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ページ公開:2011/05/17


DiORAMOS(ディオラムス)


プラットフォームプレイステーション
開発ポノス
発売ポノス
発売年月日2000年 11月
ジャンル格闘ボードゲーム
プレイ人数1〜4人(マルチタップ対応、コントローラーの使いまわし可能)
セーブデータ1ブロック


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
独特・明快 多視点でユニーク ファンタジック 迫力あり 読み合いの面白さ リーチ!





・ゲーム概要

 20世紀ももう終わりかという時期にポノスから発売された「格闘ボードゲーム」。
 「一定の金額を稼ぐ」でも「目的地にたどり着く」でもなく、「同じ盤上にいるライバルたちを倒す」ことを目的とした一風変わったボードゲームである。


・ゲームルール

 繰り返しになるが、このゲームの目的は「同じ盤上にいるライバルたちを倒す」ことだ。
 始めにプレイ人数と舞台となるステージを選択し、次に各プレイヤーが操作するキャラクターと装備する武器を選択してゲームを開始。
 キャラクターのスピード順に回ってくるターンの中で「オフェンス(攻撃方法)」・「ディフェンス(防御方法)」の選択やアイテムの使用を行い、ダイスを振って移動する。
 移動中に相手と接近したら攻撃してダメージを計算。移動や攻撃が終了したら止まったマスの効果を受けて次のキャラクターにターンが回る。
 これを繰り返してHPが0になったプレイヤーから脱落し、最後まで残っていたプレイヤーが勝者となるわけだ。

 このうち、「オフェンス」と「ディフェンス」の駆け引きこそがディオラムスの醍醐味だといっても良いだろう。

 「オフェンス」は4種類。
 「攻撃」は基本的な攻撃方法で、攻撃範囲に入った敵に対して攻撃を行うが、運が悪いと「回避」されてしまう。
 「必殺」はダメージの大きな攻撃方法で「回避」されないという特徴があるが、「カウンター」で手痛い反撃を受ける。
 「特殊攻撃」はチャージゲージを消費して特殊な効果を持つ攻撃・行動を行うことが出来るが、確実に「回避」されてしまう。
 「チャージ」は攻撃を行う代わりにチャージゲージを溜め、次の攻撃のダメージを増やすが、相手にダメージは与えられない。

 「ディフェンス」も4種類。
 「防御」は基本的な防御方法で、あらゆる攻撃のダメージを軽減するが、あらゆる攻撃を食らってしまう。
 「カウンター」は「必殺」を無効化して反撃を行うことができるが、「必殺」以外は確実に食らってしまう。
 「回避」は「攻撃」を一定の確率で、「特殊攻撃」を確実に回避して無効化できるが、「必殺」は確実に食らってしまう。
 「略奪ガード」は相手が同じマスに止まった時アイテムを奪う「略奪」を阻止するが、あらゆる攻撃を確実に食らってしまう。

 ずっと「攻撃」では攻撃できなかったターンがもったいないし、ずっと「防御」ではチャージゲージの溜まった「必殺」に耐えられない。
 相手のチャージゲージが溜まっていたとしても「カウンター」は「特殊攻撃」に弱く、「回避」は「必殺」に弱い。
 相手はどんなオフェンスを選択しているのか?どんなディフェンスを選択しているのか?自分がとるべき行動は何か?
 この、のるかそるかの読み合いに勝利し、見事相手の攻撃を受け止めた瞬間、強烈な攻撃に成功した瞬間が、この「ディオラムス」で最高の瞬間になるはずだ。


・ストーリー

(OPより抜粋)

