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ページ公開:2020/06/02


DARKSEEDダークシード


プラットフォームPC
セガサターン
プレイステーション
開発CYBERDREAMS
発売ギャガ・コミュニケーションズ
発売年月日1992年 ?月(PC)
1995年 07月(SS)
1995年 10月(PS)
ジャンルポイントクリック型アドベンチャー
プレイ人数1人
セーブデータ1つ4ブロック(PS)


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
手間 ノーリアクション 画質で台無し 妙に陽気 理不尽





 ※※※今回のレビューはネタバラシを含みます※※※


・ゲーム概要

 1992年にアメリカにおいてPC向けとして、その後1995年に日本においてローカライズしつつSS・PS向けソフトとして発売されたポイントクリック型アドベンチャーゲーム。
 最大の特徴は「エイリアン」のクリーチャーデザインとしても知られるアーティスト「H.R.ギーガー」にアートワークの使用許可を依頼したダークファンタジー系のグラフィックである。
 一方でアドベンチャーゲームとしての難易度は自国でも欠点として批判されるほど「難し」く、日本語版においては説明書においてゲームクリアまでの攻略をネタバラシするという異例の救済措置が取られることとなった。
 映画やアートブックでは無く、ゲームとして自分の目や足を使う感覚で著名アーティストのダークファンタジー世界をさまよう本作の内容は、果たして・・・?

 (なお、中古価格を調べた際ワゴン価格かどうか微妙な線だったのだが容赦されたい)


・グラフィック

 H.R.ギーガー氏の作品については検索してもらうのが最も手っ取り早い(時代のたまものである)が、検索せずとも映画「エイリアン」や洋楽のアルバムジャケットで作品は広く知られているだろう。
 人間の骨格や女性的な曲線にパイプやゴーグルといった機械的な造形を組み合わせ、全体をモノクロの色調でまとめてそれぞれの境界を失わせたアートの数々はエロティックであるとともにグロテスクでもあり、誰もが一度目を背けた後なおも見直さずにはいられない魅惑的な存在である。
 逆にチ○コとか亀○とかをバンバン使うのでお下品と切って捨てられることもあるようだが。

 本作は氏のアート作品をゲームの世界観に取り入れ、640*350ピクセルの16カラーという当時のハイレゾグラフィックで表現した作品だ。
 ・・・目頭が熱い
 英語版wikipediaによれば当初は「320*200ピクセルの256カラー」を想定していたようだがH.R.ギーガー氏から画質の粗さをダメ出しされ、色数と引き換えに画素数を高めたというのがこの数値であるらしい。
 この数は、例えば元祖ファミコンが「理論上256*240ピクセルの25カラーほど」、スーパーファミコンが「設定により512*478ピクセルの256カラーまで」、というスペック(あくまで簡易的な表現だが)らしいので比べるとその中間くらいの粗い画質であると言えるだろうか。

 セガサターンやプレイステーションで見るとどうか、というと残酷なくらい前世代的であり、肝心のアートは少なくない情報が失われた形となってしまっている。
 最大の魅力がこの表現力なのでどう転んでも期待未満となるところだが、まあ続けてアドベンチャーとしての内容も見てゆくことにしよう。


・プレイ日誌

 本作は非常に「難し」く、批判の的となったりローカライズ版の説明書で攻略をネタバラシされたりすることとなった。
 そこであえて初プレイでは攻略情報を封印してプレイした雑感を残してみたので、これを多少整えて載せてみよう。
 とりとめのない文章になってしまうが、一種の演出と思ってほしい。

 ○悪夢
 機械のような、骨格のような無機的な腕に頭をわしづかみにされた中年の紳士が写る。
 氏の額には小人が詰められた拳銃のような装置が突き付けられており、氏はそれから逃れようと震えているらしい。
 と、「腕」が動く。
 氏の額に小指をあてがい、ポケットティッシュの封を切るように左右に裂いたかと思うと、そこに「銃」から小人が飛び出して内部に挿入される。
 小人の足までが氏の額に飲み込まれたあと、あふれた体液がどろり、と垂れて氏の視界を汚した。

