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ページ公開:2017/04/04


封~領域ふうしんりょういきエルツヴァーユ


プラットフォームプレイステーション
開発ユークス
発売ユークス
発売年月日1999年 1月
ジャンル3D対戦格闘
プレイ人数1〜2人
セーブデータ1ブロック


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
シンプル ユニーク カメラワークは豪華 豪華声優陣 没個性的 [00:00]





・ゲーム概要

 「闘魂烈伝」シリーズや「双界儀」など、ゲームのデベロッパー(開発)として活躍していたユークスが自社でパブリッシングも行った冒険的一本。
 その内容は格闘ゲームが持つ「見る楽しみ」を徹底的にフィーチャーした物で、全キャラクターのコマンドが共通というカンタン操作、多くの技に用意された専用のカメラワーク、テレビ番組をイメージしたユニークなストーリー、と、誰でも・みんなで楽しめる魅力を備えている。
 主役となるキャラクター達もいずれ劣らぬ個性派ぞろいで、その後のメディア展開等にも期待してしまう内容なのだが、さて・・・。


・ゲームシステム

 本作は格闘ゲームとしては珍しく、全キャラクターの技コマンドが共通でどのキャラクターも同じコマンドで似た性質の技が出るという特徴がある。
 また、そのコマンドも「レバー入れ攻撃ボタン」程度と極めてシンプルで、操作は攻撃ボタン・防御ボタンが一つずつの1レバー+2ボタン制。

 操作を覚えるのは苦ではないはずなので、ここで一通りの操作を列挙してしまおう。
方向キーキャラクターの移動。前後で前進・後退、上下で画面奥・手前へ移動する。
攻撃ボタン(近距離)通常攻撃。ボタンを連続で押すと技が派生し、派生通常攻撃やステップ攻撃、必殺技に繋げる事が出来る。
攻撃ボタン(遠距離)通常攻撃。遠距離では攻撃の切っ先からエネルギーを発射して射撃攻撃を行う。
→+攻撃ボタン
(→+攻撃ボタン2回)
必殺技1。主に突進か飛び道具が設定される傾向にある。
↑+攻撃ボタン
(↑+攻撃ボタン2回)
必殺技2。主に乱舞技が設定される傾向にある。
←+攻撃ボタン
(←+攻撃ボタン2回)
必殺技3。主に飛び道具が設定される傾向にある。
↓+攻撃ボタン
(↓+攻撃ボタン2回)
捕縛攻撃。近距離では相手を直接投げ、中・遠距離では相手の足元に捕縛用のフィールドを出現させて特殊な攻撃を行う。
移動中+攻撃ボタンステップ攻撃。コマンド上必殺技に化けやすいが、入力方向へ移動しながら攻撃する突進技・飛び道具。
→→+攻撃ボタン滑空攻撃。相手に向かって滑空しながら攻撃を繰り出す突進技で、素早く距離を詰めつつ攻撃できるほか相手の状態に応じて特殊な連携に派生する。
↓↓+攻撃ボタン浮かし攻撃。近距離の相手を浮かし、追撃を加えられる状態にする。
↑↑+攻撃ボタンジャンプ攻撃。空中を移動して相手の一部の攻撃を避けつつ攻撃を行う事が出来、また近距離では相手の背後へと移動する。
攻撃ボタン長押しゲージ貯め。現在の体力ゲージ分のパワーゲージを貯めることで「パワークリスタル」を生成する。
←←+攻撃ボタン超必殺技。「パワークリスタル」を相手に射出して大ダメージの超必殺技へ突入する。
防御ボタン防御。捕縛攻撃以外の攻撃を防ぎ、またタイミングによっては相手の攻撃を「弾く」ことで反撃の切っ掛けとする事ができる。


