーの合計が高いプレイヤーがその拠点を確保、確保した拠点が多い方がそのゲームの勝者となるもの。
 しかして、拠点にはそれぞれに特殊効果があるうえにゲーム開始時にはそれが秘密となってる箇所があり、ゲームは全体的に不確定要素が強くなっている。
 そして、このうえであるのが「スナップ」の概念。
 これは各マッチングで上下するランクポイントの賭け数を倍にしないかと提案するもので、相手としてはこれを飲んで勝負を続けてもいいし、勝ち目がないと降参して負け分を抑えてもいい。
 ポーカーのようなのるかそるかの駆け引きがあり、勝てるゲームでドカンと勝つことが重要という設計なのだ。
 これは、拠点を取り合うゲームセッションが短時間で決着することと、不確定要素が強く勝ち負けが大きく覆ることもあるということと非常に相性が良く、ルール設計の完成度の高さに脱帽するところである。

 なお、「アイアンマン」のカードは自身ではカードパワーを持たないが、召喚時にその拠点にあるほかのカードのパワーを2倍にするという効果。
 お調子者でメンタルが弱いと評されるアイアンマンのらしさが表れているようでここも面白い。
 「ウルヴァリン」は自身が破壊されたときに強化された状態でランダムな拠点に復活(=ヒーリング・ファクター)、「カーネイジ」は召喚されたときにほかの自分のカードを破壊して自身を強化、「ハルク」は特殊能力を持たないファッティー、と、ゲームバランスを取りつつ原作再現も意識しているあたりも本作の人気のゆえんだろう。

 ・・・が、新カードが実装されるほどに、レベルに応じてアンロックされるというカードの収集方式がかなり足を引っ張ってきており、ビギナーほどカードプールを増やしづらいのに上級者は知らない強力カードをバンバン使ってくるという環境であり、原作が好きだからというカジュアルプレイヤーなどは勝てない・カードを増やせない・どうしようもないと打ちのめされるばかりになってしまっている。
 例えば「スパイダーウーマン」と「カーネイジ」はプレイヤーレベル18からアンロックできる可能性があるが、「スパイダーマン」と「ヴェノム」はレベル486以上を要求され、その場しのぎのカードの束を抱えながら気の遠くなるお預けを食らうことになるのだ。
 いちおう、課金販売されていたりシーズンパスに含まれていたりするバリアントの方を先走って購入できなくもないが・・・いずれも限定的でカードプールが伴わない以上、コンボパーツが足りないと気づいた時のダメージは大きそうだ。
 先のウルヴァリンとカーネイジにちらりと見えるが、本作は結構デザイナーズコンボに遠慮がない感もある。
 のるかそるかの駆け引きが醍醐味と言うことでゲームモードもほぼ対人戦専門であり、基礎こそは傑作であるものの・・・これから新しく人を誘えるかというと、首を横に振らざるを得ないものだろう。
 どこに問題があるかは明らかなので、カードの獲得方法に大きなテコ入れでも入れば見直せるが・・・なかなか、難しそうだ。




「The Surge (ザ・サージ)

開発Deck13
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/378540/The_Surge/
公式ページhttps://thesurge-game.com/the_surge_1/
リリース日2017年05月16日
人気タグ「ソウルライク」「SF」「アクション」ほか
日本語サポート字幕あり

 SFソウルライクアクション。
 マップ内に配置されている「拠点」から探索の足を延ばし、一体一体が致命的なエネミーに挑んだり配置を避けたりして活路を見出し、強大なボスを破ってマップを制覇してゆく、という同ジャンルは剣と魔法と怪物のファンタジー世界(ダークファンタジー)を題材としたものが多いものの、本作は巨大企業と近未来技術を題材にしたSFであるという点でやや異色的な一本だ。
 主人公も主な敵もパワースーツによって強化された人間であり、それらを構成する規格は同じ、このことから、戦闘中に敵の手足を切断し武器やアーマーパーツを奪って自身を強化するというゴアとバイオレンスに満ちた攻略過程が印象的だ。
 それでいて、暴走した警備メカや工業ロボットなど歪な巨大ボスとの戦闘もしっかりとあり、片手武器・ポールウェポン・工業用パワーハンドと武器バリエーションも豊富、敵を狩るほどに装備の強化素材が手に入り、操作のレスポンスも良好ときてアクション面に関してはしっかりとした楽しみが感じられるだろう。

