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ページ公開:2025/06/13


ルドラムを想う ―サ終済みアダルト向けソシャゲ雑感集―


 ※注意※
 以下の内容はFANZA(旧:DMMゲームス.18)が提供するアダルト向けソーシャルゲームに関するものとなります。
 18歳未満の方の閲覧は不適切と思われますのでご遠慮ください。


・まえおき

 去る2025年06月12日、主にアダルト向けソーシャルゲームを展開している「FANZA」にてまた一つのソーシャルゲームがその歴史を閉じた。
 名を「ミッドナイトガールズR」といい、「R」とはR指定のRではなく「リボーン」、または「リブート」のRを意味し、その前身として「ミッドナイトガールズ!」があった。
 開発は「ディーゼルマイン」、ドM向けモンスター娘被虐作品を多く展開しごく一部で圧倒的な支持を得ていたもののソーシャルゲーム運営の実績はなく、その軌跡は順調とは言い難いものであった。
 「PvPのマゾコインシステム」とか「裸衣装の露出度のナーフ」とか「わからせコンテストの不正行為について」とかといったパワーワードが数多く生まれたものである。

 しかして・・・全年齢版をぶった切って「エロ」を世界観の根底として据え、長期運営するソーシャルゲームとして期待感を絶やさない果てしない冒険と、時節に合わせ毎回工夫を凝らした騒動、そしてそれらを構築する大勢のキャラクターたちを描いてきたその物語は、無印・Rを通して6年半もの間支持され、この時にして「何でもあり」のスラップ(意味深)スティック(直球)モン娘被虐ラブコメ冒険活劇として無事完結された。
 それは「CAMPFIRE」でのクラウドファンディング企画も一瞬で達成される程に評価され、テキストアドベンチャー部分のみを集約したアーカイブス版として再出発が約束されているので、18歳以上で興味を引いたのなら足を運んでみると良いだろう。今(7月26日まで)なら返礼品として予定価格よりも割安で入手可能である。

 ・・・ソーシャルゲームとは本当に刹那を楽しむものである。
 「日課」といって退屈に日々を過ごすのも、「推しの新コス来た!」とか言いながら手を震わせるのも、「クソイベ」などと舌打ちしながら苦行に身を投じるのも、等しく時間は流れいつかは終わりを迎えるということを改めて感ずる。
 しかし、その後に残るものもある。
 正直・・・自身、今あまり気持ちの整理がついておらず文章が拙いのだが、それを多少解消する手順として「サービス終了を看取ったことのあるアダルト向けソーシャルゲーム」の思い出を少しまとめて、このページとして残してみたいと思う。

 非常に個人的な話、かつ世間体の悪い「エロ」を扱う話となるので、不快感を抱いたり興味が失せたりしたならば自己判断でブラウザバックしていただければ幸いだ。





「影牢 〜トラップガールズ〜」

プラットフォームFANZA
公式Twitter(現X)https://x.com/kagerotrapgirls
サービス運営期間2015年07月30日〜2016年07月29日
プレイヤーの立場「魔神」
キャラクターの傾向お姉さん系、ファンタジー中心
エロの傾向お色気、エロハプ

 テクモのトラップアクションゲーム「刻命館」、「影牢」の流れを汲む全年齢向け(お色気要素あり)ソーシャルゲーム。
 3Dの箱庭空間でキャラクターを自由に動かし、任意の位置に「トラップ」を仕掛け、殺意を持って接近してくる敵キャラクター「侵入者」たちをその位置に招き入れて逆に虜とする・・・というシリーズ本来のシステムを再現しながらそれぞれの「トラップ」が擬人化された美少女「メディウム」となり入手や育成の概念があったという作品。
 例えば一度に5本の矢を連射する「ガトリングアロー」は「ブリジット・ガトリングアロー」というミリタリーオタク風の美少女として登場し、「ダメージ強化」のスキルが5発それぞれに乗っかるので特化するとかなり凶悪な処刑用トラップとして運用することができた。
 また、編成の中では直接操作するリーダーを決める必要があり、原作で敵を凍結させることのできる「コールドアロー」は「ディニエイル・コールドアロー」という雪女風のエルフとして登場し、周囲の敵を凍結させる緊急回避や申し訳程度の威力の弓矢で立ち回ることができた。
 ただしトラップとしての「スキル」はクエストに出て基盤や素材のドロップを狙って延々と周回する必要があり、これが長期間取り組むべき日課となっていたものだ。
 一方、「好感度」のような概念はなくほぼ課金コンテンツの「カギ」を消費することによって追加エピソードを開放するか、悪堕ちした敵として登場するものに「アーマーブレイク」演出を発生させるか「弱点」トラップを当てるかというのがほかのアダルトソーシャルゲームで言うご褒美要素を担っていた。