 ・・・と、いったところ。
 この中で「攻撃ボタン2回」の派生と、「ゲージ貯め」の概念は本作のゲームバランスを語る上で欠かせない特徴だ。

 レバー入れ攻撃の必殺技と捕縛攻撃はそれぞれ高い威力を持つが隙が大きく、防御や前後移動のほか、どちらも軸移動を合わせられると避けられてしまう難点がある。
 間合いが変わらない状態で相手に隙を許せば反撃のピンチ、これらの技は簡単に対策できる死に技なのかと思うところだが・・・
 そこで「攻撃ボタン2回」押しでの派生の出番。このコマンドによって技を派生すると避けた相手に当たるように技が繰り出されるのだ。
 直進する飛び道具はV字状に画面奥・手前に分裂して飛行し、相手の足元に発生する捕縛フィールドは円状からそれを囲むドーナッツ状に変化する。
 ただ、これらの攻撃は相手が移動しなかった場合に空振るなどデメリットも発生するため要注意だ。
 本作は前後左右へのアグレッシヴな移動のもと、これら必殺技の通常・派生の二択を読みあって得意の間合いを狙い合う内容と言えるだろう。

 それら攻撃を凌ぐ上では「防御」もなかなか有効な行動ではあるのだが、本作には間合いを問わずに使える捕縛攻撃(投げ技)や「ゲージ貯め」の存在があるため防御を固める事は有利につながり辛い。
 本作の超必殺技はゲージを貯めて作り出した「パワークリスタル」を相手に射出し、これが命中する事で専用の演出に突入するという物。
 遠距離であればある程命中までのタイムラグが発生するが、挙動自体は通常攻撃と大差なく、近距離で出されればその回避は困難だ。
 相手にゲージを貯めさせない対策としては普段から小刻みなガードで弾きを狙ったりそもそもプレッシャーを加え続けてゲージを貯める間を与えなかったりという形になり、これがまた本作のアグレッシヴな方向性に一役買っているわけだ。
 そして、このパワーゲージは「現在の体力ゲージ」が最大値となるという点もミソ。
 つまり、ある程度ゲージを貯めた後にダメージを受けるとその瞬間にゲージが貯まった事になりパワークリスタルが生成され、また体力的に劣勢の状態では素早くゲージを貯める事が出来るという事になるのだ。
 ピンチからの逆転はヒーロー物の華。このゲージの設計が対戦時にお互い最後まで油断できない緊張感を与えてくれる事だろう。

 全体的に特殊な設計ではあるが、本質的には格闘ゲームの基本を捉えており戦略とアクション性を共に備えた魅力あるシステムだと言える。


・ストーリー

 多次元に同時存在する生命体、「イハドゥルカ」。
 その脅威にさらされている異世界、「イ・プラセェル(至福の島)」。

 各国合同の作戦により、多大な犠牲を払いつつも
 一時的にイハドゥルカを「封~領域」へ封印する事に成功する王達。
 だが、依然として変わらぬ危機的状況から、
 彼らは力持つ異世界の人間の召喚を強いられる。
 様々な思惑を絡ませつつ展開される大規模な召喚計画。
 被召喚者達の選出基準は只一つの要項に限られた。
 イハドゥルカに対抗し得る力を持つ者…
 召喚されし者達は戦いを決意する。
 ある者は大切な存在を守る為、ある者は更なる力を得んが為、
 また、ある者はイハドゥルカを愛するが故に…

 そして、全ての事象は「エルツヴァーユ」へと、
 収束する…

 (プロローグ (ナレーター:若本規夫)より抜粋)


・キャラクター

 本作に登場するキャラクター達のメインストーリーは、彼らが本来属する世界での活躍を題材としたテレビ番組風の演出が行われる。
 ダンザイバーは・・・そのままメタルヒーロー物の「完全懲悪ダンザイバー」、アルは魔法少年の葛藤と成長を描いた冒険アニメ「ロスト・レガシィ」といった具合だ。
 慧矢の「天法院掃魔奇譚外伝」などは次の対戦相手からお悩みのお葉書が届くという洒落っぷりで、それぞれのキャラクターの個性がたっぷりと楽しめるだろう。


 ・「ファイナルのヒーロー」 完全懲悪ダンザイバー(神鏡 衝) (CV:関 智一)
 ――「覇王の力が罪を断つ!完全懲悪!ダンザイバー!」(「完全懲悪ダンザイバー」第1話 罪を断つ覇王の力 零着! ダンザイバー!!)

