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Gail Gunnerゲイルガンナー


プラットフォームプレイステーション
開発アスキー
発売アスキー
発売年月日2000年 2月
ジャンル3Dロボット格闘
プレイ人数1〜2人 (対戦可能)
セーブデータ1ブロック、4ファイルまで


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
シンプル 周回・ザッピングあり 全体的にダサい イベントシーンはフルボイス 手ごろ 声優が豪華





※今回のレビューは若干のネタバレを含みます。※


・ゲーム概要

 プレイステーション末期にアスキーから発売された3Dロボット格闘ゲーム。
 未知の惑星に存在する遺跡「AR」とそこで活躍する「XEXAR」たちを舞台とした世界観を持ち、メインゲームは対戦ステージを1つづつ攻略してストーリーを見進めてゆく形式を持っている。
 その他に本編で手に入れた機体を用いた対戦モードにも対応した一本なのだが、さてその内容は・・・?


・ストーリー

 人類が活躍の場を宇宙に求めた頃――。

 未知の惑星に文明の痕跡を発見した人類は、それを「AR(地球文明圏外遺跡)」と名付けた。
 やがて「AR」確保のために、宇宙遺跡探索業者「XEXAR(ゼクサー)」という職業が生まれることとなった。「XEXAR」は、「T.W.R(戦闘用人型兵器)」を操り、その任務を遂行していった。
 P9441-SS-03 スタグナント星系3番惑星、通称「インフェルノ・ブルー」と呼ばれるその星にも「AR」は存在した。調査のため数多くの「XEXAR」がその星に向かったが、帰還した者は誰もいなかった。
 今、1人の「XEXAR」がその星に向かう。男の名は「グレイブ・アクセル」その名を知らぬ者はいない超一流「XEXAR」である。
 この星でアクセルを待ち受けるものとは一体何か――。
 (説明書より抜粋)


・キャラクター

 ・グレイブ・アクセル (CV:山寺宏一)
 一見マイペースで頼りない人物だが、その実は有名な超一流XEXARで、T.W.Rの戦闘技術は他の追随を許さない。
 とはいえ、実際のゲーム中においてその腕を再現できるかどうかはプレイヤー次第だ。
 今回は多数のXEXARが行方を絶った「インフェルノ・ブルー」の調査に訪れ、リピッシュとの出会いを経て革命組織「クロスランス」との争いに巻き込まれることとなる。
 愛機は汎用性重視の「ATC-35 ブレイブガスト」、機動性重視の「NCC-91 スティルト」、火力重視の「PNC-28 フリッジ」、の3機。

 ・リピッシュ・カースワン (CV:鉄砲塚葉子)
 革命組織「クロスランス」から逃亡し、アクセルに助けられたメカニックの少女。
 少々他人に甘えた面があるが、実はアクセルに対してある秘密を抱えているなど意志の強さも秘めた人物であるようだ。
 逃亡時に乗ってきた機体は作業用の「リップ」、厳密にはT.W.Rではない。

 ・ドーリー (CV:新山志保)
 アクセルの宇宙船である「軽機動空母ファンガレイ」の航行やデータベースを一手に管理する人口知能。
 アクセルの軽口に対応できるなど人間的な面もあり良き相棒となっている。

 ・ジュリア・カーン (CV:新山志保)
 「クロスランス」の幹部の一人。攻撃的な性格を持つ女戦士。
 愛機は機動力に特化した「CRJ-117 ショチピリ」。アベルも操縦可能である。

 ・アベル・ギリアム (CV:中尾みち雄)
 「クロスランス」の幹部の一人。戦術的な性格を持つ美形策士。
 愛機は防御力に特化した「CRA-221 テクシステカトル」。ジュリアも操縦可能である。

 ・バリオン・ロックフィールド (CV:家弓家正)
 革命組織「クロスランス」を率い、その目的のために「インフェルノ・ブルー」に眠る「力」を手に入れようと暗躍する人物。
 かつて中央宇宙軍のエースパイロットとして活躍していた経験があり、当時の戦闘技術や人脈が組織の基盤となっているようだ。
 愛機は作業用機をベースに遺跡の技術で改造を重ねた「CRB-16 ククルカン」、および遺跡の技術によって組み上げた「CRB-32 ミクランテクトリ」。

