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ページ公開:2017/01/10


STARスター GRADIATORグラディエイター EPISODEエピソード:I FINALファイナル CRUSADEクルセイド


プラットフォームアーケード、プレイステーション
開発カプコン
発売カプコン
発売年月日1996年 10月
ジャンル3D格闘
プレイ人数1〜2人
セーブデータ1ブロック


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
「ソウルエッジ」に近いが・・・ スターウォーズ風 スターウォーズ風 重厚 練度が極端 スターウォーズ風





・プラズマゲーム概要

 プレイステーション初期にリリースされたカプコン初の3D格闘ゲーム。およびその移植版。
 かの「スターウォーズ」を強烈にオマージュした世界観を持ち、様々な姿の異星人たちがライトセイバー(のようなもの)などの武器によって格闘戦を繰り広げる内容。
 武器持ち3D格闘としては「闘神伝」や「ソウルエッジ」が先駆者として存在していたが、本作は後者「ソウルエッジ」にごく近い設計となっている。
 キャラクター面では「登場キャラ全員イロモノ」とさえ言ってしまいたくなるユニークさがあるのだが、システム面を含めた全体ではさて・・・?


・プラズマシステム

 武器持ち3D格闘で、攻撃は「縦斬り」・「横斬り」・「蹴り」の3種、これにガードおよび軸移動の動作を行う「ガード」ボタンを含めた1レバー+4ボタン制。
 防御動作の中にはタイミングよく行う事で相手の攻撃を「弾き」反撃を行える物もあり、こうした基本システムは「ソウルエッジ」によく似ていると言える。
 一方で本作に独自色を与えているのは「プラズマコンボ」、「プラズマリバース」、「プラズマストライク」、の3つだ。

 「プラズマコンボ」は、基本技の派生によって連続技を形作るというシステムである。
 本作の通常技には細かく派生ルートが設定されており、例えば縦斬りを得意とするキャラクターは「縦→縦→縦→縦」や「縦→縦→横→蹴り(縦)→縦」と入力する事で流れるように技が変化し連続技となるのだ。
 このシステムは見た目が映えるほか、特に上下のレバー入力を行わなくても上・下段を織り交ぜた連携となる、派生ルートを切り替えるだけで択一を迫る形になる、など戦術上のメリットもある。
 一見初心者向けと言えるわけだが・・・。
 反面このコンボルートには途中でガード可能になる物、距離によって当たらない物、もあり、またしゃがみ始動のルートが無いため全体的に下段攻撃に乏しいなど、死に体となっている部分も多い。
 必殺技によるキャンセルができない、ディレイが効かずタイミングをずらせない、など自由度も低く、正しいコンボルートを覚えておかねばならないのはどうにもとっつきづらいところだろう。
 幸いコンボルートの設定ははキャラクターによって「縦斬りが得意なA-TYPE」、「横斬りが得意なB-TYPE」、「蹴りが得意なK-TYPE」、の3種に分類され、タイプの共通したキャラクターであればある程度取り回しが利くのだが・・・。
 対戦ゲームとして相手の攻撃も把握しておく必要がある事や、またキャラクターによってさらに1段階強力な技へ派生する「プラズマファイナルコンボ」なるルートが存在する事もあって、結局本作はプレイする上で大量の情報を記憶する事が望ましい設計となってしまっているのである。


 「プラズマリバース」は、相手の攻撃に合わせて入力する事でそれを無力化し反撃する「弾き」のシステムだ。
 具体的には自動的に相手に反撃技を叩き込む「プラズマリベンジ」と相手をひるませるのみの「プラズマリフレクト」の2種類に分かれ、演出が派手で堅実にダメージを与えられる前者が初心者向け、距離に左右されるものの素早く反応してコンボを叩き込める後者が上級者向け、というところだろうか。
 そして、このシステムは共通して「縦斬り」の入力と「横斬り」の入力が存在し、弾きを成立させるためにはタイミングと共に相手の入力に合わせて入力を行う必要がある。
 ぶっちゃけ全キャラの全モーションを記憶して適宜対応するというのは無理ゲーにも程があるのだが、ここで先のプラズマコンボを思い出したい。
 そう、キャラクターのコンボルートを記憶しておけば、次の攻撃が縦斬りの入力か横斬りの入力かはあらかじめ予測してしまえるわけである。
 これまた難易度が高く思えるが、実際のゲーム中ではプラズマコンボの入力(およびその攻撃の上中下段)がライフゲージ下部でお互いのプレイヤーが確認できる情報として表示されるので、ともすれば普通にガードを行うよりも低リスク高リターンの行動となるのだ。
 プラズマコンボとプラズマリバース、この2つがセットでこその「スターグラディエイター」であると言えるだろうか。
 ・・・そういうわけで、やっぱりコンボルートの暗記は重要度が高いのである。

