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/謎王
ページ公開:2019/11/26
謎王
(
なぞおう
)
プラットフォーム
:
プレイステーション
開発
:
エモーションデジタルソフトウェア
発売
:
バンダイビジュアル
発売年月日
:
1996年 8月
ジャンル
:
クイズ
プレイ人数
:
1人(ストーリーモード)
2人(対戦モード)
2〜8人(パーティーモード)
セーブデータ
:
1ブロック
システム
シナリオ
グラフィック
サウンド
ゲームバランス
その他
シンプルながら手広い
印象的
シュール
サイケデリック
覚えゲー
5種のミニゲーム搭載
・ゲーム概要
プレイステーション初期にリリースされた本格派クイズゲーム。
社会、地理、芸能、音楽、化学、スポーツ・・・といった多彩なジャンルの知識を、「三択問題」や「並べ替えクイズ」というふうに形式に変化を付けながら問うてゆく内容だ。
とはいえ本作で真っ先に印象に残るのは
平沢進のミュージックビデオか音楽ファンタジーゆめの後半パートといい勝負のシュールすぎるグラフィックや設定群
だろう。
「知」を唯一絶対の価値観とし、それを高めるために様々な人間性を犠牲とした権力者たちが支配するディストピア世界・・・という側面も読み取れるが、
どうかというとちょっとゆるキモ系のデザイン
が並ぶ本作について詳しく見て行ってみよう。
・ストーリー
ここは知の国、かつては知の指導者でもある老僧の元で、知の民たちは知識を磨き、精神的に安定した生活を送っていた。
老僧は広場の真ん中に小さな寺を建て、人々に知の問答「クイズ」をもって「知」を教える努力をした。
それは導師の脳に記憶された知の喜びを人々に分け与え、そして真の自由を自覚させる作業でもあった。
こうして知の民は類稀なる知識を蓄えた民として平和で自由な日々を送っていたのである。
だがあるとき、卑怯な手段で導師を破る者が現れ、導師は悲惨な死を遂げた。
卑怯者の手によって憩いの場であった寺は焼かれ、平和に暮らしてきた人々は脳から知識と記憶を奪われ、高原から追放されたのである。
その者は老僧から奪った知識とシステムを悪用し、いつしか「謎王」と名乗るようになった。
捨てられた知の民はわずかな記憶を頼りに、高い壁に囲まれた謎王国の中に入ろうとする。
しかし運よく中に入れても、ふたたび知識を吸い取られ、謎王国の外に追い出されるばかりだった。
謎王は知の喜びをかすかに覚えているものが、繰り返し謎王国に入り込ませるために、人々の記憶と知識を完全に消さなかった。
そして、入り込んできた人々の知識を吸い取っているのだ。
知識は謎王にとって、そして謎王国にとってのエネルギーであったのだ。
そしてまた、今日もある若者が、微かに残る記憶をたどって、知の対決を挑み始めた。
しかし、彼は今までの知の民とは少々様子が違う……。
この話は、国から追放されたあなたが、知を鍛え、その失われた知の力を取り戻し、謎王を倒して平和な国を再建するまでの物語である。
(説明書より抜粋)
・・・と、文字にするとなかなかシリアスなストーリーが展開されている。
実際にゲーム画面を目にするとおたふく顔で無表情の若者があわてふためくシーンや三頭身の老僧が状況説明するシーンといった、不気味ながらシュールな画に集中力を乱されること請け合いなのであるが。
・ゲームの流れ
本作は一人用の「
ストーリーモード
」、二人対戦用の「
対戦モード
」、パーティーゲームを盛り上げる「
パーティーモード
」、の3つのゲームモードからなる。
うち「
ストーリーモード
」はそれぞれ異なる形式のクイズでノルマ達成を目指すステージ攻略型の内容を持ち、またミニゲームによってノルマを緩和するアイテムを獲得できる救済措置が用意されているというもの。
キャラクターも凝っているのでこの内容については次の項で詳しく見て行くことにしたい。
「
対戦モード
」はストーリーモードでも登場する「三択早押しクイズ」を題材にして二人のプレイヤーが対戦できるというもの。
不正解時の処理で3つのルールが存在しているが、出題ジャンルや出題数の調整などが出来ないあたりはやや機能不足を感じるか。
そして最後の「
パーティーモード
」とは、
クイズの内容が用意されておらず、早押しの判定や得点の記録・計算といったクイズ企画に必要な機能を補助するツールとして設計されたものらしい
。
ゲームマスター1人と、マルチタップを使うことで最高7人までの解答者を管理することが出来るのだという。
進行のルールとしても、当時知名度のあったクイズ番組を題材に詳細まで設定可能な高機能ぶりであったようだ・・・が、テレビに向かって肩を並べて早押しクイズをするという構図はやや異質な感もあるか。