 ここは人間と亜種族が混在する世界
 エドゥン

 エドゥン には
 太古の昔から存在する
 神秘の石があった

 その名を『ディオラムス』

 言い伝えでは
 世界を創りし神の力を
 封じ込めた石であり

 その封印を解いた物には
 あらゆる願いもかなえられると
 伝えられていた

 過去に栄華を極めた超古代文明も
 この力によって
 支えられたとも言われている

 そんな
 すさまじき力を秘めたディオラムスが
 『10』に分断された形で
 次々と発見されたのだ

 神々しいほどの光と
 確かな力を秘めし そのかけらは
 世界各地で戦いの渦と
 略奪の嵐を巻き起こさせ

 それを 我が物にせんとする
 屈強な戦士達の手に渡るのだった


 そう

 すべては
 ディオラムスに導かれるままに・・・


 本作の「ストーリーモード」では選択したキャラクター固有の物語が展開され、ディオラムスを巡るさまざまな戦いが語られる。
 それはキャラクターによってまるで異なった物になり、自由を求めて戦いに明け暮れる戦士がいれば、世界征服を目的にドタバタコメディーを巻き起こす魔法使いがいて、野望のためにディオラムスを集めるモンスターがいる。
 この多種多様な物語も、「ディオラムス」の一つの魅力といえるだろう。


・対戦

 本ゲームの主なモードは練習・隠し要素開放用の「ストーリ−」と対戦用の「闘技場」だ。
 「ストーリー」はディオラムスの物語を楽しむ物で、ステージごとにCPUと戦闘。アイテムの開放に必要なお金が手に入るほか、クリアすることで新たなキャラクターや武器・アイテムが使用可能となる。
 「闘技場」は純粋に対戦を楽しむ物で、最高4人までCPUや他のプレイヤーと戦うことが出来る。
 さて、ではこの「対人戦」の面白さはどうだろうか?

 先ず気になるのがルールの難しさだが、覚えるべきは「オフェンス」、「ディフェンス」の長所短所と武器の攻撃範囲くらいで、1度ためしに対戦してみれば誰でもすぐに理解できるはずだ。

 そしてお気に入りのキャラや武器を探していざ対戦を開始するわけだが、ここで勝敗を握るのはプレイヤーの「運」と「実力」だ。
 「運」はダイス、つまりは相手に接近出来るかどうかや好きなマスに止まれるかどうかなどを大きく左右する。たとえ初心者であっても運さえ良ければヒット&アウェイや回復によってなかなかに善戦できるだろう。
 だが、「運」だけで勝負は決まらない。
 「オフェンス」、「ディフェンス」の判断やダメージポーズでディフェンスを読むなどの「実力」も大きなウェイトを持っており、各プレイヤーならではの作戦や戦略こそが「ディオラムス」で真に競われる部分なのだと言える。

 そのため初心者でもある程度は楽しめるだろうが、自分の戦い方を確立するほど上達してからが真の対戦だと言える。

 チャージを繰り返して一撃必殺を狙う。軽い武器を選んで連続行動を狙う。
 防御で確実にダメージを減らす。必殺を見越してカウンターを狙う。
 ダイスの目に期待して攻撃を選択する。距離をとってアイテムを集める。

 「運」と「実力」を駆使して読み合いに勝利し、最後まで生き残る。
 これが「ディオラムス」における対戦の面白さなのだ。


 なお、HPを失い脱落したプレイヤーも、「死霊」となってゲームに参加し続けることができる。
 死霊となったプレイヤーは相手と同じマスに止まった時に「死神」の状態異常を与え、3回「死神」を受けた相手を強制的に脱落させるのだ。
 途中で脱落するゲームだが、脱落したプレイヤーが暇にならないようにと組まれたこのシステムはなかなか心憎い。



・まとめ

 一風変わった「格闘ボードゲーム」、「ディオラムス」。
 そのシステムは意外と親しみやすく、それでいて奥が深い。
 1人で極める人も、大勢でワイワイガヤガヤやる人も、1度ハマれば末永く楽しめるであろう一品だ。



・キャラクター

 このゲームに登場する11人の戦士達+1を軽く紹介しよう。

 ・ティンク
 「妖精王」に言われてディオラムスを探す妖精。ディオラムスの気配を感じ取ることができ、プレイヤーが選択したキャラクターをディオラムスへと導く。

 ・ファルガス (本名:ファルガス・ムサ)
 「国王殺し」の罪で国を追われた元騎士の男。無口で無愛想だが正義感は強く、罪を犯したのにも何か理由があるようだが・・・?
 HPやパワーが高い、典型的な戦士タイプ。武器はイラストで持つ「剛斧オーガ」など剣や槍がオススメ。

