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ページ公開:2010/10/31


parasite eve(パラサイト・イヴ)


プラットフォームプレイステーション
開発スクウェア
発売スクウェア
発売年月日1998年 3月
ジャンルRPG
プレイ人数1人
セーブデータ1つ1ブロック


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
中途半端 複雑 美麗でグロテスク スリリング 詰み注意 トンデモ設定多量





・ゲーム概要

 第二回日本ミステリー小説大賞受賞作品「パラサイト・イヴ」を、あのFF7のスタッフとあのハリウッドのスタッフが手を組んでゲーム化したという超豪華ゲー。
 豪華スタッフや莫大な制作費をアピールする映画に限ってよく「すべる」気がするものだが、このゲームも大体そんな感じであった。


・ストーリー

 「ミトコンドリア」とは生物の細胞中にありながら細胞核とは別のDNAをもつエネルギー生成器官。数億年の昔、我々の細胞となるバクテリアに寄生(パラサイト)し、生物を発生させた別種の生命。
 かつて日本で、我々とよき共生関係にあったはずの「彼女」らが反乱を起こし、複数の人間を利用してミトコンドリアのみで形成された新生物を誕生させようとした事件があった。結果としてその計画自体は失敗したものの、誰の体内にも存在しているミトコンドリアがいつか反乱を起こし、我々に取って代わるのではという可能性が示唆された。
 そして数年後、アメリカ、マンハッタン島でクリスマス・イヴを迎えた主人公「アヤ・ブレア」はその「反乱」と、首謀者「Eve」に出会う・・・といった感じのストーリー。小説を読んでいなくても何とかなるが、作中頻繁に小説のキーワードが出てくるので読んでおくとニヤリとできる。

 Eveに近づくとたいがいの人間は体内のミトコンドリアが暴走して発火、あるいは怪物化するが、主人公・Ayaだけはある秘密からそれが起きない。そのため作中の事件を直接解決できるのはAyaしかいない・・・というのがゲームのメタ設定に対する理由付けとして巧妙で面白い。


・ゲーム内容

 おそらくこのゲームを始めて最初に目に付くのがその美麗なムービーだろう。ポリゴンは緻密で、手馴れたカメラワークやライティングは「さすが」といったところ。グロテスクではあるものの、特にOPなどは現代でも一見の価値ありだ。

 さてゲーム本編は7つの章に分かれており、一つの章の前半でイベントを進行させ、後半でダンジョンを攻略するといった流れ。ゲームクリア後は一部の装備とアイテムを引き継いで2週目以降をプレイ可能。
 戦闘はかなり特徴的で、行動可能を表す「ATバー」がたまるまで敵の攻撃を回避し、バーがたまったら任意のタイミングで攻撃などの行動を選択。行動し終えたら再度ATバーがたまるまで回避・・・という半FF、半アクション方式。一見面倒だが、慣れてもやっぱり面倒くさい。敵が強い間は焦燥感がスリルをかき立てるが、ザコ相手に時間を食ってしまうのは面倒以外の何物でもないだろう。

 また、エンカウントはほぼ固定式で、レベル上げの概念は無いものと思って良い。それよりもマップ上にある隠し部屋、隠しアイテムを見つけて装備を強化したほうが効率が良いはず。
 この装備の強化も中々に自由度が高く、そのシステムを理解すれば一気に戦闘が面白くなるだろう。お気に入りの武器は2週目以降に引き継げるのでガンガン強化すべし。
 なお武器名がリアルだったりするが、武器のシステム自体リアリティのかけらも無いものなので気にしないほうが吉。

 そしてこのゲームの何よりの特徴は、イベントが理不尽なことだろう。
 どれだけ理不尽かというと、ボス戦直後に即死イベントがあったり、引き返せない(レベルが足りない)ボス直前で「セーブしますか」と問われたり、役に立たない(しかも捨てられない)イベントアイテムで持ち物を圧迫されたり・・・と、挙げればキリが無い。
 しかも全てのイベントはスキップ不可能というオマケ付き。
 苦労して倒したボスの後で長いイベント発生、失敗して即死、再度ボス戦から再開・・・という絶望感は味わった者でなければわからない。
 トドメに2週目以降もスキップ不可。シナリオ分岐もほとんど無く、同じイベントを見ることになるので退屈この上ない。

 一応、そういったイベントはストーリー上意味のあるものが大半だが、それがゲームとしての面白さを損ない、攻略を挫折させる原因となったことは否めない。


・まとめ

 このゲームがワゴンに並んだ原因は、スタッフの豪華さやグラフィックの美麗さで関心を集め、大量に生産したわりに、イベント関係の理不尽さやゲームバランスに攻略を断念したプレイヤーが多かったことではないだろうか。
 だから、FFやハリウッドのことは忘れ、特徴的なシステムやイベント、トンデモ設定に理解を示せるならば、美麗なグラフィックとドラマチックなシナリオを持つアクション風RPGとしてオススメ出来る。
 と、思う。


・ワンポイント攻略

 ・装備の強化を行える「ツール」。実はこれ、装備についている強化ポイントを他の武器に加算させることが出来る。攻撃力+1などより大きな効果が見込めるので可能な限り取っておきたい。
 ・上でも述べたが、このゲーム詰む可能性がホントに高い。適当なタイミングでバックアップをとっておくようにしよう。
 ・DAY 4の屋上イベントはマップの左下に出口がある。ここで詰んだ人は是非お試しあれ。





・関連作品

パラサイト・イヴ2続編だが、まるで異なる物に。
・The 3rd Birthday2010年12月にPSPで発売された「アヤ・ブレア」の最新作。
・チョコボレーシングAyaと言う名でパトカーが参戦。
・ファイナルファンタジーVIIチョコボやクラウドたちが本作のある場所で密かにゲスト出演している。(ホントに密かなものだが)


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※The 3rd Birthday発売に合わせて価格の高騰が見られたようですが、継続して掲載しています。