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FINAL FANTASYファイナルファンタジー 零式れいしき


プラットフォームプレイステーションポータブル
PC・PS4・XBOX One(HD版)
開発スクウェアエニックス
発売スクウェアエニックス
発売年月日2011年 10月(PSP)
2015年 03月(PS4・XBOX One)
2015年 05月(PC)
ジャンルロールプレイングゲーム(RPG)
プレイ人数1人〜???
セーブデータシステムデータ288kB、セーブファイル一つ544kB
インストールデータ(高速化用、任意)554MBor865MB(DISC1用)
インストールデータ(高速化用、任意)651MBor1242MB(DISC2用)


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
イビツ 描写不足 デザインにクセあり 声優陣が豪華 理不尽 「FABULA NOVA CRYSTALLIS」シリーズ





 ※※※今回のレビューはネタバラシを含みます※※※


・ゲーム概要

 言わずと知れた「FINAL FANTASY」シリーズに連なる一作。「零」という数字が付いてはいるがナンバリングタイトルでは無く外伝作の一つである。

 「零式」の開発に関しては方針が二転三転した経緯があり、はじめは2006年05月に「FF13」の外伝作として「ヴェルサスXIII(現FF15)」とともに「アギトXIII」という携帯電話アプリして発表されたものだった。
 「FF13」は「FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY XIII」という世界観を立ち上げて様々な方向からアプローチする連作という初期構想を持っており、本作はその中の一本としてスタートしたというわけだ。
 ところが2008年8月に「FINAL FANTASY 零式」と改題しPSP向けソフトに方針転換。
 改題の理由は「このタイトルを新たなシリーズの出発点にしたい」、「マルチプレイを特徴とした、新しいFF」、「東洋風の世界観」、などの言葉によって説明され、これに伴って共通する世界観は「FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY」として「XIII」を省く形に改められた。
 さてその後2011年08月には無料体験版「ナツビ」としてゲームシステムを試遊できる体験版をリリースした。
 この体験版はアクション性が強くマルチプレイを導入したゲームとして既存の「FF」から離れた驚きをもって迎えられたが、のちにゲームシステムへの批判を受けてブラッシュアップするために製品版の発売を延期、また無料体験版も「ゼロシキ」という修正したゲーム序盤をそのままプレイできるものに差し替えている。

 発売後はファミ通クロスレビューで39/40点という高評価国内97万本といった形で高く評価されたらしく、小説や漫画といったスピンオフや、本作の「はじまり」の世界を描いた外伝「ファイナルファンタジー アギト」というソシャゲのリリース、2015年にはHD版の発売もされるなど好調な商品展開を見せた。
 なお「ファイナルファンタジー アギト」の終了後は「FF零式ONLINE」の展開を計画していたようだが、こちらは現在(2020年5月)までこれといって音沙汰がないようだ。

 さて「HD版」においては「マルチプレイの廃止」や「難易度の選択」、「メンバーズ連携コンテンツの救済措置」など複数の変更点が取り入れられているため、本項の内容については「PSP」版に限ったものとして扱うこととする。


・私見

 ・・・とはいえ、先に結論を言うと、個人的には大っ嫌いなタイトルに数えている。
 ここまで好評なのが心底信じがたい
 体験版「ナツビ」で全員分の夏服を集める程度にプレイしたがこの時点で「コレジャナイ」、「キング強すぎ」、という感想を抱いて敬遠し、その後「ディアボロスが登場して自分で操作できるらしい」と聞きかじって触り始めたものの

 「時間経過」や「推奨レベル」といった言葉を失うような不条理なゲーム設計の数々に絶望、
 「謎の仮面の人物」が本当に謎の仮面の人物のまま終わるような、設定を物語に落とし込めていない乱雑なストーリーに落胆、
 「ゼロシキ」からの引継ぎ特典や「スクエニメンバーズ」との連動特典による無視できないプレイヤー格差に嫉妬、
 エミナ隊長の谷間を眺め倒すとかいうCERO:Cが危うくなるミニイベントに憤慨、
 とまぁどこをとっても不快感を覚えすにはいられない「歪」なゲームソフトという感想を抱いたためである。

 ディアボロスも即戦力とはならなかったし

 「ファイナルファンタジー」と言えば毎作世界観やバトルシステムを新たにしてRPGの新たな可能性を探るプログレッシヴ的シリーズだと思っているが、それでもシリーズ作品にはそれぞれの一貫したゲームデザインを感じることが多かった。
 「ミストドラゴン」や「デモンズウォール」、「ルビカンテ」とアクティブタイムバトルシステムを多様に活用していた「FF4」に、
 「レテ川でのパーティー分岐」に「幻獣防衛戦」、「仲間を集めて」に「ラスボスタワー」と全14人のパーティーメンバーを物語とゲームシステムの両面に落とし込んでいた「FF6」、
 「ゲームバランス?なにそれおいしいの?」状態であった「FF8」も、「ジャンクション」や「精製」を理解することでパーティーを強化できるという点は尖っていた。
 また、「FF8」に関してはボツ仕様になったとはいえ「その言葉が始まりだったの」や「撃てないんだッ!!」など周回プレイを意識した演出が各所にあったのも心憎い。
 ・・・まあ、当然シリーズに「魔石ボーナス」や「エクスカリバーII」、「最強の矛」など自己矛盾したコンテンツが無かったわけではないが。
 ところが「零式」の場合はどこを見ても自分でゲームの魅力として提示したところを自分で取り上げるような自己矛盾の塊、期待させては失望させるを繰り返す内容として映ったのだ。

 ・・・シリーズ経験者以外さっぱりわからない単語をまくしたてるのはいったん抑えるとして、では本作の「歪」な特徴の数々を具体的に説明してゆくとしよう。
 まずは、想像力を利かせやすいように本作の舞台「オリエンス」についてから始めよう。


・オリエンス

 物語の舞台「オリエンス」とは、神々が与えたもうた4つのクリスタルの恵みによって人類に急速な技術革新がもたらされた世界である。

 ここでいう「神々」とは「FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY」の神話観における「ブーニベルゼ神」、「パルス神」、「リンゼ神」、と伝えられておりPSP版のパッケージイラストもこれらを描いたものらしい・・・が、この神話観を具体的に、詳細に説明した公式動画がyoutubeにアップ後即削除されたらしく、もったいつけているにせよ後から変更する意図があったにせよその辺の理解をプレイヤーに提供する気はないようだ。
 こんな調子なので本作の黒幕の意図や正体が作中から知れなくなっており、対を成す「謎の仮面の人物」も最終章の顔見せだけでホントに謎の仮面の人物のまま物語が閉じられることとなる。
 プレイヤーの想像力にゆだねるなんて甘えどころじゃない投げっぱなしジャーマンである
 考察の余地や物語の余韻、裏設定といったものすべてを否定する気はないが、この情報不足では一つの創作物として完成未満ではあるまいか。FFブランドや連作としての展開に甘えすぎてはいまいか。

 ・・・まぁとりあえず「『黒幕』が必要としたのでクリスタルを基として世界を作った」とでも把握しておけば混乱はしないだろう。

 「4つのクリスタル」はそれぞれ異なる力を司っており、人々はそれぞれのクリスタルに集って「ペリシティリウム」という共同体を築いた。
 一つは「朱雀クリスタル」。「魔法」の力を司り、魔法や異世界から召喚される「軍神」を研究する「魔導院」および「朱雀領ルブルム」を設立した。
 一つは「白虎クリスタル」。「機械」の力を司り、強力なエネルギー源となって「魔導アーマー」を武力とする「ミリテス皇国」の礎となった。
 一つは「蒼龍クリスタル」。「龍」の力を司り、「龍」と意思疎通できる力を通して「モンスター」を従えた「コンコルディア王国」を興した。
 一つは「玄武クリスタル」。「強化」の力を司り、クリスタルの力によって屈強に変質した肉体や「武具」に固められた「ロリカ同盟」を構えた。

