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ページ公開:2021/02/23


DRAGONドラゴン FORCEフォース


プラットフォームセガサターン
プレイステーション2
開発Jフォース
セガ
発売セガ
発売年月日1996年 3月(SS)
2005年 8月(PS2)
ジャンルロープレ
プレイ人数1人
セーブデータ1つ284ブロック、3ファイルまで


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
快適 後半が残念 ドット絵に見ごたえあり 勢力ごとに雰囲気あり 後半が残念 姉妹?作に「スペクトラルフォース」あり


※今回のレビューはややネタばらしを含みます※





・ゲーム概要

 1996年に発売されたウォーシミュレーションゲーム。
 複数の国から一つを選んで他国を侵略し大陸の統一を目指す、というPC向けのオールドスクールなウォーシミュレーションゲームを、親しみやすいファンタジー世界観のもと家庭用ゲーム機でリリースした作品。
 特に特徴的なのは戦闘画面、いわく「ゴチャキャラ戦闘」という設計で、バトルフィールドの中で最大101人対101人の軍勢がリアルタイムに動き、攻撃を応酬して敵を制圧してゆく臨場感や、そんな中に強力な武将技を叩き込んで戦況を逆転させる痛快さが本作の魅力となる。

 なおゲームシステムやタイトルにおいて「スペクトラルフォース(1997年、開発:アイディアファクトリー)」と類似性があるがこれは実際主要なスタッフを同じくしており、当初の開発であった「Jフォース」が阪神淡路大震災の影響により倒産、開発途中の本作をセガが引き継いで計画を見直しつつ完成させたのが本作であり、他社へ移らざるを得なかったスタッフたちが企画当初の構想をもとに完成させたのが「スペクトラルフォース」であったのだという。
 関係は複雑だが・・・一応(生き別れくらいの)姉妹作と言うべきところだろうか。

 ちなみに、本作はセガサターン版ののちに画像などをリメイクした「セガ・エイジス」版としてPS2にも移植されている。
 こちらは新旧の画像を選択できるらしく今から遊ぶとなれば確実にお得なはずだが、絵柄が好みでないのとそもそも未所持なのとで以下はセガサターン版をもとにしたレビューを行うこととする。
 またお約束だが、イギリスの同名メタルバンドとは別に接点はない。


・ゲームの舞台

 ゲームの舞台となるのは剣と魔法と創世神話の息づく「レジェンドラ大陸」。
 創造神の一柱「マドルク」の暴虐を星竜ハースガルドが阻止した戦いの余波という「マドルクの大災厄」ののち人々は緩やかに復興を果たし、今ではいくつかの国家と呼べるものが大きな争いもなく平穏な時を送っていた。
 しかし、それは決して平和を意味してはいない。
 それぞれの国家は剣の腕を磨いた「戦士」や精霊に干渉することのできる「精霊使い」、肉体の鍛錬を積んだ「モンク」といった戦力を有して互いをけん制し合い均衡を守ってきたのである。

 そして、その均衡は一人の死によってついに破られてしまう。
 大陸北西部に位置する軍事国家「ファンダリア帝国」の皇帝が実の弟に殺害されるというクーデターが起き、新たに玉座についた「ゴルダーク」は蓄えた軍事力をもって大陸を統一するという宣戦布告を行ったのである。
 これを恐れた諸国はいずれも国力を増強するための侵略戦争を決意。
 大陸は所を問わず戦火が上がる戦国時代へと突入したのであった。

 ・・・そんな中、ある君主のもとに邪神マドルクを封印した女神「アステア」の啓示が下っていた。
 「大陸を統べ、そなたと同じく星竜ハースガルドの力を受け継ぐ『星竜の八戦士』を集めよ。邪神マドルクに復活の兆しが現れた――。」と。


 ・ハイランド王国 − 君主:ウェイン
 大陸で最も歴史が古く「マドルクの大災厄」後の復興も早かった温暖な国。
 国には王に尽くした戦士を始まりとする「騎士」の家系があり、彼らの間には日々の鍛錬と信じるべき道義による極めて高い士気が見られる。
 君主のウェインは若干17歳で世間知らずなところもあるが、誰へも手を差し伸べるカリスマ性があり心酔するものも多い。
 ゲームバランス上では最もオーソドックスな「ソルジャー」を主力とする勢力。
 好戦的なファンダリア帝国の対角線上に位置し、隣国ムーンパレスから順番に攻略すると自然と次の敵に有利な兵種がそろうスムーズな構成となっている。

