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ページ公開:2011/06/14、最終更新:2011/12/13


R?MJ(エムジェイ。) THE() MYSTERY(ミステリー) HOSPITAL(ホスピタル)


プラットフォームPS・SS
開発バンダイ
発売バンダイ
発売年月日1997年 11月(PS)
1997年 12月(SS)
ジャンルホラーアドベンチャー
プレイ人数1人
セーブデータ1ブロック(PS)
8ブロック(SS)


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
存在意義が薄いシステム群 未完成感あふれる内容 当時にしてはリアルな方 迫力はある。 即死注意 未完成品?





・ゲーム概要

 バンダイから発売された、会話や移動のすべてをムービーで行う「インタラクティブ・ムービー(シネマ、ドラマ、etc)」系のゲーム。
 爆発事故を起こし、細菌やウイルスの蔓延する病院から脱出を図るサスペンスホラーの内容で、クリーチャーなどの「暴力的な恐怖」ではなく病原菌の「忍び寄る恐怖」を表現したかったらしい一品。


・ストーリー

 99年夏、巨大総合病院で起きた大爆発
 この原因不明の大爆発に巻き込まれ、
 逃げ遅れてしまったハジメは、
 親友のリョウとトモヲ、新人看護婦アヤ、
 そして突然現れた謎の美少女ミサトの
 4人と共にそこから大脱出をすることになる
 彼らは無事に脱出できるのだろうか・・・

 (OPより抜粋)

 というストーリーで、爆発の衝撃によって蔓延した細菌やウイルスから身を守りつつ病院からの脱出手段を探すのが前半の物語となっている。


・キャラクター

 ・ハジメ
 本名:大石ハジメ。明るく、正義感が強いので誰からも好かれるタイプ。
 主人公であるためゲーム中一切言葉を発しない。

 ・トモヲ
 本名:流石トモヲ。ひょうきんで周囲を明るくするムードメーカー。
 ゲーム序盤であるウイルスに感染し倒れてしまうが・・・。

 ・リョウ
 本名:新真リョウ。パワフルで行動力のあるワイルドな男。
 リョウの交通事故がハジメ、トモヲ、を引き寄せ、今回事件に巻き込まれるきっかけを作ってしまった。

 ・アヤ
 本名:如月アヤ。この病院に勤める看護士(当時は看護「婦」)。
 ハジメたちと共に行動し脱出路を探す。

 ・ミサト
 本名:早川ミサト。オープニングムービーでは「恐ろしい真実を知る謎の美少女」などと紹介されていたが・・・。
 サスペンスホラーで言うパニック役。ギャーギャーわめき散らしプレイヤーを辟易させる。

 ・天真静夫
 この病院の院長。この事件の黒幕である。
 ある目的のために「MJ」と呼ばれる人物を探しているらしいが・・・?

 ・ロバート鮫島
 「リアルX」とかいう闇格闘術の使い手らしい、天真の側近。


システム

 さて、ムービーの合間に移動方向やアクションを指示し、謎を解きながらゲームを進める・・・というインタラクティブ・ムービーの特徴のほか、このゲームオリジナルのシステムとしてはどのようなものがあるだろうか?
 それは「五感ボタン」と「V/Lチェッカー」だろう。
 「五感ボタン」は周囲の環境をより注意深く、五感全てを使って探るためのシステムで、例えばガレキが崩落する音を察知したり、漏れ出した薬品のにおいを察知したり、と活躍する。
 「V/Lチェッカー」は周囲のウイルス・細菌の数や装着者の体力を表示する物で、汚染濃度の高い地区を回避するのに役に立つ。
 この2つを駆使することで、身にかかる脅威を素早く察知し、逐一避けながら病院からの脱出路を探す・・・というサスペンスホラーゲームとなっているのだ。序盤だけは

 ・・・というのも、ゲームが進むにつれ超古代人とか地下遺跡とか話が明後日の方向に向かって行き、五感も汚染濃度もほとんど関係の無いものになってしまっているのである。
 とは言え序盤に関しても、「五感ボタン」を使って危険を回避する必要があるのは1箇所あるかないかで、後はまったく関係のないサブイベントが発生するか、物語を進めるためのテキスト送りボタンに成り下がっているかのどちらかだ。
 「V/Lチェッカー」についても、体力がつきてゲームオーバーになるより即死イベントでゲームオーバーになる方がはるかに多いため、あってもなくても同じような物である。

 加えて、プレイヤーに注意を促すためなのか何なのかゲーム中唐突に同行者のメッセージが流れるのだが、その内容は
 「近寄らないで!
 「さぁ、早く!
 「どうしろって言うの!?
 など、騒いでいるだけで何の役にも立たないものがほとんどである

 正直、これらのシステムで「静かに忍び寄る恐怖」を実現できているかと言えば・・・まぁ、言わずもがな、である。


・残された謎

 さて、ゲームを一通りクリアすれば全ての謎が明らかになるのかと言うと、結構「?」が残る。
 秘密を知る謎の少女とかいう触れ込みだった「ミサト」はキャンキャンやかましいだけだったし、オープニングムービーに存在した2人で防護服を着ていたシーンは存在しなかった。他にもいろいろとそういった点があるのだが・・・。

 攻略本とノベル版まで引っ張り出していくつかの点を解明してみると、

 Q:結局「MJ」って何?
 A:ミューテーション・ジャックの略で、突然変異で特殊な免疫力を身につけた人類のこと。その遺伝子情報から古代人類を復活させたり万能製薬を作ったりできる・・・らしい。

 Q:タイトルの「R?」は発音するべき?
 A:・・・たぶん発音しない。「エムジェイ」が正式なタイトル・・・のはず。

 Q:ミサトって何を知ってたの?
 A:何も知らない。「ミディー」という夢遊病まがいの病気にかかっているが、物語には関係しない。

 Q:エンディングに分岐はないの?
 A:無い。ラスボスを倒せたか否かのみである。

 Q:防護服のシーンは・・・
 A:恐らくボツになったシーン。

 Q:リョウはいつから・・・
 A:オープニングで事故にあった時から。

 Q:五感ボタンって言うけど・・・
 A:登場するのはほとんどが嗅覚と聴覚で、「味も見ておこう」なシーンは無い。

 Q:山田ゴロウって誰?
 A:V/Lチェッカーを入手するとき、部屋の前に置かれた台の上に乗っている死体のこと。脇役フェチを狙った設定が存在する。

 ・・・と、おおまかにはこのようなものだろうか。特に本編との矛盾が激しいオープニングを見ると、たぶん途中で内容を変えたんだろうなぁ・・・と思うと同時に、だったらオープニングの内容も変えろよ・・・と残念に思わざるを得ない。


・PS版・SS版の比較

 Disc数が異なり、2枚組のPSに対してSSは1枚である。あと、五感ボタンを使用したときの演出に差が有る、らしい。
 Disc交換の手間が無いだけセガサターン版のほうがマシか。


・まとめ

 このほかにも、メモリーカードを指さずにプレイした場合何度も表示される最終警告や隠し要素のグラビア写真集など珍妙な点が多数存在している。
 サスペンスホラー目当てで入手するのは危険だし、かといってクソゲー目当てで購入してもいまひとつ面白みに欠ける微妙な一品だ。
 強いて言えば、オープニングだけは結構カッコイイ。

 ・・・グラフィックの技術以外誇るものが無いゲームは、その技術が過去の物になったとき何も見るべきところが無くなる。その好例を垣間見たようである。





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