 ○目覚め
 イベントシーンが終わり、かなり粗い画質の主人公がベッドから起き出す。
 都会の喧騒から逃れ郊外の屋敷を購入したこの男「マイク・ドーソン」は売買契約の際の不動産屋や近隣住人の不自然な態度に警戒感を抱いていたものの、まるでここだけが異世界にあるように寂とした雰囲気に惚れ込んで一晩の下見で契約を済ませ、そのまま屋敷で眠り込んでしまったのだという。
 夢の影響か5・6秒に1回のペースで英語音声付きで頭痛を訴えるドーソンのために、まずは頭痛薬を探すことが最初の目標と言うところか。

 かくしてここから本作の「ポイントクリック式アドベンチャー」が始まるわけだ。
 本作は「移動」、「観察」、「接触」の3通りのアクションを切り替えながら気になったポイントをクリックして進めてゆく形式。
 「移動」はドアフレームなどに反応して別の画面に移動でき、「観察」と「接触」はそれぞれオブジェクトに対して異なるアプローチを行う。
 例として「トランク」に「接触」を行うと開閉を行うのみだが、開けた状態で「観察」することで中身を認識し改めて「接触」すれば取り出せると言った調子だ。

 またゲームシステムとしてはリアルタイムで経過する「時間」の概念があり、ゲーム内の「3日間」が過ぎてしまうと時間切れでゲームオーバーと言うことである。
 説明書ではこれをあなたの体内から生物が飛び出すとゲームオーバーです。とさらっと説明しているので現地では日常的な出来事なのだろうと納得して次に行ってみよう。

 ○ノーヒント
 頭痛薬を探す・・・と言ってもベッドサイドにあるのは電話くらい、UI面で現在の目標やウェイポイントを提示してくれることもなく、ドーソンにも「○○に行かねば」などという独白は無く5・6秒に1回のペースで英語音声付きで頭痛を訴えるだけといきなりのノーヒントである。
 アメリカでは洗面台の鏡の裏に常備薬がある(メディシンボックス)ことが常識なのだろうが、ローカライズで注釈されると言うこともなく日本人にとっては早速のハマりポイントと言うところだろう。
 とはいえ海外映画やドラマでよくあるシーンでもあるのでここはあっさり見つけ、屋敷の中の探索を始めることに。

 ○電話
 屋敷の中はボロボロで前の住人の持ち物が多数残されていた。
 中にはアンティーク的な値打ちのあるものもあるのだろうが、古びたトレンチコートやワインの空き瓶、悪臭のする冷蔵庫などのガラクタはインタラクトしてもドーソンが調査を渋る具合である。
 それでも「隠し部屋」や「ロープ」を見つけて探索に熱中していると「電話が鳴る」というイベントが発生。
 すっかり電話の場所を忘れて玄関などをうろついたのちベッドサイドにたどり着き、慌ててカーソルを「接触」にして電話の位置にもっていきインタラクトする。
 ドーソン:「誰に電話するというんだ
 ・・・タイミング悪く電話が切れたのは分かるがちょっとリアクションが違うんじゃないかと思い舌打ちした。

 ○配達物
 天井裏に鍵のかかったトランクなどを見つける頃、玄関のチャイムが鳴らされる。今度こそ間に合わねば。
 出てみると郵便配達物らしく、ドーソンは早速中身を確認した。
 赤ん坊の人形である・・・ホラーの定番である不気味さの演出、かと思うとこの人形がぐにゃりと変形し、合成樹脂とビニールパイプで覆われた人間の頭部のような物体が現れる。
 息をのんでいると物体はまた赤ん坊の人形に姿を変える。これは夢なのか現実なのか――・・・異世界の片鱗にコントローラーを握り直していると

 ドーソン:「」

 なんかリアクションしろよ! ボケ殺しだよ!
 この人形はアイテムとしてインベントリに加わることもなく華麗にスルーされ、仕方がないのでこの辺で家を出て町を調べることにする。

 ○臭い
 家を出て左手は「共同墓地」らしい。ちょっと「ペット・セメタリー」を思い出す。
 右手が町になっており、坂を下った先に警察署、食料品店、理髪店、図書館、が確認できた。
 「気味が悪いほど静か」な町に身構えつつまずは腹ごしらえだろうと食料品店の前に立つと――

