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ページ公開:2013/08/13


学校がっこうのコワイうわさ 花子はなこさんがきた!!


プラットフォーム3DO
プレイステーション
セガサターン
開発アミューズ
発売カプコン
発売年月日1995年 8月 (3機種同時発売)
ジャンルインタラクティブムービー
プレイ人数1人
セーブデータ1つ1ブロック、3ファイルまで (PS)


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
ロードが雰囲気を演出? 長編 3Dと2Dアニメ 不気味 ミニゲームが 原作アニメ収録





☆今回のレビューはキャラクターゲームのレビューとなります。☆
※今回のレビューは若干のネタバレを含みます。※


・ゲーム概要

 1994年にフジテレビ系列の児童向け番組「ポンキッキーズ」内で放映されたアニメ「学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!」をゲーム化した一本。
 3DO、SS、PS、と当時の据え置き機3機で同時にリリースされ、さらにはウィンドウズ、マッキントッシュ用のソフトとしても販売されたらしい。
 ブーム最盛期だからこそ可能であった強気の販売戦略と言えるが、子供向けとしてはPCや3DOはやりすぎだった気がしなくもない。
 それぞれでほぼ忠実に移植されているようだが、今回のレビューではこのうちの「PS版」を基に行うこととする。

 なおオムニバス形式の「花子さんがきた!!」をゲーム化した一本ということでストーリーはオリジナルのものとなっており、アニメムービーも多用されていることから「影の長編作品」と取れなくもない一本。
 原作アニメも数本収録された盛りだくさんな内容となっており、ファンであれば必見である。


・ストーリー

 「ねえ、花子さんって知ってる?」
 町はずれの電話ボックスから電話をかけると、花子さんという幽霊と話ができる――。
 学校では、今日も花子さんのうわさでもちきりでした。
 5年2組のヒロシくんもそんなうわさ話に加わる一人でしたが、つい、花子さんと会ったことが有る、とウソをついてしまったのです。
 「花子さんに会わせて!」
 同級生のマミさん、ノブヤくんにせがまれたヒロシくんは放課後に例の電話ボックスへと向かうことになり、しかたがなしに「0」の番号をでたらめに回したのでした。
 すると電話ボックスの周りから不気味な笑い声が響き、「悪霊団」と名乗る者がヒロシくんたちの学校を乗っ取ると宣言したのです。

 恐ろしくなってそのまま家に帰ったヒロシくんたちでしたが、放課後の出来事が気になってなかなか寝付くことができませんでした。
 すると、ヒロシくんが真夜中にトイレに起きた時に――。
 便器の中から悪霊が現れ、ヒロシ君をトイレに閉じ込めてしまったのです。
 必死にあやまるヒロシ君をよそに不気味に笑う悪霊でしたが、ふとトイレの外から声をかけられました。
 あわてて外に出た悪霊を待っていたのは、本物のトイレの花子さんです。
 花子さんは素早く「悪霊しばりアップリケ」を投げつけて悪霊を退散させ、ヒロシくんにあらためて現在の状況を説明し出しました。

 ヒロシくんのかけた番号によって霊界の封印が解かれ、この世に大勢の悪霊が現れたというのです。
 学校へ行くように言われたヒロシくんはそこでマミさん、ノブヤくんと会い、3人で力を合わせて夜明けまでに封印のカギとなる「鏡のかけら」を集めることとなったのでした・・・。


 ・・・といったところ。
 「鏡のかけら」は学校のあちらこちらに散らばっており、3人は悪霊の恐怖にさらされながらこれを探し集めることとなる。
 夜の学校を舞台にコツ、コツ、と探索するのはなかなかホラーとしての雰囲気が出ており、夜明けまでの「5時間」というタイムリミットからボリュームも満足のいく量である。


・システム

 「インタラクティブムービー」というジャンルから類推できる通り、本作は画面内の気になる箇所をクリックして調査・移動を繰り返し、様々な謎を解いてゆくという形式を取っている。
 ゲーム内容はいくつかの章に分かれており、その中でヒントを頼りに場所を移動、カギやペンチといった道具を見つけて「鏡のかけら」を手に入れる事が目標となる。
 ゲーム中の調査パート「クエストパート」では常に不気味な音楽が流れており、移動時の画面切り替えでは短時間のロード、すなわち「溜め」が入るため歩いているだけでもなかなかに恐ろしいのが本作の魅力だろうか。

 とはいえ恐ろしいだけではなく、章の前後に入るアニメやミニゲームでは花子さんらしいどこかコミカルなシーンも多数用意されている。
 特に悪霊に遭遇した3人組が花子さんを呼び出し、悪霊しばりアップリケで撃退するアニメなどはヒーローアニメのような様式美が有るため強い楽しみとなるだろう。
 また作中では原作アニメも数本収録されており、こちらは見ごたえの有るボーナス要素として楽しめるはずである。
 こういった緩急の使い分けや「鏡のかけらを集める」という明快な目標が、プレイヤーを飽きさせない「子供に配慮された」設計なのかもしれない。

 さらに、本作にはゲーム進行とは別に「フロッピーディスク」というアイテムが登場している。
 ・・・大変なつかしい響きなのだが、ともあれ。
 合計7枚存在するフロッピーディスクにはそれぞれ怪談が収録されており、作中の「パソコン室」にてこれを再生することが出来るのである。
 隠されたフロッピーディスクを収集するという要素も、また本作の探索の面白さに1つのアクセントを加えていると言えるだろう。


・ミニゲーム

 と、多彩な要素が含められた本作には「ミニゲーム」も存在している。
 全部で4種類+1。謎解きとは別にゲームの進行に必須となっているため、進行上の障害というわけだが・・・。
 だいたい鬼の様な難易度に設定されているため、ゲーム中の難易度はほぼここに集約されている

 ・フェイントを織り交ぜてくるモグラ叩きゲーム「水よ静かに流れよ」
 ・一度ゲームを始めるとヒントを確認できない絵合わせパズル「霊界縄をつくれ」
 ・開始位置がランダムなうえほぼ最善手を打ってくるボードゲーム「テケテケをつかまえろ」
 ・連打、クリック、アイテム、と素早い判断を必要とするアクションゲーム「真夜中のスイマーズ」

 と、アクション、パズルそれぞれで嫌らしい要素盛りだくさんの挫折ポイントとなっている。
 特に3番目のミニゲームは発生がランダムエンカウント方式であり、キャラクターの登場シーンが心臓に悪いこともあってトラウマものである。
 本編の謎ときはヒントが分かりやすく、スムーズに進むことを考えると難易度低下などの救済措置が有っても良かったのではないか・・・などと思えてならない。


・まとめ

 オリジナルストーリーによって原作の長編作品の様な内容を持ち、ホラーゲーらしい雰囲気も大切にした一本。
 CD媒体ならではの「ロード」という難点がその雰囲気づくりに貢献している点などは特に興味深いと言える。
 ひたすらに難易度の高いミニゲームによって詰む危険性があるが、友達に助けを求めるなどして乗り越えられれば最後まで飽きることなく楽しめるだろう。
 新(2010)・旧(1995)ともに原作のファンはもちろん、ホラーゲーに興味のあるプレイヤーへオススメしたい良作である。


・ワンポイント攻略

 ・テケテケ必勝?パターン。PS版以外ではAIが若干異なるかもしれないが、とりあえずPS版では通用するはず。

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・関連作品

・学校のコワイうわさ 花子さんがきた!! みんなの花子さんDS用ソフト。携帯アプリとして配信された全25話の内容をまとめたものであるらしい。


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