サイトトップ/その他/「ロア」と書かれたメール


「ロア」と書かれたメール


 信じようと、信じまいと―

 このメールに、あなたの知るロアを一つ加えて、一人の人間に送れ。
 そして、この中のロアについては10までしか人に教えてはならない。
 もしこれを破れば、あなたの名前の載ったこのメールがそのうち回りだすことになる。
 私の名はロア。私が事実に打ち勝つ日まで―

 信じようと、信じまいと―


 先日、こんな書き出しから始まるチェーンメールが届いたのでこの場を借りて紹介したい。
 「ロア」というのが何を指すのかはよく分からないが、メールの続きには似たような文体のショートストーリーがいくつか書かれており、かつそれぞれがなかなか興味深い内容だったのでここに転載することとする。
 ただ、この文章の指示に従ってメールがやり取りされてきたのだとすればそれぞれのストーリーには「作者」が存在すると思われる。
 ご指摘が有れば直ちに該当の文章を削除させていただくが、まずはどうか無断で公開する非を許して欲しい。




--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

ベルギーの北部に「神隠しの森」と呼ばれている場所がある。そこへ行くと必ず誰かが消えてしまうと、
現地の人は怖がって近づこうとしない。日本人の大学生グループが遊びでそこに寄った時の事だ。
森に入り、出てくるとその5人は一応お互いに確認し、誰も消えていないと安心していたが、
帰国の際、宿で荷物をまとめると見知らぬ日本製のバッグが残ってしまった。一体誰の物だったのか?

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

フランスの貴族、オリオルのもとに9通のバースデーカードが送られた。
しかし、そのうち5通は配送中の事故により紛失。3通は宛先の間違いによって届かず、
最後の一通は、出したはずであるのにいつのまにか戻ってきていたという。
オリオルは誕生日の前日に死亡。その日を迎える事は無かった。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

フランスの南、カンブレの村にはきれいな水の出る井戸があった。
水量も豊富で、村の人間はそれを長年大変重宝にしていたのだが、
1862年、その水が急に出なくなったので、村人が井戸の底へと下って行くと、
水脈はおろか水脈があった形跡すらなく、ただ石の床があるのみ。彼らは何を汲んでいたのだろうか?

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

明治の終わりに、群馬県の山中にある村が伝染病で滅んだという記録が有る。
連絡を受けた医師が村を訪れた時にはもはや手遅れで、村は既に全滅していたらしい。
その後伝染病の調査として遺体を調べようとしたところ、奇妙な事実が一つ。
村の住人は一人残らず墓地に埋葬されていたという。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

スペインの漁師町で1970年頃、真っ赤なレインコートを着込んだ女が嵐の日に決まって現れたと言う。
その行動の突飛さから、町では彼女のことを知らない者は居なかったのだが、
その顔を見た者は誰一人として居なかった。ある嵐の日、漁師の一人がその女を見つけ、
危ないのでと注意しようと引き止めると、なんと中に体は無く、コートだけが地面に崩れたという。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

1983年8月頃、カナダのグレートベア湖に、南から見慣れぬ渡り鳥が渡って来た。
付近に住む野鳥学者は、研究のため一に部の鳥たちの足にプレートをつけて、また湖に還した。
鳥たちは冬になると南のほうへと姿を消し、翌年も戻ってくる事は無かった。だがその5年後に、
そこからその鳥によく似た化石が発見されると、その足には何かをくくりつけた跡があったという。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

日本国内の各地で見られるありふれた昆虫の一つにクマバチというものがいる。
ずんぐりとした体型に小さな翅をもち、性格も温厚という愛らしい生物である。
そんな彼らだがある研究の結果、現実にはありえない存在だとされてしまった。
航空力学上、「体と翅の比率からいってクマバチは飛行できるはずが無い」のだという。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

1808年、ベルギーの探検家がソンガイ王国の遺構から、不思議な小片を発見した。
その500年ほど前のものらしき歪な板状の物質は、質の悪い翡翠のように透明で、妙に軽いものだったという。
当時はパリ科学アカデミーすら解明し得なかったその板の素材が判明したのは、1963年のこと。
分析した結果、それは99.99%の確率で───「プラスチック」。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

ある農村近くの山の中に、蛙の様な顔をした小さな人間が居た。
山を訪れる人がいると、何処からか出てきて笑顔で茶色の丸い何かを手渡してくるという。
その日も青年が手渡されたが、何を思ったかそれを食べてしまった。
とても甘かったそうなのだが、青年は蛙のような潰れた低い声しか出なくなったという。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