 ・ファンダリア帝国 − 君主:ゴルダーク
 ゴルダークのクーデターによって戦乱の口火を切った軍事国家。
 「騎兵」を組織できるほどに装備と訓練が行きわたっており、また厳しい身分社会のなか貧しさから抜け出すべく兵に志願するものが絶えず士気と兵力にも不安がない。
 君主のゴルダークには武力に惹かれたもののみならず超人的な魔導士ギデオン、争いを嫌う僧侶リリア、など何か裏を匂わせる人物が集っているようだが・・・?
 ゲームバランス上では高い能力を持つ「ホースマン」を主戦力とする極めて好戦的な勢力。
 一周目では選択することができずもっぱら敵国として、大陸統一の最終目標(とはいえ折り返しに過ぎないが)として立ちはだかる。

 ・ムーンパレス王国 − 君主:ティリス
 深い森と三日月形の湖によって外界から隔絶されたエルフ族の国家。
 エルフ族は「精霊」と交信して様々な魔法を使うことができる種族だが、「マドルクの大災厄」後は人間から逃れるようにして衰退し今の軍事力は自衛が手一杯という程度に限られている。
 君主のティリスはエルフの伝統に従って行われたコンテストで一番の人気を集めた少女であり、特別優れた能力を備えているわけではないが人徳によって不動の支持を得ている。
 ゲームバランス上では遠距離攻撃を持つ「アーチャー」を主力とする、地理上攻められにくく防衛に長けた勢力という位置づけ。
 言い換えるとこちらからも攻めづらく前線で足踏みしがちだが、初期の兵種が比較的バリエーション豊富なので相性を意識すれば攻略が軌道に乗るだろう。

 ・イズモ国 − 君主:ミカヅキ
 海と山脈に挟まれた、独自の文化を持つ移民たちの国。
 彼らはかつての「マドルクの大災厄」によって沈没した島国から逃れてきた者たちの末裔であり、「サムライ」や「ニンジャ」と呼ばれる特殊な戦闘術を受け継いでいる。
 君主のミカヅキは国を治めるサムライ・マスターの後継者ながら諸国を流浪して剣術と見聞を磨いたという、武と酔狂を併せ持つ人物。
 ゲームバランス上ではソルジャーとあまり変わらない「アシガル」を主力とする、もう一つのオーソドックスといった位置づけ。
 ただし領土が狭くすぐ北にファンダリア、南にボザック、東は山脈で西は海と立地条件が厳しいのでハイランドと比べると歯ごたえのある難易度になるだろう。

 ・トラッドノア王国 − 君主:レイナート
 大陸中央に位置する魔法研究の盛んな国。
 「マドルクの大災厄」以前には「魔法」を研究する学問都市が存在した土地で、その知識を後世に残すべく活動するうちに国家として独立した。
 君主のレイナートは幼さを感じさせる小柄な青年だが、魔神の血を引くという王族の末裔として並外れた魔力を有しているという。
 ゲームバランス上では「メイジ」を主力とし山岳に囲まれた、ムーンパレスに近い防衛向きの勢力。
 が、いかんせん大陸中央という激戦区に位置するため難易度が高く、ファンダリア同様一周目では選択できない上級者向け勢力である。

 ・トパーズ王国 − 君主:レオン
 大陸中央に位置する宗教国家。
 肉体の鍛錬を修行の一環と位置づけた「モンク」の国であり、また一方で四方の国家と交易を重ねてきた開けた国である。
 君主のレオンは伝統にのっとって「最も修練を積んだ者」として指名された人物で、鍛え抜かれた肉体と不屈の精神を持つ武人の鑑である。
 ゲームバランス上では「モンク」に兵種が偏っているものの、最も普及しているソルジャーに不利が付き相性的に苦しい時期が続く。
 このうえで西に位置するファンダリアや南に位置するトラッドノアから頻繁に侵略を受けるため、とかく序盤の方針には頭を悩まされることになるだろう。