 そしてクリスタルと共にこんな一節も伝えられている。
 「そして、9と9が9を迎える時、根源たる意志、世界に【フィニス】を与えん
 世界の名は【オリエンス】。それは螺旋の内を巡る【アギト】待つ世界……

 この一節はオリエンスで様々に解釈されているものの、漠然と「フィニス」は世界の終りで、滅びから世界を救う救世主足りうる者が「アギト」である・・・といった認識を持たれているようだ。

 繰り返しになるが、「9と9が9を迎える時」がいつで「アギト」が具体的に何なのかは説明されないので物語の結末を見て流されるほかない

 またこの世界では、
 ・クリスタルの力によって、「死者が出た場合、その人物に関するすべての記憶が抹消される(記録だけが残る)」という機構が働いている
 ・各クリスタルには「ルシ」という、クリスタルの下僕として永遠の命と超常の力を与えられた存在がある
 ・この世界の生物には「ファントマ」という物質?が宿っており生命力の根源を成しているが、一部の者を除いて存在さえ知られていない
 ・各国はそれぞれ「アギト」を排出することを目標としており、主人公らの属する朱雀領ルブルムでは「アギト候補生」を育成する寄宿制学校「魔導院」を運営している
 という説明も重要だろう。
 サブイベントやNPCの会話で垣間見ることもできるが、世界観としては「常識」であり狂言回しのような存在もいないのでこれらの設定の登場は唐突だ。
 このへん単に他人への説明がへたくそなんだと思う。

 さておいて、今オリエンスは戦乱の時代を迎えようとしている。
 皇帝の失踪を機にミリテス皇国の実権を握ったシド・オールスタインが朱雀領ルブルムに宣戦布告、多数の空中戦艦を率いて魔導院に奇襲攻撃を仕掛けたのである。
 魔導院は魔法を主戦力とする朱雀軍によってこれに応戦、才覚あるものの殉死によって呼び出される軍神「バハムート」の活躍によって一時はこれを押し返した。
 が、ミリテス皇国はルシ「クンミ」によって実用化された秘密兵器「クリスタルジャマー」を展開。
 クリスタルの働きを阻害することで朱雀軍の主戦力である魔法と軍神を無力化し、この戦いの勝敗を決定づけたのである。

 しかし、そんな局面においてなお戦線の後方で一つの剣閃が響いた。
 9と9が9を迎えし時
 識なる底 脈動せし
 そして始まりの封が切れし時
 雷のごとき声音が響かん
 我ら来たれり

 クリスタルジャマーの影響下にあってなお魔法を使うことのできる12人のアギト候補生、「0組(クラスゼロ)」である。
 完全に虚をつく形となった0組の反撃によってクンミ含むミリテス皇国軍は撤退、今ここにオリエンスの覇権を争う大戦の口火が切られたのであった。
 また、同時期にロリカ同盟にミリテス皇国の大量破壊兵器「アルテマ弾」が投下されて壊滅した。

 ・・・は?(゚Д゚;)

 ここまではチュートリアルに当たる「第一章」、まあ1時間もないような内容だが早速四大国の一つが滅びた
 以降物語では残党と呼べるようなものは一人程度、ほかにロリカ同盟出身者が故郷の壊滅を憂うイベントがあるくらいで完全に出オチと化している
 その一人というのも「ギルガメッシュ・アッシュル」という人物。
 ・・・「FF5」の好敵手「ギルガメッシュ」をモチーフにした、半ばお祭り出演のようなキャラクターである。
 ぶっちゃけると好きに暴れているだけなのでストーリー上いなくても全く問題ない

 ・・・そう、一見軍記ものの体裁をとっており章仕立てで物語が進む本作だが、章の半分くらいは地形が変わるレベルの超兵器で一発逆転!というあまりに乱暴な展開となっているのだ。
 兵器開発が進みすぎた近未来の戦争はこうなってしまうという警鐘・・・と言うにも無理を感じる、稚拙な展開である。
 あんまりすぎて涙が出る

 さて12人、さらに「マキナとレム」という2人が加わった14人の主人公で物語が展開されるわけだが、
 「FF6」とも違って最初から12人もいるうえ自己紹介の一切がないので人となりを掴むのすら一苦労である
 説明書やら公式サイトやらで予習してから始めろとでもいうのか、ここも説明不足が否めず主人公に感情移入しづらい見せ方だ。
 アクションRPGである本作においてはそれぞれで戦闘スタイルが異なり使い分けの楽しさや攻略の自由度を押し出している「べき」だが、それを含めて紹介するためにはまず基本の戦闘システムから見てゆく必要があるだろう。


・戦闘システム

 アクションRPGである本作はプレイヤーキャラクター1人と、同行するメンバー2人までの最大3人で戦闘を行ってゆく。
 プレイヤーは自身のキャラクターを背後からの視点で操作し、敵に攻撃を繰り出したり、敵の攻撃を回避したりして敵を倒してゆくこととなる。
 同行するメンバーについてはAIに沿って自律して行動するほか、いつでもメンバー切り替えによってプレイヤーキャラクターを切り替えることができる。
 ただ、この際はプレイヤーの位置はそのまま瞬間移動によってキャラクターだけが入れ替わるため留意が必要だ。

 アクションの選択肢としては通常攻撃のほか「アビリティ」か「攻撃魔法」を2つまで選択することができ、また回復魔法を含む防御アクションと、構成を問わず回避を使うことができる。
 視点操作としては十字キーで自由に回転できるほかロックオン機能に対応しており、またキャラクターを問わず回避アクションが優秀な事から操作はいたって快適だ。
 タイミングを合わせれば大概の攻撃は回避することができ、また回避しても敵を捉え続け即座に反撃が可能、この二つはアクションの基盤として申し分ない。

 そして、本作では「キルサイト」という目を引くシステムがある。
 これは敵の攻撃準備や大振りな攻撃の後といった隙においてロックオンカーソルが赤、あるいは黄色のものに変形し、このタイミングで攻撃を当てると敵を即死ないし最大HP依存の大ダメージを与えられるというもの
 ただし同モーションに対しキルサイトが出る以前に攻撃を当ててしまうとキルサイトが発生しなくなるため、闇雲に攻撃してはかえってキルサイトを狙うことが出来ない。
 キルサイトではあくまで敵の挙動を見切った正確な一撃が求められるのである。
 なお正確に言うと黄色で割合ダメージのものは「ブレイクサイト」という名称になり、ボス戦では大ダウン時にこれが出続けてHPをごっそり持っていけるという痛快さにつながるのだが以下では簡略化のため「キルサイト」に統一して説明する。

 「キルサイト」が出るのはそれでなくとも攻撃のチャンスと言えるタイミングであり、ここでのリターンを強調したのは大胆ながら秀逸な着想であると思う。
 つまりキルサイトに成功すると言うことはすでに敵の動きを「攻略した」と言うことであり、アクションとしては本来その後同じ工程を繰り返す作業になりがちということとなる。
 それをキルサイトによってバッサリと切り捨てることは、アクション面のリスクリターンを高く評価して達成感や爽快感を刺激し、時短にもつながる実に理に適ったシステムであったわけだ。
 RPG要素があってキャラクターのLv以上の強敵に挑むこともできる本作、アクションの腕前によってはこの不利を覆して強敵を打倒できるというのも痛快でたまらないだろう。

 まあ・・・ロックオンしたまま閉所に入るとカメラがとんでもない動きをしてゲームにならないこと(コナミカメラ案件か)に加え、「強敵」の度合いが適度なら、という但し書きを付けたいところだが。
 逆に本作の防御面を見ると防御力やHPの恩恵が薄く、敵と同LvであってもワンミスでHPの半分を持っていかれることがしばしばある。
 単純にダメージバランスが厳しい・・・のももちろんだが中には「コロッサス」のパンチや「ヨクリュウ」の飛びつき攻撃など、最大HP依存の割合ダメージとしていくらHPや防御力を上げていてもきっかり5〜6割のHPを持って行くというものもある。
 「はどうほう」や「ブレイズ」などFFではよくある攻撃だが、操作キャラクターが限定される本作では特に大打撃と感じやすい。
 (なお、本作には「怒り」という様々なバフがかかる敵専用のステータス異常があり、効果の一つに与ダメージ2倍というものがあるのでHPの10〜12割、早い話ワンパン即死となることもある)

