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Steamポップ その4


 唐突だが、「Staem」をご活用されているだろうか。


 これは米「Valve」社によって開発・運営されているゲームのダウンロード配信サービス兼ランチャーで、ダウンロードならではの低コスト・メディア要らずの販売形態を特徴とするものだ。
 企業側にとっては物理的なパッケージや輸送・小売といった中間業者を必要としないために販売コストを抑えられ、またSteamのアカウントとゲームの購入が紐づけられているためユーザー同士での転売が行われることが無い。
 ユーザー側にとってはコスト削減分が還元された低価格でゲームを購入でき、また同一アカウント内ならば異なるPCでも同じゲームやデータで遊べるほかSteamコミュニティのフレンドに対する「ギフト」としてゲームを購入する事も出来る。
 などなど、双方に魅力のある設計であるわけである。

 そして、ユーザー側から見た「Steam」の一番の特徴といえばその強気なセール群。
 毎週始めに開催され、全ゲームの中から数十〜百数十本が割引かれる「ウィークロングセール」、
 週の中ほどに行われ、一定のコンセプトを持ったゲームが割引かれる「ミッドウィークマッドネス」、
 さらには週の終わりに行われ、ピックアップされたゲームが無料で遊べる「フリーウィークエンド」およびそれらのゲームが割引かれる「ウィークエンドディール」、

 といった割引イベントが毎週開催されており、しかもその割引き率は33%OFF、50%OFFは当たり前。物によっては75%OFFや90%OFFなど驚異の価格が設定されることもある。
 毎週行われるこれらのセールに、新たなゲームの発見や欲しいゲームの割引きを期待するのが「Steam」ユーザーにとって心を躍らせる魅力となっているのだ。


 と、前置きはこれくらいにして。

 例年になく早い夏の訪れを感じる現在(2018/06/22〜07/05)はSteamのビッグセールの一つ「銀河を超越するサマーセール」が開催中である。
 期間中はSteamにて販売されている大半のゲームで大幅な割引が行われており、また「SALIEN(セール星人)」を操作する駄フラ系のディフェンスシューティングゲームが公開されている。
 Steamer全体で攻略して追加のセールを獲得できるほか、キモかわいいセール星人のカスタマイズになごむなどいかにも駄フラな時間つぶしが楽しめるだろう。

 とはいえそれにかかりきりではもったいないので、当ページではいつもの調子で「Steam」内で配信されている低価格・無料ゲームに絞っていくつかを簡単に紹介することとしよう。
 なでる程度として内容は抑えるが、ゲームの公式サイトとSteam内の作品ページへの誘導リンクを配置したので興味を抱いたらぜひそちらにも足を運んでいただきたい。




「Card Hunter (カードハンター)

開発Blue Manchu (※公式ツイッター)
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/293260/
公式ページhttp://www.cardhunter.com/team/
リリース日2015年07月14日
人気タグ「無料プレイ」「カードゲーム」「ボードゲーム」ほか
日本語サポートなし

 テーブルトークRPGを模したシミュレーションRPG。
 プレイヤーは人間、エルフ、ドワーフ、の3種族と戦士、魔法使い、僧侶、の3クラスを組み合わせて3人のパーティーを組み、TRPG「CARD HUNTER」のキャンペーンを攻略してゆくという内容。
 TRPG「CARD HUNTER」ではシナリオを主なあらすじと複数回の「戦闘」で構成しており、「戦闘」の内容はカードデッキを使用しキャラクターに移動や攻撃の指示を出してゆくというシミュレーションゲーム調のもの。
 こうして1シナリオ辺りがあまり長くならないようにまとめられ、モンスター側を操作するゲームマスターと、パーティー側を操作するプレイヤーとの頭脳比べによって物語を作ってゆく構成だ。
 視覚面ではファンタジー世界では無く、あくまでTRPGのプレイングを再現して紙のボードを下敷きに多面ダイスや軽食などの小物を並べたデザインを徹底しているのが心憎い。