目新しい試みだとは思うが、マルチタップや複数コントローラーを用意する難しさもあって実際に活用できたプレイヤーは多くなかったのではないかと思うところだ。
・ストーリーモード紹介
というわけで、一人用の「ストーリーモード」で攻略することとなるステージ、「房」を詳しく紹介して見ることとしよう。
なお、本作はオフラインゲームで容量もある都合上、問題のバリエーションにはある程度の限りが存在する。
これは「同ステージに根気よく挑戦すれば同じ問題が出題されることも珍しくない」ほどの数となっているため、一度出た問題を記録し復習・暗記することでいつかは確実に攻略することができる内容となると言えるだろう。
このあたりはオンラインで続々問題を追加してゆける現代のクイズゲームに見劣りすると言えなくもないが、解答をしたためることで徐々にステージを攻略できるようになってゆく様はプレイヤー自身がレベルアップしてゆくRPGのようで独自の面白さを感じることもできる。
これは「知のあるものが敗北によってすべてを奪われ無力となる」という設定とは真逆の行程をゆくようで、主人公の特異さの演出ともなるのが心憎いところだ。(まあ深読みしすぎかもしれないが)
(以下、房やキャラクターを紹介する斜字部は説明書より抜粋、例題はゲーム中より抜粋)
・
山門‐
瓢箪男
山門:
○×クイズ。制限時間1問5秒。7問正解で合格。
謎王国に入るためには必ず通らなければいけない門。
ここには門番とも言うべき瓢箪男が知の問答=クイズを仕掛けてくる。
合格すると門が開かれ、謎王国の中に入ることができる。
瓢箪男:
200センチ
瓢箪型の鉄の箱の中には、実は男が閉じ込められている。
彼の顔は鉄の箱上部のRGB光源から垣間見ることができる。
実は彼は謎王にしたがいながら、反乱を企て、罰をうけたものなのだ。
彼は外部からの侵入者に知の問答=クイズで負けると、鉄の箱の中で消滅する。
空になった瓢箪は謎王国に入るためのゴンドラとなる。
ストーリーモード開始後最初に挑戦することとなるステージ。
何度でも挑戦できるがクイズ自体の難易度はそれなりにあり、合格ラインも7/10問正解と手ぬるくはない。ここで本作の難易度を覚悟しておこう。
・
雷知房
‐
雷知婆
雷知房:
○×クイズ。制限時間1問5秒15問以上正解で勝ち。6問間違えると負け。
高さ17.6m 幅20m 材質・玄武岩
雷知婆の修行場がこの雷知房だ。中の壁には問答=クイズ修行に精を出すあまり、頭部だけになってしまった修行僧たちがはりついている。
房の外側は堅牢な石で出来ているが、内部は知の情報を外にもらさないために金属のシールドが貼られている。
中央の高くなった台には小さな鉄の塔に閉じ込められた雷知婆がいる。
雷知婆:
身長143センチ(外側の鉄の塔 180センチ)
彼女は老僧の元で知の研鑽にはげむ住民だったが、謎王に老僧が倒されたとき、魂を売り渡し謎王にしたがった。
しかし謎王は完全には信用せず、鉄の小さな塔に幽閉した。
かつては穏やかな性格の老婆であったが、鉄の塔に閉じこめられて以来、その鉄が本当の皮膚になったかのように、意地悪で偏屈な婆となった。
実は、雷知婆は若者の血縁であるとも言われている。
例題:
日本最大の自然保護団体と言われる日本野鳥の会は、実は株式会社である。
・
[ 〇 ]
・
[ × ]
例題:
本名を、ヨシフ・ウィサリオノビッチ・ジュガシビリと言ったのは、ソビエト連邦のレーニンである。
・
[ 〇 ]
・
[ × ]
二択とはいえ必要正答数が多く、きちんと正解を覚えないとクリアできない。
ただ問題内容は「山門」と共通らしく、あちらで出た問題を覚えていればこちらはスムーズに攻略できることだろう。
・
木流房
‐
木人
木流房:
三択クイズ。制限時間1問10秒。7問正解すれば勝ち。3問間違えると負け。
高さ11.4m 幅20.2m 材質・木&ガラス
木流房は木とガラスで作られた温室である。その真ん中には池のようなものが見えるがこれは知力を増大させる働きをもった薬剤である。
このクスリは一定の温度でないと働きを失う。そのクスリを存分に吸っているのが木人だ。
木人:
身長600センチ
彼は元は貴族の血をひく孤独な紳士であった。
しかし知の探究に熱心なあまり、知を増強する薬剤に手をつけはじめた。
その薬は強烈な効果を持ち、頭脳を拡大はするが肉体にまで変化をもたらすというものだった。
よって彼の皮膚は木のようになり、動けなくなった。
孤独をいやすためにはじめた知の探究が、結局真の孤独を彼にもたらしてしまっている。
例題:
著作権の印として本などに記されているのは、〇の中に何というアルファベットが入った記号?