2002年に起きたドイツのヤンセン夫妻の心中は、その奇妙さから他殺として捜査が続いている。
帰省した娘が夫妻の家を訪ねたところ、リビングで死亡している夫妻を発見し警察に通報。
夫妻は食卓に向かい合って座ったまま死亡しており、食事にはほとんど手がつけられておらず暖かかったという。
死因は銃で頭部を撃ち抜いたことによる即死。弾丸を調べたところ、お互いが相手の頭部を撃ち抜いたと判明した。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

18世紀後半のイギリスで非科学的なものを否定する学会があった。
彼らは、妖精や霊魂、交霊術などをすべて科学的に立証し、
そのたびに霊媒師や霊能力者を否定していった。
しかし驚くべきことは、彼らの学会は今現在もメンバーが変わっていない、ということである。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

10世紀のフランスで刺激に飽きた支配階級の貴族の間に、ある演奏が流行した。
「楽譜では表すことができない最高の贅沢」と言われたその曲を、今は誰も
耳にする事はできないが、興味本位で当時の演奏方法を調べた者は後悔するだろう。
最初の一行はこうだ。「―用意するものは安上がりである。奴隷を10人とよく切れるナイフ―」

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

1972年、山口県。交通事故に遭って23年間意識不明だった男が目を覚ました。
彼の話によると、彼は夢の中で60万年間生きており、
自分が人間だった頃の昔の話はほとんど忘れてしまっていたそうだ。
そして自分の寿命があと40〜50年ほどであることを聞かされて絶望していたという。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

アメリカ人医師ダンカン・マクドゥーガルによる、魂の重さの計測実験は有名である。
人間は死の間際に「21g」軽くなるのだ、という事だが、この実験は科学的には2つの理由から認められていない。
1つは死の瞬間の定義があいまいで、測定がいいかげんであったこと。
もう1つは、実験の実施回数が少なかったこと、である。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

たとえ廃線であったとしても、線路の上を歩いてはいけない。
酔いざましに線路の上を散歩していたという、ある男性はこう振り返った。
なんでも、線路の上を歩いていたら電車らしき音と光が接近、あわてて逃げようにも足がもつれてその場に転んでしまった。
あわや、という瞬間に電車は男性をすり抜け、床から突き出た生首に乗客たちがパニックになる様子が見えたと言う。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

彼は鏡台の上の棚にある箱を取ろうと右腕を伸ばした。
ふと鏡を見ると、そこに映った自分も右腕を上げていた。
一瞬その顔が「やばい」というような表情をした。
気が付くと鏡には左腕を上げた自分が映っていた。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

1980年、オーストリアのウィーン広場にあらゆる行動を「逆回し」する大道芸人が現れた。
まるでビデオを逆再生したかのような完璧なパフォーマンスに、
連日広場には人だかりが出来ていたが、ある日を境に彼は全く姿を見せなくなる。
誰もが彼の事を忘れていた数ヵ月後、同じくウィーン在住の女性が広場のベンチで身元不明の赤ん坊を発見した。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

とある丘の上に小さな神社がある。
山間の町なので雷が多く、狙ったようにご神木に落ちる。
雷に打たれご神木が燃えるたびに、新しいご神木を決める。
毎年のようにご神木が変わるのに、雷は狙ってご神木に落ちる。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

1995年、アメリカの海洋調査会社が深海の調査を行っていたところ、深さ6000mの
海底付近で無人カメラが潜水服を着て酸素ボンベを背負ったダイバーの
姿をとらえた。人間が耐えられるはずのない深度にいたその人物はカメラに
向かってピースサインをしたあと、深海の闇の中に消えていったという。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

1764年、フランスのカルパントラス村に後年「悪魔を瓶詰めにした男」と呼ばれた男が生まれた
名はベヌビギエといい、彼は降霊会に出席してから怪現象が起きるようになり、それをノミの姿を借りた悪魔のせいだと信じ、
牛の心臓に針を刺した上でたっぷりと睡眠薬をかけ、それにたかってコロリと眠るノミを瓶詰めにする事に終生を費やした
彼は死ぬまで悪魔の征服者であると信じていたが、そのみすぼらしい風体と狂気じみた発言は、周りの者には悪魔に敗北した者にしか見えなかった

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

2009年にアメリカのノースダコタ州で、珍妙な911通報が寄せられた。
一人暮らしの男性が「便座にはまって動けなくなった」と助けを求めてきたのである。
救急隊が駆け付けて便座を切断し事なきを得たものの、その後しばらくは地元の話題になったという。
この男性は携帯電話を持っていないことで知られていた。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

