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ページ公開:2013/05/28


ONEワンピースマンション


プラットフォームプレイステーション
開発カプコン
発売カプコン
発売年月日2001年 6月
ジャンルマンション管理人
プレイ人数1人
セーブデータ1ブロック


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
シンプル 短め キャラクター豊富 ポップ調 良好 iモードケータイ対応





・ゲーム概要

 プレイステーション末期にカプコンから発売されたパズルゲーム。
 プレイヤーはマンションの管理人「ポルポ」を操作し、住人たちの部屋替えやトラブルへの対処を行いながらステージごとに設けられた目標を達成してゆくという内容。
 ゲーム中では住人が発する「癒し」、「ストレス」からなる隣人関係が重要な要素となっており、「マンションは選べても隣人は選べない」という胃の痛くなるキャッチコピーにその辺りが集約されていると言える。

 ちなみに、こんなタイトルではあるが某海賊(?)バトル漫画とは微塵も関係が無い。
 「グラバト(同年3月)」などを探してこのソフトを手に取った時の心境を思い浮かべるに、タイトルは少々分が悪かった気がしなくもない。


・システム

 本作はマンションの1部屋を1つのパズルピースとみなし、これをタテヨコに積み上げた「ワンピースマンション」をゲームの舞台としている。
 マンション管理の為に必要なアクションは主に

 1.(部屋を追加して)住人を入居させる
 2.人間関係に配慮して住人達の部屋を入れ替える
 3.迷惑住人の行動に警告を行う、火災を鎮火する
 4.マンション内の移動の為にエレベーターを追加する

 の4つ。
 うち、最も重要なのは「2」の「部屋の入れ替え」だろうか。
 本作に登場する住人たちは生活の中で隣人に対し「癒し」か「ストレス」を与える特徴を持っている。
 これらは「ストレスゲージ」として蓄積され、ストレスを極限まで溜めた住人は部屋と共に爆発して去ってしまい、さらにペナルティとして賠償金を失うこととなってしまう。
 そのため上手く配置を工夫してストレスを癒しで中和し、長く住まわせ家賃収入を得ていくことが求められているのである。

 とは言え、ゲーム中ではマンションに無断で入居するお邪魔キャラクター、「犯罪5」なども登場する。
 彼らは通常の住人と違って家賃を納める事が無く、窃盗、放火、訪問販売といった犯罪行為によってマンションの住人を苦しめるため逆に住人からストレスを与えて追い出すことで対処することとなる。
 ・・・なんとも胃の痛くなる対処法であるが、ともあれ。
 癒し、ストレスといった住人の個性を上手く活かし、普段は平穏に、有事の際は団結して、マンションでの生活を続けさせて行くのが本作の基本となっているわけである。


・住人紹介

 ・アイちゃん  ―「みんなのなやみをきいてあけ゛る」
 全てのステージに登場する常連住人。
 全方向へ癒しをふりまく最高の癒し系キャラクターで、難しいマンション構成のオアシス的存在。
 2人、3人と並べると特に効果が大きいので、本人のストレスを溜めないためにも並べて配置したいところ。

 ・ガルチャンコ  ―「ト゛スコイ!ト゛スコーイ!!」
 マンション内で張り手や四股など相撲の稽古を繰り返す迷惑力士。
 十字方向へストレスを飛ばすパターンを持ち、並べて配置すると迷惑をかけ合ってさらにストレスが強化されてしまう。
 普段は周囲にストレスをかけないよう上手く配置し、犯罪5が来たときは素早く隣接させて撃退しよう。

 ・トビマル  ―「サトにはもうもと゛らぬ!」
 日々忍術の修業に明け暮れる抜け忍。
 斜め方向へストレスを飛ばすパターンを持ち、同じストレス型のガルチャンコと違って並べて配置することが出来る。
 犯罪5の死角を突けることも多いので何かと重宝するはず。

 ・フローズン  ―「もうっ!エッチなひとね♥」
 一日中お風呂に入っているセクシーなお姉さん。
 そのセクシーさで両隣りには癒しを与えるが、水漏れするのか下方向へはストレスを与えてしまう。
 とはいえいずれも効果が低いので好きな場所に配置しても特に問題無いだろう。

 ・オペ  ―「クランケはと゛こかしら!」
 ヘビースモーカーのモグリ女医。
 左隣の住人のストレスを右隣の住人に移植するという奇妙な能力を持つ。
 左右の対を成すウェスタンタンとの組み合わせは黄金のコンビとして活躍する。