・
[ R ]
・
[ X ]
・
[ C ]
例題:
甘くておいしいお菓子「シュークリーム」のシューとは、どんな意味?
・
[ キャベツ ]
・
[ 周富徳 ]
・
[ くつ ]
わずか3ミスで失敗扱いとなるが問題が全体的に易しく勘で行っても1/3、7問正答するだけで終わりとなる簡単な房。
仮につまづいても、何度か再挑戦すれば突破できるだろう。
・
申智房
‐
申王
申智房:
4択並べ替えクイズ。制限時間1問20秒5問正解で勝ち。5問間違えると負け。
高さ10m 幅20.3m 材質・綿キャンバス
申王の住むテント、申智房。その内部は鬱蒼としげったジャングルのように見えるが実はサーカスで使っていた書き割りだ。
床に咲いている花は猿果と呼ばれ申王が作った人工的な植物である。
申王:
身長80センチ
申王は、実は植物である。
仙人たちが住む高山に咲いた植物が仙人たちの『気』を吸収するうち、知能を蓄えるようになった。
仙人たちの知識を食い荒らしていた謎鬼が、この申型をした植物に目をつけて知識を詰め込み、知のペットにしたてあげた。
知に対してよこしまな欲望はなく、彼は知の問答=クイズをひたすら遊ぶ
例題:
オルコットの小説「若草物語」に登場する四人姉妹を、年齢が上の方から順に並べよ!
・
[ エイミー ]
・
[ ベス ]
・
[ ジョー ]
・
[ メグ ]
例題:
次のアメリカ空軍の主力戦闘機の愛称を、戦闘機の型式番号の若い方から順に並べよ!
・
[ トムキャット ]
・
[ スーパースター ]
・
[ ホーネット ]
・
[ イーグル ]
マニアックな問題が多く、勘で答えても正解率は1/24、比較して答える都合上選択肢全ての概要を把握していなければ正答困難・・・という最難関の房。
問題のストックもたっぷりあるようで、加えて間違えても別途調べなければ正答が分からないあたり攻略にはかなりの挑戦を必要とすることだろう・・・。
・
獣覚房
‐
虎魔
獣覚房:
早押し三択。制限時間1問5秒。7問正解すれば勝ち。5問不正解するか、相手が7問答えてしまうと負け。
高さ15.3m 幅26m 材質・岩&氷
この房は洞窟を模している。中は冷却装置で常に0℃に保たれている。
それは頭脳が一番貪欲な状態にあるのは0℃の時であるというこの房のマスター(虎魔)の信念によるものだ。
虎魔:
身長230センチ
山の中に捨てられた子供だった虎魔は、懸命に厳しい自然の中を生き抜いてきた。
虎の住む氷穴の中で獣と化し、傷を
追いながら
なんとか生き延びてきたのだ。
ある日謎鬼に見いだされたことによって、獣に知の本能を呼び覚まされた。
その知識欲は野性にも似た暴力的な物となり、知の問答=クイズで相手をとことんやっつけ、知識を吸い尽くす。
彼に心服した者たちも彼と同様に野獣化している。
「知は力なり」というのは彼のモットーである。
例題:
自分の体重の10分の1の重さが目安となる、6ポンドから16ポンドまでの重さのボールを使う球技は何?
・
[ バレーボール ]
・
[ ボウリング ]
・
[ バスケット ]
例題:
ハニーベリー、とよのか、女峰などの種類がある、ビタミンCが豊富な果物は何?
・
[ すいか ]
・
[ いちご ]
・
[ さくらんぼ ]
早押し対戦形式で、不正解しても相手に解答権が移らず問題が流れるルールの房。
このうえで4回までミスできるため、いざとなれば即押しで詰めを図ることもできるだろう。
・
桃仙房
‐
桃色帝
桃仙房:
三択クイズ。制限時間1問15秒。50問出題。?問正解
(30問以上?)