 ドーソン:「シャワーを浴びなければ中に入れてもらえない

 ああ、臭いのねと納得して屋敷に戻る。

 ○サービス
 屋敷の正面まで来て画面奥に道が続いていることに気付き、ガレージを見つけて「バール」と「手袋」を入手する。
 またガソリンとキーのないクラシックカーが配置されており、これを修理するのがゲームの一つの攻略目標なのだろうなと思いつつシャワーに向かう。
 中年紳士のシャワーシーン。すりガラスにシルエットが写る誰得演出に頭痛を覚える。

 ○時刻
 さっぱりした後、すでに屋敷の探索や町との往復で結構な時間が経っているのではないかと不安になる。
 ゲーム画面を隅々まで確認し適当にコントローラーをいじってみるが、現在時刻の表示はない。というかセレクトボタンで時間スキップまでされる
 悩みつつもセーブしたときに時刻の情報が確認できることに気付く・・・UIの不足であると憤ってから、すでに昼過ぎであることを確認してリスタートする。

 ○デルバート氏
 食料品店に入店する。いろいろと商品らしきものが並んでいるが、奥にひと際目立つ酒瓶があったので「接触」する。
 店員:「申し訳ありませんがドーソンさん お代を支払っていただきます」

 ・・・まさかの商品を選ぶ前の現金前払い式である。インベントリから「お金」を取り出すと「ご自由にお取りください、ドーソンさん」と言われたので改めて酒瓶を取る。
 するとさらに
 店員:「これが最後のですよ ああデルバートさんががっかりするだろうなあ」
 すっげー買いづらい
 会話の多さや常連への配慮などの地域密着ぶりにうろたえていると、タイミングよく別の紳士が入店した。件のデルバート氏である。

 デルバート:「ハーイ! ユーマストゥビーマイク! アイムネイバーデルバー!(ネイティブ音声)」

 すっげー気さく
 陽気な挨拶から流れるように明日の午後に約束を取り付けられ、デルバート氏は特に買い物もせず店を後にしてしまう。
 手元に残された名刺を見ると「弁護士 デルバート・ホストムスキー」、「刑務所脱獄無料」といった文字が残されていた。
 ある意味コミュ障にとって恐怖の町だが、この辺で「ドーソンの一人相撲でここは案外普通の町なんじゃないか」という考えがよぎる。

 ○日記
 さておいて次の目標は「明日の午後6時に庭でデルバート氏と会う」だろうか。
 確認したところで自宅に戻って探索を再開、鍵のかかったトランクをバールでこじ開け「日記」を発見する。
 何やらリビングの「鏡」が異世界との接点になっているという一文があり、確認すると一部が紛失しているということ、もともとはガレージにあったこと、が明らかになったが、それ以上の変哲もなく話が途切れる。
 ガレージを再確認しようかなどと思っていると改めて電話が鳴り図書館に呼び出される。

 ○悪夢
 図書館では配達と似たドッキリが仕込んであっただけで特にリアクションは無かった。
 この日は黙々と探索を続ける中でうっかり自宅のベッドをインタラクトし就寝してしまう。

 リビングにあった鏡を見つめるドーソン。だが、鏡の中の自分が不意に金属の像が溶けたような不気味な容姿に変わる。

 ・・・やっぱり特にリアクションもなく目覚めたドーソンは再度頭痛を訴える。
 慣れた風に頭痛薬とシャワーをまとめてこなし、この日の探索の準備を整えた。

 ○放浪
 ・・・で、何をすればいいんだろう?
 午後6時の約束はあるが、ドーソンの屋敷に「お隣さん」は見当たらない。
 屋敷から左右の画面は共同墓地への道と町への坂である・・・時間に間に合うようデルバート宅を探すことに決める。

 が、全く見つからず、また何一つイベントが起きないまま時が過ぎる。
 この間に警察署の壁に拳銃がぶら下がっていたので拝借したり食料品店でしょうゆとクラッカーを購入してお金が尽きたりした以外にこれといった変化もなく、時刻を確認しようとしてその状態をセーブもしてしまう。
 結局、午後4時頃になってガレージの脇の植木の後ろから見えない道が続いていたことに気付きデルバート宅の確認に成功した。