 特に、最序盤から手に入る扱いやすい片手サイズ高振動ブレード「ASTir Vibro-Cutter」、ぶっといケーブルの束を腕に括り付けて相手をぶったたく「Carbide Cablewhip」、ボスキャラの溶接用アームを両手に取り付けて一部の攻撃で火炎攻撃を繰り出せる「Firebug Throttle v2.0」、ビジュアルだけのポールウェポンかと思いきや実際に弾が出て図抜けた運用を可能とする銃剣「Golden Infantry Rifle」、といったあたりはビジュアルと使用感が個人的にお気に入りだ。

 反面、ストーリー面に関しては・・・何やら陰謀が渦巻いていたり、主人公が半身不随でメッセージ性があったり、サブキャラクターにストーリーがあって続き物のサイドクエストを読み進めたり、することもあるが、正直さほど面白いものでもなく、分岐などの変化にも乏しい。
 (ネタバレとしては、原因がわかってみればAIとナノマシンが暴走してエラいことになってたけど、どうしようもなかったわーというもの
 ゲームとしての「リスポーン」にも特に説明がなく、いくら殺しても敵が尽きないことにせよ、そんな主人公もいくら殺されても気が付いたら生き返っていることにせよ、世界観的な違和感が余計に強く映るところだろうか。
 キャラクターメイキングやマルチプレイの要素もないので、まあ淡々とアクションが気に合うかどうかで判断することである。
 セール時にはワンコイン価格だが無料のデモ版も用意されているので、興味があれば気軽に触れてみよう。




「Genesis Alpha One (ジェネシス アルファ・ワン)

開発Radiation Blue (※いきなり「ログイン」を求められるが単にデザインのようだ)
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/712190/Genesis_Alpha_One_Deluxe_Edition/
公式ページhttps://www.radiationblue.com/ (※開発公式サイト)
リリース日2020年02月25日
人気タグ「SF」「ローグライクアクション」「基地建設」ほか
日本語サポートなし(テキストはそれなりにある)

 SFクラフティング・サバイバルアクション。
 プレイヤーは人類が入植できる惑星を求めて銀河を旅する入植船の船長となり、危険な惑星から物資を持ち帰ったり、船体を拡張してクルーをクローニングしたり、宇宙海賊の襲撃を生き延びたり、といった冒険を繰り広げてゆくこととなる。
 しかして・・・サルベージした資源の中にはエイリアンの卵や胞子によって汚染されているものが混じっていることもある。
 あまり冒険のことに夢中になっていると、背後でおぞましいエイリアンどもが繁殖しあなたの頭部をかち割らんと腕を振り上げているかもしれない。

 非常にイマーシブで空想が広がる作品だったのだが自身が確認したSteamレビューは「賛否両論」や「やや好評」と難色があり、そんなはずがないと期待感いっぱいに購入したものの、実際プレイしてみて「ああこんなものか」と落胆した一本である。
 というのは、結論から言って「やることに変化がなさすぎる」ため。
 クルーとなる「人間」には昆虫人間や液体金属、岩人間といった複数の種族が含まれるのだが体力と作業効率に差があるくらいで特殊能力や専用アビリティといった類は一切なく、
 敵対的なエイリアンと戦うための「武器」はいくつかのバリエーションがあるものの銃器として弾薬を生産して消費する都合上ひとつを集中して運用してゆかざるを得ず、
 クルーは全員装備が同じで顔や性格に変化のないクローンなので感情移入できる個性があるわけでもなく、
 敵エイリアンは人型か虫型かのザコがわらわら湧いてくるのみで巨大ボスのようなコンテンツは(ほぼ)なく、
 惑星を直接探索するパートはどんな惑星だろうと調査船を中心とした平原や草むらを一回り見回るくらい、
 船内でエイリアンの繁殖を防ぐには文字通り適度に卵を「掃除」するしかない・・・
 と、様々な要素がありながらいずれも底が浅くあっというまに同じことの繰り返しになってしまう内容であったのだ。