 ・ボザック国 − 君主:ゴンゴス
 大陸南西のジャングル一帯に暮らす獣人族の国。
 国といっても獣人族は集団ごとに自給自足を主とした独立性の高い生活を営んでいるため一枚岩ではなく、この戦乱に乗じて台頭せんとする野心家もいるようだ。
 君主のゴンゴスは頭脳派の長男ラギ、血気盛んな次男バギ、邪霊術を操る長女マニ、幼く無鉄砲な次女ユニ、の武将四兄弟と家族のごとき絆で結ばれている。
 ゲームバランス上では「ビースト」に兵種が偏っているものの、ソルジャーや隣国イズモのアシガルに不利が付き相性的には苦しい立場にある。
 しかし立地的に端に位置するため進路の選択肢があまりなく、序盤は苦しい立場に置かれるだろう。

 ・トリスタン帝国 − 君主:ジュノーン
 大陸北端の山岳地帯を支配する軍事国家。
 寒冷な自然と痩せた国土に暮らす国民は決して裕福とは言い難く、ゴルダークのクーデター以前から軍事力に注力し南下政策を匂わせていた。
 君主のジュノーンは剣と魔法両方の実力に秀で「黒き死仮面(くろきしかめん)」の異名をとる仮面の女騎士である。
 ゲームバランス上ではメイジとアーチャー、少数の特殊兵種以外に有利をとれる「ハーピー」を主力とする勢力。
 苦手とするメイジとアーチャーはソルジャーで簡単に処理できるうえ、大陸の端という立地が防衛に適しているためぶっちゃけたところ弱点のない強力な勢力である。

 ・(番外)ライトニア − 君主?:ゼノン
 大陸南部にある城に居住する一味。
 国としての歴史があるわけではなくゼノンが仲間を集めて旗揚げしたばかりの勢力だが、「魔剣エクリクシス」によって不死身の力を得ているため時期が来るまで決して壊滅させることができない。
 配下の兵士をすべて失ってHP1になっても猪突猛進に侵略してくるため、経験値稼ぎの良いカモである。


・ゴチャキャラ戦闘

 ・・・という勢力図のもと、本拠地の「城」から配下の「武将」に移動の指示を出して他所の城を制圧、制圧した城を「内政モード」で補強して兵を補充するなどして準備を整え、またさらに侵略して勢力を広げてゆく・・・というのが本作の主な流れだ。

 マップ内で指示を出す「フィールドモード」は武将のアイコンがリアルタイムに地図上を移動するRTS形式。
 とはいえ移動指示などでは「ポーズ」が効くのでRTSの難点となるせわしなさはない。
 プレイヤーと同時にその他の勢力もまたそれぞれの思惑に沿って作戦を指示しており、侵略直後で疲弊したところを別の勢力に襲撃されたり、NPC同士で戦闘を繰り返した結果一方に武将が集中し撃破困難になったり、といったことが起こりうる。
 もちろんこちらとしても敵同士が戦闘して疲弊したところに漁夫の利を得る戦法が有効なので、マップを広く見渡してチャンスを探ったり先を見越して有利な兵種を待機させておいたりして効果的な攻撃を検討したいところだ。
 ただAIはそれほど厳しくなく、巴戦の鉄則と言わんばかりに複数勢力から集中攻撃を受けたり城を捨てて捨て身で襲ってきたりということはあまりない。
 また各国の君主がプレイヤー以外の攻撃によって捕虜となったり死亡したりすることは決してなく、ゲームオーバー条件もプレイヤーの君主の敗北のみなため特殊な戦闘を除けばまずそこまで追い込まれることはない。
 戦略ゲームとしては、基本的にカジュアルな難易度だと思ってよいだろう。

 また、攻撃や防御の指示は「移動」に集約されているためフィールドでの操作はシンプルだ。

 さて詳細な戦闘では武将同士が接触した時に「戦闘モード」に移行して独立した処理を行うことになる。
 戦闘モードはまずお互いに部隊を構成する「武将」から戦闘させる武将を選択して戦闘フィールドに移行。
 戦闘フィールドは画面外の左右に長く伸びる横長の平地で、それぞれが1人の武将と100人までの兵士を陣地に持った状態で始まる。
 このなかで兵士に「前進」や「上下分散」、「待機」といった指示を出して軍団を動かし、最終的に敵武将を撃破した側がひとまずの勝者ということになる。