 ある程度ゲームを進めると「○○防御○%」という特定の属性(打撃も細分化された属性扱い)に耐性を得る装備が出て対策を取れるようになるが、こと装備の整わない序盤ほどアクションの腕で何とかするしかないだろう。
 なお基本の回復アイテムである「ポーション」はHP50%回復と効果が大きく安価で99個まで持ち込み可能なのだが、使用時に硬直があるので安全を確保してから使うよう注意したい。

 そして、ちらりと出したが「敵のLv」の概念が無視できない悪影響を与えている。
 ゲーム全体にわたって同じ敵が登場し、Lvが上がるほど基本ステータスが上がる・・・のはまあいいのだが、本作は彼我のLv差によって与・被ダメージに倍率がかかる「レベル補正」を採用しており、しかもその影響が非常に大きいのである。
 具体例としてLv31・炎魔力100のキャラクターが晴天下でLv21のエレキプリンに「ファイアRF(威力Lv10、初期数値)」を当てた時の威力は「1400〜1600」ほど。
 ところがLv23の個体では「1100〜1200」程度とガクッと下がり、Lv27では「650」前後、Lv31では「450」ほど、Lv41ともなれば「150」ほどにしかならないのだ。
 一方、Lv41のキャラで同条件(炎魔力100)の実験をするとLv21に対して「4200〜4500」ほど、Lv23で「3700〜3900」ほど、Lv27で「2600」ほど、Lv31で「1500」ほど、Lv41でようやく「450」ほど、といった結果となる。
 ダメージにブレ幅があるうえ目的のLvの個体との遭遇が手間だったため十分平均をとって比較できたわけではないが、大雑把に言えば「10Lv差が付くとダメージが約3倍違う」といった補正が働いていると言える。
 ドンブリ勘定が過ぎる気もするが、以下「約3倍」とする。

 なお、Lv31のキャラの炎魔力を180まで上げて同様の実験をしたところLv21に「4800〜5200」ほど、Lv23に「3600〜4000」ほど、Lv27に「2100〜2300」ほど、Lv31に「1400〜1500」ほど、Lv41に「450」ほど、という結果であった。
 おおよそ同水準の数値となり、10Lvの差を埋めるには素のステータスをこれだけ盛る必要がある・・・という形で本作のレベリングの重要度を確認できたように思う。
 なお本作は魔力をブーストするアクセサリが豊富・・・というかわりとぶっ壊れがあり、プレイ時間100時間到達までの報酬で2枠使って+78できる
 ただ、手元のデータでは初クリア時のプレイ時間が60時間程度だったのでおとなしくレベリングしたほうが現実的なのは言うまでもないか。

 さておいて、「与・被ダメージ」である。
 例えば10Lv上の敵からもらう攻撃は、Lvが高い分のステータス差に加えて約3倍痛い(即死上等)と言えるし、(キルサイトを除いて)10Lv上の敵に与えるべきダメージは、Lvが高い分のHPの量をさらに約3倍減らすつもりで当たらなければならないと言える。

 キッツい
 先のとおり回避が優秀で「キルサイト」システムがあるのだから基本としてアクションの腕で何とかできなくもないのだが、何かカスれば致命傷という状況で2体以上を相手にしスキを的確に攻撃する難易度はあえて語るまでもない。
 さらに本作の世界観を思い出せば、本作の基本的な敵となる「ミリテス皇国」は機械が発展した勢力。
 敵は突撃銃を撃ちながら接近してきたり遠距離からロケットランチャーをぶっぱなしてきたりするので視界の外から波状攻撃でゴリゴリ削られるようなことが珍しくない
 理屈の上では何とかなるにしても、本作はこの「レベル補正」のせいで十分なレベリングは必須、さもなくばHPや攻撃力が死にステータスになるようなバランスである、と言える。

 また、格下相手について考えてみると元々楽勝の相手にさらにダメージ倍率が乗ってしまい難易度の低下が著しい。
 被ダメージだけはそんなに下がらないらしいが、ボス戦であってもキルサイトを狙うと言うこともなく真正面から瞬殺できてしまうのは爽快と言うべきか拍子抜けと言うべきか怪しいところだろう。
 この場合あえて与ダメージを下げるようなアイテムもなく、逆の意味で攻撃力が死にステになってしまうと言える。

 ほかにレベルアップごとにアビリティの習得に必要な「AP」を獲得してキャラクターの個性を特化できる・・・という楽しみはあるのだが、ステータスは多少変動したところで補正の倍率の前に誤差に同じ、装備を切り替えても同様、適正な戦力を確保する手段はほぼ「Lv」の数値そのものを合わせるのみに限られてしまう。
 「レベル補正」によってキャラクターを育成する面白みは損なわれ、RPGとしてはレベルの要素がノルマや足切りとして、アクションとしては適切な難易度でプレイする機会を奪うものとして、まるでゲームを破壊するようにしか働いていないと言えるのではないだろうか。
 詳細は後に回すが、このうえで本作は冒険の舞台である「ミッション」に挑戦する前に「推奨レベル」が提示され、不足している場合は期限までにレベリングしろと促されるというかなり胃に痛い設計もある始末である。

 では、レベル補正の話も落ち着いてきたところで次に本作の操作キャラクター14人を・・・。
 個別にLvを持つ14人を見てゆくことにしよう


・キャラクター

 とはいえ、同時にストーリー上の重要人物も紹介しておきたい。

 ・イザナ・クナギリ (CV:藤原 啓治)
 物語の冒頭で0組に軍司令部との連絡手段を託し事切れた兵士。
 しかし、クリスタルの設定からエースらにとって彼の死は「ただの兵士A」としてすら記憶に残っていない。
 (と言ってもその場でそういう描写は無いので後で解説されなければわからない
 その素性はマキナの兄にしてエースの友人であり、彼の死が物語にある亀裂をもたらすことになる。

 ・「0組(クラス・ゼロ)」
 魔導院の魔法局局長「アレシア」が孤児を集めて英才教育を施した「アギト候補生」の精鋭集団。
 能力や人格には大いにバラつきがあるが一様にアレシアを「マザー」として慕い、その決定には全幅の信頼を寄せている。
 「クリスタルジャマーの影響を受けない」や「ファントマを回収して魔法を強化できる」、「死亡してもアレシアの手によって蘇生される」といった非常識な特質を持ち、ミリテス皇国との戦争においては「魔人部隊」の通称で恐れられることとなるが、その性質ゆえにルブルム内でも異端の存在であり快く思わない者たちも多い。
 物語においては運命共同体としてほぼ一緒くたに行動し、個人単位でのエピソードが乏しい感がある。正直人数を持て余しているのでは

 ・エース (CV:梶 裕貴)
 0組の一人で「カード」を武器とするキャラクター。
 「迷子の足音消えた…」に始まる子守唄(本作のテーマソング「ゼロ」)を口ずさむクセがあり0組の中でも特にマザーに対する愛着が強い。
 通常攻撃では敵を緩やかに追尾するカードを投擲する。弾速が遅く弧を描いて飛ぶので着弾までラグがあり、至近距離と中距離以外では命中性に劣る。
 アビリティでは「デッキ」から手札としてカードを引き、その色の組み合わせによって「ストップ」や「MP回復」など特殊な効果を発揮する事ができる。
 応用範囲が広く燃費に長けたキャラクターではあるのだがかなり特殊性が強く、なぜよりによって「第一章」で操作するキャラクターがこの性能なのか頭を抱えるところである。

