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ページ公開:2018/12/18


Culdceptカルドセプト EXPANSIONエキスパンション


プラットフォームプレイステーション
開発大宮ソフト
発売メディアファクトリー
発売年月日1999年 5月
ジャンルカード・ボードゲーム
プレイ人数1〜4人
セーブデータ1ブロック


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
複雑だが直感的 王道的 西洋絵画風 クラシカル 読み合いがアツい シリーズ中でもベーシックな作品





・ゲーム概要

 1997年にセガサターンで発売され根強いファンを獲得した「カルドセプト」のプレイステーション移植+α版にあたる作品。
 「カルドセプト」はモノポリーのような経営型ボードゲームとマジック・ザ・ギャザリングのようなトレーディングカードゲームの特徴を融合させた冒険的な内容で、実際の完成度も「据え置き機でプレイするテレビゲーム」ということを活かした高い物であった。
 本作「〜エキスパンション(拡張)」はそのカルドセプトにさらなる調整を加えつつプレイステーションに移植した作品であり、メモリーカードや雑誌付録のCD-Rといったハードウェアの利点を得てより遊びやすく、さらに「追加データの導入」に対応したという特徴を持つ。
 公式大会の開催などイベントの展開にも成功し、その後に続くシリーズの礎となった本作について見て行ってみよう。


・ゲームの流れ

 本作のルールは複雑で、一見とっつきづらい。
 基本的な流れとしてはスゴロクのようにマス目(以下「土地」)が連続した「マップ」の上をルーレットを回しながら移動し、止まった土地に応じて獲得や戦闘の処理を行い、手持ち資金を増減させながら資産全体の目標額を目指す、というものだ。
 手持ち資金は「カード」の使用料や通行料の支払いなどに減ってゆくが、(基本的に)カードの使用料より獲得した土地の価値の方が高いので資産を増やすのは難しくない。
 連鎖やレベルアップ、土地ごとの評価額など複雑な計算があるため正確な資産の変動を把握するのは困難なのだが、まあ「何をすれば増えるか・何をしたら減るか」を把握しておけばプレイに支障はないだろう。

 何より、本作で土地を獲得する手段は「土地にクリーチャーを配置して実効支配する」というものであり、また「敵クリーチャーを『戦闘』で撃破すればその土地は自分の物になる」というルールがある。
 つまり高額な土地だろうと最下級のクリーチャーさえ配置できれば獲得した扱いになり、相手に先に土地を取られようとも強力なクリーチャーで戦闘を仕掛けて奪ってしまえばよい、という具合に、土地価格の損益計算よりも「カードを駆使していかに土地を守るか・奪うか」が試合の明暗を分けるわけだ。
 カードには土地に配置する「クリーチャー」、戦闘中に使用する「アイテム」、ターンの始めに使える「スペル」、の3種類があり、これらをうまく組み合わせて自分の戦略に適した「デッキ」を組むことがゲーム開始前に優位を形作ることだろう。

 さてカードにはHP(体力)やST(攻撃力)に属性、様々な「特殊効果」といった設定が与えられており、これらの評価による使用料「コスト」も定められている。
 さらに、クリーチャーの中にはすでに一定の「属性」の土地を獲得している必要があったり特定の属性の土地には配置出来なかったりと召喚に制約を持つ者や、特定のアイテムを使用できなかったり敵の土地に移動できなかったりと戦闘に制約を持つ者などがおり、カードごとの特徴を把握するのは少々骨が折れることだろう。
 だが、ある程度カードの特徴を把握できるようになると手早く使いたいばらまき型のカードや手札に温存して影響力を活かしたい切り札型のカードといった特徴が把握でき、それがすなわちボード上の動きを自然と導いてくれるようになる。
 本作は据え置き機のゲームとして「各々のターンで相手に手札が見える」という特徴もあり、カードの特徴を把握することが本作の戦略を考えるとっかかりになると考えて構わない。

 本作のルールは決して単純明快とはいかないが、実際にプレイしてみるとゲームの「流れ」に沿って自然と対戦に参加出来てゆく、奇妙な敷居の低さが出迎えてくれることだろう。


・戦闘

 対戦において、ルーレットによってプレイヤーの分身「セプター」を動かした後空いた土地に止まった場合はクリーチャーを召喚してその土地を獲得することができる。
 では、すでに対戦相手が獲得した土地に止まるとどうなるのか・・・おとなしく通行料を支払うか、クリーチャーを召喚して「戦闘」を仕掛けるかの選択が始まる。

