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Steamポップ その7


 唐突だが、「Staem」をご活用されているだろうか。


 これは米「Valve」社によって開発・運営されているゲームのダウンロード配信サービス兼ランチャーで、ダウンロードならではの低コスト・メディア要らずの販売形態を特徴とするものだ。
 企業側にとっては物理的なパッケージや輸送・小売といった中間業者を必要としないために販売コストを抑えられ、またSteamのアカウントとゲームの購入が紐づけられているためユーザー同士での転売が行われることが無い。
 ユーザー側にとってはコスト削減分が還元された低価格でゲームを購入でき、また同一アカウント内ならば異なるPCでも同じゲームやデータで遊べるほかSteamコミュニティのフレンドに対する「ギフト」としてゲームを購入する事も出来る。
 などなど、双方に魅力のある設計であるわけである。

 そして、ユーザー側から見た「Steam」の一番の特徴といえばその強気なセール群。
 毎週始めに開催され、全ゲームの中から数十〜百数十本が割引かれる「ウィークロングセール」、
 週の中ほどに行われ、一定のコンセプトを持ったゲームが割引かれる「ミッドウィークマッドネス」、
 さらには週の終わりに行われ、ピックアップされたゲームが無料で遊べる「フリーウィークエンド」およびそれらのゲームが割引かれる「ウィークエンドディール」、

 といった割引イベントが毎週開催されており、しかもその割引き率は33%OFF、50%OFFは当たり前。物によっては75%OFFや90%OFFなど驚異の価格が設定されることもある。
 毎週行われるこれらのセールに、新たなゲームの発見や欲しいゲームの割引きを期待するのが「Steam」ユーザーにとって心を躍らせる魅力となっているのだ。


 と、前置きはこれくらいにして。

 何かにつけて心痛む話題が続く2022年の夏(2022/06/23〜07/07)はSteamのビッグセールの一つ「Steam3000サマーセール」が開催中である。
 今年はヒントから架空のゲームを捜索する「クローサックスのパラドックス」というミニゲームが開催中で、普段気に留めないようなゲームジャンルにあれこれ目を向ける機会とされている。
 本来全く荒唐無稽なウソゲームの数々が提示されるが、現実に販売されているゲームの中にそれらと区別のつかないものがチラホラあってなんともはや。
 さておいて、未知の一作に目移りしてしまう前に本文として「Steam」内で配信されている低価格・無料ゲームに絞っていくつかを簡単に紹介することとしよう。

 ・・・ただし、今回は自身のライブラリに低価格かちょっと微妙なセール時1000円前後のゲームがだいぶ溜まってしまったので、これを中心に取り扱うこととした。
 金額調整用としては向かないかもしれないし、充実のボリュームから積みゲーを増やす程度に遊びこんでしまうリスクもあり、中にはDLCに対応していてさらなる出費を誘惑してくるものもあるが、ひとつ容赦願いたい。
 例によって内容はなでる程度として抑えるが、ゲームの公式サイトとSteam内の作品ページへの誘導リンクを配置したので興味を抱いたらぜひそちらにも足を運んでいただきたい。




「Mech Mechanic Simulator (メック・メカニック・シミュレーター)

開発Polyslash
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/1044980/Mech_Mechanic_Simulator/
公式ページhttp://polyslash.com/mechmechanicsimulator/
リリース日2021年03月25日
人気タグ「メカ」「クラフト」「経済」ほか
日本語サポート字幕あり