 ○狂気
 結局デルバート宅の庭で待っていてもデルバート氏は現れなかったが、画面に入り直そうと移動したところ自宅のガレージ前で声を掛けられる。
 改めて庭に入るとデルバート氏はゲストをほったらかしにして終始無言で自分の犬に棒を取ってこさせる遊びを続けている
 絶対怒ってるよこれ・・・とか思いつつなんとかコミュニケーションを取ろうと「接触」するが、ドーソンもドーソンで話しかけることもなくいきなりデルバート氏の体に触れるなどする。
 ならばとアイテムを確認、「ロープ」や「手袋」などここまで一切使い道のない道具をスルーしつつ件のウィスキーの酒瓶を渡す。
 礼も言わずその場でラッパ飲みするデルバート氏
 すっかり飲み終わってから礼を述べたものの、特に夕食などを提供することもなく一人立ち去ってしまう。
 心境的にはしょうゆとクラッカーを両手に呆然としながら、ただひとつ残された「棒」を持ち帰って枕を濡らした。

 ○悪夢
 用途不明の機械にがっしりと固定されたドクロ。
 ドクロの中で胎動する何か。
 ドーソンの首が腐敗してドクロとフラッシュバックし目玉が溶ける。

 すっかりおなじみとなった頭痛に対処してから、いよいよ何も無さすぎてやべえと焦り出す。
 ここまでで使ったアイテムと言えば金とバールとウィスキーくらいである。

 ○発見
 何か変化があるかもしれないともう一度家の中を見て回り、トレンチコートのポケットに「図書カード」が入っていることを見つける。図書カードと言えば図書館だ。
 図書館に着くとカードに対応した本を調べることになる。本には「日記の切れ端」が挟んであった。
 日記の切れ端には共同墓地にあった納骨所の開け方と、物語を進めるであろう「時計の鍵」についての記述があった。次は共同墓地だ。
 「時計の鍵」は「タトルじいさん」が飲み込んで死んだとあった。つまり納骨所で棺か骨壺を探せばいい。
 というわけで骨壺が並んだ棚に「レナード・タトル」の骨壺を発見。早速「接触」する。
 ドーソン:「よくやった!これでレナードの灰だらけだ

 お、おう・・・おう?(ドン引き)

 数回繰り返したがドーソンはタトル氏の遺灰を浴びて満足するのみ、道具を使って調べようにも反応が薄くロープを持って調べると「これは吊るす花瓶ではない」などと不謹慎極まりない発言を繰り返す始末。
 もうすっかりドーソンは狂気に飲まれたのか・・・などと諦めつつ手ぶらで屋敷に戻ると、屋敷の前に警官が待ち構えていた。

 まさかの逮捕オチ。 ||Φ|('A|`)|Φ||

 ○終わりに
 独房に叩き込まれたドーソンだがこれといって脱出方法を見つけられず、「脱獄無料」と書かれたデルバートの名刺を握りしめながらここで攻略を挫折することとなった。
 どうせならバッドエンドを・・・と思ってセレクトの時間送りを連打したが「独房では時間がゆっくり過ぎる」とのことで効果が無く、本体の電源を落とすしかない詰みなのだと納得した。
 (実際は詰んではいなかったのだが)

 結局このプレイのドーソンは悪夢と頭痛から奇行に走って逮捕されたおっさんでしかなく、町には何も異変はありませんでしたと言う形でゲームを終えた。




・反省会

 ・・・というわけで初プレイは大失敗であった。
 しかも本作が魅力としていたダークワールドは夢と幻覚でちょっと出てきただけで、ゲーム全体を通して目標やイベントはほとんど提示されなかった
 問題文のないなぞなぞなど答えようがないように、これはどうしようもないと早速説明書の攻略を解禁したところ唖然とすることとなった。

 まず一つに「上記の最終日に行った探索は攻略ルーチン上初日に消化する内容だった」ことがある。
 実はトレンチコートのポケットには初日から図書カードが入っていて、「二回続けて観察することでこれをみやぶる」必要があったらしいのだ。
 ただし、ゲーム中で2回以上観察して内容が変化するのはここくらいの特別仕様である