 個人的にはあまり課金のメリットを感じず、ほかのプレイヤーとの交流要素にも乏しかったためマイペースに黙々と遊んでいたのだが、そこが災いしてかサービス開始から半年程度で更新が滞り1周年を待たずにサービス終了するという、当時のDMM.18でよくある「半年コース」で終わってしまっている。
 家庭用ゲーム機向けの人気作品を原作とし、DMMゲームスと接点を持つきっかけとなった個人的に思い出深い作品だが、その消化不良な別れ方は自身にとってのちに様々なソーシャルゲームを渡り歩く動機となったように思う。

 なお、好みのキャラクターを3名挙げると冷徹ドライに見えてだいぶポンコツなディニエイル・コールドアロー、蠱惑的な夜のお姉さんヴェロニカ・スパイダーネット、坂道に並んだ敵を一網打尽にするコンボの契機役として大活躍したメアリーアン・スノーボール。




「サークレットプリンセス」

プラットフォームFANZA
公式Twitter(現X)https://x.com/cirpri_staff
サービス運営期間2019年04月18日〜2020年03月31日
プレイヤーの立場「コーチ」
キャラクターの傾向学園モノ
エロの傾向純愛、スポ根

 DMM.comが総力を結集し・・・というのは過言にせよ、非常に力を入れて取り組まれソーシャルゲーム。
 学園モノの世界観のもとアダルト分野で活躍する作家陣にキャラクターデザインを依頼し夢のクロスオーバー的作風を出す一方、プレリリースとして全12話の全年齢向けアニメを展開したという異色の経緯を持つ。
 ・・・のだがゲームとしてふたを開けてみれば戦闘システムについてもメインストーリーについても「5人」のメインキャラクターをひたすらに盛り立てる内容で同人作家陣が描いたキャラクターたちは「サポーター」として脇役どころか装備品のようなごく小さい扱い、各々の絵柄を積極的に出してゆくスタイルは不協和として批判的な意見も集めてしまい、なんとか改善しようと取り組んでいたものの挽回できないままサービスを終えてしまった・・・というふうに記憶している。

 個人的には「ソシャゲとして大量に獲得したキャラクターを装備品として編成する」システム自体は無駄を抑え拡張性があると好意的に評したいのだが、そうは言ったって戦闘でアクションしたり声を挙げたりするのがメイン5人だけというのは悪手だろうと思えてならなかった。
 本作の少し手前の「エンジェルロック」、のちの「シャングリラドライブ」、とFANZA(DMM.18)ではわりと見るパターンなのだが、どれもその点を評価する声は聞こえてこないものだ。

 印象深いキャラクターを3名挙げると作家(嘘つき屋)の足フェチ作家としての個性をいかんなく発揮した天野真祈、作家(ふくまーや)好みの巨乳キャラを描いところコミュニティが現実離れした奇乳だと騒然としてしまった小野木更紗、「図書委員で返済期限の迫った本の取り立て屋」という一風変わったキャラ付けのキャラストーリー(全年齢箇所)が面白かった神林七穂(担当作家は仙道八)。
 本作のご褒美シナリオは吹き出しや効果音の書き文字によって漫画風の画面構成が取られ、作家個人個人の世界が演出されているのがユニークであった。




「シャングリラドライブ」

プラットフォームFANZA
公式Twitter(現X)https://x.com/ShangriLaDrive
サービス運営期間2023年06月13日〜2024年01月12日
プレイヤーの立場「隊長」
キャラクターの傾向年下中心
エロの傾向純愛