 近未来SF世界を舞台としたメカ整備シミュレーター。
 人型ないし準人型の大型機械が採掘や遭難救助などの危険作業を代行するようになった世界観のもと、その整備士として生計を立ててゆくというシミュレーターである。
 頑強性を重視した「ダウハスキー社」の4脚ロボ「ARTEMIS」や機動性を重視した「サクラ社」の人型ロボ「HANA」といったロボをガレージに入れ、手足を取り外したのちボルトを外して装甲をとっぱいコードを引き抜いて油圧系を取り換える、といった業務をコツコツとこなしてゆくわけだ。
 最大の魅力は何といってもそんな分解整備に耐えられるようコード一本、ネジ一本に至るまで緻密にデザインされたロボ群であり、ゲーム中ではジャンクパーツをぐりぐりと傾けてサビ取りし再利用したり中古販売したりといった涙ぐましい経営努力を行える要素まである。
 こうしてゲームをこなして機体の構造を覚えてゆくと「オーガスか、構造がシンプルだしさっとこなせるな」とか「ハナちゃんならパーツのストックがあるし、調整までサービスしておくか」とか「センチュリオンか・・・(チラッ)・・・センチュリオンかぁ・・・」とかといった判断がつくようになる「慣れ」を実感できるのが心地いい。
 最終的には自分自身のロボを購入して塗装を施し派遣業を展開できるようにもなり、男子の休日をどっぷりと堪能できる一本となるだろう。

 ・・・が。
 そこまでで開発が力尽きた感が否めず、調整したメカが実際に動くシーンは一切なく、メカのパーツは一機体につき一式同じものしかない。
 火山での任務に耐えられるよう耐熱装甲に取り換えるとか、宇宙空間の任務に耐えられるようバーニアとスラスターを取り付けるとか、激しい戦闘に備えてMLRSをゴテゴテと取り付けるとか、といった「換装」や「拡張性」の仕様がほぼないのだ。
 (厳密には「ソフトウェア」で対応しているという格好で、アイコンを入れ替えるだけというショボいシステムがあるにはある。)
 またシミュレーションとしてメカを操作するシーンがあるものの主観視点で機体が映ることは一切なく、「カスタムを吟味して任務に繰り出す」という世の多くのロボゲーが叶えている魅力こそが欠落してしまっているのは、やはり物足りないと言わざるを得ない。

 無料のデモ版では3機体をプレイすることができ、本編ではそれに6機体が加わって全9機体。
 リリースから日が浅いこともあってセール時1000円前後という価格なのだが、ぶっちゃけこれで完成形だと割高感あるなと言うのが正直な感想だ。
 珍しい内容なので関心のある人には替えが効かない一作だと思うが、まずはデモ版をプレイしてどれだけ期待を覚えるかを見てみてほしい。




「The Walking Zombie 2 (ウォーキングゾンビ2)

開発Alda Games
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/965200/Walking_Zombie_2/
公式ページhttps://www.facebook.com/thewalkingzombie2/ (フェイスブック内)
リリース日2019年10月11日
人気タグ「FPS」「ゾンビ」「オープンワールドサバイバルクラフト」ほか
日本語サポートなし(文章量はそこそこある)

 基本無料ゾンビFPSRPG。
 因果な生まれからゾンビ化に耐性を得た一人の青年を主人公に、各地の町を巡って様々なトラブルを解決してゆくというあらましを持つ。
 「オープンワールド」のタグが付いているが本作は地図上のロケーションを選択してファストトラベルし箱庭単位で目標を達成してゆくという概要を持ち、良い点を見れば退屈な道中の移動がなく、悪い点を見ればファストトラベルに使う「燃料」が基本無料のスタミナ制として取り入れられている。
 移動中に不意の発見があるというオープンワールドの魅力は移動中にランダムイベントが発生する「エンカウンター」が簡易に再現しているので必要十分というところ。
 現地の箱庭自体は一定のルートが想定され待ち伏せ用のゾンビが配置された格好が基本でランダム性に乏しく、ステージクリア型FPSに「ロビー」ないし「街」の概念があると見るのが適当なところか。