 ・デュース (CV:花澤 香菜)
 0組の一人で「笛」を武器とするキャラクター。
 物腰は柔和だが意地を通すべきところでは意地を通す芯の強さもある人物。要するに普通の子。
 通常攻撃では演奏によって周囲を旋回しつつ敵を追尾する「音塊」を出現させ、これが敵に接触することでダメージを与えるという仕組み。獣使いポジ?
 演奏中も歩くことができるほか演奏を止めてもしばらく音塊が残るので、回避と攻撃を両立させやすくアクション難易度の易しいキャラクターである。
 アビリティでもパーティーの攻撃力・防御力を上げる「コンチェルト」など仲間を補助する能力が多く、プレイスタイルを問わず育成しておくと何かと重宝するだろう。
 なお、この音塊は本作では珍しく一切の属性を持っていない攻撃の一つ。このため耐性で軽減されず誰にでも安定したダメージを与えられるというメリットがある。

 ・トレイ (CV:中村 悠一)
 0組の一人で「弓」を武器とするキャラクター。
 頭でっかちで何かにつけて知識を披露したがるところがあるが、基本として相手にされないコメディリリーフ的な面も。
 通常攻撃は弓による射撃攻撃で、攻撃ボタンを長押しすることで威力を高められる特徴がある。
 構えておけば遠距離まで素早く攻撃を当てることができ、単純な威力に加えキルサイトを狙うことにも適した攻撃力に優れたキャラクターである。
 またケイト、キングとともに「スナイプモード」というアビリティを持ち、主観視点に切り替えて敵の頭部などの弱点を狙撃すると問答無用でキルサイトと同様の効果を挙げることができる
 (この際矢の落下を考慮する必要はなく、設定上400mは直線的に飛翔する 設定上4000mは直線的に飛翔するらしい。アレシアの加護のたまものである。)

 なお、本作には「ウォール」の魔法が「敵の射撃攻撃のみを遮る障害物を生成する魔法」として登場しているのだが・・・。
 皇国の兵士が射撃攻撃を頻繁に使ってくるのは先述の通り、これは優れた防御魔法となる(ムービー内でモブ兵士にも積極的に使われている)一方で近接キャラには基本的にウォール越しに届く攻撃などあろうはずもない(実際はアビリティによるが)。
 攻撃魔法を別途装備して遠距離攻撃を補えるとはいえ二重にMPを消費するのは負担が大きく、結果この魔法を活用できるのは遠距離攻撃を持つ3人+αくらいとなり、ここからさらにスナイプモードでコンスタントにキルサイトを決められる3人は選択上かなりの優位を発揮すると言える。

 ・ケイト (CV:茅原 実里)
 0組の一人で「魔装銃」を武器とするキャラクター。
 活発で前向き、少し勝気な普通の子。比較的感情移入しやすいほか物語中盤から「デジャヴ」に悩まされてゆくという、重要な伏線を担う。
 通常攻撃は銃による射撃攻撃だが挙動が特殊で、ボタン連打で連射できるほか攻撃の手を止めている間威力を「チャージ」して弾が巨大かつ低速になってゆくという特徴がある。
 また「キャンセル」というシステムを持ち攻撃と回避を相互に中断して行動を切り替えることができる。
 このため操作のレスポンスが突出しており「スナイプモード」含めたアビリティの使い勝手も良好、ゲーム慣れしていると使っていて楽しく強力なキャラクターとなるだろう。

 ・シンク (CV:豊崎 愛生)
 0組の一人で「メイス」を武器とするキャラクター。
 天然気質でマイペース、とても人を殺せる子には見えないがとくに抵抗はないらしく精神的に幼い。
 通常攻撃は重そうにメイスを振るうというもの。致命的に出が遅いうえリーチや攻撃範囲も物足りないが威力だけは突出している。
 ・・・キルサイトシステムがあるので大半の状況でメリットが死んでいる、どころかキルサイトを狙いづらい分火力にも劣りうる
 レベル補正さえなければまだ・・・と思う。キャラクターの基本アクションが致命的なまでにゲームデザインと噛み合っていない

 また、本作はやたらと「空を飛ぶ敵」が多い。
 ザコエネミーからしてシリーズ恒例の「ボム(浮遊する火の玉)」と「イビルアイ(飛行する目玉)」が随所に登場し、中型以上でも「ヨクリュウ(射撃攻撃持ち)」や「ヘルダイバー(射撃攻撃持ち)」など撃破必須のエネミーが空を飛び回っている。

 だから攻撃が届かねーんだって!!(#゚Д゚)
 誰でも装備できる「攻撃魔法」で補うべきだと言える・・・が、ボムにファイアが御法度なのは言うまでもなく、皇国の魔導アーマーにしても「魔法障壁(魔法無効)」なんてずっるい特殊状態になることがある
 近接キャラにこだわっているとゲーム進行が困難になるので、本作をプレイするうえでは一人以上の射撃キャラを起用することを強く推奨する
 (この点、キャラクター(武器)選択の自由度においては同種のアクションRPGの中で目立って劣ると考えている)

 一応、近接キャラには通常攻撃に「スタン値」があるというメリットがあり、ある程度攻撃を加えていると相手が「スタン」して無防備になり強制的にキルサイトが発生するというシステムがある。
 (まあケイトとキングにもスタン技はあるけど
 シンクの場合は攻撃アビリティ「アースクエイク」と「アースインパルス」のスタン値が尋常でなく高く攻撃範囲にも優れているので、この一芸に期待してAIに操作させる分には十分活躍できることだろう。

 ・サイス (CV:沢城 みゆき)
 0組の一人で「大鎌」を武器とするキャラクター。
 やたらと好戦的な性格で発言にも容赦がないが、短慮というわけではなく時代によってそう振舞わざるを得ない現実主義者。
 通常攻撃は大振りで出が遅いが範囲が広く、アナログパッドと入力することで移動しながら攻撃を繰り出せる。
 このため攻撃と離脱や接近を同時に行うことができ、対集団での戦闘能力が高い
 ・・・はずだがキルサイトは仕様上ロックオン中の一人にしか効果が無く、基本の攻撃力も他のキャラクターと比べて頭一つ低いため力不足が否めない。
 低い攻撃力は敵を撃破するごとに溜まる「怨念」によって上昇し補われるが、一方でダメージを受けて怯むと失われるうえ取り巻きのいないボス戦などでは失った攻撃力を取り戻すすべもない。
 キルサイト狙いにも適さずアビリティも全体的に出が遅くて扱いづらい、デメリットだけが重くのしかかる不遇なキャラクターである。動きの見栄えは良いのだが・・・。

 ・セブン (CV:青木 まゆこ)
 0組の一人で「ウィップ」を武器とするキャラクター。
 口数が少なく一歩引いた視点から物事を見渡すまとめ役。また頼まれると嫌とは言えない押しに弱い面がある。
 「ウィップ」という名だが実物は蛇腹剣。片手剣のモーションで伸縮自在の範囲攻撃を繰り出すことができる扱いやすいキャラクターである。
 アビリティにおいても、一枠で3種の属性攻撃を繰り出せ威力も高い「エレメントウィップ」、空間を無視して相手の頭上から攻撃を繰り出す「ヘッドストライク」、など粒ぞろい。
 近接キャラながら空中や遠距離の相手に対抗できる手段を持つので、どこへ行ってもそこそこ活躍できるオールラウンダーとして薦めやすい。

 ・エイト (CV:入野 自由)
 0組の一人で「拳」を武器とするキャラクター。
 学業成績は無難止まりのようだが洞察力に優れ、他のキャラクターが状況に戸惑う中でも推理や打開策を提示する事ができる頭脳派。
 通常攻撃は格闘攻撃としてリーチが最低で威力にも劣る。
 が、移動速度や攻撃動作が素早くキルサイトを狙うのにも適しているため火力面での不安はほぼ無く、リーチに関しても「型」という攻撃アビリティによって飛び道具や突進技を繰り出すことで補える。
 また防御面ではボタンを押している間ノーモーションで起動し任意に30秒間まで無敵になれる「夢幻闘舞」とかいうチート技を持つのでぶっちぎりナンバーワンである。
 やや操作難易度がありAIに任せられないほか「型」と「夢幻闘舞」をセットしたら空中の相手にお手上げと言うことになるが、格上相手に対する切り札として強力なキャラクターである。