 「兵士」は敵に接触すると自動的に足を止めて攻撃を繰り出す(メイジとアーチャーは距離を問わず攻撃できる)。
 各々がHPを有してはいるが基本的に数回攻撃を受ければ倒れるくらいの数値であり、こまごまとした指示は必要なく、あくまでも集団とみて「前進」や「待機」の指示を出せばよいわけだ。
 一方の「武将」は移動ができず陣地の奥に陣取る形になる。
 兵士の何十倍というHPを持ち、兵士が接触すればそれに反撃も行うため武将のHPは何十人という兵士を消耗して削ってゆくというバランスだ。
 最終的にお互いの兵士が全滅してしまうと「一騎討ち」として直接対決を行うことになるが、基本的にはそのような消耗を避け武将の選択でいかに有利をとるか、を徹底したい。

 もっとも、戦闘前に兵種や数で不利が付いていたとしてもこれを覆す手はある。
 ひとつは武将ごとに習得している「武将技」を使うことだ。
 武将は時間経過でたまるゲージとMPを消費して強力な「武将技」を繰り出し戦況を変えることができる。
 技の例としてはフィールドの端から端まで貫通し敵をなぎ倒してゆく「ソニックブーム」、敵兵士の動きを止める「アースクェイク」、武将周辺を攻撃する「ホーリーシールド」、といったものがある。
 前進してくる敵にソニックブームを打ち込んで数を減らす、アースクェイクで足止めした敵をアーチャーで一方的に撃つ、自軍兵士が極端に減ってもホーリーシールドで悪あがく、といったことができるわけだ。
 とはいえ、ここに兵士への指示を組み合わせれば効果はさらに向上する。
 「上下分散」と「待機」で兵士の壁を作り敵をソニックブームの射線上に誘導する、「上下分散」と「前進」で敵武将に戦力を回り込ませつつ敵兵士はアースクェイクでしのぐ、「後退」で兵士を武将の後方に待機させておいて武将に集まった敵をホーリーシールドで一網打尽にし温存した兵を「前進」させ残党を処理する、といった具合である。
 残念というか妥当というか敵AIはこうした戦術をとったり警戒したりしないため、こうして武将技を十分に活用することによってプレイヤーが安定した勝利を手にすることができるだろう。

 多数の兵士の用兵と一騎当千の武将の必殺技、この二つを効果的に組み合わせるのが見た目にも戦況的にも派手な「ゴチャキャラ戦闘」の醍醐味というところだろうか。


・武将

 しかして、本作の戦闘は一武将同士の勝負では決着がつかない。
 兵士を従える武将はさらに複数人からなる「部隊」を組んで行動し、この部隊全体の勝敗をもって侵略や防衛の結果が決まるのだ。
 つまり武将技を使い切り兵士を消耗した武将にも単騎で敵兵士を減らす、相手の武将技を受けるおとりにしてMPを消費させる、兵士を最低一人は残すようにして一騎打ちではなく引き分けという結果に持ち込む、という手が使えることになる。
 ・・・あんまりな気もするが、ともすれば武将は数がそろえば数がそろうだけ使いようがあるということだ。

 「武将」を仲間にするにはおおまかに「捕虜会見」と「探索」、「イベント」の三通りの方法がある。
 まず、大多数の武将は「捕虜会見」によって仲間になる。
 戦闘によって敵部隊に勝利した場合、一定の確率で「捕虜」として武将の身柄を確保することができる。
 その後「内政モード」に入ったとき、個別に会話して勧誘する「面会」に成功すると自軍の武将として取り立てることができるのだ。
 強力な武将ほど苦労して撃破した時の見返りが大きく、また捕虜にしているだけでも敵の戦力をそぐことができるというわけだ。  ただし捕虜は戦闘に敗北すると別の勢力に奪われることもあり、面会の結果もランダムに失敗する。
 特に各君主に初めから仕えている武将は君主を仲間に引き入れない限り決して仲間になることはなく、この点は多少注意しておきたいか。