 ただし、ゲーム内にはこうした箱庭を複数連結して自動生成される、その名もズバリ「Open World」というエリアがあり、ここの探索においては不測の事態へのリスクとリターンを計りながら慎重にコトを運ぶ必要がある。
 エンドコンテンツとして用意されていたらしくこの区画だけでもだいぶやりがいがあるが、とはいえ本作の武器アイテムにはランダムパークや品質、耐久力の概念がなく、一度強力なものを手に入れてしまえばそれ以上に武器掘りをするという動機がない。
 大量の物資によって拠点やトラックをアップグレードするという要素こそあれ、少々モチベの維持が難しいというのが本作の難点だ。

 一方で、有限のコンテンツであるストーリーはアクションコメディ調で面白く、粗いポリゴンでデフォルメされたキャラクターやゾンビはある程度とっつきやすい絵柄となっている。
 素手でウ〇チを掻きだすとかいうゲーム開始直後のクエストとか、どう見てもどこかの国の元大統領な市長とのひと悶着とか、ビルをなぎ倒すような巨大ゾンビとの死闘とか、といった見せ場が盛りだくさんに用意されたものだ。
 武器にランダムパークがないということはひるがえって戦力の確保が簡単でサクサク進むということでもあり、「燃料」が無制限無料になるという買い切り特典も販売されているため、RPG要素に期待するとしたら本作はカジュアルに楽しめるという一面を見せるだろう。

 残念ながら日本語に対応していない点で少々覚悟がいるが、「7 Days to Die」や「Fallout3」といったポストアポカリプス作品が好きという人はとりあえずプレイしてみてほしい一作だ。




「MythBusters: The First Experiment (怪しい伝説:予備実験)

開発Movie Games
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/1897130/MythBusters_The_First_Experiment/
公式ページなし(Steamページに誘導している)
リリース日2022年05月05日
人気タグ「シミュレーション」「笑える」「科学」ほか
日本語サポートあり(「Myth」を「伝説」ではなく「神話」と訳してしまっている)

 バ科学シミュレーター・・・と見せかけた番組制作シミュレータ―。
 「怪しい伝説」とはケーブルテレビ・ディスカバリーチャンネルで大人気を博した科学実験番組である。
 元々ハリウッドで特殊効果のエキスパートとして活躍したアダム・サヴェッジとジェイミー・ハイネマンをメインパーソナリティとして、「車のボンネットにしがみつくカースタントに現実味はあるか?」とか「クリスマスツリーを液体窒素で急速冷凍すると爆発するって本当?」とかといった「よくある思い込み=MYTH(伝説)」を番組予算を使ってド派手に検証するという番組だ。
 車のボンネットの件は安全性を確保するために自動車にクレーンを取り付けるという改造を施して生身で実験し「無理だ」という結論に至り、クリスマスツリーは植物の細胞が環境に適応する能力が高く「何ともなかった」のを確認したうえで、せっかくだからと文字通り木っ端みじんに爆破した
 絵的に非常にバカなことをやっているのだが科学知識に基づいて検証方法を考案しており、面白くてためになる良番組の鑑といった内容である。
 ちなみにコロナ禍の「ヒジであいさつ」を提示したのもこの番組だ。(風邪の感染力の回)

 ・・・と、いう番組を「ゲーム」として再現するという企画があり、その先行体験版に当たるのが本作・・・なのだが・・・。
 その流れは検証する「神話」を選択した後検証計画がギチギチに決まったアイディアノートを渡され、必要な小道具をひたすらクラフトしてゆくというもの。
 しかもクラフトの過程というのも全く無関係なパズルゲームやタイミングゲームなどのミニゲームをひたすら消化する内容で、ディスクカッターの刃を交換するとかいうひじょーにどうでもいい手間を押し付けるような場面もある。
 最終的に小道具をそろえて実験を行うとこれまた妙ちくりんなミニゲームが始まるという始末で、残念ながら番組が提示する「科学的証明のうえのアプローチの多様性」は全く期待できない内容なのであった。  しかも爆破シーンでリプレイ演出を行っていない(超重要)など演出全般も弱い。