で勝ち。
高さ15m 幅20m 材質・シリコンラバー
その名の通り桃の形をした房。中央には舞台、その周囲に座席も用意されているが閑散としている。場末のキャバレーのようだ。
それもそのはず、ここは色仕掛けで民を引っ張り込み根こそぎ知識を吸い取ってしまうキャッチバーのような房なのだ。
桃色帝:
身長163センチ(B90 W58 H92)
桃色帝は謎王の諜報員であり、色仕掛けで反乱分子の情報を探りながら、同時に「知」の働きを骨抜きにする役目をになっているのだった。
しかしその知識は侮れないものがある。様々な民を相手にするうち、いつの間にか彼女自身も膨大な知識を蓄えるようになったのだ。
系統だった知識を持っているわけではないが、たえず人を相手にしているだけに知の問答=クイズなれしているのがかえっておそろしい。
例題:
赤、白、ロゼなどの種類があるのはワイン、では赤、白、八丁、いなか、などの種類がある調味料は何?
・
[ 味醂 ]
・
[ 醤油 ]
・
[ 味噌 ]
例題:
人間の体の中に最も多く含まれている重金属といえば何?
・
[ カルシウム ]
・
[ カリウム ]
・
[ 鉄 ]
比較的簡単な問題が多く、勘で答えても1/3ないし1/2で正答でき、50問一気に出題されることから繰り返し挑戦すれば同じ問題が出題されることも多い・・・と肩慣らしにもってこいの房。
最も人間的な容姿をしたキャラクターが一番簡単というのはなかなか意味深だろうか。
・
電心房
‐
電爺
電心房:
四択クイズ。制限時間1問15秒。10問正解すれば勝ち。5問間違えると負け。
高さ15.2m 幅26.7m 材質・シリコン金属
ここは巨大なコンピューターと化した房である。
錆びた金属にモニターのような外見の中はコンピュータの配線が所狭しと張り巡らされている。
そこに入ると、様々な人種の人々が、空中に吊り下げられて知の問答=クイズ修行に励んでいる。
電爺:
身長184センチ
電爺は実は生物ではない。謎王国の知のデータを管理するバイオコンピュータなのだ。
人々に見えるイメージは、このコンピュータが作り出した幻影である。
「彼」は謎王の強力なブレーンでもある。
かつては謎王の知識を育て、謎王が生まれた時から英才教育を施してきたCAI端末でもあった。
例題:
山形県民謡「真室川音頭」に歌われている鳥は何?
・
[ ウグイス ]
・
[ ヒバリ ]
・
[ ホトトギス ]
・
[ スズメ ]
例題:
ザンベジ川、コンゴ川の水源をつきとめ、タンガニカ湖、モエロ湖を発見した探検家は誰?
・
[ シュバイツァー ]
・
[ リビングストン ]
・
[ アムンゼン ]
・
[ スタンレー ]
四択で問題内容も難しめ、クリアノルマも10問正解とオーソドックスに手ごたえのある房。
ごく一部に耳年増が反応するような選択肢が混ぜられており、個人的にはそちらにドギマギした印象ばかり残っているが・・・。
・
水呆房
‐
豚知
水呆房:
3択並べ替えクイズ。制限時間1問15秒。8問正解でクリア。5問間違えると負け。
高さ20.75m 幅28m 材質・砂岩
豚知房
は、一見したところ石室とすいかが合体したかのような建物だが、その中に入ってみると、中央には大きな木があり、その下の床にスイカがたくさん生えている。
このスイカは実は知恵を覚醒する成分が含まれており、これをたくさん食べると自分の無意識化に蓄えられていた知能が解放されるという。
豚知:
身長340センチ
豚知はかつて謎王国でも屈指の切れ者だったが、スイカの存在を知って以来、努力をしなくなった。
スイカの成分のせいで現在も房のマスターを務めてはいるが、その自信ほどには知識の程度は上がっていない。
その身体はすでに動けないほどに肥満しており、その身体の一部が透けて見えるほどの異常をきたしている。
例題:
次の人物を、この世に早く生まれた人から順に並べよ!
・
[ 道元 ]
・
[ 親鸞 ]
・
[ 日蓮 ]
例題:
次のホラー映画のシリーズを、第一作が製作されたのが古い方から順に並べよ!