 なお「プラズマストライク」は、こういった読み合いとは分けて存在する超必殺技だ。
 コンボの概念が上述の通りなのでぶっぱで当てるしかないのだが、派手で高威力、弾かれる事が無く、1ラウンド1回限りの切り札として設定されている。
 少々大味になる気もするが、見る楽しみや一発逆転の爽快感を演出するエッセンスと言うところである。


・プラズマストーリー

 時は24世紀の地球。
 近年、接触が始まった異星人との問題発生に備え、地球連邦では、人間の思念により発生される「プラズマパワー」を基にした兵器の開発がおこなわれていた。
 しかし、発明者でもあるビルシュタイン博士が兵器開発のために人体実験を行っていた事が発覚し、彼は太陽系外にあるゼータ連星の軌道上を周回する終身独房に収容され、プラズマ兵器開発は中断された。
 それから4年後、ゼータ連星にある連邦軍基地が「第四帝国」と名乗るたった数人の何者かによって壊滅させられた。
 ビルシュタイン博士が帝国の皇帝となり、地球を征服するために復活したのだった。
 帝国に対抗するにはプラズマ兵器しかないと判断した連邦軍は、思念に優れた人物を集め、ゼータ星にある敵の本拠地を叩く作戦に出た。
 コードネームは「スターグラディエイター」。
 望みは彼らに託された。

 (説明書より抜粋)

 パースのかかった文字が画面奥にフェードアウトして行きそうなイントロだが、ゲーム内では特にそういった演出は無い。


・プラズマキャラクター紹介

 繰り返しになるが、本作のキャラクターはいずれ劣らぬイロモノ揃いだ。

 ・ハヤト ―炎の賞金稼ぎ―
 日本人。スラムの孤児として盗みで生計を立てていたところを児童福祉施設の園長に引き取られ、やがて園長が抱えさせられた借金を返済し恩返しするために賞金稼ぎとなる。
 正義感が強すぎてその後の稼ぎは今一つであったが、今回のスターグラディエイター作戦は内容と賞金の両面でハヤトに適した物であったようだ。

 キャラクター性能としては、ライトセイバー状の「プラズマブレード」を武器とする荒々しい剣士。
 本来縦斬りを得意とするAパターンのコンボルートを持ち、縦斬りの多くが中段、横斬りのいくつかが下段、と択一攻撃を迫れるように見えるものの・・・。
 コンボルートを良く見ると下段の横斬りと択一を迫れる箇所の縦斬りに限って上段攻撃(下段ガードも可能)としてデザインされてしまっており、また縦斬りの3発目は相手のガードが間に合ってしまうなど、実のところ縦斬り始動のコンボはあまり性能が良くない。
 崩しに長けるコンボは「蹴り→蹴り→蹴り(中段)・横斬り(下段)〜」。また相手を浮かせる必殺投げ「百虎砲」から十字斬り「紫電」という浮かせコンボも魅力的なので、このあたりを中心にすべくぐいぐい間合いを詰めて行こう。
 なお、本作のキャラクターは1P・2Pで配色が変わる仕様なのだがハヤトに限っては2Pカラーでコスチュームがガラリと変化するという特別仕様となった。
 後にこれがハヤトの悪の人格「ブラックハヤト」として独立したキャラクターになり、「スタグラ2」や「マヴカプ2」での演出につながって行くこととなる。


・ジューン ―孤独のチャイニーズギャル―
 英国人の父と中国人の母を持つハーフ。中国で生まれ育ったが革命によって英国へと亡命、父は生活のためビルシュタインの研究所で働きだしたがある時事故で死亡し、その心痛から母も後を追うように病死、天涯孤独の身となってしまう。
 生きる気力を無くしていたところに「父は事故では無くビルシュタインに殺された」という情報を得て、ジューンはビルシュタインへの復讐心から「スターグラディエイター」に志願した。

 キャラクター性能としては、多彩な足技とフープ状の「プラズマサークル」を得意とする新体操選手。
 動きが素早く安定したコンボが多いほか、距離を詰める突進技「ダブルコメットキック」、突進しつつ相手の背面に回り込む「ノーススターコンボ」、距離を開ける「バック転」、と間合いを操作する事が極めて巧い。
 崩しはあまり得意ではないので、間合いの出入りを繰り返して相手を翻弄し、後の先で攻撃のチャンスを突いてゆくキャラクターであると言える。
 ちなみに、本作唯一の女性キャラクターであり春麗と同じチャイナ・父親の仇討ちという伝統的ヒロインキャラクター
 ・・・のはずなのだが、頭から2本のワラビが突き出たような髪形や臀部の食い込みが激しいレオタードなどデザインはかなり前衛的である。