 これじゃバ科学シミュレーターでもバカゲーでもなくクソゲーだよ、と、Steamの評価も不評側に傾いているようなので正式リリース前の軌道修正を祈るばかりだ。
 はっきり言っておすすめしないのだが、上記メック・メカニック・シミュレーターにちょっと飽きたころに触って妙にしっくり来てしまったので合う人は合うかもしれない。
 ・・・あ、番組の方はおすすめなのでご家族でぜひ。




「Summer in Mara (サマー イン マーラ)

開発CHIBIG
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/962580/Summer_in_Mara/
公式ページhttps://chibig.com/summer-in-mara/
リリース日2020年06月16日
人気タグ「リラックス」「農業シミュレーション」「感動的」ほか
日本語サポートなし 字幕あり!(6/14のアップデートによる)

 海の惑星「マーラ」と辺境の小島で育てられた少女「コア」ののびのびとした日常を描いた農業RPG。
 島中を駆けまわって果樹を蹴り「果実」を拾い集めたり、毎日畑に水をやって「野菜」を育て収穫を楽しみにしたりし、そうして集めた食材から「料理」を作る。
 おなかが膨れたら斧やつるはしを手に「木材」や「石材」と言った資源を集め、換金可能な道具などを「クラフト」する。
 そのあたりで「エネルギー」が尽きたらさっと「眠り」について、明朝は街に繰り出して取引し人々の話を聞いて回る、とこんな日常だ。
 システムのベースとしては同開発の「Deiland」があるが、一日という区切りやエネルギーの概念が弱くわりとせわしないルーチンを必要としたあちらに対し、それらの制限が強めでこまめに手を止める必要があるこちらと、プレイ感はだいぶ異なったものとなっている。

 本作の目玉は「航海」システム。
 コアが暮らすホームアイランドから船を走らせ、主要な街「カリス」の島のほか、ゲームの進行に伴って東西南北に行動範囲を広げ物資を集めて回ることができる。
 特にこの過程で「バナナ」や「ココナッツ」といった果実や色とりどりの「花」を手に入れたら、ホームアイランドに戻って植え島の一部とすることができる、と言うのはユニークな体験だろう。

 ・・・が、ホームアイランドが豊かすぎるというべきか、周辺の島が小さすぎるというべきか、実のところ航海にそれほど重要度はない。
 それ以外のゲームバランスも正直粗く、序盤の金策がロープしかないとか、料理のコスパが悪すぎて結局リンゴをかじるだけとか、しばらく石材の使い道がなく余りまくるとか、全体的に選択肢に乏しい感がある。
 また、なまじ島が広く駆け回る余地があるだけにクエスト消化に駆け回るのは退屈と苦痛を覚えることがないでもない。

 わんぱくな少女コアを操作し、裸足に芝生の感触を覚えながらまっすぐな日の光のもと水平線に向かって駆け抜ける――。
 そんな情景にどれだけ心惹かれるかで評価が定まるだろう雰囲気一発勝負といった一作だ。
 キャラクターや音楽を体験できるビジュアルノベルのスピンオフStories of Maraが無料で公開されているので、意欲があればこちらもチェックしてみよう。




「BATTLE FIELD 1 (バトルフィールド1)

開発DICE
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/1238840/_1/
公式ページhttps://www.ea.com/ja-jp/games/battlefield/battlefield-1
リリース日2016年10月20日
人気タグ「FPS」「マルチプレイヤー」「第一次世界大戦」ほか
日本語サポート字幕・音声あり