 一人用のキャンペーンモードでは冴えない青年ゲイリーや彼の兄モーヴらをゲームマスターとしてテーブルに着き、数々のシナリオに挑んでゆくこととなる。
 その過程でプレイヤーのキャラクターは「レベルアップ」や「装備の更新」の機会があり、特に「装備」がキャラクターの強さを決める重要な要素となる。
 というのは、キャラクターに用意されるカードデッキはキャラクターの装備によって編成される形であるため。
 例えば「冒険者のブーツ」は2歩移動、近接3点攻撃、被ダメ1軽減アーマー、の3枚がデッキに組み込まれるが、「安上がりな剣士の靴」は1歩移動しつつ近接2点攻撃を行えるカードが2枚と2歩移動が1枚、「ヤバイ速さの靴」は6歩も移動するカードが2枚加わるが1枚はそのターン移動禁止になる「ずっこけ」・・・と、ブーツ一つとってもこういった調子だ。
 そして、ダンジョンがあり装備があるからには「ドロップ」の概念もある。
 本作は「戦闘」を繰り返してレアな武器を収集する、ハクスラ的な側面もあるというわけだ。
 全編英語という厄介な難点はあるが、詰将棋的なモードやマルチプレイヤーモードもあるなど遊びの幅が広く、それでいてドロップ枠増加などに課金する基本無料制である本作はSteamの入門編としてみて馴染みやすく、欧米情緒も感じられる一作となるだろう。




「WASTED (ウェイステド)」

開発ADULT SWIM GAMES、Mr. Podunkian
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/327510/WASTED/
公式ページhttp://www.adultswim.com/games/pc-console/wasted/
リリース日2016年06月07日
人気タグ「FPS」「RPG」「笑える」ほか
日本語サポートなし

 カジュアルな難易度のローグライクFPS。
 3頭身くらいにデフォルメされたキャラクターのおかげでヘッドショットが非常にやりやすい事を始め、基本モードの全てのダンジョンでアイテムの持ち込みが可能なほか、キャラクターは「BOOZ」というミュータント化ドリンクを飲むことで様々な特殊能力を獲得できる。
 最序盤の物はなぜかデメリットしかないが、少し進めるとハンドガンの携行弾数アップやしゃがみ時に射撃精度アップといった形でプレイの快適度が増してゆくはずだ。
 また「BOOZ」を飲むと悪酔いしてダンジョンから強制帰還してしまうが、これは安全な撤退とプレイ時間の増加とで一長一短あるのでうまく付き合いたい。
 うまく付き合うと言えば、本作はジャンクフードや固形パンといった食べ物による回復が重要なゲームバランス。
 特に入手頻度の高いジャンクフードには食べた直後に移動が遅くなるデメリットがあり、これを軽減するため「下剤」なるものも用意されている。
 生き延びるためとはいえ女性キャラ含めパンツを汚しながらダンジョン内を疾走する様を思うと目頭が熱くなるところだ。
 本作の通貨がトイレットペーパーであるあたりも、こういったシモの話は好んで取り入れられているのでうまく付き合いたい。

 また、本作の世界観は「Fallout」シリーズをリスペクトしたもので蛍光グリーンの会話文などにもその片鱗が見て取れる。
 文化は80年代アメリカで止まっているということだが、ラジオから流れる軽快なダンスミュージックやネオンを好んで使用している様などは特にクラブカルチャーを意識した感が強い。
 一方で言い回しも冗長で、非英語話者にとってはほぼ会話についていけないペースで文章が表示されるのでここは割り切りが必要か。

 なお、本作にはあまりレアアイテムが存在せず運要素の薄いゲームデザインとなっているのだが、「ヘアマガジン」というアイテムは要注目だ。
 これを使用するとキャラクターに新たな髪形や顔つきがアンロックされ、プレイヤーはもちろん(といっても容姿変更の条件は厳しいのだが)、敵のレイダーや兵士のバリエーションが増してゆくことになる。
 3頭身くらいのキャラクターということで顔の個性ははっきりと表れるので、敵キャラクターを充実させ、眺めて楽しむことも本作の魅力の一つとなるだろう。
 ・・・まあ、眺めて楽しんだ後はヘッドショットで粉々に粉砕することになるのだが。
 視覚的にも難易度的にもFPSやローグライクゲーム初心者におすすめできる一作なのだが、スプラッターに耐性のない人にはちょっと注意が必要かもしれない。