 文明レベルが水準より低いとされる惑星の環境保護を任務とする「汎銀河辺境文明保護機構」の一員。
 広報課に勤めていた衝は課主催の「ふれあいヒーローショー」でイヤイヤながらも特異監査官役を演じた事から、心の奥底にあったヒーロー願望に火がつき、本物の特異監査官になってしまう。
 熱血バカの直情型で戦い始めると前後不覚になりやすい。
 現在は地球宙域の保護を担当しており、地球を手に入れんとする「首領ギラクルヴァ」率いる「惑星狩猟旅団クライオス」と交戦中。
 変身キーワード「零着(ゼロちゃく)」により変身する。
 双子の姉妹、ルリィとユリィがパートナー。

 番組最後の必殺技は「断罪破(ダンザイ・バースト)」!ファンタジー世界観で暴れ回るメタルヒーローという、本作のテーマを凝縮したような存在。
 この世界に召喚された折にパートナーの一人ユリィを「エルツヴァーユ」を保持する媒体として囚われてしまい、その解放のためにイハドゥルカ討伐に参加することとなった。
 だが、そのイハドゥルカこそが元いた世界の宿敵「首領ギラクルヴァ」のこの世界での姿であるという事実を衝はまだ知らない。


 ・「ガラスの魔法使い」 アル(アルティ・アル・ラーゼル) (CV:矢島 晶子)
 ――「想い・・・それがボクの力?」(「ロスト・レガシィ」第4話 ドコカにある想い)

 フィニステール王国の宮廷魔導師。  同じく宮廷魔導師であった両親を幼いうちに失い身寄りがなくなるが、その資質を見抜かれ魔導師として宮廷に迎えられる。
 宮廷での暮らしが長い為か、年齢の割にはしっかりしているが、それは自分をある程度殺しているせいであり、実際には年相応の多感な少年である。
 ファーストネームから「アル」の愛称で呼ばれているが、男性の宮廷魔導師に付けられるミドルネーム「アル」と同じ為にコンプレックスを抱えている。
 レア物のグリモワール(魔導書)には目がない。

 召喚計画そのものにも関わったこの世界本来の住人で、立場的には本作の正当な主人公となっただろう存在。
 そもそもの召喚計画には否定的で、凄腕の傭兵として召喚した「神戮のエリル」が自分と同じ年ごろの少女であった事に強い衝撃を受ける。
 やがて無関係の人々を巻き込む召喚計画に終幕を引くため、自身が直接イハドゥルカを討伐する事を決心した。


 ・「闇を纏いし男」 天法院 慧矢 (CV:緑川 光)
 ――「気に病む事はありません。―貴方はここで死ぬんですから。」(「天法院掃魔奇譚外伝」第二夜 侠)

 その名が示すが如く、「天下を法の元に律する」という使命を連綿と受け継ぐ陰陽道の血筋、天法院一族の次期当主。
 平時は能役者としての顔を持ち、両の面で次期当主としての期待を担っているが、極度の上昇志向の強さから「自らの力は自らの為に使う」という事が自然と考え、血の束縛を良しとしない。
 また、自らを低く見られる事を非常に嫌う。
 唯一、心を開ける存在に「緋水佳(ひみか)」という名の女性がいたが、ある事件により彼女の魂を奪われ、その原因となった「逆五芒の男」を探している。
 翠とは面識があるが、良い印象は持たれていない。

 黒いスーツに黒髪のロングヘアを束ね、陰陽術の符を用いて戦うダークヒーローといった存在。
 この世界では自らが探し求める「逆五芒の男」が自らと同様に召喚されていた事を知り、復讐のためにその行方を追うこととなる。
 また、イハドゥルカに対しては「緋水佳」を取り戻すための力として欲しており、利用される事に乗り気ではないがやがては対峙する予定でいる。


 ・「万年お天気娘」 エリル・プローズ (CV:桑島 法子)
 ――「エリルは爆発5秒前!!」(「MoeMoeエリル!」えぴそ〜ど・つ〜 いけいけエリル!ナイスガイには興味ナイ!予告)