 ・エニマックはかせ  ―「はつめいはハ゛クハツし゛ゃ」
 日夜研究に没頭し周囲の住人に関わりを持たない不気味な研究者。
 普段は癒しもストレスも無いというもの静かな存在だが、限界までストレスを溜めてしまうと周囲を巻き込んで大爆発してしまう。
 敵キャラクターが集中しているところに放り込んで自爆させると最凶の攻撃役になるが・・・。

 ・ドリミミ  ―「フワフワくものし゛ゅうたんなの」
 見る夢が実体化するという不思議な子供。
 安眠しているうちは上斜め2方向へ癒しを与えるが、ストレスでうなされると悪夢によってストレス効果に変化してしまう。
 応用次第で癒しにもストレスにも使えるが、少々扱いは難しいか。

 ・ドリアン  ―「もえてるとアンシン!」
 「犯罪5」の1人。大好きな炎を見るために他人の部屋に放火して回るという危険極まりないトカゲ。
 普段のストレス効果は大きくないが、ランダムに行う放火攻撃が驚異的である。
 しかし近くの部屋に放火してしまい、自分が巻き添えを食らうこともあるとか・・・。

 ・ラズベリー  ―「ハートがしひ゛れちゃう!」
 「犯罪5」の紅一点。ポルポに恋心を抱くビジュアル系ギタリスト。
 他人の部屋の前に移動してギターをかき鳴らし、広範囲に大きなストレスを与える攻撃を持つ。
 そこそこ危険度が高いのでポルポの管理人部屋を近くに置き見張っておくと良いかもしれない。

 などなど。
 住人たちは生活の中で様々なアクションを見せるので、気になる住人をじっくりと観察してみるのも一つの楽しみとなるだろう。


・ゲームモード

 さて、そんなシステムと住人たちで挑戦するゲームモードは2種類。
 ステージごとにマンションを経営し所定の条件を満たしてゆく「ストーリーモード」と、可能な限り長くマンションの経営を続ける「エンドレスモード」だ。

 「ストーリーモード」では「お金を○ドル以上貯める」や「○階建てのマンションにする」といった条件のステージが7つ提示され、これを全て攻略するとゲームクリアとなる。
 各ステージでは犯罪5の妨害が入るので、住人の配置に頭を悩ませつつこれらの迷惑行為に素早く警告を出すというアクションパズル的な内容が楽しめる。
 難易度もそれほど高くなく、順調にいけば10分前後で1ステージクリアでき合間合間にセーブ可能なので気軽に挑戦できることだろう。

 と、これだけだと内容が薄すぎる気がするが。
 実は一度クリアした後は管理人の選択が可能となり、また2週目、3週目とステージのクリア条件が厳しくなってゆくという特徴があるのである。
 ゲームに慣れれば慣れるほど手ごたえのある内容が楽しめるわけで、なかなか繰り返しの楽しみがあると言えなくもない。
 ・・・まぁ、ステージ内容自体はあまり変わらないので結局は水増しであるし、難易度設定が無いなど不便な面も強いのだが。

 さて「エンドレスモード」ではいかに長くマンションの経営を続けられるかに挑戦する。
 住人の理想的な配置を構築し、不規則に出現する犯罪5への対応力を競うシミュレーション的な内容が楽しめる。
 難易度はイージー、ノーマル、ハードから選択可能で、それぞれ登場する住人などが異なっている。
 最高記録も残るため友達と腕を競うならもってこいのモードというわけだが、作業色が強く登場する住人も限られているあたりには退屈を覚えなくもない。


 また、本作にはこれら2つのモードに加えドコモのiモードケータイに対応した「iモードマンション」というシステムも存在していた。
 おそらく現在ではサービスが終了しているのだが、ゲームの進行に応じて住人から感謝や苦情のメールが届く、という内容だったらしい。
 個性豊かな住人たちに一層の親しみが抱けるようで、これはなかなかに心憎い。


・まとめ

 と、タイトル通りコンパクトにまとまっており遊びやすい内容を持つ本作。
 とはいえ発売時期を考えるとその内容はコンパクトすぎるともとれ、据え置き機でやるには物足りなさを感じなくもない。
 個性豊かな住人たちやアクション性のあるパズルに興味があり、あまりゲームに時間を取れないライトプレイヤーにオススメしたい一本だ。





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