 「競輪ポーズでおしりを持ち上げている女の子ってエッチだよね」からゲームを作ったらこうなるだろうという3Dソーシャルゲーム。
 クエストを周回して搭乗するメカニックのパーツを集め、ランダムパークを吟味して積み替えたりスクラップにしたりするというトレハン要素があってガッツリ遊べ、キャラクターは3Dモデルで表現することによって全方位から眺められるよう設計され、アクセサリーなどの備品で細かな課金要素のニーズを用意する、と男子のロマンを狙い撃ちした作品だと言える。
 ・・・のだが、わずか半年と少しという爆速でサービス終了してしまったのでそのコンセプトはニッチが狭かったのかもしれない。
 同運営では「デタリキZ」という3Dソーシャルゲームも展開しており、キャラクターの一部はこちらに避難する形で現在も活躍中だという。

 なお、衣装差分以外にキャラクターを厚くする形で「救出キャラクター」という概念があり、クエスト中の強敵に捕獲を行う形で2Dのキャラクターを獲得できる要素もあった。
 捕獲用のアイテムが主に課金要素で補充する形であり、非戦闘員ながらステータスの補正やスタミナ上限の拡張といった形でプレイを有利にし、ご褒美シナリオも用意されていると課金を促す要素であったようにも思うのだが、やはり3Dキャラクターたちと比べると裏方でイベントストーリーなどにも関わらなかったため十分に存在感を出せなかったというところだろうか。
 個人的にはプレイが出遅れ、遊び始めて1カ月経たないくらいでサ終のお知らせを目にしてしまったのでキャラクターにはあまり思い入れがない。




「魔王の始め方 オンライン」

プラットフォームFANZA
公式Twitter(現X)https://x.com/dmm_maou
サービス運営期間2017年11月28日〜2019年01月31日
プレイヤーの立場「魔王オウル」
キャラクターの傾向モンスター娘、男性キャラあり
エロの傾向魔法で何でもあり、男性キャラは基本的にミニストーリー

 特集ページはこちら。「小説家になろう」からブートしたピカレスクハレームストーリー「魔王の始め方」を原作にしたアダルト向けソーシャルゲーム。
 ・・・なのだがふたを開けてみるとその内容があまりにもFGOだった大人の都合から一度8日でサービスを終了してしまう
 その後「新生」を果たしたものの、かなり前時代的で完成度の低いシステムや回復の遅いスタミナ、たびたび起こす不具合に、公式Twitterが内情にブチ切れて「クソモッス!」とあいさつしたことから始まる大暴走、と「おやらかし」の絶えないデスパレードが続いてゆくことになる。
 しかしてそんな姿もなんだかんだ一定のファン層を獲得し、時にはFANZAの人気ランキングで1位を飾るという大番狂わせもあって、個人的にはサービス開始からサービス終了まで目が離せないという付き合い方をしてしまった作品だ。

 以前の特集では意図的に「エロ」の話題を避けていたが・・・しかしアラクネの糸愛撫やアルラウネの種出産といったモンスター娘ならでは、魔力責めや感覚操作といった魔法ならでは、といった特殊プレイの数々は、そこもまたプレイヤーを飽きさせないという工夫を欠かさない姿勢があったのかもしれない。
 (本当はもっと好きなものを好きだというべきだったのかもしれない・・・社会的な目があるからと「エロ」のレッテル張りをして一意に遠ざけてきたことにはひどく幼稚で臆病な振る舞いではないのかと自己嫌悪が湧き上がっては、しかしてそれで自他ともに傷つかずに済ませられているという安堵感が塗り替えてゆく、ひどく居心地の悪い心境だ。)
 ちなみに、当ページ公開時点でもまだwikiが生きている

 個人的な好みを3名挙げると初期キャラクターながら単体火力最強という地位を失しなかったサタン様、最速行動でデバフ撒きを行え高難易度コンテンツのキーキャラだったオズ爺、無機質ロリかわキャラのガーゴイル。