 「戦闘」の結果は4通りあり、
 ・敵クリーチャーを倒して生き残った・・・自分が召喚したクリーチャーが居座り土地を奪う
 ・敵クリーチャーに返り討ちにあった・・・召喚したクリーチャーは失われ、改めて通行料を支払う
 ・お互いに生き残った・・・召喚したクリーチャーは手札に戻り、改めて通行料を支払う
 ・お互いに倒された・・・土地は誰の物でもなくなり通行料も発生しない

 といった展開に続く。
 一見相手の土地に止まったら何かしらクリーチャーを召喚して抵抗しておくのが有効に見えるが、通行料よりコストがかかるカードというのもままあり、手札を切らして不利になる局面もあるのでその辺りは状況次第だ。

 さて、クリーチャーは「HP(生命力)」と「ST(攻撃力)」という数値を持っており、戦闘においては先攻・後攻を決めて相手のHPを自分のST分減らす「攻撃」を繰り出してゆく。
 すでに土地に召喚されたクリーチャーは「防御側」として後攻、新たに召喚されたクリーチャーは「侵略側」として先攻になるので、侵略側が十分なSTを持つクリーチャーを召喚すれば無傷で勝利可能というのが基本の展開だ。
 だが、戦闘に入る前にはお互い「アイテム」カードを使用できるし、クリーチャーに備わっている「特殊効果」を加味すれば結果は十分覆ることになる。

 具体例を挙げてより詳しく見てみよう。侵略側:「ドワーフ」、防御側:「ガスクラウド」の戦闘だ。
 ・ドワーフ:HP50、ST30
 ・ガスクラウド:HP30、ST30、通常ダメージを半減する

 HPとSTを単純に比較すると侵略側のドワーフの勝利だが、ガスクラウドはその能力でドワーフからのダメージを半減してしまう。
 この場合はドワーフの攻撃で15ダメージ、ガスクラウドの反撃で30ダメージ、となり、お互いが生き残って通行料が発生する結果となる。
 また、その後手札に戻るドワーフは全快するが、ガスクラウドはダメージが残ったままとなり次回の戦闘ではいくらか倒しやすくなるだろう。

 ここで、ドワーフ側はHPを犠牲にSTを強化するアイテム「マサムネ」を使用したい。
 ・マサムネ:HP-10、ST+50
 するとドワーフの合計STは80、半減されても40ダメージを与えてガスクラウドを撃破し土地を獲得できるという寸法だ。

 だが、本作では「お互いの手札が見えている」という特徴がある。相手がマサムネを使うと踏んだガスクラウド側は「先制(先攻扱いになる)」を付与するアイテム「スリング」を使用して反撃する。
 ・スリング:HP+10、ST+10、先制
 すると、ドワーフはマサムネのデメリットを受けてHP40、ガスクラウドがそこに40ダメージを与えて撃破し、ドワーフ側はカードの使用コストだけ空費したまま通行料まで払わなければならないという結果になる。

 こうなると苦しいドワーフ側としてはHP減少のデメリットなくST+50の能力を持つ「クレイモア」や、半減されることのないスクロール攻撃「フュージョン」あたりの高額カードが欲しいところだが・・・。
 いっそ、アイテムを使わないというのも一つの選択肢となる。
 その場合ドワーフがガスクラウドの攻撃で倒されることは無く、ドワーフを温存しつつも相手のスリングを消費させたという結果につながると言える。
 仮に相手もアイテムを温存する選択をしたとすれば、それはそれでガスクラウドに手傷を負わせられるというリターンを期待できると言えるだろう。

 こうしてお互いの手札を把握したうえで、のるかそるかの読み合いが発生するアツさはカルドセプトならではの魅力の一つとなる。
 強力なカードは「手札にある」というだけで相手に選択を迫ることができ、コストを払わなくとも抑止力として働くのが面白い。
 またもちろん、相手の高額な土地をそのカードによって奪うことでドン底からでも大逆転を狙うことができるので、対戦においては最後まで油断がならない。
 カードゲームならではの瞬間的な戦術も、ボードゲームならではの長期的な戦略も、試されるのが「カルドセプト」であるわけだ。