 ・ナイン (CV:小野 大輔)
 0組の一人で「槍」を武器とするキャラクター。
 学業成績はぶっちぎりのワーストで態度も不良そのものだが、対抗心が強く授業でも一歩も引かずに回答していく「堂々たるバカ」。
 槍持ちと言うことで挙動がコンパクトかつリーチも長けた部類。キルサイトは比較的狙いやすいが素の攻撃力は可もなく不可もなくという程度。
 「竜騎士」たる「ジャンプ(ハイジャンプ)」を習得し回避を兼ねた強力な範囲攻撃を繰り出せるほか、「スローランサー」という槍投げによる遠距離攻撃も持つ・・・がどちらも出の遅さに難がある。
 また範囲内の味方を無敵にしてHPも回復させる「セーフティーガード」という強力な防御技も持つ「ナイト」の側面もある。
 ただし「セーフティーガード」中は身動きが取れずAIとの連携は困難。一長一短ありマルチプレイで光るキャラクターなのだろう。

 ・ジャック (CV:鈴村 健一)
 0組の一人で「刀」を武器とするキャラクター。
 おきらくもので物事を深く考えないタイプ。ただし深く考えないゆえにさらりと物事の核心を突く発言をすることもある。
 通常攻撃はそこそこ出が早く攻撃力もシンクと比較できる水準だが、攻撃後のスキが大きく反撃をもらいやすいうえ武器を構えている間の移動速度が極端に低く操作にクセがある。
 シンクと同様、システムとキャラのコンセプトが噛み合っていないうえ空中の相手にも極端に弱い不遇キャラクター
 アビリティでは相手の攻撃に合わせて使用することで無敵時間を獲得しつつ反撃する「見切り」やさらに強制的にキルサイト状態にして周囲一帯をぶった切る「明鏡止水(含強化スキル)」が強力なものの、見切りの反撃はキルサイト発生のタイミングと噛み合っていないことも多く、明鏡止水は習得の遅さや攻撃後のスキの大きさが使い勝手を落としている。
 またAIに使わせると武器構え中の極端に低い移動速度から何もできないと言うことになりがちで、トータルではシンクより持て余しやすいかもしれない。

 ・クイーン (CV:小清水 亜美)
 0組の一人で「剣」を武器とするキャラクター。
 優等生でどんな時も理知的に物事を見るよう努めている。とはいえエース、トレイ、エイト、と揃った頭脳派の中ではキレると怖いという点ばかり強調されている感が。
 通常攻撃はフェンシングのように突きを中心として行いリーチに特に優れるほか、前後への移動攻撃も習得し間合いの調整を得意とする。
 「ダッシュ」という瞬間的に間合いを詰めるアビリティを習得するためキルサイト狙いで使いやすいほか、高Lv(ほぼクリア後)になれば防御技「リフレクトガード」も習得でき攻守にスキが無くなる。
 また雷魔力の高さやHPを削ってMPを回復させる「エナジーシェア」を習得することから魔法使いとしての運用もできるオールラウンダーである。
 クリア後にはまたちょっとした特典アクセサリもあり、初心者に勧めるとしたら頭の方で名前が挙がるだろう。

 ・キング (CV:杉田 智和)
 0組の一人で「2丁拳銃」を武器とするキャラクター。
 口数が少ない不言実行タイプだが仲間意識が強く心の内を察した行動をとることができる一面も。
 通常攻撃は出の早い二連射。着弾にラグがあるが遠距離まで素早く攻撃できキルサイト狙いに長ける。
 反面装弾数の概念があり適度にリロードを挟まねばならないが、弾を消費せずに素早く繰り出せる近接攻撃「キック攻撃」も強力で、また射撃しながら移動できるため位置取り性能が非常に高い。
 攻撃アビリティでは自在にディレイをかけられる高威力範囲攻撃「マガジンボム」が強力なほか「スナイプモード」も要所で特効となり、無敵 反撃技「クイックドロウ」も備えている。
 防御力や各種魔力が低くステータス上では不遇だが、実際の性能はリロード以外に死角のない極めて強力なキャラクターである。(ちょっと露骨に優遇されてない?)

 ・マキナ・クナギリ (CV:神谷 浩史)
 第一章ののちに0組に編入される候補生で「レイピア」を武器とするキャラクター。
 本来は人当たりの良い優等生だがある理由で身寄りを亡くした暗い過去を持ち、作中序盤でイザナの存在を失ったことを知ってから人間不信に陥ってしまう。
 レイピア・・・という名だが実際は両手に持った2本のドリル。
 攻撃モーションが派手だが出が早く使い勝手は悪くない。アビリティもモーションのシンプルな「スタンブレイド」や一定時間自身の周囲に攻撃判定を発生させる「ソードフィールド」が優秀。
 ただ、ストーリー上頻繁に離脱するので育成は優先しなくてよい。

 ・レム・トキミヤ (CV:白石 涼子)
 第一章ののちに0組に編入される候補生で「ダガー」を武器とするキャラクター。
 表面上は朗らかにふるまっているが、その実不治の病に侵されていることを知りいくばもない余命を候補生として朱雀にささげることを決心している。
 通常攻撃は余計なモーションが多く性能が低い。
 しかしアビリティゲージをMPに変換する「コンバート」やパーティー全体をリレイズ状態にする「死なないで」による特質性が群を抜いており、MPや各種魔力も0組メンバーを圧倒した高数値を誇る。
 「ガ系魔法キャンセル(詳細は後述)」を習得できるタイミングも早く、魔法を重視するプレイスタイルであれば間違いなしのスタメンだろう。
 やはりストーリー上の都合で離脱したり魔法が使えなくなったりすることがあるがマキナほど影響のある物でもなく、優先的に育成して問題ない。

 ・アレシア (CV:田中 敦子)
 魔導院の魔法局局長。
 要職に在りながら規則を軽視し破天荒な振る舞いを繰り返す人物であり、素性が知れないこともあって彼女を快く思わないものも多い。
 0組の「マザー」であり彼らの様々な特質性の源でもあるが、どのようにしてそれを可能としているのか、何を目的に0組を教育してきたのか、多くの謎を持つ存在である。

 ・カリヤ院長 (CV:家弓 家正)
 魔導院及び朱雀領ルブルムの最高責任者。
 アレシアの正体を知る唯一の人物であり、「クリスタルの意思」としてこの先に起きるすべての物事を知っているらしいが・・・。

 ・軍令部長 (CV:内海 賢二)
 魔導院の関係者ではないが朱雀軍の統括者として議会に加わる人物。
 士官候補生から着々と昇進して来た経歴を持ち朱雀軍のすべてを知るとも言われる。
 それゆえにアレシアに対する不信感は特に強く、軍を差し置いて評価される0組に対しても様々な因縁を付けている・・・のだがその様は0組以外の候補生から呆れられ適性を疑問視されている始末である。
 不遇だと思われたのかスピンオフではだいぶ見せ場が増やされているらしい。

 ・クラサメ隊長 (CV:櫻井 孝宏)
 アレシアによって0組の指揮隊長として抜擢された人物。
 「氷剣の死神」という異名を持ち全盛期には「朱雀四天王」という凄腕の候補生の一人として知られていた。
 現在では人間味の薄い厳格な指導者として知られているが、これは朱雀への強い忠誠心ゆえであるようだ。