 もう一つに「このゲームの魅力たる『ダークワールド』を訪れるには、二日目において午前10時までにガレージのカーラジオを聞いてフラグを立てなければならない」ことがある。
 カーラジオは初日には音楽が流れるのみ。二日目の時点で注意を促すようなイベントは一切なく、なぜここに変化が起きるのか事前に予想できる要素は一切ない
 さらにここのフラグを逃すと物語にダークワールドがほとんど関わらず上記のように淡々と終わる
 このアート部分を魅力にしたゲームなのに自力発見は出来そうもない隠し方をしているあたり、娯楽として大減点は必至だろう。

 それから「時刻を確認できるアイテムとして時計が存在した」ことも挙げよう。
 ただしこれは日記の入っていたトランクについて、さらに横から押すことでテラスへの道が開けるという仕掛けがあり、さらにさらにこの途中でトランクのあった床をクリックするとおもむろに時計を拾い上げるというもので非常に見つけづらい。
 一見普通のトランクにこれだけの仕掛けを盛り込むとは思えないし、目に見えないアイテムを見つけるなんてのも偶然任せというところだろう。
 ところがそうして手に入れなければならないのが基本機能レベルの必須アイテムなのである。

 そう、本作の仕掛けを細かく見てゆくと事前に予測を立てる術がなく総当たりや偶然で進めるしかない、「難しい」のではなく「理不尽」なものが大半なのである。

 分かりやすい例として、本作では「操作すると感電死するレバー」が2か所登場する。
 しかし初めて操作する一か所目で事前に感電するというヒントは無く、これを回避できるのは「ゲーム内のすべての仕掛けに対してあらゆるアイテムとの組み合わせを試行し正答を確信してからリセットする」変態の類か「一度引っかかってやり直した」経験者か、あるいは「超人的な第六感で仕掛けを予見した」エスパーくらいのものであろう。
 対して二か所目は「一か所目の仕掛けを知っている」ことで回避できる(もとい「回避方法がわかる」)ので、こちらはまだ「難しい」の範疇と言えなくもない。
 この対称は面白さにつながる難しさにはヒントが必要である、という教訓となるような例であるように思う。
 ヒントと言っても、問題文の提示に近いくらいの前提を指す話ではあるが。


・まとめ

 というわけで、本作は画質の粗さでせっかくの著名アーティストの作品を満足に表現できていないうえ、アドベンチャーゲームとしても「難しさ」と「理不尽さ」を取り違えた問題作である。
 その理不尽さもカーラジオの件に垣間見えるようにひとつ手順を間違えるとクリア不能の「詰み」になるうえ、その失敗が明かされずゲームが続くという形が多くいたずらにプレイ時間を引き延ばす悪影響が著しい。
 しょうゆとクラッカーを買ったら詰みなんて誰がその場で思おうか

 またドーソンはじめ登場人物のだれもがゲーム内の異常事態にローリアクションなので、ストーリーにホラーとしての盛り上がりがないのも辛い。
 この理不尽さをいっそブラックユーモアとして楽しめるならばアリかもしれないが、現代で見るにはなんとも厳しい一本である。





・関連作品

・ダークシード2続編。大幅に画質が向上し魅力の表現力が高まったようだが、またプレミア度が高く詳細は未確認。
SCORN現在(2020/06/02)開発中のFPSホラーゲーム。
ゲームシステムの詳細をあえて伏せているらしく内容は知れないが、デザイン面においてH.R.ギーガーの影響を強く受けたという。
Tormentum - Dark Sorrowダークファンタジー世界を舞台としたポイントクリック式アドベンチャー。
直接的な関連は無いが似たソフトの一つとして挙げられるだろう。
Lust for Darknessダークファンタジー世界を舞台とした一人称視点アドベンチャー。
直接的な性描写や鮮やかな色彩のライティングなど作風は偏っているが、機械と生物を融合させたデザインの数々はH.R.ギーガーを連想する。
一人称視点ならではの臨場感も魅力的なので名前を挙げておきたい。(18禁注意)
Lust from Beyond現在(2020/06/02)開発中の上記の続編。
無料のデモ版があるので試しにプレイしてみるのも良いだろう。(18禁注意)


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