 ・サターン ―頭脳派パフォーマー―
 アンドロメダ銀河、惑星サターン人。地球よりはるかに高度な文明を持つサターン星の中で技術研究に携わっており、地球の視察を命じられるほどのエリート。
 その際地球の大道芸人が操っていたヨーヨーに運命的な出会いを果たし、プラズマ技術でこれを再現したものを披露するために「スターグラディエイター」の場を選択したのだとか。

 キャラクター性能としては、「プラズマヨーヨー」を武器としたリーチが伸びる枠。
 通常技はそうでもないが、レバー入れ攻撃や下段かつ高威力・高リーチの「トラビーズコンボ」を中距離から振りまわす牽制能力はなかなかの物だ。
 またサターンが属するBタイプのコンボルートは横斬りのみならず縦斬り・蹴りの3種が複雑に派生する設計であり、実際の技も中・下段が入り乱れた極めて見切りづらい内容。
 プラズマリベンジには警戒する必要があるが、相手を手玉に取るような立ち回りが可能なキャラクターである。


 ・ガモフ ―心優しき森の戦士―
 チューバッカ 辺境の惑星デローザ人。緑豊かな故郷の星で森の仕事に就き母や弟たちを養っていたが、地球との貿易協定によって惑星は荒廃、仕事を失って賞金稼ぎとなる。
 根が優しいため他の賞金稼ぎたちになじめずにいたが、ハヤトと出会って意気投合してからは相棒として行動している。

 キャラクター性能としては、その体格と「プラズマアックス」を武器としたパワーキャラ。
 必殺投げを3種に加え、背後取りジャンプと前転の特殊行動も持つ投げキャラでありながら、横斬り系の基本技に威力とリーチが充実している扱いやすさが魅力。
 反面、崩しの乏しさと縦斬り系の動作の遅さがネック。コンボの中断やジャンプ攻撃なども織り交ぜて相手のプラズマリベンジを封じて行くよう意識したい。


 ・ゲレルト ―ダンディ・マタドール―
 スペイン人。ゼータ星に闘牛の興行に訪れた際にライバル闘牛士の陰謀によって家族を拉致され、自身も追われる身となったところをビルシュタインに誘惑されて家族の救出のために軍門に下る。

 キャラクター性能としては、「プラズマサーベル」による突き攻撃と軸移動を得意とする闘牛士。
 突きのリーチや攻撃速度に長けるうえにコンボルートは中・下段が入り乱れ揺さぶりに長けた内容、軸移動が素早く「斜め前転」という飛び込み行動もあるなどとかく身のこなしが華麗。
 突進技「サザンアロー」に下段始動「ブラディフラメンコ」、軸移動しつつ攻撃を繰り出す「スパニッシュダンス」と性能の良い必殺技も充実した、高い水準でバランスの取れたキャラクター。
 相手が得意の軸移動に横斬りを合わせて来るようなら逆にプラズマリバースの餌食にしてしまうまど、扱いやすくゲームシステムの勉強にもなる、万人向けキャラクターと言える。


 ・ベクター ―恐怖の最終兵器―
 ビルシュタインが開発した殺戮ロボットの最新試作機。設定上大量に存在するモブキャラクターで説明書の表紙でもジューンの尻に敷かれているが、このベクターの量産によってビルシュタインはゼータ星をいともたやすく征服したのである。

 キャラクター性能としては、「プラズマガン」や頭部からのレーザーによる射撃戦を行える唯一のキャラクター。
 その分基本技は鈍重だわ短足で攻撃を外すわと頼りないのだが、間合いを問わず上段、下段、ガード不能薙ぎ払い、と打ち分けられる射撃攻撃は相手にとってプレッシャーとなるだろう。
 素早く間合いを取る「バックローラーダッシュ」という動作もあるので、上手く中〜遠距離をキープしながら相手の隙を狙い撃って行こう。


 ・リムガル ―非業の恐竜人間―
 人間と恐竜のDNAを合成して作られた怪物。元々ビルシュタインの研究所に勤めていたある人物を素体とすることで知能と戦闘能力を共に高い水準で獲得する事に成功した。
 素体となった人物の人格は未だに残っているが、脳内にコントロールチップを埋め込むことでその意志に関わらず行動はビルシュタインの意のままに制御されている。
 そして、その素体こそがジューンの「事故死」した父親その人である。