 ・ゼクシー (本名:ゼクシー・ネーチェ)
 強大な魔力を持つ美人魔法使い。男に振られた腹いせにディオラムスの力を用いて全世界の男達に対する八つ当たり攻撃を開始する!?
 魔力の高い典型的魔法使いタイプ。「樹杖ユグドラシル」など杖がオススメなのは言うまでもなく、通常攻撃をサポートするために弓を持たせるのも有効。

 ・フーマ (本名:小太郎)
 悪徳商人などから金品を盗み、貧しい人へと分け与える義賊。実は東洋出身で、「ある人物」を探してこの地を訪れたらしいが・・・?
 全キャラクター中最高のスピードが持ち味。「忍刀半蔵」など軽量の武器で2回行動を狙うのがベストだろう。

 ・ガルガ (本名:ガルガ・ウー)
 呪いによって半人半虎の姿に変えられてしまった老兵。寿命を迎えようとしている森に留まり、番人として生きている。
 全キャラクター中最高のスキルが持ち味。「嵐弓シルフ」など扱いの難しい弓系武器がオススメ。

 ・フェイフォン (本名:ウォン・フェイフォン)
 鍛え上げた自らの肉体一つで闘うことを至上の喜びとする拳法家。道場経営の夢をディオラムスの輝きに託して今日も闘いに明け暮れている。
 「素手」が「剛拳フェイフォン」へと変化しており、素手での戦いを最も得意とする。反面、武器は苦手で満足な効果を得られない。

 ・花魁 (本名:杏子)
 フーマ同様に何者かを追いかけて東洋からやってきたらしい京美人。ストーリーではやりたい放題の大暴走を繰り広げる!
 「妖槍ぬえ」など槍が得意だが、パワーが低いのでスピードを犠牲としてしまうことも。ちなみに死霊になった姿は必見。

 ・クリシュナ (本名:クリシュナ・シャブダブ)
 モンスターと見紛うばかりに挙動不審な動きを取る戦士。実は記憶喪失で、ある国の王子様だというウワサだが、果たして彼の正体は・・・?
 パワーとスキルのバランスが良く、どんな武器でもある程度扱うことができる万能キャラ。「宝蔵槍胤瞬」で全キャラ中最高の攻撃力を叩き出すことが出来る。

 ・ゴブリン (本名:なし)
 オツムの弱いモンスター。ティンクへの求婚のためディオラムスを集めるが、体よく利用されていることには気づいていない様子。
 「手作り石斧ストーンアクス」以外の武器を選択できない、スピード以外のパラメータが絶望的、移動距離も短い・・・といわゆる「ザコ」キャラ。このキャラを使って勝利することはできるのか!?

 ・蜘蛛 (本名:CDG−012)
 超古代文明に作られた遺跡守護用ロボット。ディオラムスを回収する指令を受けているようだがその真意は不明。
 自身の材質である?「零金属オリハルコン」で槍攻撃を行う。装備が変更できない分パラメータは高く、ごり押しに強い。

 ・デュラハン
 ディオラムスと深い関連を持つ首無し騎士。意志ある剣「暗黒剣ダークアイ」を振るいディオラムスを求める者たちを次々と切り刻む。
 本体ともウワサされる「暗黒剣ダークアイ」が唯一の装備。素の状態での移動距離が最長で、特殊技も合わせた連続切りは驚異の一言だ。

 ・リッチ (本名:リッチ・アダム)
 はるか過去から生き続け、ディオラムスやティンクに関する「秘密」を握っている魔道士。ディオラムスの回収を阻止しようとするが、その真意は一体・・・?
 武器は「参謀杖アインシュタイン」のみ。特殊技「エーテルパルス」の威力もさることながら通常攻撃の威力も高い厄介な相手だ。





イラスト:「オープニング」


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