 スナイパーライフルの弾丸が落下しタイムラグもあるというリアリティある作風や大人数のオンライン対戦で有名な「バトルフィールド」シリーズの一作。
 その題材は「第一次世界大戦」であり、関連コミュニティでは発売前に「塹壕を掘るゲーム」とか「マスケット銃縛り」とか「毒ガス一強」とか言われたようだ。
 しかしてフタを開ければ携行可能なライトマシンガンとして「Lewis Gun」や「MG15 n.A.」があって弾幕や交戦距離の概念はあり、迫撃砲やグレネード・クロスボウを採用してかく乱手段も確保、ビークルとして原始的な「MarkV」戦車や「ルンプラーC.I」などの攻撃機が用意され、その戦闘模様は決して単調なものとはならなかった。
 そればかりか、「馬」や「鉄鎧」、「黒色火薬ライフル」といった奇天烈なガジェットがあり、最たるものとして「エアシップ」や「装甲列車」といった「巨大兵器」の概念が用意された。
 複数人が機銃の操作手としてスポーンすることができ、圧倒的な火力と装甲をもって敵陣地を攻撃するという、いわば「ボス戦」に相当するコンテンツである。
 この戦争が近代戦の幕開けと評されるようになったのもうなずける、急激に成長した歪な兵器と旧世界の遺物による非常にスチームパンク感ある「史実」を本作で体験できることだろう。

 ゲームは基本としてPvPだが、「巨大兵器」や「ビークル」の存在があるようにその戦力は基本として不均衡だ。
 本作の売りとなる「オペレーション」や「コンクエスト」ゲームモードは最大32人対32人の大規模対戦が展開され、個人の質を集団の物量によって覆しうるという一面がある。
 他の対戦型FPSでは1チーム4〜8人で個人の戦力、いわば責任が非常に重いという胃が痛くなる設計がザラにあるのだが、本作はその点戦車の機銃操作や修理などのサポートに主眼を置くようにすればビギナーであっても勝利に貢献できるという間口の広さがありがたい。
 「兵科」といってビークルの整備や仲間の治療、敵の索敵などキャラクターごとに特定のサポート技能が設定されているあたりもとっつきやすいだろう。

 一方、本作はPvPのみならずストーリーに沿って進行する一人用の「キャンペーン」にも多少の内容がある。
 全5編+αと少々物足りなくはあるのだが、いずれも劇的で戦争の悲哀を描いた映像作品としても見ごたえのある内容だ。
 (正直もっと追加してほしい)
 その背景は「コーデックス」という解説文として収集する要素もあるため、ゲームを隅々までプレイすると相応に知識も身に付くのではないだろうか。

 ネックとしてはデモ版がないこと、オンライン対戦のウェイトが大きいため過疎化すると遊べなくなること、そのくせ野良ではチーターや廃人がやりたい放題やってること、などがあり、特に最後の件は「サーバーブラウザー」の利用が必須となるが、新作「BATTLE FIELD 2042」が相当ボロカスに酷評された都合もあってか現在でもそこそこに人を見ることができる。
 おもちゃなどでは「ゼロ戦」や「大和」が人気を集め正直影が薄いと思っていた「WW1」について、個人の認識が180°変わった衝撃的で学びのある一作だった、として、同じような歴史オンチに勧めたい一作である。




「CROSS CODE (クロスコード)

開発Radical Fish
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/368340/CrossCode/
公式ページhttp://www.cross-code.com/en/home
リリース日2018年09月21日
人気タグ「アクションRPG」「ドット絵」「女性主人公」ほか
日本語サポート字幕あり

 見下ろし型アクションRPG。
 ゲームボーイアドバンスあたりの古き良きドット絵と謎解きで構成されるRPGで、肝たるアクションは壁に当たって反射する「ボール」シュート。
 壁や柱に当てて死角にあるスイッチを入れるといったギミックが主なものとなる、「パズルボブル」を彷彿とさせるプレイ感だ。
 とはいえゲーム内での「戦闘」では接近しての打撃や反射しない連射ボールと言ったアクションも活用する必要があり、連続で敵を撃破することで報酬が向上してゆくコンボのシステムもあるためスピード感の不足もないと思うが。