 ・シド・オールスタイン (CV:森山 周一郎)
 ミリテス皇国の元帥。皇帝の失踪を理由に国の実権を握り侵略戦争を開始した人物。
 皇帝のことは「誰も覚えていない」ような描写であり、つまりはそう言うことだと思われる。
 侵略のやり口は「アルテマ弾」の使用をはじめなりふり構わない有様であり、開戦初期こそ他国の資源が目当てだと思われたものの「玄武クリスタル」を手中に収めてなお侵略の足を止めない様は他国内で疑問の目で見られるようになってゆく。
 その最期は極めて分かりづらい形で描かれ、ゲームクリア後の「特典」によってようやくヒントが与えられるため、ゲームクリア時点では彼の目的があえてミスリードされるように描かれていると言える。

 ・クンミ (CV:豊口 めぐみ)
 ミリテス皇国の擁する「白虎クリスタル」に紐づけられたルシ。
 元は技術開発者としての才能を見出されてシドの養女(のような関係)となった女性で、研究者として研鑽するさなか唐突にルシとして任命され機械を自在に操作・修復・強化する特殊能力を与えられる。
 この能力を応用することによってクリスタルの働きを制限する「クリスタルジャマー」が開発され、これがシドに侵略戦争を決心させるきっかけとなった。
 なお「最悪」を口癖としており、これはイネス大尉など他の技術将校らにもうつっていることが確認できる。仲間内でのカリスマ性が伺えるところだろうか。
 開戦後魔導院への奇襲作戦に参加し、0組の反則的な能力に敗北する。

 ・カトル・バシュタール (CV:石川 英郎)
 ミリテス皇国の将校。階級は准将。
 魔導アーマーの操縦に長け自ら前線に立って戦い、「白雷」、「白き死神」、「完全帰還者」、といった異名をとる人物。現在の愛機は魔法障壁搭載試験機「ガブリエル」。
 序盤から数々のムービーに登場して「因果」、「応報」という思わせぶりな口癖をこぼす、0組のライバルとして描かれる重要人物
 ・・・と思わせて、作中の活躍は戦局が9割がた固まったところでしゃしゃり出てきて帰ってゆくというオマケである
 実のところいてもいなくても物語に大して影響はなく、敵として出てきたときのクソ挙動といいやたら優遇されたムービーでの見せ場といいデザイナーの空回りといった存在。

 ・フェイス大佐 (CV:樋口 智透)
 ミリテス皇国の将校。階級は大佐。
 魔法障壁搭載の飛行型魔導アーマー「ヘルダイバー」を赤く塗装した試験機「ブラックバーン」に乗り込み、コンコルディアとルブルムの国境付近にある最前線の重要拠点を任されていた人物。
 作戦においては愛機の機動性を利用して単身朱雀軍と0組を翻弄し、その後のサイドミッションにおいても数度まみえることとなる。
 ミッションの仕様は後述するが、展開次第でそこそこ存在感のあった同級生の仇となったりクリア後に再プレイする目標となったりと、本作の仕様をストーリーに落とし込めている数少ないキャラクターである。
 (彼に関して唸った考察の一つに「部下を逃がすために命がけでしんがりを務めていたはずなのに、気が付いたら部下が全滅して自分だけが逃げ延びていた」というものがある。
 全身像一つ用意されなかった彼の心境は本作の「死」や戦争を語るうえでもっと綿密に描かれるべきだったように思う)

 ・アンドリア女王 (CV:林原 めぐみ)
 コンコルディア王国の女王にして蒼龍クリスタルに紐づけられたルシ。
 「未来予知」の特殊能力を持ち、白虎の侵略戦争を受けて朱雀と連携し連合を形成する。
 が、これもより先の未来を見据えた布石としての決断であるらしい。

 ・ホシヒメ (CV:水樹 奈々)
 コンコルディアの名門の出で厳しい教育の末近衛兵団「暁」の一角となった人物。
 女王からの信頼も厚く朱雀への使者として魔導院を訪れるが、この際景色に見とれて道に迷うなど穏やかな人柄を表している。
 なお蒼龍人の特徴として小柄で若々しく見えるが、同じ「暁」の一員として肩を並べる息子・トノギリがいる。
 (※演出が前後することに誤解した箇所を訂正。

 ・ギルガメッシュ・アッシュル (CV:中井 和哉)
 ロリカ同盟の擁する「玄武クリスタル」に紐づけられたルシ。
 いてもいなくても物語に大して影響はない。


・ミッション

 では、次にこうしたキャラクターが活躍する舞台となる「ミッション」と「魔導院」について。
 まあ要するにゲームの流れについて確認してみたい。

 本作のゲームモードは大雑把に分けて「ミッション」と「魔導院」に分かれている。
 「ミッション」では一定の目的の達成を目指してショートストーリーの攻略に取り組み、
 「魔導院」ではアイテムの補充やイベントの消化と言ったミッションの準備に取り組む、とまあこんな構造だ。
 以下ではまずミッションについて見てゆこう。

 「ミッション」はさらにストーリー上参加必須の「通常任務(仮)」、任意参加の「実戦演習」、仕様の特殊な「エリア制圧戦」、に分けることができる。
 うち「通常任務」と「実戦演習」はタイトル画面から何度でもリプレイすることができ、マルチプレイにも対応した本作のメインコンテンツである。

 舞台となるマップは通路や部屋など読み込みを必要とする小さなエリアの連続で構成され、次のエリアに移動するためにしばしば「敵の全滅」や「部隊長の撃破」といった条件が提示される。
 一方素通り出来るエリアや会話イベントの発生するエリアも多数用意されており、一つのミッションをこなすと起伏のあるショートストーリーの形式になる、といった設計だ。
 ミッションの長さにはかなりのムラがあるが、ストーリー上の通常任務では読み込みとストーリーイベントを除いて20分前後のものが多いだろうか。
 またマップには分岐が用意されたものもあり、ミッションによっては一本道ではない任意の展開を選択できることで周回の面白味を促している面がある。

 「周回」と言えば、ゲームの進捗度が異なる複数のプレイヤーであっても同じコンテンツをプレイする意義を提供できる設計である。
 近頃は「単調で飽きる」なんて批判も増えたが、個人で取り組むソシャゲではなく不特定多数のプレイヤーで取り組むオンラインゲーム・COOPゲームであれば普遍的に有意義な設計であるだろう。
 もちろん周回の中にもランダム性を取り入れて変化を付けることは否定せずむしろ――・・・

 なんて脱線はいいとして、本作で同じミッションを周回する動機は「レベリング」、「SPP」、「ファントマ」、「評価」、「S.O.」、の5要素ほどが考えられる。
 「レベリング」については言うまでもなく重要だ。「レベル補正」の概念上ただただLvの数値を上げないことには攻略がままならない。
 本作は一度に戦闘画面に出るのが「3人」、さらに残りのメンバーは「リザーブ」として待機し戦闘不能になったメンバーの代わりに追加投入できるという形式なのだが、リザーブメンバーには一切の経験値が入らないためレベル上げは一度に3人ずつまでしか行えない。
 必然的に多くのメンバーがLv的に置いて行かれるので、以前のコンテンツに再挑戦してLvを上げるのは妥当な選択だろう。
 またマルチプレイを利用できるとすれば、多少上のLvの敵を蹴散らしてもらって高効率でレベリングを行う、いわゆる養殖が手っ取り早い上げ方ではある。
 マルチプレイの参加者分戦闘に出るメンバーが減るので、リザーブ落ちする一人は置いて行かれることになるが