・カード紹介

 というわけで、続けて特徴的なカードをいくつか紹介してみよう。
 カードの効果や能力から、漠然とでも雰囲気が伝われば幸いだ。

 ・ミノタウロス
 HP40、ST40、コスト70、火属性、人族
 無難なHPとSTを持ち何も効果のない標準的なカード。後のシリーズでもこれらの数値が守られておりカルドセプトの基準を成している重要な存在・・・なのかもしれない。

 ・エルダードラゴン
 HP80、ST60、コスト180+火の土地3つ所有、水の土地に配置できない、火属性、龍族、応援「戦闘中の龍族のST+10」、戦闘ごとに100G消費
 ケタ外れの能力値を持ちマップ上のすべてのクリーチャーを強化する「応援」能力を持つ大型クリーチャー。
 ただし厳しい召喚条件に加え戦闘ごとに手持ち資金を消費するデメリットがあり、考えなしに使うとかえって窮地に追い込まれる存在でもある。

 ・アイスウォール
 HP40、ST0、コスト60、火の土地に配置できない、水属性、不死族、防御型(侵略できない)、戦闘中HP+20
 一見頼りない性能だが戦闘中にHP+20される特徴があり、実質HP60に加えダメージを蓄積させづらいという防御に適した能力を持つクリーチャー。
 反面スペルなどで直接HPを削られることに弱いので過信は禁物だ。

 ・メデューサ
 HP40、ST10、コスト70、水属性、人族、攻撃成功時に60%の確率で相手を石化(「ストーンウォール」に変身させる)
 相手への攻撃に成功すると一定確率で相手をストーンウォール(HP60、ST0、地属性)に変えてしまうという変則的なクリーチャー。
 イマイチ安定はしないが、相手の重要な土地を破綻させたり先制アイテムで侵略クリーチャーを無力化したりといった運用が可能だろう。

 ・ウッドフォーク
 HP30、ST30、コスト70、地属性、植物族、援護(クリーチャーをアイテムとして使用できる)
 「援護」能力を持ち、例えばミノタウロスをHP+40、ST+40の強力アイテムとして使用できるクリーチャー。
 数値上はかなり頼もしい存在となるが、カードやコストの消費がかさみアイテム破壊などの能力に弱い弱点もある。

 ・ケルベロス
 HP40、ST20、コスト75+地の土地一つ所有、風の土地に配置できない、地属性、獣族、2回攻撃
 2回攻撃というシンプルにして強力な能力を持つクリーチャー。
 STを補強するアイテムの効果が2倍出るということであり、デッキの編成次第ではどんな相手でも撃破できる可能性があるだろう。

 ・グレムリン
 HP30、ST20、コスト70、風属性、人族、戦闘時相手のアイテムを破壊する
 能力値は低いが相手のアイテムを破壊するという極めて凶悪な能力を持ち、戦闘ではほぼ一方的にアイテムを使った攻めや守りを行うことができる。
 確実な結果が欲しい時に有効だ。

 ・サンダービーク
 HP20、ST50、コスト70+風の土地一つ所有、地の土地に配置できない、風属性、竜族、先制(先攻扱いになる)、攻撃成功時に水属性の相手をマヒ(一切の行動がとれない)
 HPは貧弱の一言だが侵略時に使えばほぼ確実に仕事をこなしてくる侵略向きクリーチャー。
 ビジュアルもなかなかカッコ良く漫画版でも活躍するのだが、なぜか他作品にはめっきり登場しない。

 ・カメレオン
 HP20、ST30、コスト60、無属性、獣族、擬態(全ての土地で属性効果を受けられる)
 クリーチャーは同属性の土地に配置することで戦闘中にHPが+10〜50される「地形効果」というボーナスを受けられるのだが、それをどこでも受けられるクリーチャー。
 コストも安いので初めのうちにばら撒いておき、あとで「交換」コマンドによってより適したクリーチャーと交換するような運用が適任だ。

 ・デコイ
 HP20、ST0、コスト40、無属性、不死族、反射(通常ダメージを反射する)
 「反射」という能力を持ち通常攻撃では絶対に倒せないどころか返り討ちに会うという凶悪クリーチャー。
 スクロールアイテムなどでの対処法を覚えたら脱初心者へ一歩近づけることだろう。

 ・フレイムタン
 ST+20、コスト25、武器、水属性クリーチャーに強打(ダメージ1.5倍)
 そこそこ低コストで扱え、HP高めの水属性クリーチャーに有効打を与えられる武器アイテム。
 属性が合わないと頼りない性能だが、自分が水属性クリーチャーを多く入れている場合は土地の奪い合いで重宝するだろう。