 ゲーム全体の進行としては広大な銀河マップの中でレーダーを開いて周辺の惑星のデータを表示し、「入植可能」な惑星を探すことと、入植に必要な大気を生産する「植物サンプル」を集めること、入植に必要な「クルー」の人数を確保すること、が目的となっている。
 うち入植可能な惑星を探すには近くに通りかかった惑星がたまたまそうであるか否かしかなく、クルーの人数は材料よりもキャパシティを確保するのが大変で、そのキャパシティとは「植物サンプル」の確保数による。
 厄介なことにこの「植物サンプル」は配置がランダムな希少品でとにかく数が少なく、銀河マップ全体を回る想定でようやくクリアに必要な数がそろうくらい、「マップ全体をしらみつぶしに探す」ことがゲームクリアの唯一のアプローチと言うことになってしまい、先の変化の無さは倍々計算のごとく重くのしかかることになるだろう。
 ああ、言ってみれば船に住み着くエイリアンを排除するのはシラミを潰すシミュレーターみたいなもんでもあるか。

 「ローグライク」と表現するにしても痛快なほど強くなれる要素があるわけでもなく、ゲーム1セッションあたり数時間とやたらと時間を食い、爆速で飽きるのでお勧めはしない。
 とはいえその世界観や宇宙線の船長というロールプレイ、「エイリアン」のホラー要素といったものに強く惹かれる気持ちもよくわかるので・・・セール時のワンコイン価格であれば、地雷を踏みぬく覚悟で興味を持つことを止めもしないでおこう。




「Lucius (ルシウス)

開発Shiver Games
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/218640/Lucius/
公式ページhttp://www.lucius.shivergames.com/
リリース日2012年10月27日
人気タグ「ホラー」「悪役主人公」「ヌード」ほか
日本語サポートなし(だいぶ影響あり)

 ダークアドベンチャー。
 子供のころ、どんないたずらをした覚えがあるだろうか?
 オレオにワサビをはさんで食べさせる?トイレのドアを押さえて閉じ込める?靴底にワックスを塗っておく?
 好奇心が向けば何でも試してみたくなるのが子どもであり、その結果こっぴどく叱られてやっていいことと悪いことの分別もついてゆくという物だが――。
 その分別がつく前に、誰かを傷つけるつもりでいたずらを仕掛けたとしたら、それは取り返しのつかない事態を招いていたかもしれない。
 それは事故だろうか?事件だろうか?

 「LUCIUS」は、「666」の獣の数字とともに悪魔の祝福を受けて生まれた少年ルシウスを主人公としたアドベンチャーゲームだ。
 この結果ルシウスは家族を殺害し生贄に捧げることと引き換えにテレキネシスやコンバッションなど超常的な能力を獲得することになるのだが、ゲーム開始の時点ではその力はほんの微弱なものでしかなく、当面の間ルシウスの武器は・・・「悪意のある物騒ないたずら」と言うことになるのだ。
 それは例えば、食事に殺鼠剤を混ぜるとか、冷凍庫に人がいるのを確認して扉に鍵をかけるとか、冬の日に水を撒いておき勢いよく転倒するように仕向けるとか、といったものだ。
 人が傷つくのは恐ろしい。不可解な出来事が起こるのは恐ろしい。起きてしまった悲劇に対し防ぎようがなかったと認めるのは恐ろしい。
 しかして、本作の場合は・・・過去に何か間違いがあれば自分がその実行者になっていたのではないかと思うくらい、日常と紙一重の出来事であるということが、そしてその紙一重を超える体験を取ることが最も恐ろしいものだろう。
 あるいはそれは、自分を標的にしてよく知った誰かが起こすかもしれないのだ。