「Ghost1.0 (ゴースト)

開発@unepic_fran (※個人)
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/463270/Ghost_10/
公式ページhttps://www.facebook.com/ghost10game (※公式フェイスブック)
リリース日2016年06月07日
人気タグ「サイバーパンク」「メトロイドヴァニア」「女性主人公」ほか
日本語サポート字幕あり

 ロボットに憑依して操ることができるサイバーエージェント「ゴースト」の活躍を描くメトロイドヴァニア系アクションRPG。
 ゴーストには汎用性が高く様々な武器を駆使できる基本ボディが存在し、本作は一つに装備をコレクションしながら敵との戦闘を繰り替えすハクスラガンアクションとしての爽快感がある。
 が、それに加えて注目したいのはゴーストの憑依能力。
 基本ボディを離れたゴーストが敵のロボットに乗り移れば、そのIDを利用して仕掛けを操作したり、武装を利用して戦ったり、同士討ちを誘って敵の数を減らしたりすることができる。
 敵キャラクターを謎解きのピースとして逆用してしまうパズルアクションとしての側面もあるわけだ。
 強力な武器でトリガーハッピーして突っ切るもよし、じっくりと作戦を立ててローリスクで悠々と進むもよし、自分の選んだ攻略方法が柔軟に通用する楽しみがたまらない。

 また本作の進行は非撃破時に手持ちのアイテムを失ってしまう「サバイバル」と、アイテムを失わない代わりに入手手段が限られる「クラシック」の2つのモードが用意されている。
 「クラシック」はキャラクターをじっくりと育成して着々と進みたいRPG派向け、「サバイバル」は運要素も含め適切に資源を駆使する緊張感を持ちたいローグライク派向け、として楽しめるだろう。
 また「オタグッズ」という収集要素や、クリア後に挑める追加ミッションなど遊び足りない人への追加ボリュームもたくさんある。
 ビギナーからマニアまで、様々なプレイスタイルで取り組めるゲーム要素の豊富な作品だと言えるだろう。

 そんな本作は完璧と言っていい水準で日本語字幕化が行われており、英語を理由に尻込みする必要はない。
 というか、ゲームの敵役が日本企業であることもあって微妙にくすぐったいシーンもあり、世界観には感情移入しやすいはずだ。
 アニメ的なデザインも含めてとても親しみやすいゲームなので、アクション好きを自称するならばぜひ一度は本作のページに足を運んでみてほしい。




「The UnderGarden (アンダーガーデン)

開発Artech Studios (※2011年に閉鎖)
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/9980/The_UnderGarden/
公式ページなし
リリース日2010年11月11日
人気タグ「リラックス」「パズル」「探索」ほか
日本語サポートなし(むしろOSが日本語を使用していると起動不能

 海中を思わせる低重力空間を舞台にした2Dパズルアクション。
 キモかわいい主人公をステージ内にある花のつぼみへ近づけるとその花を開花させることができ、そこから採れる花の実を引っ張っていって仕掛けを解いて行くという流れ。
 「花」のデザインは花びらのある複雑なものでは無く、海藻や菌類に近い球や円筒状の単純な形で、またライトイエローやパステルブルー、ラベンダーカラーの淡い色合いで発光するもの。
 開化の際にはハープや木琴を思わせる音も奏でられるので、プレイヤーが注意を向ける先から光や音がゲーム世界を彩ってゆくという感覚的な楽しみが本作の魅力となるわけだ。
 主人公はスティックを傾けた方向に浮遊し、スティックを離すとふわふわと落下するので、海の中にいるような浮遊感も味わってのんびりと癒されてしまいたい。

