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ページ公開:2012/02/28


FRAMEフレーム GRIDEグライド


プラットフォームドリームキャスト
開発フロム・ソフトウェア
発売フロム・ソフトウェア
発売年月日1999年 7月
ジャンル3Dロボット格闘
プレイ人数1〜2人
セーブデータ1つ2ブロック


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
スクワイヤがユニーク 語られず 騎士がモチーフ 雄大 ローカル対戦には不向き ネット対戦黎明期の風雲児





・ゲーム概要

 ドリームキャスト黎明期に発売されたロボット格闘ゲーム。
 本作の最大の特徴は、当時それほど浸透していなかった「ネットワーク対戦」を搭載したゲームであったことである。
 決して安くなかった当時の通信料をおしてもファンは対戦に熱中し、チームを組み、ファンサイトに集まっていたらしい。

 とは言え現代ではとうの昔にサービスが終了しており、またオンラインゲームも無数に氾濫しているため、当時の「貴重なオンラインゲーム」という側面を知ることは難しいだろう。
 そのため本項ではなるべく純粋な「3Dロボット格闘」として、本作のレビューを行なう。


・基本システム

 ゲーム内で、プレイヤーは騎士をモチーフにした巨大ロボット「フレームグライド(以下、騎兵)」を操り、1対1+αの決闘を繰り返してゆくことになる。
 「ダッシュ」や「ジャンプ」で動き回り、「剣」、「銃」、「砲」、「盾」といった装備を駆使して闘うのだ。

 「剣」は近接戦を行なうための装備であり、威力の高いもの、振りの早いもの、強力な必殺技を持つもの、などが用意されている。
 「銃」は射撃戦を行うための装備であり、連射式の物、拡散式の物、単発式の物、などがある。
 「砲」は必殺の攻撃を行なう装備であり、誘導弾や突進攻撃などさまざまな効果を持つ。
 「盾」は相手の攻撃を防御するための装備であるが、攻撃力を上げるものもある。

 また騎兵自体は3種のフレーム、4つ+1のパーツに分かれており、
 鈍重で火力重視の「重装騎兵」、軽装甲で機動力重視の「軽装騎兵」、それらの中間である「主装騎兵」、がそれぞれ
 索敵能力やスクワイヤの制御を司る「頭」パーツ、
 空力特性や射撃エネルギーの回復を司る「胴体」パーツ、
 近接攻撃力を左右する「腕」パーツ、
 機体の安定性や機動力を司る「脚」パーツ、
 そして騎兵の属性や細かな性能を調整する「リベレートストーン」によって構成される。

 組みあがる騎兵は「真正面からの斬り合い重視」、「側面からの突撃重視」、「空中からの奇襲重視」、などさまざまとなり、その自由度や戦略性の高さが本作の魅力となっているのである。
 そしてその魅力を後押しする本作独自のシステムとして、先ほどちらりと名前を出した「スクワイヤ」が存在するのだ。


・スクワイヤ

 簡単に言うと、スクワイヤとは「従者」のことである。
 自律行動を取って敵を攻撃するサポートメカであり、頭パーツなどの許容量によって5体まで、好きなタイミングでの召喚が可能だ。
 その種類は多く、ファ○ネルさながらに飛行から射撃攻撃を行なうもの、騎兵と同様に近接攻撃を試みるもの、浮遊しながら自爆特攻を行なうもの、などなど。
 中でも面白いスクワイヤは攻撃によって相手を「浮かせる」タイプで、プレイヤーはスクワイヤが浮かせた敵に対して砲や剣による追撃、いわば協力攻撃を行なうことが出来るのである。

 いうなれば1対1より1対2、1対3のほうが有利なわけだ。
 当然敵騎兵も積極的にスクワイヤを使用してくるだろうから、こちらとしても敵のスクワイヤをどうあしらうか?を考えたいところ。
 が、かといって敵のスクワイヤに集中すると今度は敵騎兵から手痛い一撃をもらいかねない。
 そこでこちらもスクワイヤを召喚して任せておくと、流れ弾に当たって転倒、敵騎兵からの追加攻撃が・・・。
 と、少々悪い方向に話が流れてしまったが、本作の対戦は「スクワイヤ」の存在によって1対1では味わえない戦略性が得られているのである。