 寄生装甲「ネフィルム」を纏い、「神戮のエリル」の二つ名を持つ傭兵。
 かつて実の姉のように慕い、共に旅した女性「ファイリィ」からその命と共に寄生装甲を受け継ぐ。
 その事件の際に自らも深手を受け、結果として「ファイリィ」の命を失わせるきっかけとなったリカンスロープ(人狼)を苦手としている。
 トラウマを隠す為、表面明るく振る舞っていると思われがちだが、元から陽性のキャラクターらしい。
 正義といった大上段な主義は持たないが、自分の信じる倫理観は大事にしている。

 装甲付きのレオタードに金髪ポニーテール、戦闘BGMはボーカル付きキャラソングというはっちゃけた存在。
 元からイ・プラセェルの人間であったがフィニステール王国には縁が無かったらしく、召喚された折にアルに一目ぼれ。
 なんでも一人で背負いこもうとするアルに代わってイハドゥルカを討伐し、その恋を成就させるために闘いの旅に挑む。


 ・「熱血格闘少女」 姫野 翠 (CV:日高 のり子)
 ――「やっぱ、アタシはアタシらしくだっ!!」(「絶対熱血!みどりがイチバンっ!!」ラウンド3 空前絶後! VSは魔法使い!予告)

 現役高校生にして、不韻流古式格闘術宗家の後継者たる熱血・格闘少女。
 継承の為の一環として「実戦」を行っているが、その若さと戦いそのものが好きな為、力に溺れないまでも格闘技者然としたストイックさは持ち合わせてはいない。
 数年前、邪霊相手に戦いを挑み、不本意ながらも慧矢の気まぐれに助けられる。
 以後、悔しさから人外のものをも実戦対象とした為、慧矢とは度々顔を合わせるが、初めて会った時からその印象の悪さは変わっていない。
 セツナとは幼い頃から家族ぐるみでの交流を持っており、付き合いの長さ故か、彼女の微妙な変化に気付いている。

 日焼けした肌に白のハチマキ、デニムのジャケットとショートパンツを着用するという格闘少女を絵に描いたような存在。
 不韻流古式格闘術の人間離れした体系や人外のものとの戦闘経験を買われて慧矢やセツナ同様この異世界に召喚された。
 この状況に戸惑うかと思えばイハドゥルカの討伐に関して二つ返事で了承、その道中で出会うであろう強者との対戦まで心待ちにしている様子だとか。


 ・「<ガーディアンエンジェル>守護天使」 斎月 セツナ (CV:氷上 恭子)
 ――「セツナ、あなたならきっと大丈夫です。・・・それに、私がそばにいます。(華麟) そうね、華麟。私は・・・ううん、私たちは負けない!負けられないわけがあるのだから!・・・そう、イハドゥルカ、あなたに!!(セツナ)」(「守護天使セツナ」第5幕 喰らわれし者と・・・予告)

 意識体「華麟」をその身に宿す女子中学生。
 普段は名門と言われる学園に通っているが、「邪陰(やかぎ)」と呼ばれる深闇に組みするものから人々を守る「守護者」としての別の顔を持つ。
 凛とした性格をしているものの、名前と言う概念がなかった意識体に昔飼っていた犬の名前を付けたり、チョコパ好きといった少女らしい一面も持っている。
 姉的存在である幼なじみ「翠」がいるが、「邪陰」との戦いに巻き込む事を恐れ、「力」については何一つ喋っていない。
 それがある種の後ろめたさにつながり、結果気付かせる一因となっている事までは思いもよらない様である。

 ブレザー姿で精霊と共に剣を振るう少女。日常の姿で非日常に身を置くアンバランスな存在。
 セツナと華麟はイ・プラセェルの国々によって召喚された他の戦士達とは異なり、彼らに討伐されんとするイハドゥルカ自らの手によってこの世界に召喚された。
 自分達はなぜこの世界に召喚されたのか、二人はイハドゥルカの真意を知るためにエルツヴァーユへと向かう。