 が、本作は「ステージ」単位で区切られており、花の開花率や隠しアイテムの発見で「成績」を付けられてしまう側面もある。
 特に開花率100%は重箱の隅をつつくレベルの作業プレイを要求するのでストレスがたまりやすく、そもそも未開花のつぼみは発光する花の中に埋もれて見落としやすいデザイン。
 基本操作となる花の開花に関しても、簡単に補給できるとはいえエネルギーのようなものを消費する形を採ってしまっており適度に往復が求められるという手間だけを増やす形となっているのがいただけない。
 せっかくの魅力が問題点になってしまっているあたり、本作はもっとゲームらしさを捨てて癒しに特化した作品を目指すべきだったのではと思えてならないところだ。

 また、OSが日本語を使用していると起動不能らしく、このゲームを起動するたびに英語(かつ、カナダ?)に切り替えなければならないという煩わしさもある。
 癒され感に関しては海中ゲーとしても光る物があるので、ビジュアルなどを確認して興味を引かれたならばこれらの問題をうまく割り切れるかどうか含め考えてみてほしい。




「Lili:Child of Geos (大地の子・リリ)

開発BitMonster
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/266490/Lili_Child_of_Geos__Complete_Edition/
公式ページhttp://bitmonstergames.com/games/lili-child-of-geos/
リリース日2014年05月10日
人気タグ「女性主人公」「家族向け」「ファンタジー」ほか
日本語サポートなし

 MMORPGのような作りこまれた世界観が魅力のRPG。
 不思議な魔法の島「ジオ」に植物学者の卵「リリ」が訪れ、植物標本を集めるという目標のもと木で出来た住人たちと交流を重ねてゆく物語。
 住人たちは「コンストラクター」と呼ばれ木の精霊によって造られた存在であるものの、個人個人が意識を持ち、個性的な扮装を身にそれぞれの役割に喜びを以って務めている。
 しかし「市長」をはじめとする木の精霊たちは彼らを好き放題に扱っており、リリは冒険を通して木の精霊たちを打倒し、住人たちを助けることとなってゆくという流れである。

 そして、そんなファンタジックな世界観は草花を丁寧に描いた3D空間によって臨場感高く、照り返す光がぼけるブルーム効果によってまぶしくも優しく、描かれている。
 ロケーションとしても植物に覆われた石の遺跡「ラストグローブ」や、常夜の港町「スプリットウッド」など、SS映えする場所がたくさんだ。
 木の精霊と対戦するミニゲームがあるが、本作の舞台はバケーションの雰囲気を味わえるようなのびのびとした魅力に満ちていると言えるだろう。
 例によって全編英語というのが難点ではあるが、本作の英語は比較的易しくキャラクターのジェスチャーも豊富なので雰囲気は楽しめるはずだ。
 開放感や心温まる交流に癒しを求めている人はちょっとだけ勇気を出して本作の世界に旅してみてほしい。

 ただ、やや要求スペックが高い一方で動作確認用のデモ版が存在しないので、自分のPCとは少し相談が必要だ。




「Realm Grinder (レルムグラインダー)

開発Divine Games
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/610080/
公式ページhttp://www.kongregate.com/games/divinegames/realm-grinder (※ブラウザ版)
リリース日2015年05月19日 (※ブラウザ版)
2017年06月16日 (※Steam版)
人気タグ「クリッカー」「ストラテジー」「ドット絵」ほか
日本語サポートなし