 本作でユニークなのは作品の舞台が「クロスワールド」というオンラインゲームのためのテーマパークということ。
 事故によって記憶を失いゲームの世界に囚われたという少女「レア」がこのテーマパークに潜入し、周囲にそれを気取られないようにしながらも友達を作り様々なイベントに参加してゆく・・・というストーリーがハートフルでユーモラス、スリリングで少しセンチメンタルな本作の魅力だ。
 正常なゲームの範疇としてNPCの依頼をこなしたり、ほかのプレイヤーからの頼み事という体でおつかいをこなしたり、それらにエミリーやシュナイダーといったフレンドを誘ったり・・・。
 そんな本作の世界観の特にユーモラスな点は、「ゲーム内ゲームがしばしば破壊される」という点だ。
 例えばダンジョンを攻略した直後に通行人の会話に耳を傾けるとどこが難しかったとかどこにヒントがあったとかといったネタバラシがなされていたり、序盤の街の会話に耳を傾けるとメンバーの集合が遅れてレイドが始められないとぼやいていたり、所を問わず運営批判をする会話があったり・・・とやたらと生々しい会話が交わされている。
 時には最序盤のエネミーをひたすらひっぱたいてレベルをカンストさせたなどと言う廃人もおり、オンラインゲームの雰囲気がやたらと高度に再現されているのだ。

 一方で、チートやハッキングに相当するインチキ、開発中の未完成エリア、物理的な施設の破壊、なんて痛快だが後ろめたくもある題材もある。
 ・・・あるいはこうした「境界」を問う仕掛けの数々は、本作の最も重要なテーマを問うための前準備なのかもしれない。

 日本語はほぼ完璧にサポートされており、最初のボスまでをプレイできる短いデモ版が公開されているので、その世界観に関心があればほんのさわりとはいえこれからプレイを始めてみよう。




「Indivisible (インディビジブル)

開発lab zero
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/421170/Indivisible/
公式ページhttps://indivisiblegame.com/ja/ (日本語)
リリース日2019年10月04日
人気タグ「インディー」「メトロイドヴァニア」「女性主人公」ほか
日本語サポート字幕あり

 「スカルガールズ」でおなじみlab zeroスタジオが開発したメトロイドヴァニアRPG。
 開けてはいるが障害物が多数設置されたマップを探索し、キャラクターが新たなアクションを習得することで徐々に行動範囲が広がってゆく・・・というメトロイドヴァニアはそれ自体がRPG要素を含んだゲームスタイルだが、本作はその「戦闘」が独特。
 マップ上で敵キャラクターと接触すると颯爽と味方キャラクターが現れて多対多の戦闘画面に突入し、キャラクターごとのボタン+方向キーで技を繰り出す格闘ゲーム調のアクティブタイムバトルが展開されるのだ。

 例えば主人公「アジュナ」は格闘術や多様な武器を扱い、父の仇「ダール」は剣による連続攻撃を得意とし、呪術師「ラズミ」は相手との距離を選ばず炎で攻撃することができる。
 アジュナの上+攻撃で斧をかちあげ相手を浮かせたらラズミのN+攻撃の炎でポンポンとお手玉をし、相手を空中に留めているうちにダールが駆け寄ってN+攻撃×?の連続斬りで華麗にコンボを決める、といった調子だ。
 コンボ中はこちらの攻撃が割り込まれることはなく、打ち上げた相手に追撃を加えると必殺技ゲージが速く溜まるという特徴があるので、こうした空中コンボは早いうちから練習しておくとよいだろう。
 一方で相手からの攻撃は仲間の誰かを対象にして行われ、対応したボタンを押すことで「ガード」となる。
 特にタイミングよくガードを行うとダメージを大幅に軽減しHPが1残るジャストガードとなるのだが、本作ではこれが必須テクニックなのでこちらも要練習だ。