 ・クロスボウ
 HP+20、ST+30、コスト50、武器
 HPとST両方を強化する便利な武器アイテム。それぞれの値は少々物足りないが、先制で反撃してくる相手にも耐えられることが割とある。

 ・スケールアーマー
 HP+40、コスト40、防具
 HPを+40するシンプルな防具アイテム。コストパフォーマンスを考えると及第点は通過している性能のハズ。
 なお防具は竜族と不死族に使用できない制約があり、壁クリーチャーに限って使えなかったりするので要注意。

 ・ウィンドシールド
 コスト20、防具、風属性クリーチャーの攻撃無効化
 先制能力や高めの攻撃力が目立つ風属性クリーチャーから身を守れる防具アイテム。
 属性が合わないと無用の長物だが、風属性に限っては侵略に使える場面も多いだろう。

 ・ペトリフストーン
 HP=80、ST=0、コスト40、道具
 クリーチャーの能力をHP80、ST0の防御特化の数値に変換する道具アイテム。
 道具は全てのクリーチャーが使うことができ、これは疑似的な防具として扱うことが可能である。

 ・ザ ハンド
 コスト50、道具、相手のアイテムを奪って使用する
 「相手のアイテムを奪って使用する」という、ある意味アイテム破壊よりも強力な効果を持つ道具アイテム。
 ただし相手もそれを読んであえてデメリットのあるカードを使わせてくるようなこともあり、使い所の選択は難しい。

 ・ウィンドカッター
 ST=30、コスト30、スクロール、地属性クリーチャーに強打(ダメージ1.5倍)
 相手の地形効果や半減、反射能力を無視して固定値のダメージを与える「スクロール」系のアイテム。
 属性を持つスクロールは初歩的で威力が物足りないが、何も無いよりは有ったほうが頼もしいだろう。

 ・スリープ
 コスト40、スクロール、攻撃成功時相手に睡眠(通行料が取れない)
 ダメージが一切ない特殊なスクロールアイテム。
 高額の土地に止まった時の「待った」に使えるほか、すでに相手にかかっている補助効果を上書きしてしまう用法もある。

 ・マジックボルト
 コスト50、攻撃スペル、対象クリーチャーに20ダメージ
 基本的な攻撃スペル。20ダメージで倒せるクリーチャーは限られるが、侵略で手傷を与えた後のトドメとしては重宝する。
 あらかじめ止まる土地を予測できる場合も、スクロールと併せれば有効な攻撃手段になるだろう。

 ・メテオ
 コスト300、攻撃スペル、対象の土地のレベルを1にする
 土地の価値を破壊する凶悪スペル。土地は資金を費やして「レベルアップ」させ価値と地形効果を高めることができるが、それを一瞬で水泡に帰してしまう。
 クリーチャーそのものに影響はないが、莫大な消費コストに見合った影響力を持つ切り札である。

 ・マナ
 コスト10、防御スペル、周回数*50Gを得る
 手持ちの資金はマップ全体を回ってスタート地点に戻る「周回」時に補充されるが、このスペルを使うことで即時にそこそこの額を獲得することができる。
 デメリットが無くどんな状況でも見返りを期待できる、扱いやすいスペルである。

 ・シャッター
 コスト20、防御スペル、対象セプターの手札からアイテムかスペルカード一枚を選択して破壊する
 シンプルにして強力な手札破壊系スペル。
 お互いの手札が見えるカルドセプトにおいて、強力な切り札をピンポイントに破壊できるカードが持つ意味はとても大きい。

 ・ホーリーワード1
 コスト30、移動スペル、対象セプターのダイスの目を1にする(1ラウンド)
 ルーレットの出目を操作するシンプルなスペル。
 敵の移動を阻害するのはもちろん、敵を高額な通行料の土地に案内したり空き地にピンポイントに止まったりと応用範囲は広い。

 ・ヘイスト
 コスト50、移動スペル、対象セプターのダイスの目を6〜8にする(3ラウンド)
 ルーレットの出目を操作するシンプルなスペル。
 どの目も大きな数字なので周回の加速に使えるほか、次に止まる土地を限定する用法もある。
 
 ・リンカーネーション
 コスト10、特殊スペル、手札をすべて捨てて6枚のカードを引く
 手札を捨てる条件があるがごく低コストで驚異の6ドローを可能にする壊れ気味なスペル。
 案の定というか、後の作品ではほぼ弱体化の一途となった。