ヨセミテ国立公園には、ファントム・ロックと呼ばれる岩があるとされている。
というのは、そのファントム・ロック、現れたり消えたり、別の場所に出たりするからだ。
ツアーガイドは適当な岩をみつけては「これがファントム・ロックだ」と説明しているが、
実際、どの岩がファントム・ロックなのだか、誰も知らないのだという。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

20世紀の終わりごろ、アジアのとある島国の若者達に奇妙な現象が起こった。
一様に顔を黒く塗り、目の周りや唇を白く縁取りはじめたのだ。
彼らは街の端々で集い、常人には理解できない特有の言語でやりとりを行った。
あるときを境に奇妙な行動はやんだが、彼らはその時の自分の心境が理解できないと話している。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

ベオグラード近郊、サヴァ川に12世紀から架かっている大きな石橋がある。
NATOのユーゴ空爆の際には爆弾の直撃にも耐え、現在ではちょっとした観光名所となっているとか。
この石橋を世界遺産に登録すべく、学術的調査に乗り出したところ、意外な研究結果が得られた。
「設計に明らかな致命的ミスがあり、どう考えても架橋した瞬間に崩れ落ちる」

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

ユーカリの葉はかなり強い毒が含まれている。
そのため、それを赤子の頃から主食としているコアラどもは常に酩酊している。
いちど、研究者がコアラをユーカリ以外の食品で飼育したことがあった。
するとコアラは実にアグレッシブな動物に成長し、軽快なフットワークと電光のような動きで飼育係を翻弄したという。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

1945年、アメリカのコロラド州に住む農家ロイド・オルセンは夕食用に一羽の鶏の首をはねた。
間違いなく致命傷のはずが、その鶏は何事も無かったかのように歩き出し、普段通りのしぐさを始めたのだという。
後にこの鶏は「マイク」と名付けられ、その後餌をのどに詰まらせて死亡するまで18ヶ月間にわたり生存した。
現在では「首が無いまま最も長生きした鶏」としてギネス記録となっている。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと─

1995年、地球上から絶滅したノイチゴガエルは、「絶滅した理由がわからない」ことで知られている。
コスタリカの自然保護区である標高1500m前後の熱帯雨林に生息していたこのカエルは、1970年に発見されて
以降、手厚い保護の元1990年までは毎年2000匹を超える個体が観察されていたのに、91年以降突如として
一匹も発見されなくなり、その4年後に種の絶滅が確定した。彼らの身にいったい何が起こったのだろうか。

信じようと、信じまいと─


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

オーストラリアのロットネスト島に暮らしていた先住民族は、後から来たイギリス人らによって滅ぼされた。
文字を持たない彼らがどのような暮らしをし、どのような言葉を交わしていたのかは今となっては知る術がない。
しかし、近年の調査によってある興味深い発見がなされている。
近くの島に生息するインコ科の鳥達の鳴き声が、どこか人間の話し声に似ていると言うものである。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

江戸時代、高名な人形師がいた。
彼の作る人形は、精巧で、まるで人間のように動いたと言われている。
ところがある時、将軍に献上した人形が壊れていたため、人形師は斬首されてしまった。
切り落とされた人形師の首から、いくつかの歯車が出てきたらしい。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

1994年、ペルーのユゥマケ海岸で数十個もの卵の化石が見つかった。
どんな生き物の卵かは不明だが、どれも直径が一メートルを超える、とんでも
ない大きさであった。驚くことに、断面が示す卵の殻は非常に薄かった。
この卵がどうして自重で壊れなかったのか、その説明がつかないのだという。
信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

ある少年が、アルバムの中で赤子を抱いたとても美しい女性の写真を見つけた。
母親に聞くと、笑いながら「あなたのよく知っている人よ。この子もね」と答えた。
それから20年ちかくたったある日、アルバムを見てもその写真がない事に気付いた。
不思議に思ってふとそばにいる妻を見た時、全てを悟ってその場で写真を撮ったという。

信じようと、信じまいと―


--------------------------------------------------------------------------------
信じようと、信じまいと―

我々はロアを書いてもらっているのではない
いや、我々が自分の意思で書いているのでもない
この世に存在する無数のロアが突如頭に飛び込み
その存在を示すため我々は書かされているのである

信じようと、信じまいと―





 メールの内容は、以上である。





サイトトップ/その他/「ロア」と書かれたメール