・
[ 13日の金曜日 ]
・
[ エルム街の悪夢 ]
・
[ ハロウィン ]
三択並べ替えと言うことは勘で行っても1/6、8問もクリアしなければならないうえ問題内容もマニアックなものが多い難所の房。
問題の暗記や復習に加え、出題やまぐれ当たりに関する運のめぐりが突破口となるかもしれない。
・
紅儒房
‐
紅童
紅儒房:
早押し三択。制限時間1問5秒。7問正解すれば勝ち。相手が7問答えてしまうと負け。
高さ9.4m 幅15.6m 材質・木
紅儒房は中国の道教の寺をモチーフにした房である。
中には黒い学生服を着た若者の集団が知識の練習に余念がない。
ここは精神的・肉体的に統制された訓練を施すことによって、知の程度を高めようとする房なのだ。
紅童:
身長120センチ 修行僧たち 身長190センチ
紅童は中国人の母、アメリカ人の父を両親に持つ天才少年である。
生まれて1か月後には百科事典をそらんじていたという彼は、謎王の知力にあこがれて、彼に付き従いマスターとなった。
まだ7歳という幼さゆえに体力はなく、房内の移動には自ら発明した反重力椅子を使っている。
その知力と暴力的な性格で、部下を親衛隊のように鍛え上げている。
例題:
ロシアの作曲家ストラビンスキーの三大バレエ音楽とは、「火の鳥」「春の祭典」と、あと一つは何?
・
[ 白鳥の湖 ]
・
[ ガイーヌ ]
・
[ ペトルーシュカ ]
例題:
「命の水」という意味の「ズイズネニャ・ボダ
(※
表記ゆれ、ズイズネニャ・ワダなど
)
」という言葉が変化した、ロシアのお酒は何?
・
[ ジン ]
・
[ ラム ]
・
[ ウォッカ ]
早押し対戦形式で、不正解してしまうと相手の正解となってしまうルールの房。
相手のおてつきはほぼ期待できないので実質的にこちらにだけハンデが課せられた状態。問題文に引っ掛けも多く、かなりの難所となるのは必至だ。
・
絡繰房
‐
絡繰
絡繰房:
早押し三択。制限時間1問5秒。
謎塔の最下層にあり、「知の図書館」と呼ばれている。
そこでは古今東西の知識が集結、分類されている。
この房では、各房のマスターを破ってきた知の持ち主を謎王国の体制に合うものに作り替える。
謎王に反旗を翻す知の分子を排除するための再教育機関でもある。
絡繰:
侵入者から謎塔を護っているのが、強力な知のロボットである絡繰たちだ。
一見したところ、皆同じであるかのように見えるが、頭の中にはそれぞれ違う伝統と格式のある家柄で培われた知識が詰め込まれている。
他の8つの房を攻略することで開放される中ボス戦ステージ。
これまでの房にない特殊なノルマが設定されており、運に頼らない地力と集中力を切らさない持久力とが試される。
・・・と、いった所までが説明書でネタバラシできる範囲のキャラクターだ。
やはり文章に起こすとシリアスで、グロテスクな容貌が頭に浮かぶが、実物を見るとダッコちゃん人形(死語)のような申王や手書き感ある顔の豚知など少々気の抜けた、ゆるい感じのデザインが並ぶので過度な警戒は要らないだろう。
・アイテムとミニゲーム
というわけで、簡単な房もあれば難しい房もある本作。
いずれにおいても繰り返し挑戦していけばいつかはクリアできるはずだとは言え、やはりいつまでも同じ個所でつまづいていると手詰まりを感じてしまうものだろう。
そこで、本作に用意された三種類のアイテムにも目を付けてみたい。
一つは「茸」、所持上限3個。房をクリアするためのノルマを緩和する効果がある。
特にノルマが低いながらに難関の申智房では必須級のアイテムだ。
もう一つは「珊瑚」、所持上限3個。解答までの制限時間を延長する効果がある。
ノートなどに書きしたためたカンペを確認しやすくなるだろう。
最後は「知恵玉」、所持上限6個。房に再挑戦できる残機の効果がある。
とはいえこのゲームにはゲームオーバーの概念がないので、これは厳密には房に再入場するまでのムービーカットをさらにカットする程度のものだ。
これらアイテムは挑戦する房を選択する画面から挑戦できる「ミニゲーム」のスコアによって交換でき、8つの房をクリアするまでは好きなだけ補充できるのでミニゲームの腕前によって多少の苦手は補うことができるというわけである。
具体的なミニゲームは5種類。
・「
落