・対戦

 で、実際に対戦するとなるとどうだろうか?
 先ず、本作は機体のカスタマイズ性が高い作品であるため、両者共にゲームデータを持っていることが望ましい。
 が、現在ではネットワークサービスが終了しているため、対戦は必然的にデータを持ち寄ってのローカル対戦に限られる。
 一応、データが無くとも対戦が行えるようにデフォルト機体3機が用意されているが、3機とも同じ武装であるため物足りない。
 ・・・と、「対等な条件」を設定する段階がすでに難しい。

 それでもダミーデータを用意するなどして無理矢理対戦してみると、今度は対戦用マップの有利、不利で一悶着起きかねない。
 例えば高低差が激しく、広い「山頂の遺跡」では遠距離戦重視の騎兵が圧倒的に有利だし、障害物が一切無く、狭い「道標の塔」では近接戦重視の騎兵が圧倒的に有利となる。
 いやまぁ、これは平均的なマップを選択すればよい問題なのだが、「自分のホームステージ」で闘えないのは少々もどかしさが残る。

 ともあれこれで対戦開始か、と思うと、今度は騎兵の「属性」が足を引っ張る。
 騎兵には「火」、「風」、「水」、「地」の属性が設定されており、それぞれに技が変化するほか、属性による優劣が設定されているのだ。
 当然、相手が不利属性だったときの不公平感は尋常でない。
 技が変化してしまうので属性を変えるに変えられず、勝手も負けても何か釈然としない物が残りがちに・・・。

 結果として、対人戦は本気で対戦すると言うよりフレンドリーマッチくらいの気持ちで対戦することが大事である。
 相手に困らないネットワーク対戦ならこんなことも無かったのか・・・。そう考えると少々残念ではあるが。


・ストーリー

 と、最後にしてしまったが本作のストーリーについて。

 帝国歴七〇〇年―――
 皇帝レギリオの死に端を発した
 ゾルド辺境伯の反乱は大陸全土を戦火に包んでいた。
 帝国を統治する六つの選帝候は団結し、この暴挙に立ち向かうが
 ゾルト公率いる九つの騎士団の前にことごとく敗れ去り、
 帝国の滅亡は時間の問題であった。

 人々の希望は、最後の選帝侯であるミランジェ大司教の存在であった。
 すでに年老い、病床にあった大司教はこの未曾有の危機を前に
 一人の騎士を呼び寄せ、告げた。

 「そなたに騎士の称号を与えよう。
 導きに従い、その剣を振るうが良い。
 遥か古より伝えられし、甲冑の巨人と共に」

 (説明書より抜粋)

 ・・・という、非常にファンタジー色の強いストーリーが本作の背景となっている。
 が、ストーリーが語られるのは最初と最後のみで、後は淡々とステージを攻略するのみであるのが非常にもったいない。
 攻略本には舞台となる惑星の名から始まる濃厚なストーリー、主人公の意外な生い立ち、立ちはだかる九騎士たちの人物紹介、などが豊富に掲載されており、これをゲーム内で見たかったと思えてならない・・・というのは、少々わがままかもしれないが。


・まとめ

 かつて持っていただろう対戦ツールとしての魅力がなりを潜め、「やや淡白なロボットアクションゲーム」とでも言うべき内容になっている本作。
 ただCPU対戦のみでもそれなりに楽しめ、ネットワーク環境が無くともコンプリートが可能、といった遊びやすい内容となっており、システムやグラフィックもあまり古臭さを感じさせない水準ではある。
 騎士をモチーフにした巨大ロボットを操り、剣と魔法による大胆かつ緻密な戦闘を楽しむ。
 そんなゲームに魅力を感じる人へオススメしたい一本だ。


・ワンポイント攻略

 ・現代では超貴重な「オリハルコン」。「見捨てられた街」でごくごくまれに手に入るので何度も挑戦してみよう。
 ・対CPUでは圧倒的な命中率を誇る「エクソダスゲート」。「エクスカリバー」の乱舞斬りと組み合わせると高確率で脚部を破壊できるのでオススメだ。
 ・ガードボタン2度押しで相手の方向へ向き直る「アスロシスクワイス」。「グングニルチャージ」と組み合わせると・・・。





・関連作品

・「アーマード・コア」シリーズ本作の原型となった、同社のロボットアクションゲーム。


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