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・不思議なナシード

 宗教的な話はいったん置いておいて、「Nasheed(ナシード)」である。
 基本的にコーラス、人の声の共鳴と打楽器の音だけで構成さるイスラム教の宗教歌だ。

 ・・・宗教に触れずに解説するのに無理があるので早くも宗教の話になるが、イスラム教はとかく娯楽というものに対して厳しい。
 偶像崇拝を禁じたため絵画や彫刻が制限されたことや、飲酒がコーランの中で明確に禁じられており調味料としても使えないこと、また豚肉を始めとする多数の食品がハラーム(穢れのようなもの)として避けられること、など枚挙にいとまがない。
 そして、それらと比べるとマイナーであると思うが楽器の演奏による音楽を暗に禁じていることもなかなか衝撃的だろう。

 ただそこは人間の性というべきか、禁じられ制約がある中でも育ってきた芸術や美術がある。
 幾何学的な図形を繰り返した文様や文字のレタリング、それらの要素を含む特徴的な建築物、そして楽器を用いない詩吟的な宗教歌「Nasheed(ナシード)」である。
 歌詞がアラーを讃えるものばかりで頭痛がしてくるのだが、幾重ものコーラスによって響いてくるその音色は独特な聴きごたえがあるのでこのページでおすすめの何曲かを紹介してみたい。




 

・fatat al khayr



 「fatat」が少女、「khayr」が良い、の意味らしいが詳しい歌詞は不明。ナシードである以上は宗教的な内容だと思うのだが、どうにも「アラー」や「ムハンマド」の単語が聞き取れない。
 何重にも聞こえてくる男声の響きに威圧感があるが、同時にそれぞれの音を聞き分けられるような透明感もある不思議な曲だ。




 

・Sallallahu Ala Muhammad



 「Sallallahu」が平和?の意味。「彼に安寧あれ」の一節らしいので「預言者ムハンマドに安寧あれ」とかそんな感じの意味合いだろう。たぶん。
 伝統的なナシードらしく、曲名で検索をかけると様々な歌い手のバージョンを見つけることができる。これは少人数で歌い上げたシンプルなバージョンだが聞き比べてみると面白いだろう。




 

・Caravanserai



 キャラバンは隊商、サライは宿舎、合わせて隊商宿の意味。こちらは英語で、少しだけ楽器も使われている聞きやすいナシードである。
 歌詞の意味は詳しく知らないほうが楽しく聞けると思うが、サビについてのWikipediaの参考リンクがこちら。
 Wikipedia:シャハーダ




 

・Qasaman Billah



 「Qasaman Billah」は「アラーに誓う」の意味らしい。歌詞も宗教的だが曲調はやたらとエモい一曲。ちょっと師匠も入っているかもしれない。




 

・Like The Strong Wind



 英題でのアップ、英語字幕付き。「それは疾き風のごとく走り」「それは煌めく炎のごとく爆ぜた」「それは決意した若者そのままに」「誇りを抱く鷹のごとく飛翔した」「我がキャラバンにようこそ」「我がキャラバンにようこそ」「我が英知のキャラバンに」。
 こちらも若者に向けた歌詞がエモい一曲。結局はアラーについての一節も入ってくるがキャッチーという表現がしっくりくる。




 

・Al Hajj



 ハッジは「巡礼」の意味。シンセサイザーで効果を加えるのは許容されるらしく、だいぶメロディアスな調子にまとめられた曲だ。
 珍しく女性の歌い手も参加しているというのも、今回紹介する中では異色の曲かもしれない。




 

・Murujaan



 申し訳ない事に「Murujaan」の意味は不明。人名のようだが、このアップロード者もその言葉の意味合いを良くわかっていないらしい。
 もっとも、歌詞の意味は分からなくとも(もしかしたら分からないからこそ)このコーラスに対する感動は英語圏の人とも同じように共有できるもののようだ。




 

・Al Qawlu Qawlu Sawarim



 最後に紹介するのは音圧がハンパ無い、緑のニコニコ動画の定番曲
 歌詞が素敵に中二病全開なのでニコニコ動画で字幕付きのものを探してみてほしいが、ホモか過激派かその両方が湧いているのでくれぐれも自己責任で視聴されたし。





 以上、極端にジハード(聖戦)を歌ったものがテロ組織によって作曲され広報に用いられてもいるが、穏やかに聞けるヒーリング的な曲も多いのでそれを中心に紹介した。
 複雑な事情から誤解されやすい分野だが、音楽の良さそのものは共感できると思うので好みの曲を楽しまれたい。




 

・バックナンバー

 ・不思議なナシード
 ・続・不思議なナシード





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