 「SPP」はその強い人側に恩恵のあるシステム。
 実のところ本作のマルチプレイはミッションを開始した「ホスト」に対しゲストが一定時間「乱入」して参加するという形式をとっている。
 この「SPP」は乱入側の報酬として発生するポイントであり、専用のショップでアイテムの購入に使用できるほか累計獲得量によってラインナップが増え特別な報酬も発生するシステムである。
 ・・・ちらりと言ったが「一定時間」である
 基本は一度に「3分」。積極的な行動によって延長できたり一部のアクセサリで短縮されたりするが、何にしても同種のアクションRPGにこんな妙ちくりんな制限はないので同じ感覚で遊ぼうとすると不便なことこの上ない。
 ホストが敵を倒したぶん「積極的な行動」の評価対象が減ってプレイ時間が減り、クエストの要所に到達するまで時間を温存するとなれば待ち時間が発生、というか20分とかかかるミッションに対して3分というのはどう考えても短い
 そもそも、乱入側は一切アイテムを獲得できずホストのものになるので進捗度の近いプレイヤーが同じ目標に向かって協力する・・・というシステムでは全くない。
 また代わりにホスト側にSPPは入らない。これはどちらにとっても不平等だろう。

 というのに攻略コミュニティを参照すると一回の乱入で獲得できるSPは(無限湧きのあるミッションで延々足を止めない限り)せいぜい数百程度だろうと言われており、一方でゲーム内では数千稼いで来いという「依頼」があったり、累計数十万でようやくアンロックされるアイテムがあったりする
 あげく「SPP」には使用期限があり、一定期間(かつ一定戦闘?)乱入していないと失われもする
 正直異常な数値設定と言うほかないが、「クイーンを除く13人のキャラクターごと」に乱入回数1000回達成でのボーナスアイテムが用意されているあたり本気でそういう想定で設定したのだろう。
 確か「マルチプレイを特徴とした」ことが「零式」への改題の動機の一つだったはずだが、いったい何をどうすればここまでひねくれた設計になってしまうのか。
 「HD版」では一貫してオミットされている辺り、実際この「乱入」や「マルチプレイ」は思い付き止まりでさほど関心がなかったのではないだろうか
 ちなみに、旧式PSP(PSP-1000)は本作のマルチプレイに不対応とされているのでこれらは一貫して達成不能のコンテンツである。やったぜ(白目)。

 ・・・「ファントマ」はソロでも意味があるものだ。
 本作は「武器」を強化したり改造したりする要素は全くなく、シリーズ作のように拾ったり買い替えたりするのみだ。
 しかし「魔法」において威力や消費MPをカスタマイズできる要素があり、ここで消費する素材が「ファントマ」なのである。
 魔法の仕様については長文になってしまうので、ここでは「敵一体につき一つ回収できるアイテム」とだけ説明していったん割愛しよう。

 「評価」はクリアタイムや入手ファントマ数、キャラクターの死亡回数によって下されるもの。(出撃人数を絞るとボーナスもある)
 高いほど多くの報奨金が与えられるほか、最高評価の「S」をとると特別なアイテムが授与される。
 基本的には強力なアクセサリであり、Sランクを取るごとに何度でも取得可能、ストーリー内で一度攻略したクエストも再挑戦を繰り返して最高評価を狙うことでより良い戦力の強化につながることとなるだろう。
 なお「死亡回数」というのは本作のリザーブ制に対応した概念だ。
 実のところ本作はリザーブを投入できる代わりに死亡したメンバーの蘇生が困難、死亡した後の短時間に蘇生手段を使うかあらかじめ「リレイズ」状態にしておくかしかなく、手遅れになるとそのミッション中離脱してしまううえそのどちらにしても「死亡回数」にはカウントされてしまう。
 レベル補正やキャラ性能の仕様と噛み合っていないのでシンプルな蘇生に対応してほしかったのだが、ともあれ。
 レベルや使い分けを無視して人数だけ見れば(見れないけど)残機制のような仕様であり、それを言い訳としてか本作のミッション内ではやたらと初見殺しが目立つ

 角を曲がったら敵が待ち構えていたり後ろからミサイルが飛んで来たりといったところは序の口で、ストーリーに沿って進んでいたら待ち伏せにあって強敵に囲まれたり、唐突に退路をふさがれて強敵とタイマンさせられたり、といった状況が良くあるわけだ。
 特にえげつないのは、序盤のミッションなのに推奨Lvをはるかに上回るエネミーが配置されていて勝ち目がないから逃げろと促されるといったものだ。
 仮にLvが20も違えば被ダメージは9倍、与ダメージは1/9、キルサイトで何とかできると言いたいがぶっちゃけ初見でどうにかなるものじゃない。
 まぁたまにならそんな仕掛けもいいが、第一章の朱雀の闇に始まり、第二章のゴーレム、第三章のマルドゥーク、第四章の番外者、第五章のバクライリュウ、と・・・

 そんな毎回やったら白けるに決まってるだろ!

 もっとも最悪なのは第三章のニンブス、操作不能のイベント中に一人を確実に殺してくる
 プレイヤーを失敗させる仕掛けとして幼稚すぎる
 ・・・まあそんな惨状なので、評価狙いは周回プレイが適しているだろう。

 「S.O.」はエリア内での戦闘に追加条件と報酬を科すシステム。
 例えば「キルサイトで敵を○体倒せ」や「○分間ダメージを受けるな」というもの。
 代わりに発生時に「プロテス(防御アップ)」や「ヘイスト(移動速度アップ)」といったバフが発生し、達成すれば「エリクサー(HP・MP全回復)」などの報酬を獲得できる。
 一方失敗すればどうなるかというと、即死である
 正確に言うとカンストダメージ+即死発生率100%の広範囲攻撃魔法陣が短間隔で足元に3回出てくるというもので手段によっては回避できなくもない・・・のだが、まあ早い話が即死である
 プレイヤーを失敗させる仕掛けとして幼稚すぎる
 もっともS.O.は強制受注では無く、届いたメールを開封して自由に受注を選択できるという形式ではある。
 戦闘中に手紙が届くのを待って悠長に読みはい・いいえに操作を割く形式はとてもアクションとして適当とは言えないが

 危険な敵を排除して読んでみると「その敵を倒せ」だったりアイテムを拾った後に「アイテムを拾え」だったりと確認した後では目標が消失しているという状況もザラにあるので、「DFF」のようにノーペナルティで自動受注の形式に改めて?と言わずにはいられないところだ。
 ちなみに内容を見て乱入プレイヤーに押し付けることもできるが、どう転んでも嫌がらせである
 さておいて、一部のミッションではミッション内容に応じた特別な「赤いS.O.」が発生することがあり、これの報酬には強力なアクセサリをはじめ魔法や軍神のアンロックという限定品が並んでいる。
 ぶっちゃけるとミッションの途中でセーブできるストーリー内で挑戦したほうが成功率が良いのだが、見逃しなどがあれば周回して再挑戦するのが良いだろう。
 また、周回して複数手に入れようとすると代わりに「エリクサー」が報酬となるので、これを集めるつもりで周回と言うのも悪くない。
 ・・・HP・MP全回復アイテムがゲーム最初の簡単なミッションでさえいくらでも量産できるのだから、いかにこのゲームがHP・MPの大小を軽視しているか分かろうというものだろう。
 最下位回復アイテムのポーションでさえHP50%回復だけどさあ・・・。

 ・・・マルチプレイに対応したメインコンテンツがこれ、まったく本作がいかに歪であることか。
 つくづくここまで好評なのが心底信じがたい

 なお、これらのミッションでは疑似的にマルチプレイを体験できる「魔導院の支援」というシステムがある。
 ミッションの適性Lv前後でプリセットのゴーストプレイヤーや一部の登場人物が登場してくるというもので、レベリングを必要とせずリザーブメンバーも消耗しない戦力として作中では積極的な使用が促されることとなる。
 実際頼りになる場面は多いが、登場するタイミングが不定なうえ活動時間が短く所詮はAI、あまり依存も出来ないので利用してもごく序盤くらいのものだろう。