 プレイヤーが画面をクリックした回数を突き詰める「クリッカー」系のゲーム。
 中でも本作はプレイヤーが運営する「Realm(帝国)」のビルドに選択肢が多く、シナジーを吟味して文字通り桁違いの成果を出す痛快さに病みつきになる内容である。
 具体例を挙げよう。本作は序盤において善と悪に分かれた6つの種族(Faction)から1つを選択し所属するよう促される。
 Fairy(フェアリー):農場、宿屋、鍛冶場、の収入を強化する。これらは一覧で上部に並ぶ下級の建物なので、ゲーム開始直後から大きな恩恵を受けることができる早熟な種族となる。
 Elf(エルフ):画面クリック時の見返りを強化する。特に各種族が描かれた「Faction Coin」を獲得することに長けており、これを使用するアップグレードの購入や収益強化に早くから着手できる。
 Angel(エンジェル):マナの回復量を強化し、スペル(スキル)の使用に長ける。複数のスペルを同時展開し倍々計算による莫大な威力を叩き出す衝撃は他の種族ではなかなか味わえないものだ。
 Goblin(ゴブリン):基本スペルの「Tax Collection(税収)」や建物全般の収益をまんべんなく強化する。はじめはパッとしないが、ある程度ゲームが進むと建物の購入費を割り引くという貴重な能力が解放され・・・?
 Undead(アンデッド):アシスタント(疑似オートクリック)やオフライン時の収益を強化する。プレイヤー本人がゲームをプレイしていないほどプレイがはかどるという異色の種族だ。
 Demon(デーモン):トロフィー(実績)の獲得状況に応じて伝説の殿堂の収入を強化する。本作に上達するほど強大な力を発揮できる晩熟な種族である。
 また、ある程度の進行リセットを経験するとこれらの種族の特徴を組み合わせることのできるMercenary(傭兵)という種族が解放され、いよいよ好きな特徴を組み合わせて最大効果を目指す「ビルド」の楽しみが味わえるというわけだ。
 さらに古代種族や地底種族、各種族の秘められた特徴を引き出すResearch(調査)などビルドに関するシステムはまだまだあり、頭をひねって工夫を凝らす楽しみは長い間続くはずだ。
 ただ、本作の進行リセットはリセットと引き換えに収入倍率を引き上げるGemを獲得する「Abdicate(退位)」に加え、Gemすらも失って新たなシステムを開放する「Reincarnation(転生)」という上位の物が存在している。
 Mercenaryの解放にはこちらが必要というわけだが、こちらのリセットで持ち越せる要素はごく少ないうえ再度ゲーム序盤の展開を経験する必要が出てくるのがネック。
 ゲームが進めば進むほど同じ作業を反復する時間が長くなってくるため、飽きが来たと思ったらUndead種族にでも切り替えて休止を取ることも必要となるかもしれない。

 ブラウザ版が解放されている通り基本無料で、ビルドや実績の面でクリッカーの中でも遊び甲斐のある内容なのでクリッカーに興味があるのであれば一度プレイしてみてほしい。
 全編英語という難はあるが、日本語Wikiもあるので言語面での遊びづらさはそれほどないはずだ。




「Only If (オンリー・イフ)

開発Creability
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/298260/
公式ページなし
リリース日2014年07月26日
人気タグ「パズル」「ウォーキングシミュレーター」「超現実的」ほか
日本語サポートなし (英語堪能でなければ攻略不可

 目が覚めたらなんか鉄腕バーディーと目が合った。
 恐らく恋人の家にパーティーに招かれた「男」は気づかぬうちに昏倒し、彼女の父親に行動を監視され身を脅かされることとなった。
 豪奢な屋敷の中で次々と起こる超現実的な現象や「闇」に翻弄される男は、それぞれの場を切り抜ける知恵や観察力を振り絞ってゆくことになる。

 一人称視点のアドベンチャーゲームで、丁寧に作られた3D世界の美麗で超現実的なグラフィックが最大の魅力。
 繊細な調度品に飾られたオフィスや、紅葉まぶしい公園、ギリシャ風の石柱が浮遊する幻想空間に、スロットマシンが点在する暗闇と、ゲーム中の場面はすべからくSSに映える美しさを持つ。
 これらをプレイヤー自身の視点で参加するというゲームとしたからこその娯楽性があり、内容は「ウォーキングシミュレータ」というタグに集約される一本である。