 さて、レバー+攻撃のシンプルなコマンドから想像がつくかもしれないが各キャラクターの技のバリエーションはそこそこ限られており、そのぶん本作には多くのキャラクターが登場する。
 格ゲーの「ストライカー」と同じような都合だろう。
 オープニングムービーや公式サイトなどで紹介されるキャラクターは23人にもなり、陸上と鳥ママハハ にぶら下がった状態との二つの形態を使い分ける「クシ」、トラップの設置能力を持つ「ヌナ」、ぶっ壊れヒーラーの「ジンセン」などなど非常に個性豊か。
 あの「スカルガ」制作チームということでキャラクターのビジュアルやモーションも良く立っており、キャラクターを動かしているだけで楽しいというのは本作の大きな魅力となるだろう。
 ・・・が、この中にはゲーム本編に登場しないキャラクターが2人いる。
 実は本作は他にも「シャンティ」や「ショベルナイト」など多数のゲストキャラクターが登場する夢のクロスオーバーを構想していた作品であり、自身そこに期待して予約購入したものの、経営と開発とでちょっとシャレにならない衝突があったらしくくだんの構想は結局夢のまま潰えてしまったという。
 同様にしてDLCの展開も鬼難易度のチャレンジ集とやたら強気な価格設定のオリジナルサントラ(アレンジなし)で止まっており、完成度に欠け伸びしろもないというのは本作の無視できない欠点となるだろう。

 また、この特徴的なバトルシステムと、そこに至るまでのアクションとのどちらに難易度を置くかにひどく迷走した感もある。
 残念ながら本作終盤はアクションの方に舵を切ったようでキャラクターを活かす戦闘の場が激減し、どれだけ時間をかけてもアクションの資質がなければクリア困難なバランスとなってしまったのが残念でもある。

 そうした都合からあまり間口が広いとは言い難いのだが、その独特なプレイ感や個性豊かなキャラクターたちは本作に期待するには十分な動機となる。
 幸いにしてデモ版があり、youtubeには公式からオープニングアニメーションが公開されているので、このあたりから本作の魅力に触れてみてはどうだろうか。




「Deep Rock Galactic (ディープ・ロック・ギャラクティック)

開発GHOST SHIP
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/548430/Deep_Rock_Galactic/
公式ページhttps://www.deeprockgalactic.com/
リリース日2020年05月13日
人気タグ「協力プレイ」「PVE」「宝探し」ほか
日本語サポート字幕あり

 ロック・アンド・ストーン!

 洞窟探索を舞台としたSFFPSRPG。
 洞窟は地中深くで光源がまるでない「暗闇」で覆われており、
 クモ型の好戦的なエイリアンや溶岩・毒ガスといった「危険」がそこかしこに潜み、
 これに挑むのは勇敢で屈強ながら自分勝手でやかましく酒臭くむさ苦しい「ドワーフ」どもである。

 プレイヤーにおいては真っ暗な洞窟の中に「フレア」を投げてわずかな範囲を照らしながら進むべき道を見極め、
 忍び寄るエイリアンに対しては弾幕を張れるミニガンやファイアウォールを展開できる火炎放射器と言った「武器」の特性を生かして対処し、
 協力プレイにあたってはテキストチャットのほかワンボタンのアピール機能やウェイポイントの設定機能といった「コミュニケーション」を駆使して目標の達成に取り組んでゆくよう求められるわけだ。

 このゲームは様々なところに目新しい面白さが込められているが、特にと挙げるとすれば3点。
 ひとつは、本作はパーティーを組んでランダム生成される「ミッション」に挑戦するというローグライクMOをベースとしながら、「つるはし」や「地形スキャナー」を標準装備として洞窟の壁や地面を自由に「掘り進む」ことができること。
 各ミッションは基本的に道なりに進んでゆけば目標を達成できる「順路」が用意されているのだが、プレイヤーが必要と感ずるならば通路同士をつないだり階段を掘ったりして自由に経路をとることができ、この点でプレイヤーの創意工夫が試される。
 ミッション目標を達成したら「帰還」するパートも必要になるのだが、この折に自分が作ってきた道を逆走し想定以上の成果や予想外の失敗といった再評価を行うのはとても興味深い体験だろう。