 ・シンク
 コスト150、特殊スペル、対象の土地を水属性にする
 自身の所有する土地は300G〜を消費して属性を変化させることができるが、それをお安く済ませることができるスペル。
 というほかに、相手の土地に使用して地形効果を奪い去るという攻撃的な用法もある。


・ストーリー

 神がおられるというのになぜ争いが絶えないのだろう
 神は、我々に何を求めているというのか

 こんな神話が今も伝えられている
 ある日、宇宙を統べる原理「カルドセプト」が粉々に砕かれた
 神の手を離れた「カルドセプト」の破片は
 小さなカードとなってバブラシュカ大陸に降り注いだ
 「カルドセプト」の偉大な力により地には魔物たちが現れ大気には魔力の気が満ちた
 「カルドセプト」は人間たちにも力を及ぼした
 不思議な力を持つ者たちが各地に現れたのだ
 のちに「セプター」と呼ばれた彼らは「カルドセプト」の断片に込められた力を自在に解き放つことが出来た
 そして、彼らは気付いたのだ
 「カルドセプト」は宇宙を司るものであり
 破壊された「カルドセプト」を復元すれば
 新たな世界を組み立てることができると・・・

 つまりは、自らが神となるのだ

 (オープニングムービーより抜粋)

 そして、プレイヤーは「カルドセプト」の収拾をもくろむ「セプター」達との対戦を重ね、その結果に応じて報酬となるカードを集めてゆくこととなる。
 獲得できるカードの法則性はいまひとつつかめずひたすらに対戦をこなすしかないが、N(ノーマル)、S(ストレンジ)、R(レア)、のカードそれぞれが一定枚数ずつ確定しているようなのでレア運の無さを嘆くことはそうないだろう。
 一度一度の対戦が長いので、一位を逃しても報酬が獲得できるのはありがたいところだ。


・まとめ

 ボードゲームとカードゲームを融合させた冒険的な作品である「カルドセプト」。
 複雑で独特なルールに手を出しづらい感はあるが、いざプレイしてみれば意外とゲーム進行の「流れ」に沿ってプレイできる自分に気付くはずだ。
 カードを集める楽しさ、カードから戦略を組み立てる面白さ、そしてそれをどこで使うかという難しさ、また対戦中にきちんと手札に引いてこれるかという運も相まって、「カルドセプト」の対戦には他では味わえない魅力が詰まっている。
 シリーズとしてはドリームキャスト、プレイステーション2、DS、3DSとゲームハードを変えながら広く展開されているが、PSストアでアーカイブス配信もされている本作は特に手に取りやすいと思われるのでボードゲームやカードゲーム、あるいはその両方が好きな人はぜひ興味を持ってみてほしい。





・関連作品

・カルドセプト第一作、セガサターン。エキスパンションと比べても「交渉」システムなど独自の特徴が多く確認できる。
・カルドセプト セカンド第二作、ドリームキャスト。「同盟戦」や「領地能力」など新システムを多く取り入れつつも、種族の廃止やエリアの明確化によって遊びやすさの向上も狙った作品。
ドリームキャストならではの通信対戦にも対応し、以降のシリーズ作品の基盤に据えられることとなった。
・カルドセプト セカンド エキスパンション第二作移植版、プレイステーション2。新規カードの追加やバランス調整を行ったほかに「メダル」という実績システムを取り入れ、収録マップ数も充実している完全版といったおもむき。
・カルドセプト サーガ第三作、XBOX 360。「複属性クリーチャー」や「モーフィング土地」など属性を意識したシステムが取り入れられている。
が、発売後ダイスの目が不自然に偏るなどの多数のバグが発覚し騒動となったほか、「イエティ」など極端なカードの登場によって芳しくない評価を受けた。
・カルドセプト DS第一作移植版、DS。第一作(含エキスパンション)にセカンドの要素を取り入れバランスを整えた移植版。
・カルドセプト(3DS版)第二作移植版、3DS。セカンドをベースに(悪名高い)サーガのカードを取り入れるなどした作品。
イラストのタッチ全般が大幅に変わっており、ルシエンさんが若々しかったりゲモリーが金髪の優男になっていたりミュリンが巨乳魔術師になっていたりする。
・カルドセプト リボルト第四作、3DS。カードを自分好みの性能にカスタマイズする「ブリードカード」が最大の目玉となるほか、一回当たりの対戦をスピーディーにするための様々な調整が取り入れられている模様。


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