 ゲームはアイテムや能力を使ってどう仕掛けをセッティングするかを手探りしてゆく内容でさほど難易度はないが、R-18で自己責任を担える大人向けであるのは当然と言えよう。
 また、ゲーム中のとある部屋にいけないおもちゃが山積みになっていたり女の人の入浴を盗み見たり大人のプロレスごっこを目撃してしまったりといった性的な意味でのR-18コンテンツも特に修正なく描写されているのでこの点も注意である。
 ジョーク交じりとは思うが、本作にはグラフィックをファミコン風にデグレードした「デメイク」作品も制作されているので、直接的な描写を避けたいのであればこちらを検討するのもいいだろう。
 想像力いかんによっては、むしろこちらのほうがより恐ろしく感じるかもしれない。

 なお、本作のその後を描いた「2」、「3」という続編もあるが、ルシウスの超能力が完成されてしまっていて本作とは作風がまるっきり違うとあまり評価は芳しくないようだ。
 そちらは未プレイなのではっきりとしたことは言えないが、焦ってバンドルに手を出すことはない、と静観を勧めておこう。




「Batman: Arkham City (バットマン:アーカムシティ)

開発Rocksteady Studios
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/200260/Batman_Arkham_City__Game_of_the_Year_Edition/
公式ページhttps://rocksteadyltd.com/our-games#batman-arkham-city (※開発スタジオサイト内ページ)
リリース日2012年09月08日
人気タグ「アクション」「探偵」「ステルス」ほか
日本語サポートなし

 DCコミックスの看板作品のひとつ「バットマン」を題材としたオープンワールドステルスアクションRPG。
 同様のコンセプトを持つ「〜アーカム・アサイラム」、「〜アーカムナイト」、に挟まれた「アーカム三部作」の中間に位置する作品である。
 というわけで「アーカム・コレクション」としてバンドル販売されているのでこれを購入するのが一番おすすめだが、一方では個人的に本作が一推しであり、無料のデモ版もダウンロードできるので特に紹介しておこう。

 「バットマン」とは、経済が極端に発展し連日巨額の金がやり取りされる一方で多くの貧民を生み劣悪な治安を抱える巨大都市「ゴッサムシティー」にて、闇の中から音もなく現れて悪党たちを成敗する怪人物「バットマン」の姿を描いたコミックスだ。
 数あるアメコミヒーローの中でも目からビームが出たり自動車をブン投げたり目にもとまらぬ速さで駆け抜けたりといったスーパーパワーを持たないバットマンは、黎明期にはそれこそ白昼堂々姿を現しておもしろガジェットで悪者をやっつけるコミカルな存在だったものの、その後作品を重ねるごとに闇に乗じて忍び寄り一撃のもとに敵を無力化し気が付いた時にはすべてが決しているという特殊工作員のようなファイトスタイルが定着(カートゥーン版「バットマン(1992-1995)」は好例だろう)し、これをゲームに落とし込んだのが本シリーズと言えるわけだ。

 それは例えばフックショットで建物の上に素早く飛び上がり、闇の中から悪党の行動をじっと観察し、一人になったところを頭上から襲撃してワイヤーで釣り上げたり、行動を予測して爆薬(命の危険はない)を仕掛けたり、マントで滑空しその勢いで複数人を一気にうち倒したり、といった内容だ。
 あるいは敵に見つかっても時代劇の「殺陣」のような格闘システムに突入し、複数の敵に取り囲まれるが一度に攻撃を仕掛けてくるのは1体か2体、これにカウンターを取りながら手近な敵を殴るという形でヒーローらしい大立ち回りを演ずることもできる。
 もっとも、繰り返す通りバットマンはただの人間なので銃を持った敵に狙われた状況では「煙幕」で姿を消して立ち去り仕切り直しを図るのが無難でもあるのだが。
 こうしたシステム周りは、ステルスアクションとしての面白さも、バットマンを体験するという「らしさ」も、ともに満足のいく形で実現した高い完成度を評価できるものだろう。