「電脳天使ジブリール」

プラットフォームFANZA
公式Twitter(現X)https://x.com/denjib_official
サービス運営期間2020年04月23日〜2021年06月28日
プレイヤーの立場「お兄ちゃん」
キャラクターの傾向天使、幼め
エロの傾向※未確認

 「魔界天使ジブリール」という人気エロゲのソーシャルゲーム展開作品で、「6」というナンバリングも有している。
 さすがの開発実績というべきかシステム面にはそつがなく、動作が安定していて演出が見栄えし適度に苦戦するRPG作品をベースに、育成リソースを生産していたりキャラクターが自由気ままに歩いていたりする拠点への定期的なログインを必要とする形でソーシャルゲームとしての付き合い方、「異世界感」を提示していた。
 最初に実装される新規キャラクターが「あの」みさくらなんこつ先生のデザインということで一時物議をかもした一幕もあったが、おおむね完成度は高い・・・はずだった。

 しかして、本作はアダルトソーシャルゲームとしてモチベーションを提供するべき「キャラクターごとのご褒美シナリオ」の開放に同じキャラクターを複数入手する「重ね」を必須としてしまっていた。
 正確に言うと本作はキャラクターそのものではなく「かけら」を獲得する形態で、ガチャのみならずクエストに参加するなどの日課を経て「重ね」を行うこともできたのだが・・・その目標値はあまりに厳しく、プレイヤー視点では「ガチャで一回当てた程度ではキャラクターを十全に獲得できていない」という不満を溜め込む形となってしまった。
 そして、運営は――ご褒美シナリオのアンロック条件の緩和ではなく、イベント景品としてかけらの入手のほうを緩和してしまった。
 結果、特別ガチャを回さずとも「張り付き」プレイによって高レアリティキャラクターを広く浅く獲得できてしまう形になった一方、「重ね」の目標値はなお遠いまま、誰もガチャを引きたがらなくなってやせ細るようにサービスを終えたという。
 自身では早いうちに撤退しサービス終了の報を耳にして最後に少しだけ様子を見たものの、とくに大盤振る舞いと言えるような熱気もなく、結局このゲームで見たご褒美シナリオは2つくらいだったと記憶している。




「巨神と誓女」

プラットフォームFANZA
公式Twitter(現X)https://x.com/kyoshintoseijyo
サービス運営期間2020年07月21日〜2021年06月30日
プレイヤーの立場「あなた」
キャラクターの傾向不特定
エロの傾向純愛

 「時果つる処フレストニア」――
 強大な「巨神」が彷徨するモノクロの荒野を、それぞれにとりとめのない姿をした「誓女」の一団が往く。
 巨神の剛腕が地を揺らし、唸りが鼓膜を叩き、巻き上げられた砂埃が肌を裂いたとして――その恐怖を前に武器を握りしめることで、かつて手放してしまった「何か」を手のひらに感じられるから。

 明快なストーリーやキャラ説明はないが、断片的な世界観からその「真実」を想像する面白みのある非常にイマーシブなスタイルのソーシャルゲーム。
 「庭園」や「放置」、まったくゲーム本編に影響しないミニゲームなどサブコンテンツが充実していてマイペースに進められる「自由」をその謳い文句としていた。
 物悲しく幻想的なビジュアルやBGM、個性的でまったく不調和ながらそれぞれに記憶に残るキャラクターデザイン、天を突こうかという圧倒的体格差のある巨神の体力を削りやがて屈服させるという目標設定、どこに目をやっても「傑作」という確信を得る一作だ。
 期間限定イベントの報酬と言えるものも、敵である「巨神」の呻きを集めてショートストーリーをアンロックすることという異色の設計で、これまた本作がこれまでにない全く新しいソーシャルゲームとして生まれ出でんとしたように思うところだ。
 