 ・「爆裂するナイスガイ」 ガリィ・’バニッシュ’・グレッグマン (CV:玄田 哲章)
 ――「ガリィ、油断してると痛い目に合うわよ?(サヤカ) 心配するなサヤカ、俺様はどうしようもなく強ぇんだからよ!(ガリィ)」(「Klutzy Rogue」2ndSTAGE CRAZY PUNKER予告)

 星間を渡る名うてのクラッツィローグ(バウンティ・ハンターの俗称)。
 依頼遂行率は高いが、遂行方法の余りの壮絶さから’バニッシュ’の通り名を持つ。
 その上、自分の気に入った依頼しか引き受けない事が原因でクライアントには煙たがれており、依頼も少ない。
 知り合いの「爺さん」と呼ぶ仲介屋からの依頼で食いつないではいるが、厄介でワケ有りなものがやたらと多い上、情にモロい為にタダ働きも少なくない。
 性格は豪胆でナイスガイを絵に描いた様な男。
 年下の若妻「サヤカ」にベタ惚れ。

 ちょっと特徴を盛り過ぎで迷走している感が有るが、豪快で人情家なベテラン賞金稼ぎのおっさんといった存在。
 イ・プラセェルへと召喚されはしたが、報酬とターゲットを用意された以上は自分の流儀として仕事に取り掛かることを決めている。
 また、「力あるものの力(=波動)」を音色とする「不鳴のピアノ」というものを所有しており、イハドゥルカにはそのエネルギー源としての興味も抱いている。


 ・「暁の媒体者」 ライ(ラインドウェル・レインリクス) (CV:二又 一成)
 ――「いいぜ・・・いいぜぇ! 一遍『オレ』をってみたかったんだ!!」(「Day Breaker」第3話 JUDGEMENT)

 メタル系ミュージシャン志望の西洋オカルトマニア。
 数年前、両親を惨殺して逃亡。
 鬱っ気があり、それを紛らわす為にアッパー系ドラッグを多用するといった内部破滅傾向のある性格。
 立証されていないものも含め数々の犯罪に手を染めており、現在は無職。
 アンティークショップへ盗みに入った際、魔刃シャハルを手に入れる(店主はその剣で斬殺)。
 魔刃シャハルを手にした事により、天封院の使命の元、それを封印しようとした「緋水佳」以下数名と戦い、シャハルにより「緋水佳」の魂を喰らっている。

 一片の救いも無い人格破綻者。気に入った物は奪う、気に入らない物は壊す、接触した者ことごとくに災厄をまき散らす存在。
 本来ただの犯罪者でしかない彼がこの世界に召喚されたのはひとえに「魔刃シャハル」の持ち主であるためである。
 しかし、魔刃シャハルとは本来イハドゥルカと同格の存在たる「魔王シャハル」が他の世界へ干渉するべく創り上げた端末であり、ライ自身の魂もまた蝕ばまれイハドゥルカ討伐の駒とされつつある。


 ・「超純粋」 幽祢(かくりね) (CV:南 央美)
 ――「わたしの目的はひとつだけ、あのひとを、殺す。わたしの想いはひとつだけ、あのひとを・・・。」(「夢幻歳華」其の一の話 わたしは幽祢予告)

 自らを唯一無二の存在、「幽祢」と称す。
 それ故か多次元に同時存在可能な「イハドゥルカ」に激しい憎悪を抱き、彼女の存在を「単一」へと是正する事を至高の目的とする。
 年齢は一万歳を超えるらしいが、人間とは異なる時間軸に存在しており、外見や仕草には少女特有のあどけなさが見受けられる。
 次元干渉等の様々な特殊能力を持つが、自らは人の持つ可能性の究極形態でしかないと考えているらしく、人に対して近親憎悪的な感情を持つ。
 ある人物から貰った和風の民族衣装らしき服「オホソラ(大虚空)」を常に纏っている。

 リア(イハドゥルカの本来の姿)とは対極の特徴を持ちながら、悠久の時を共に過ごしたリアのパートナーと言える存在。
 一方でリアが多次元に同時存在可能な事に対しては嫉妬心とも独占欲ともとれる強烈な憎悪を抱いており、次元を渡り歩きながらそれぞれのリアを殺害して回っているらしい。
 やがてリアを最後の一人まで殺し「単一」の存在にするため、幽祢はこの世界のリア「イハドゥルカ」を探し求めている。