 キャラクター性能としては、「デスボーン」なる棍棒によるパワーと恐竜の肉体によるスピードとを使い分ける攻撃重視タイプ。
 縦斬り系は中段、蹴り系は下段の攻撃が多く、しゃがみレバー入れ蹴りや「伏せ」〜蹴りなどの特殊攻撃で下段防御を意識させて「縦→蹴り→縦」といったコンボで叩き潰してゆくのがセオリーか。
 またレバー入れ蹴りの「かみつき」からのダウン攻撃や、相手背後状態での蹴りという意外な技からの空中コンボなど、相手の心理のスキを突いてしたたかに攻めて行けるキャラクターである。


 ・ゼルキン ―誇り高き鳥人―
 銀河系北アメリカ星雲、惑星クロンダイク人。勇猛なクロンダイク軍の中でも特に名の知れた存在だったが地球連邦軍との戦いにおいて部下を捕虜に取られ、部下の自由と引き換えにゼータ星に収監されていた。
 その後件の戦いの終結によって自由の身となるはずであったのだが、連邦の手違いによって戦死扱いとしてその存在が忘れ去られる始末、現在は脱獄の折に自らを助け出してくれたビルシュタインに恩義を感じて軍門に下っている。

 キャラクター性能としては、「プラズマクロー」を武器とした素早い連続攻撃に加え、スーパージャンプや2段ジャンプ及び空対地攻撃を備えた立体的なスピードキャラ。
 空中では通常のジャンプ攻撃に加えて突進技「エアジャベリン」と投げ技「スカイデストラクション」の2択、および落下タイミングをずらせる「空中浮遊」による撹乱まで選択肢がある。
 これらは軸移動にもろい面もあるが、空中における行動力は高いイニシアチブをもたらしてくれるだろう。
 また、通常攻撃を見ても速度に加えて中・下段の打ち分け、突き攻撃のリーチも有って平均以上の性能を発揮する。総合で見ても強力な部類のキャラクターだろう。


 ・ゴア ―狂気の魔術士―
 インドネシア人。超能力を持って生まれた事で周囲の人間からもてはやされて育ったが、それをねたんだ父親の虐待に超能力で抵抗し殺害した事でその快感に目覚める。
 ビルシュタインにその才を見出されてからはその研究に没頭し、「プラズマ魔術」なる体系をまとめているようだ。
 おそらく、リムガルの作成などにも深くかかわった人物である。

 キャラクター性能としては、「プラズマメイス」から放たれる必殺技や特殊構えを駆使して後の先を取るテクニカルキャラ。
 持続が長く接近する相手を止められる「組成変換」および「毒薬散布」、その場に寝転がって攻撃を回避すると共に必殺投げに繋がる「絶対安静」、身長と共にリーチが増える「巨大化」、とそのラインナップはいずれ劣らぬトリッキーぶり。
 派生の多いコンボルートBかつそこそこ下段攻撃が混じっているなど接近戦を真面目にこなすこともできるが、相手の調子を狂わせるようなゴアの持ち味は必殺技を使い分けてこそのものだろう。


 ・ビルシュタイン ―地獄の帝王―
 アメリカ人。祖先の遺品から人間の思念から生まれるプラズマエネルギーの研究書を発見し、同時にこの祖先の怨念に取り付かれた事によってプラズマエネルギーを利用した地球征服の野望に覚醒した。
 一度は地球連邦軍に野望を察知され遠く離れたゼータ星の監獄に収容されることとなったが、これをたやすく脱獄してゼータ星を壊滅させ、改めて地球進出への計画を推し進めている。

 キャラクター性能としては、威力とリーチに優れた「プラズマソード」を軽々と振りまわすオールマイティキャラ。
 主力となる中段の縦斬りから始まるコンボには中・下の択一もあり、下段のレバー入れ蹴りなどと織り交ぜて強気に攻めて行ける。
 後ろレバー入れ+蹴りでは剣を残して姿を消すステルス化と言う特技も見せ、ラスボスらしい強さが感じられる事だろう。


 ・ブラッド
 本作の隠しキャラクターの一人。ビルシュタインの後継者として育てられた「ビルシュタインの子供たち」の一人で、ビルシュタインの計画の障害となる人物を抹殺するために「スターグラディエイター」の一員として潜り込んでいる。
 「エピソード2」への伏線として登場したであろうキャラクター。

