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ページ公開:2011/04/05


PANZER DRAGOON(パンツァードラグーン)


プラットフォームセガサターン
開発セガ
発売セガ
発売年月日1995年 3月
ジャンル3Dシューティング
プレイ人数1人
セーブデータなし(セーブ機能が無い)


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
ゲームとの一体感高し 緊迫感があってスピーディー 独創的 やや退廃的 やりこみ甲斐がある リメイク版多し





・ゲーム概要

 セガサターンの初期に発売された3Dシューティングゲーム。独特の世界観や特徴的なシステムが人気を博して根強いファンを獲得し、パンツァードラグーンシリーズの基盤を築いた。
 シリーズで使用されている独自言語、通称「パンツァー語」は出番こそ少ない物のすでに登場しており、旧世紀の生物兵器「攻性生物」やそのテクノロジーを利用する「帝国」などなど、その世界観設定には製作者のこだわりを垣間見ることが出来るだろう。


・「黄昏の時代」

 「栄華を誇った文明が滅んで数千年・・・。かつての力を失った人類は、自らが生み出した遺伝子改造による生物兵器に脅かされながら黄昏の時代を過ごしていた。」

 かつての生物兵器、「攻性生物」は荒廃した自然に適応して進化し、人を襲う脅威となっていた。それに対して人間はといえば、かつてのテクノロジーを失ったために原始的な武器で対抗するしかなく、辺境の地で攻性生物の影ににおびえながら生活するしかなかった。
 だが、旧世紀の兵器を復活させることに成功した「帝国」の登場によって人類は攻性生物に対抗する術を手に入れ、再び訪れるであろう自分達の時代に人々を歓喜させた。
 しかし、帝国はその軍事力を利用した周辺諸国の支配をたくらみ、対抗する周辺諸国を上回る圧倒的な兵器を求めて海中に封印された「塔」に手を出してしまう・・・。

 主人公「カイル・フリューゲ」は辺境で攻性生物の狩りを生業とするハンターである。本来であれば帝国や塔とは何の関係も無い彼だったが、狩りの最中に旧世紀の遺跡に足を踏み入れたことが彼の運命を大きく変えた。
 旧世紀の伝説に語られる最強の攻性生物、「ドラゴン」同士の戦いを目の当たりにしてしまったのである。空中で激戦を繰り広げる「青」のドラゴンと「黒」のドラゴン。だが、一瞬のスキを突かれた青のドラゴンの乗り手が倒され、勝利した黒のドラゴンは何かを目指して飛び立った・・・。
 一方、それを呆然と見守っていたカイルの目の前にふらつきながらも青のドラゴンが降り立ち、カイルは手負いの乗り手から意志を託された。
 「奴を塔に行かせるな」
 カイルは彼の銃を手にし、促されるままにドラゴンにまたがった。新たな乗り手を得たドラゴンは「塔」を目指し、大きく飛翔する・・・。

 そして、ゲームが始まる。


・システム

 プレイヤーはドラゴンに乗った主人公を操作し、敵に狙いをつけて銃によるショットやドラゴンによるレーザーで攻撃、敵の攻撃や障害物をかわしつつステージを進んでボスキャラクターを倒してゆくこととなる。
 ここまでならばよくある3Dシューティングだが、このゲームの最大の特徴は主人公の周囲360°あらゆる方向から敵が出現してくることだろう。そのためプレイヤーは正面を向いてドラゴンを操作する「ドライブモード」、左右や後方を向いて敵を警戒・撃破する「シューティングモード」を状況によって使い分けながらゲームを進めることになる。
 ドラゴンを操作して飛行するときの爽快感、敵の出現を感知するレーダーが反応したときの緊張感、このメリハリが実に個性的で面白い。
 周囲を見渡す臨場感もかなりのもので、しっかりと作りこまれた背景、「黄昏の時代」の荒廃した、それでいて神秘的な世界はゲームの気分にどっぷりとつからせてくれる事だろう。

 さてシューティングゲームとしての難易度はどうかというと、難易度ノーマルをクリアするだけならばそれほどの難易度はない。敵の撃破率を80%以上にすることで得られるクレジットボーナスをしっかりと取ればどうにかやっていけるはずである。
 だが、この撃破率を100%、つまりステージ内の敵を全て撃破しようとするととたんに難易度がハネ上がる。大きなクレジットボーナスを得られるメリットはあるが一体も逃がさず撃墜するのは至難の技であり、それゆえに初期クレジットが無いハードではとことんまでハードなゲームが楽しめる。
 また、ノーマルであっても全ステージ撃墜率100%を目指す、というやりこみの余地があり、初心者から上級者まで幅広く、末永く楽しめる難易度となっている。

 ・・・だが、残念なことにこのゲームにはセーブ機能が無い。どれほど頑張って撃墜率を100%にしても、それは自分の心に残るのみである。
 得点としてのスコアも存在しないため、スコアラーにとっても物足りないかもしれない。


・まとめ

 「パンツァードラグーン」シリーズの最初の作品だけあってシステムなど細かな部分に粗さが見られる物の、シリーズに受け継がれる面白さはしっかりと持っている名作。
 シューティングゲーム好きにはもちろん、ドラゴン好きな人やナ○シカのような世界観が好きな人にも興味を持ってもらいたい一品だ。


・リメイク

 しかし、「セガサターンなんて持ってないよ!」という人もいるだろう。
 そんなユーザーにオススメしたいのがリメイク版である。PS2のセガエイジス2500、Xboxのパンツァードラグーン オルタ(のオマケ)、と本作は二度にわたってリメイクされているのだ。
 グラフィックが美麗になり、パンドラボックスも搭載されたセガエイジス版は入手しやすいので特にオススメだ。・・・まぁ、やっぱりスコア機能は無いようだが。


・ワンポイント攻略

 ・攻撃の中心はレーザー。ショットは弾幕を張り相手の攻撃を相殺する目的で使うと良い。
 ・恐ろしい巨体と激しい攻撃を持つボスキャラクターだが、落ち着いて相手の攻撃を見極めれば活路を見出せるはず。あきらめるな!

 ・LとRを同時押しすれば、ドライブモードから瞬時に後方を向くことが出来る。結構便利。





・関連作品

パンツァードラグーンII続編。より物語性を増したシナリオに加え、スコアやバーサクといったシステムを取り入れたことでシューティングゲームとしての完成度も上がっている。
・パンツァードラグーン ミニゲームギア用に発売されたと言う怪作。あまりにも雰囲気が違うためファンアイテムとして割り切るべきか。
アゼル ―パンツァードラグーンRPG―続編はまさかのRPG。しかしシューティングらしさ、パンドラらしさも残しており完成度が高い。
・SEGA AGES 2500 パンツァードラグーンPS2でまさかの復活。グラフィックの雰囲気は変わったがほとんどそのままの移植度。
・パンツァードラグーン オルタXboxでまさかの新作。今までの雰囲気そのままにXboxのスペックで作成された世界やAZELから続くシナリオなど「新作」の名に恥じない傑作。


イラスト:カイルとドラゴン


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