 ・ミストレス (CV:折笠愛)
 バリオンと利害関係を共にする謎の女性。
 目的や正体の一切が不明であるが、ただならぬ「力」を持つ事だけは確かなようだ。


・ストーリーモード

 ・・・といった世界観を元に、本作のメインゲームとなる「ストーリーモード」が展開される。
 ストーリーモードは主人公「グレイブ・アクセル」と、「インフェルノ・ブルー」で暗躍する組織「クロスランス」のメンバーとの対戦を1つのステージとして、これをインターミッションとイベントシーンで挟み込み「エピソード」としてまとめた形式だ。
 イベントシーンはアクセルなどの人物を主役としたポリゴン劇となっており、人物とカメラの距離によって使用するポリゴンモデルを使い分けているというこだわりの感じられる設計。
 細かな表情の変化や豪華声優陣によるフルボイスによって見ごたえが感じられ、また現在の使用機体がイベントに反映されるという嬉しい特徴も備えている。
 2周目では新たに敵側のイベントが語られるという特徴もあり、本作の魅力となっていると言えるだろうか。

 ・・・ただ一方で、ストーリー中にこれと言った分岐は無し。
 「クロスランス」との対立が物語の中心となっており、「インフェルノ・ブルー」にある遺跡を見つけたり、その遺跡の中でアイテムを探したり、と言った要素は一切無い。
 「宇宙遺跡探索業者」、「XEXAR」という設定があまり生きておらず、敵を淡々と倒してゆくだけで盛り上がりに欠けるなど、ストーリーの内容自体は特に見どころの無い物である。


・T.W.R

 では、本作におけるT.W.Rの操縦と戦闘方法について見てみたい。
 本作は自機を背後から見た形を採り、前進・後退、左右への旋回、左右への平行移動、を行ういわゆる「ラジコン操作」だ。
 移動面ではその他にボタンを連続で押すダッシュ、空中へのジャンプおよびホバー、を備えている。
 ・・・ただ、本作は発売時期の割にアナログスティックに対応していないほか、ダッシュについては微調整で暴発するうえブレーキを入力しなければ止まらないなどあまり操作性はよろしくない。

 攻撃面はT.W.Rに備え付けられたメインウェポンと自由に選択可能なサブユニットからなり、それぞれ時間経過で回復するゲージを消費して発射する。
 敵を画面内に捉えていれば照準や誘導が利くのだが、こちらも上下にいる敵についてはボタンで仰角を調整する必要があるなどあまり操作性は良くないか。
 戦闘の舞台となる遺跡群は起伏に富んだ複雑な地形となっているのだが、だいたいは足場のしっかりした平地を探して戦う事になると思われる。


 そして、本作のT.W.Rのデザインについて見てみると・・・。
 作業用機械から発展したという設定があるためかそのサイズは5メートル前後のパワードスーツタイプで、多くは飾り気のないのっぺりとしたデザインとなっている。
 主人公機ですら箱をくっつけて組み上げたような直覚的な外見で、1面の敵機となる「CR-004 トナティウ」に至っては設定もそのまま作業機械と言う事でカプセルにアームと下半身をくっつけたような前時代的なデザインである。
 悪く言えばダサい、良く言えば渋い、といった、好き嫌いの分かれるものだ。

 とはいえ、そのシンプルさは「カラーリングをカスタム出来る」という機能によって若干和らいでいる。
 機体に用いられた3色のメインカラーを調整でき、サブユニットの選択と併せて自分好みにカスタム出来るというわけだ。
 戦闘のほか、これがストーリーモードのイベントの一部にも反映される事を考えるとなかなか心憎いだろう。


・まとめ

 発売時期の割にはイベントシーン以外にぱっとした魅力が無く、一言で言ってしまえば平凡といった内容。
 ポリゴン劇に目の無い人、シンプルなロボットに燃える人、にはオススメできる見どころがあるので、その他の内容の薄さを覚悟したうえでならば手に取ってみてもいいかもしれない。





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