 ふたつにはゲーム全編を「暗闇」が支配しているということ。
 視認性が悪いというのはともすれば難点でもあるのだが、これを解決する「フレア」は時間経過で補充され、ペース配分さえ適当なら枯渇が問題となることはそれほどない。
 一方で暗闇と、壁面を自在に伝って忍び寄るクモ型エイリアンとの組み合わせがどこから敵が現れるかわからない緊張感を生み、カジュアルな難易度であってもある程度の充実感を味わせてくれる。
 またフレアは投げた瞬間から光を放つため大きく山なりに投げることによって一瞬なら広い範囲を照らすという運用を行うことができ、エイムと記憶力のちょっとした試し所といった一面もある。
 それから、この「フレア」はキャラクターの各クラスによって異なる色で発色するため、見た目にもカラフルで「誰がどこを攻略しているのか」大まかに判断する目安になるという点も巧妙だ。

 みっつめとしてはこれ、ドワーフの「クラス」だ。
 本作のキャラクターは4クラスで、
 ・ミニガンのような大型で連射力の高い武器を得意とし、「ジップラインガン」で2点間に移動可能なロープを張ることができる「ガンナー」
 ・火炎放射器のような攻撃範囲・判定持続に長けた武器で高い制圧力を発揮し、「ドリル」によって圧倒的な速度でショートカットを作成できる「ドリラー」
 ・自身の火力は低いがタレットを展開でき防衛戦で随一の能力を秘め、「プラットフォームガン」によって縦横自在に足場を用意できる「エンジニア」
 ・火力が低いがフレアガンによって通常のフレアをはるかにしのぐ範囲を照らすことができ、「グラップルガン」によって宙を切るように飛び回ることができる「スカウト」
 からなる。
 それぞれで戦闘能力が異なるのはもちろんだが、注目するべきは移動をサポートする「サポートツール」のバランスだ。
 ガンナーのジップラインガンは離れた場所を移動するのに適しているが縦方向の角度に限度があって急な崖を登ることには適さず、ドリラーのドリルは壁さえあれば階段にせよ通路にせよ自在に作ることができるが虚空には手も足も出ず、エンジニアのプラットフォームガンは応用範囲が広いが弾数制限があって極端な距離を埋めるには向かず、スカウトのグラップルガンは自在に移動できるもののチームに通路を用意することはできない、という過不足が設定されており、協力プレイによって補いあえば単独よりもはるかに多くの選択肢が提示される設計となっているわけである。

 いずれにおいても困難な状況に判断を巡らせ解決策を想定する、という、ゲームの「攻略」という構造を尽きることなく楽しめる設計だ。
 これで面白くないわけがない。

 残念なのは女性キャラクターの一切がなくひたすらヒゲもじゃでむさっ苦しいとかハウジング要素がなく心落ち着く空間がないとかといったところだが、アゴ・もみあげ・口回りの三点で自在にヒゲをカスタムできるとか「Abyss Bar」で各種のビールを飲むインタラクト要素があるとか部分的にはめちゃくちゃ充実しているので大丈夫、安心です!
 2022年より「ライバル・テック」を題材とした大型アップデートと「シーズン」が無料で提供されており、セール時1000円前後という価格は少々コスパが良すぎる感もあるが、フレンドにプレゼントするとか開発者を応援する名目のスキンセットDLCを購入するとか支援の手は豊富なので引け目を感じる必要もないだろう。
 ゲームが好きという自負がある人には是非にと勧めてみたい一本である。




 毎週新たなゲームとの出会いがある「Steam」。
 まだまだ紹介し足り無い気もするが、今回はひとまずここまでとしたい。




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