 ・「絶対存在」 イハドゥルカ (CV:井上 喜久子)
 ――「過ぎ去りしあの日、一度だけ告げた事のある、別れの言葉。それは、想いを伝える術を持たない――虚ろな音の塊。――そう、その時、罪過の歯車は、確かにこの手が廻した。故に我が名は――『イハドゥルカ』。」(「???」第1話 鮮烈の女神)

 多次元に同時存在する生命体「リア」のイ・プラセェルでの名前。
 自らの意志によりその全ての思考は攻撃となり、全ての思考は防御となる。
 行動原理は純粋たる破壊衝動に起因しており、その対象は自身とて例外ではない。

 幽祢とは対極の特徴を持ちながら、悠久の時を共に過ごした幽祢のパートナーと言える存在。
 「イハドゥルカ」という存在はリアがこの世界の宮廷魔導師「イハドゥルカ・イル・イメラ」に干渉した姿であり、その破壊衝動の赴くままにこの世界を攻撃していた。
 自らを封印する「エルツヴァーユ」は実はイハドゥルカにとっては何の枷にもなっておらず、「ある人物」を待つためにあえてその内部に留まっていると言うが・・・。


 (以上、イハドゥルカ以外の斜線部分は説明書より抜粋、イハドゥルカのみ「エンサイクロペディア」モードより一部抜粋)

 また、これらキャラクターそれぞれが持つ世界観は「エンサイクロペディア」モードでじっくりと確認可能なのでヒマがあれば 興味が有ればぜひ覗いて見よう。


・使い分け

 ・・・と、対戦システムにもキャラクターデザインにも魅力を備えた本作なのだが。
 シンプルさゆえの問題も見受けられる。「キャラクターごとの性能差に乏しい」ということである。
 もちろん全く無いわけでは無く、必殺技全てが飛び道具と言う慧矢や、突進技で一気に間合いを詰められるエリルといった特徴はあるのだが・・・。
 本作では浮かせかひるみ以外で攻撃の繋がる「コンボ」要素に乏しく、技の組み立てや研究と言った性能を掘り下げる面白みに欠けるのだ。
 また、そのキャラクターの顔たる「超必殺技」が全キャラクターで演出以外同じ性能というのも痛い。
 威力の高さから最終的にはこの技で決着と言う流れになりやすいが、その当て方に関しては相手の攻撃を避けた隙にぶっぱなすか、ひるみ効果のある必殺技から続けて出すか、と、どのキャラクターでも同じ動きとなってしまうわけである。
 見ている側は派手で個性的な演出の応酬が楽しめる反面、操作している側はワンパターンの繰り返しという飽きを感じやすいかもしれない。


・まとめ

 カンタン操作、派手な演出、個性豊かなキャラクターとストーリー、と、見る楽しさに関しては当時としてかなり高い水準にあっただろう本作。
 一方のやる楽しさはシンプルさが徹底され過ぎた感があり、誰でもとっつきやすく遊べる反面飽きが来やすく、あまり楽しみが長く続かないと思われるのが残念だ。

 もっとも対戦バランスは上々、大勢で楽しむ分にはもってこいの内容なのでそういったプレイスタイルの人はぜひ本作に興味を持ってほしい。





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・超鋼戦記キカイオーカプコンの3D格闘ゲーム。登場するキャラクターがそれぞれロボットアニメ番組をモチーフとしたデザイン・ストーリーを持っていた。
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ちゃんと許可をもらってやったらしいが、ステージごとにオープニング・エンディングはもちろんアイキャッチと超合金玩具の嘘テレビCMまで挟んだという徹底した某アニメへのパロディを行ったゲーム。
ちなみに現在ではプレミアが付いており、大人の事情もあってアーカイブス配信もされていない。
ファンタシースターユニバースセガのMOアクションRPG。プレイヤー一人で登場人物「イーサン・ウェーバー」の物語を追うストーリーモードが次回予告やオープニング・エンディングを取り入れた番組のような構成となっていた。


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