 ・・・が。  残念極まりないのがひとつにバトルシステム、「完全オートを基本としてターンが回った時にランダムな確率でランダムなキャラクターが選ばれランダムな発動率のスキルを発動させる」という「カイジ」の「沼」みたいな設計で、プレイヤーが介入できる要素がほとんどない大概な運ゲーであったのだ。
 で、「ランダムなドロップ率の素材」を集めてゆくのだが必要な素材を得るには勝てるかどうか不安定なくらいの強敵を相手にしなければならず、ログオフ中に成果を得る「放置」のシステムはそうした需要のある素材の入手にはまったく適さないという力不足仕様で、イベントとして「討伐数ランキング」などを競わせることもあり、本作で成果らしい成果を得るにはパソコン・スマホをつけっぱなしにしてウン時間放置というのが必然となってしまったのだった。
 のちに、キャラクターの追加などを経て「キャラクターがスキルを発動させたのちランダムな確率でほかのランダムなキャラクターが再行動する」という「チェイン」の発動率を上げるスキルを使う攻略(もちろん、発動はランダム)が定着したものの、今度は今度で「一度キャラクターが動いたら相手が死ぬまで殴るのを止めない」光景となったり、その分敵側も強烈なデバフ・ジャマーでプレイヤーを行動させない方向に高難易度化(もちろん、ジャマーを解除するスキルを使えるかはランダムの上で後出しジャンケン)していったり、ゲームバランスに関しては壊滅的の一言であった。

 また「ガチャ」に関しても基本キャラクターの追加を渋り「重ね」のメリットがほとんど感じられない仕様として反発を招き、サブコンテンツかと思われた庭園も限定素材があって特に中途参加勢は課金を迫られ、結局のところ「自由」のない「クソゲー」の評価に決着してしまったというところである。

 のちに、本作のキャラクターを引き継いだ「ReOath-巨神と誓女 外典-」が2025年3月26日よりサービスを開始しているものの・・・その内容は中華ソシャゲ業界が大好きな戦略ゲー、「部族戦争」系のデザインとなり、個人的にはいろいろと泣き笑いだ。

 個人的に好みのキャラクターを3名挙げるとしたら自信家の発明家ユルユル、「にゅるにゅる」に守られた薄幸の少女ヨル、必至こいて最優先で素材を集めて回復技を覚えさせた準最高レアのハート姫。
 ちなみに、これらは本名ではなく「好感度」を上げることで本名が明かされる。




「Tokyo Exe Girls」

プラットフォームFANZA
公式Twitter(現X)なし
サービス運営期間2016年06月21日〜2018年10月31日
プレイヤーの立場「司令」
キャラクターの傾向お姉さん
エロの傾向純愛、エロコメディ

 東京都の各駅を擬人化したソーシャルゲーム。
 Adobe FLASHで制作されており「艦これ」や「御城」のブームに乗った一作というところで、近未来風の世界観や東京都民になじみ深い題材、多数のキャラクターを手がける柾見ちえ氏の肉感と色気のある絵柄、しましま氏のつぶらな瞳の愛嬌ある絵柄、といった要素で住み分けに成功しそれなりに好評をもって受け入れられていた。
 ものの、リアルタイム陣取りバトルといった戦闘システム面で少々バランス調整を失していた感があり、新キャラクターの性能インフレやイベントクエストのストレスフルなギミックがよくやり玉に挙がっていたように思う。
 本来はヘクス制で1マス1マスを奪い合うゲームデザインであり、それをもとに武器の範囲やスキルの範囲が設定されていたのだが、ゲージ技で全画面攻撃連発モードに入る[レジェンド]アカリンや攻撃力と攻撃速度と移動速度が4倍になり都合16倍の火力で敵を片っ端から殲滅する府中競馬ソフィアといった連中が暴れたい放題していたわけだ。
 また、Adobe FLASHのサポートが終了し設計をやり直さなければならなくなるといった都合も重なって2年と4カ月ほどでサービスを終えることとなった。
 「艦これ」や「御城」はFLASHからの移行を果たすことができたが、それはひとつの「ふるい」であったというべきか。

 個人的な好みを3名挙げれば「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」だった府中競馬ソフィア、舌足らずな声と真面目な性格が好印象だった豊洲干七、名無しキャラのはずが人気投票で不動の一位となり合計6バリエーションも登場したオペレーター。