 キャラクター性能としては、ほぼビルシュタインのコンパチ。ヨガコマンドの「フェイクブレード」による撹乱が鍵か。


 ・???
 もう一人の隠しキャラクター。性能はある人物のコンパチだが、外見と背後投げのモーションは・・・。


・対戦

 ・・・と、キャラクターはなんとも個性派ぞろいなのだが。
 いかんせんキャラクターに対応したコンボルートを把握しなければ満足に立ち回る事は出来ず、コンボルートを把握していてもそのうえでそれぞれのコンボの判定や繋がり方の理解も重要。
 加えてコマンドによる必殺技の存在もあり、本作はキャラクターを動かすまでに必要な知識の量が他の格闘ゲームに比べて多いのだ。

 丸っきりの初心者同士であればキャラクターをあれやこれやと動かして練習しているだけでも視覚的な面白みがある。
 熟達した上級者同士であれば、また相手のコンボの先を読んで返し技を狙い合う熱い対戦が楽しめるだろう。
 が、そこに至らない中級者は一人持ちキャラを作った後別のキャラクターに切り替えづらく、また初心者を相手にしても教える事が多くて対戦になりづらい。
 結局固定メンツで同じキャラクターを使った対戦となりがちで、このあたりで本作の対戦ツールとしての評価はくすむところである。


・まとめ

 プラズマコンボという見る楽しさに富んだシステムを一つの柱に、一方でそれとがっちり対応した弾き返しのシステムをまた一つの柱にした本作。
 しかしその設計はとっつきづらさの目立つ物で、ある程度慣れた頃に対戦の幅が広がらないという停滞、ひいては飽きを招きやすい。
 2D格闘ゲーム調のシステムへ大幅に方向転換した「2」と比べると、やはり難点が目立つところである。

 ただ「2」よりもクセのあるキャラクターの技の数々や、ゲージ消費が無い「弾き返し」を多用する対戦、「2」で消滅したリムガルと、比較して見られる点はある。
 また、本作にしか登場しないもう一人の隠しキャラクター・・・この辺りを重視するのであれば、本作もまたプレイする楽しみがあるだろう。
 スターウォーズのオマージュ作品が好きな人や武器持ち3D格闘に目が無い人、「2」をプレイ済みで未登場キャラクターに関心のある人に目に止めてほしい一本である。

 なお余談になるが、本作の続編である「2」はもとより「ジャスティス学園」や「ストリートファイターEX」など、その後のカプコン3D格闘は2D格闘に寄ったデザインになってゆくこととなる。
 本作はカプコンの3D格闘分野を語るうえで重要な一本なのかもしれない。


・ワンポイント攻略

 ・後味が悪いうえ、全キャラ共通でそっけない内容の本作のエンディング。
 実はアーケードモードを一定時間(初期設定では6分、先取ラウンド数×3分)以内にクリアするとビルシュタインと真の決着を付けるという展開があり・・・。

 ・ちなみに、この目標タイムを実現しようとするとほぼ1ラウンドも落とせず、後の先狙いなど御法度、演出の長い投げ技なども封印必至という非常に厳しい内容となる。
 幸い難易度とダメージレベルは目標タイムに影響しないようなので、これらを最低・最大にして挑めばいくらか楽になるだろう。





・関連作品

・スターグラディエイター2続編。とはいえゲームシステムはがらりと変わり必殺技ゲージやレバー式のガードなど2D格闘ゲームに寄ったデザインへ改められた。
・MARVEL VS CAPCON2カプコン側のキャラとしてハヤトがゲスト出演。
武器持ちで比較的判定が強い反面飛び道具を持たない近〜中距離差し合いキャラ。複雑に派生する必殺技「プラズマコンボ」としてシリーズのシステムを再現している。
また相手に当てればゲージ消費無しで超必殺技を連発できるようになる「プラズマフィールド」を超必殺技として持つ。
パワーストーンカプコンの3D格闘アクション。
画面内を自由自在に走り回る内容に合わせてか、本作のようなコンボルート式の連続技が採用された。
・ソウルエッジナムコの3D格闘ゲーム。本作の少し前にリリースされており、本文中で何度も触れた通りそのシステムは似通ってしまっている。
が、開発の裏話によるとこれはかなり間の悪い偶然であったらしく、これに対する苦肉の策としてゴアの必殺技などの奇抜な方向性に特化して行く事になったのだとか。(カプコンシークレットファイルNo.5より)
闘神伝2(アーケード版)タカラの3D格闘ゲーム。本来家庭用のゲームだったが後に人気を受けてアーケードゲームとしても設置されることとなり、その際にカプコンがリリースを行う事になった。
これまた本作の登場前に起きた間の悪い偶然であったという。


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