 さて「アーカム・シティ」の立ち位置についてだが・・・。
 前作「アーカム・アサイラム」は、よく脱走されるガバ警備でおなじみの アーカム収容所という「施設」をゲーム世界とした設計で、屋内を中心として探索よりも謎解きを意識するゲーム設計。
 ストーリーは宿敵「ジョーカー」による施設の掌握を破るという明確な対立が描かれ、「ペンギン」や「トゥーフェイス」といった大物キャラクター(スーパーヴィラン)の多くは私物の展示にとどまるという、幅にやや物足りなさのある内容であった。
 次回作「アーカム・ナイト」はゲームオリジナルキャラクター「アーカム・ナイト」をライバルとしながら「スケアクロウ」がゴッサム全体を支配下に置いた混乱が描かれ、その広大なゲーム世界を回るために「バットモービル」が操作できる形で登場した。
 このバットモービルは対車両戦闘を想定して機銃やミサイルでゴリゴリに武装した戦車のごとき代物であり、ゲーム内の結構な時間これを操作することになるうえ、敵側の装備が充実しザコにさえ逐一対策を取らねばならなくなったという点で、個人的には少々やりすぎを感じる内容だった。
 反面、DLCが充実していて「ハーレイ・クィン」や「レッド・フード」を操作してステルスアクションをプレイできたという点も見逃せないが。

 そのうえで本作「アーカム・シティ」は街のある区画を犯罪者や異常者の更生のために隔離したというバックストーリーを持ち、生身のバットマンを操作してビル群の間を飛び回るという移動を主に、ランダムに市民を襲う犯罪者を見つけては急降下して鉄拳制裁したり、犯罪者がたむろしている広場に対しどの方向から襲撃するのが最適か作戦を練ったり、といった体験が待つ設計。
 「アーカム・アサイラム」にマップが開けているというオープンワールドの強みを加えてその完成度をさらに高め、「アーカム・ナイト」のように戦車戦やレーシング要素でゲームの軸をブレさせてもいないという内容なのだ。
 個人的にはこれが最もちょうどいい。
 また、ゲームを進める中で女怪盗の「キャットウーマン」と操作キャラクターを交代する機会があり、そのままゲーム世界ほぼ全体を探索しなおせるという点も注目できる。
 しなやかな動きや鋭いツメで格闘し、ムチを自在に操るキャットウーマンはマッチョマンのバットマンとはだいぶ異なる操作感があって楽しく、またそれぞれのキャラクターでしか解けない「リドラー」の謎解きが用意されていて、飽きを抑えながらじっくりと遊ぶことができるだろう。

 ストーリーや登場ヴィランの面でも豪華さがあり、アーカム・シティを支配下に置いて大規模な破壊工作を企てる「ドクター・ストレンジ」とそれを防ぐべく奮戦するバットマン、これに巻き込まれる形で参加するキャットウーマンに、前作の影響で病に侵され治療薬を求めるジョーカーの暗躍、とそれぞれがそれぞれの思惑に基づいて立ち回っている。
 難点としては、このストーリーにして日本語サポートが一切ないことだがー・・・UIがわかりやすく目標を見失うということはないはずなので、あとはまぁキャラクターの性格と身振り手振りや声のトーンからなんとか雰囲気についてゆけるだろう。きっと。
 今からの日本語サポートの追加に期待できないという点は発売から時間が経っていることの悪さと言えるが、一方ゲーム内容自体は面白さの醍醐味を捉えた内容で色褪せず、セール時の割引率も大きいということで今回のトリということにしておこう。




 毎週新たなゲームとの出会いがある「Steam」。
 まだまだ紹介し足り無い気もするが、今回はひとまずここまでとしたい。




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