「ミッドナイトガールズ!」

プラットフォームFANZA
公式Twitter(現X)https://x.com/midnight_girls_(現「ミッドナイトガールズR公式」)
サービス運営期間2019年10月23日〜2020年06月24日(「ミッドナイトガールズR」へ移行、一部データ引き継ぎあり)
プレイヤーの立場「坊や」「マゾオス」
キャラクターの傾向モンスター娘
エロの傾向被虐

 翌2020年12月31日でAdobe FLASHのサポート終了が予告されている中2019年10月23日にAdobe FLASHでリリースされたアダルトソーシャルゲーム
 だもんだからブラウザによってはサービス開始0秒でサポート外などという事態で「正気か?」とか「1年サービスする気があるのか?」などと物議を醸していた。

 それだけでも目を疑うが、さらに本作はサービス開始記念のイベントとして期間限定高難易度イベントの「腕試し大会」を開催しかもそこのボスは「超回避率で攻撃を避けまくってふざけたネーミングの範囲攻撃を連続で繰り出す」という完全にメンタルをヘシ折りに来るドM仕様で多くの初心者を必滅させたのだった。
 マゾ向けモンスター娘被虐RPGを多数手がけてきた「ディーゼルマイン」ではあったが、ソシャゲのノウハウは自分で自分の首を絞める上級者ムーヴで幕を上げたと言えよう。

 結果その後は低空飛行と言った進行であったものの、ゲーム内で「ワールドチャット」機能があって生き残ったマゾ同士は和気あいあいと交流し、しばしば反発を生むPvP機能の「アリーナ」でも「負けることによって蓄積し景品と交換できる」マゾコインやマゾランキングと言うシステムを導入したことで徒労感・無力感を抑え広く参加を募ることに成功していた(それ用の弱体化装備もあった)。
 また、賛否両論ありそうだが本作のテキストは少々拙く、例えばストーリークエストを10ステージ用意したとしたら毎回ザコに襲撃されて一息つくという展開を描き、イベントストーリーでは新キャラクターが自分勝手に主人公(プレイヤー)を誘拐しようとするものの見つかって未遂で懲らしめられるという展開が繰り返される、という調子であった。
 良い方に捉えれば、脱力系の緩い空気感があったのである。
 これらストーリーの一部は「ミッドナイトガールズR」にも再録されたが、「R」のほうでは無口系だった主人公がツッコミ役をこなすよう口数が増え大きく成長し、メインストーリーも「愛」や「犠牲」をテーマにシリアスな展開が繰り広げられるようになったため、そこには多少のあやがある。
 「R」の中ではその点を意識して本作の登場キャラクターたちを本作の舞台 ―結界によって終わらない夜の宴が繰り広げられる街― 「ルドラム勢」と評しているのが印象深い。
 (なお、節分イベントや年末イベントなどいくつかは再録に漏れたので興味があれば動画を探すと良いだろうか。)

 ・・・繰り返し、ソーシャルゲームとは本当に刹那を楽しむものである。
 手元に動画などの形を残しても、同じ時間や話題を共有するほかのユーザーや、今後どのようなコンテンツが追加されてゆくか想像する、空気感や期待感と言ったものを残し続けることはできない。
 しかし・・・それはあるいは、後から残されたものに触れる者達はまったく別の感覚を以て接することになると言った方がいいのかもしれない。
 喪失ではなく、新しい視点が用意される変化である、と。
 今回「ミッドナイトガールズ!」の後継作となった「ミッドナイトガールズR」もサービスを終えることととなったが、喜ばしいことにアーカイブス版として改めてその門戸は開かれることとなった。
 様々な要素のオミットがあり、それ以上のアップデートはなく、自分たちが共に時を過ごした悲喜こもごもを伝えることはできないと悲観的に思うところもあるが・・・。
 しかして「これから」本作に触れる者達には「これから」のミッドナイトガールズ!があると見送るべきなのだろう。その接触は伝聞であっても何らかの意味をもたらすはずだ。
 永遠の夜の街「ルドラム」はいつでもあなたを迎えるだろう。





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