 が、ゲームの視覚的なデザインを損なわないためか本作のUIは非常に貧弱、英語の音声が一度流れておしまいというものばかり。
 入力はキーボードを直接タイプするが画面への反映がなく手さぐりになるなど、英語圏の人間以外まるっきりお断りという不親切ぶりには頭痛が止まらない。
 アイテムを探して仕掛けを解くようなパズル要素も相応にあるものの、そもそも問題文が聞き取れないし正答を正しいスペルで打ち込まなければならないしという序盤の即死イベントなどは本作の難易度を象徴するような一幕だ。
 ゲームを完走するには欧米人のなんか変なテンションの プレイ動画も辞さずに望む必要があると思われるので、その辺が割り切れるかどうかを見てプレイされたい。
 鉄腕バーディーのインパクトで忘れていたが、グラフィックの水準に対して本作はフリーゲームである。




「The Long Dark (ザ・ロングダーク)

開発Hinterland Studio Inc.
Steamページhttps://store.steampowered.com/app/305620/
公式ページhttp://www.thelongdark.com/
リリース日2017年08月01日 (正式リリース日)
人気タグ「サバイバル」「雰囲気」「ポストアポカリプス」ほか
日本語サポート字幕あり

 FPSスタイルのサバイバル体験ゲーム。先日調理関連のアップデートに始まる様々な微調整が加えられてよりサバイバル感(リアリティと戦術性)が増し、それでいて今回のセールでは1000円以内の価格となっているので、夏には季節外れながら推しておきたい一本だ。
 ゲームの概要としては、肌着姿で電気文明の崩壊したカナダの大地に放り込まれて「あとは好きにやってろ」という素敵なもの。
 切りつけるような寒さ、五感を奪う深い闇、際限のない飢えや渇き、そして誰もそれらから助けてくれるものがないという孤独と絶望。
 このゲームでは「死」がすぐそばにあり、プレイヤーは絶えずその実感と恐怖にさらされ続けることとなる。
 だからこそ、今その瞬間に生きているということが無上の喜びとなってこのゲームをプレイする意欲を刺激してくれる。

 ゲームのシステムとしては「生命力」に加えて「体温」、「疲労」、「渇き」、「飢え」、のパラメータを維持する必要があり、時間経過で減少し探索を迫られる飢えや渇きと、屋外で探索を行うことで奪われてゆく体温との相性がゲームとしてうまく機能している。
 一応、オオカミやクロクマという凶暴化した野生動物も脅威となるのだが、このゲームにおいては自然そのものが最大の敵であるという認識を持っていたほうがいいだろう。
 屋外の環境は時間帯や天候の影響を受けて変化し、特に夜間の吹雪などは急激に体温を奪い、かがんだ足元すら目に映らず、いくら祈っても止む気配を見せない、容赦のない自然を見せてくれる。
 拠点がものの数メートル以内にあったとしても、それを見つけられないまま凍えてゆく絶望はこのゲームの象徴的な瞬間だろう。
 かといって屋内に逃げ込んでいても、飢えと渇きは容赦なく募ってゆく。
 生きてゆくには他の生物を糧にする必要があり、そのための危険を冒す必要があり、死の恐怖に向きあう覚悟を持つ必要があるのである。

 現在のゲームモードは遅かれ早かれの「死」以外に終わりのない「サバイバル」、一定の目標を設けて達成を目指す「チャレンジ」、物語を読み進める「ウィンターミュート」、の3つがあるが、個人的に先ず勧めるのはチャレンジの「放浪者」。
 ゲーム世界の様々な土地を旅して宿泊してゆくという目標を持ち、比較的難易度が低く設定されているので、土地勘を始めとする様々な知識を体で覚えながら最後には達成感も味わうことができる。
 特に、ゲーム最初の舞台「プレザント・バレー」からの脱出を目指し「カーター水力ダム」に到達したときの高揚感は忘れえない。
 一方で、「ウィンターミュート」モードは丁寧なチュートリアルとしての役割があるが難易度が低く、主人公以外の登場人物がおり、お使いに奔走することになる、と雑味が多いので要注意だ。
 時間をかけてじっくりと苦しみを楽しむゲームなので合う合わないははっきり出ると思うが、こと戦闘以外のサバイバル要素に意欲を覚える人ならば本作に関心を持ってほしい。




 毎週新たなゲームとの出会いがある「Steam」。
 まだまだ紹介し足り無い気もするが、今回はひとまずここまでとしたい。




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