」・・・同じ色の石を縦横ナナメに3つ以上並べて消す落ちものパズル。コラムスに近いが落ちてくる石がL字型に3つ並んでおり、色の並べ替えと全体の回転を共に活用する必要がある難易度の高いルールを採用している。
・「
叩
」・・・シンプルなモグラたたき。ただ出てくるキャラクターがリアルな虫というエグいデザインであるうえ、お手付きキャラもいるのでそれぞれを凝視してしっかりと認識し判別しなければならない・・・おえっぷ。
・「
憶
」・・・シンプルな記憶ゲーム。CPUの入力を「お手本」として覚えて再現するもので、そのパターンも現在のお手本に一手ずつ加えてゆくタイプの覚えやすいものだ。
・「
撃
」・・・シンプルなシューティングゲーム。画面上部から隙間なく並んだハニワが進撃してくるのでこれを漏らさず殲滅してゆくというもの。物量が圧倒的なのですぐ追いつめられてゆく感があるが、〇ボタンを押しっぱなしにしながらちょいちょい左右に動かすだけで済むので楽ではある。
・「
獲
」・・・分類としてはアクション。画面上部から降ってくるパネルを特定の順番で回収してゆく逆シューティング的なゲーム。1ゲームが短時間で終わるので回収効率は良さげ。
そして、これらである程度のスコアを取ることで1〜3個のアイテムを交換する権限が発生し、具体的に欲しいアイテムは自由に選ぶことができる。
おおむね2個は堅いと思うが、挑戦回数に制限もない事だし気楽に挑戦すると良いだろう。
・・・しかし、こういったアイテムがあっても「ジャンルの選択」が出来ないのは少々不満を覚えるところ。
それはそれで公平であると言えるのだが、「知らない」問題に関してはお手上げに近くなるクイズゲームのこと、やはり全く不得手なジャンルの出題が多いとげんなりするものだ。
続編などでは改善された部分であるようだが・・・次に少しの例題を取り上げて、この問題点を実感させてみたい。
・\(^o^)/ 無理ゲ
例題:
現れては消える健康関連商品のうち、次の物を流行した順番に並べよ!
・
[ ぶら下がり健康機 ]
・
[ 超音波洗顔機 ]
・
[ 紅茶キノコ ]
・
[ ルームランナー ]
例題:
次のおニャン子クラブ出身者を、会員番号の若い方から順に並べよ!
・
[ 生稲晃子 ]
・
[ 工藤静香 ]
・
[ 渡辺満里奈 ]
・
[ 渡辺美奈代 ]
例題:
次のNHK「朝の連続ドラマ小説」を放映された年代が古い方から順に並べよ!
・
[ 澪つくし ]
・
[ 凛凛と ]
・
[ おしん ]
・
[ チョッちゃん ]
例題:
次の長寿商品を、発売されたのが古い方から順に並べよ!
・
[ ボンタンアメ ]
・
[ 都こんぶ ]
・
[ ちびろくラーメン ]
・
[ のりたま ]
・・・
無理
。
この辺りは昭和50〜60年代の流行やアイドルグループ、つまり40年以上前に若者だった人向けの問題と言うことになる。
ならば2019年現在では三世帯家族向けの問題と言うことではあるまいか
。
芸能やスポーツ関連の問題は後年になるほど解答困難な問題と化してゆくのだと、そう痛感する問題群である。
ちなみにこれら例題はいずれも申智房から引用したものとなってしまった。
つまりそういうことなので覚悟して挑戦されたい
。
・謎王とは
なお、逆に時代が下ったことで難易度が低下した個所もある。
▼以下ネタバラシ
・まとめ
本格的なつくりのクイズゲームであり、時代的な仕様からいずれ底に触れてしまうボリュームではあるものの、復習によって徐々に正答率を上げて行くという上達の楽しみを味わうにはなかなか都合の良い一本である。
独特な世界観やシュールなキャラクターたちにも目新しい個性があり、家族や友達が一緒にゲームに参加する「見る楽しみ」においても魅力を感じることができるだろう。
時代相応の粗いポリゴンやシュールなキャラクターそのもの、また
シニア向け芸能・スポーツ問題
を許容できれば、現代でも遊びごたえのある一本と推しておきたい。
・関連作品
・超謎王
:
続編。とはいえクイズの合間にダンジョンを探索するアドベンチャー要素が加わり、ここの操作性やペナルティ要素がマイナスとしてしか働いていない感が・・・。
・謎王 pokect
:
ワンダースワン移植版。らしい。
未所持に付き詳細不明。
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