 次に「探索」だが、これは「内政モード」で十分な内政能力のある武将に「探索」を指示することでアイテムやモブ武将を獲得するチャンスが生まれるというもの。
 ただし「探索」は城を強化して兵士の補充力や防衛時の補正を強化する「築城」との選択式であり、仲間にできるモブ武将もそれほど能力が高くないなどしてあくまで副次的な成果に留まるか。

 最後の「イベント」とは一般的なRPGにも見られるように、武将が特定の地点についたり一定の期間が経過したりすることで特殊な展開が発生するというもの。
 特に勢力それぞれに君主のライバルに当たる敵キャラクターが設定されており、彼らとの遭遇は勢力それぞれの物語に特色を加え、戦力を増強するきっかけともなることとなる。

 それから、あくまでも限定的なのだが戦闘時に「交渉」というコマンドもある。
 これは互いの戦力差を見て降伏を勧めるなどするものなのだが、単身交渉に行った武将がそのまま戦闘に突入し袋叩きに合うなど失敗時のデメリットが重すぎて基本的に使い道はない。
 ただし、ライバルキャラクターにとって主従関係にある武将などはこの「交渉」によって配下に引き入れることができる・・・場合もある。
 なお、交渉に影響するほどではないが主要な武将には互いに面識があって特殊な掛け合いが発生することもあり、武将のキャラクター性を掘り下げている。
 最たるものはファンダリアの「グレイス」に仲間を皆殺しにされ強い恨みを持つトリスタンの「ジョシュア」で、彼はどの勢力でも仲間にしたときにグレイスへの復讐の機会を作ってくれるよう交渉する会話まである。
 ほかにも同門であるハイランドの「ロウ」とファンダリアの「カルハザード」、兄妹であるトリスタンの「キリコ」とムーンパレスの「マノア」、などの関係があり、彼らがどのような形でまみえるかはプレイごとに異なる物語を演出することだろう。


・星竜の八戦士

 ・・・とまあ全体的にとっつきやすく好感触のウォーシミュレーションなのだが、ストーリーについては難を指摘したい。
 というのは本作の最終目標が「大陸の統一」ではなく「邪神マドルクの封印」にあるということで、後半のゲーム内容がほぼほぼ単純なRPGになってしまうという点だ。
 結果大陸を統一し敵対勢力と呼べるものがいなくなった後のストーリーが妙に長く、最終決戦に参加できるメンバーも「星竜の八戦士」のみ、事前に彼らの戦力を強化しておかないとかなり厳しいことになり、それまでに重用していた通常の武将たちはまとめてお役御免・・・と多数の悪影響が現れているのである。

 それでなくとも大陸の半分程度を制圧したあたりからあとは物量でごり押せてしまうのがこの手のゲームの常なので、ここを改良するどころかさらに引き延ばす手を良しとしてしまったことは惜しく思うばかりだ。


・まとめ

 大陸の統一を目指すという体のウォーシミュレーションゲームは目的達成までに無数の選択肢を持ち、その過程に想像力を刺激する未知の物語が紡がれるものである。
 本作は他のフィクションで親しみなれたファンタジー世界観や、人間関係の描写によって存在感を放つ登場人物たち、シンプルでわかりやすい操作系に、見た目にも戦況的にも派手なゲームシステムといった要素でそうした魅力を広く伝えられる形としたことを勧められる良作だ。
 ただしゲーム終盤の失速感はだいぶ厳しく、そこに至るまでを支えた武将たちがもはや出番もなくフェードアウトしてしまうことなどは見ていて辛いものである。
 この点は伏せるよりもむしろ覚悟してもらうとして、プレイ日誌をとるなどしながら遊んでみてほしい一作である。





・関連作品

・「スペクトラルフォース」シリーズPSのウォーシミュレーションゲームシリーズ。
本作の主要なスタッフが当初の構想をベースに開発した、多数のキャラが入り乱れる戦闘や武将同士の思惑が交錯する勢力図などコンセプトを同じくする作品。
・ドラゴンフォースII ‐神去りし大地に‐続編。ただし開発期間がやたらと短かったらしく内容についての評価は芳しくないようだ。
ややプレミア寄りのため未所持。


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