 さて残る一つのミッション形式「エリア制圧戦」は、端的に言うとRTS(リアルタイムストラテジー)である。
 地図上の地点から地点まで部隊を動かす指示を出し、リアルタイムで移動する部隊を見守って突発的な事態に即応的に対処してゆくというゲームジャンルだ。
 そしてこれを可能にしているのは、本作に「ワールドマップ」の概念があってこそである。
 ストーリー内で受ける「ミッション」は魔導院で準備を整えたのち一旦ワールドマップに出て現地まで移動、そこで改めて作戦を開始するという形式をとる。
 またワールドマップ内には魔導院の他の町やダンジョンもあり、エンカウントバトルも発生する。これは一般的なRPGに近い形式と言えるだろう。
 これを利用してもレベリングやファントマ集めができるのだが・・・今はもう少しエリア制圧戦を補足しよう。

 エリア制圧戦では自軍と敵軍にそれぞれの「本拠地と拠点(以下「拠点」に統一)」が配置されており、拠点からは「部隊」が出撃して相手の拠点に向かって前進する。
 前進した部隊が相手の拠点に到達し攻撃を加えてゆくと「制圧」して自軍の拠点として扱うことができるが、手前で相手の部隊と接触すると戦闘となりほとんどの場合は相打ちとなってしまう。
 この中で、プレイヤーキャラクターはワールドマップを自由に移動して敵部隊のシンボルに通常攻撃や攻撃魔法を繰り出して討伐することができ、これによって相打ちが続く硬直状態を打開してゆく・・・とこういう流れだ。
 自軍の拠点に指示を出して敵の拠点を攻撃させる場面や予想外の突発的なイベント、他の任務と同様の形式になる突入戦もあるにはあるが限定的で、基本的に敵シンボルに攻撃を加えるだけのモードだと思ってよい。
 つまんなそうだが、実際「HD版」ではスキップできることになったらしい。

 このモードがつまんない理由としてはもう2点ほど挙げたい。
 一つは敵シンボルに「キルサイト」が発生しないこと。
 キルサイトは発生しないがLvやHPの概念を持ちLv補正も有効、要するに適正Lvに到達していないとこのコンテンツはどうしようもないのだ。
 シンボルはリアルタイムで進軍するので手数でダメージを補うような真似も不可能であり、圧倒される自軍を指をくわえて見ていることしかできなくなる。
 もう一つは「モーグリからの通信」。
 本作のモーグリ(動物系の妖精のようなもの)は作戦の目標を伝える連絡役なのだが、このエリア制圧戦では「次は○○の拠点を制圧するクポ!」、「進軍に邪魔な固定砲台を破壊するクポ!」、などと徹底的な指示を出してくる。
 戦略ゲーム風なのに自分の頭で考えることがなーんにもない。
 自主的に優先順位を崩すなどすると敵側の拠点が発狂して強力な部隊を投入して来たり自軍の拠点が作戦を把握できなくなって背後の敵拠点に無反応になったりし、モーグリからは「晩ごはんのことでも考えてたクポ〜???」などと煽られる始末。
 プレイヤーの攻略をここまで否定してどうするよ
 以上のことからこのエリア制圧戦は奥深そうな見た目に反してレベルを上げて時間いっぱいシンボルを叩くだけのしょっぱいモードであり、「HD版」での変更方法を見るにこれもこだわりなく思いつきでブチ込んだだけの偽物なんだろうなと思うところである。

 以上、ミッションについて見終えたところで「魔導院」について見ることにしたい。


・魔導院

 「魔導院」は0組ら「アギト候補生」が生活する寄宿制の魔法学校で、装備ショップや消耗品ショップが設置された本作の拠点だ。
 特に消耗品ショップはワールドマップ全体を通して魔導院か、特殊な作戦中の臨時本部かにしかないので「ポーション」の補給し忘れには注意したい。
 ワールドマップ上ではオリエンスの大陸の中央南端あたりに位置し、ミッションでは序盤の内は近場、後半では西方にある白虎の首都まで、移動して攻撃を仕掛けることになる。
 要するにミッションごとに魔導院に戻って長い行程を繰り返さねばならないのだが、ゲーム内ではポーズメニューからほぼいつでも「魔導院に戻る」を選択することができ、また現地までの移動も飛空艇の定期便やチョコボを利用することができるので苦ではない。

 というわけで魔導院の施設とその機能を列挙していってみよう。

 ・正門
 正門。魔導院とワールドマップの接点でミッション開始時は主にここから出撃することになる。
 また「実戦演習」の参加を受け付ける武官はここに常駐している。

 ・噴水広場
 大きな噴水のある広場。いくつかの施設に接しているがここ自体に機能はない。

 ・飛空艇発着場
 飛空艇に乗船し特定の街まで即座に移動することができる。
 また、任意の一定条件を満たし0組専用の飛空艇を手に入れるとここから直接乗り込むこともできる。

 ・闘技場
 訓練施設。際限なく同レベル+1のエネミーが出てくる「模擬戦闘」と放置するだけで経験値が入る「秘密訓練」を利用できる。
 「模擬戦闘」では開けた闘技場の中で「皇国兵」2体と「強化兵」1体が延々出現する。「中断」を選択するか死亡すれば切り上げることができるが・・・。
 この模擬戦闘に参加できるのは「1人」のみ。経験値効率が良いと言うこともなく単純にマズい。
 さらに強化兵の方は少々攻撃密度が高く、間合いが開いていると銃を連射しながら行動し攻撃すると無敵ステップで逃げることもある。
 レベル補正の厳しい本作だが獲得経験値はLvに対する上昇が緩やかで全く強さに見合わないので、これに参加するくらいならミッションを周回する方がまだいいだろう。
 モーグリはレベルが足りない場合しつこく模擬戦闘をやれと促してくるが。そんなにゲーム初心者の心を折りたいのか。
 「秘密訓練」の方は時間効率には全く見合わないがスリープモードにしておくだけで経験値を獲得できる。
 ただし得られる経験値にはかなりムラがあり、経験値が発生するまでは一時間前後?のまとまった放置が必要、獲得できるのも操作中の一人のみ、とあまり勝手が良くない。
 放置ゲーの概念が普及した現代では物足りなくなってきたくらいだろう。
 (どうせ14人全員がミッションに出ることはまれなのだから「そだてやじいさん」のような形にすればよかったのに)

 ・エントランス
 魔導院のエントランス。中心部に「大魔法陣」がありエレベーターのような択割を担っている。
 また正面に巨大な大時計があり、ここで用いられているような「歯車」が朱雀のシンボルとして随所に用いられている。
 (時計は通常視点だと全く映らないので見落としやすいが・・・。)

 ・廊下〜0組教室〜中庭
 0組に与えられた教室とその前後の空間。
 「教室」ではポーションなどの消耗品を売る「従卒」と「モーグリ」がおり、モーグリに話しかけるとキャラクター全員のパラメータを上げたり経験値を獲得したりできる「授業」が発生する。
 この「授業」システムをもっと本格的に取り入れてくれよと思うのだが章ごとに数回分しか受けることが出来ない。
 また、従卒ショップの品ぞろえは「ポーション:100ギル」、「エーテル:2000ギル」、「万能薬:50ギル」、程度。
 終盤では「ハイポーション:800ギル」も加わるが、ホントにタイミングが遅いうえコスパが悪く、エーテル(MP50%回復)に至ってはエリクサー(HP・MP全回復)で代用することを勧める
 本作最初の最も低難易度なミッション「初陣の候補生」で発生する赤S.O.は3つ、報奨金はスムーズに進めて6500ギル前後。
 競合するわけではないのでエリクサーを集めたうえでギルで買い物ができるわけだが、下位互換品を同数買う選択はとてもできたものではないだろう。

 ・クリスタリウム
 図書室。本作の様々な設定を読むことができる
 作中の伏線のいくつかはここを確認しないと回収されないので気になる場合は確認するとよい。
 ・・・物語に落とし込めていない伏線とか設定とか黒歴史ノートまんまじゃん?
 また、タイトル画面からも同様にアクセスすることができこちらでは未読の「NEW」マークを損なわない。

 ・魔導局
 アレシアのオフィス前。S.O.の有無を切り替える職員がいるが、そもそも受注は任意なのでオフにするメリットは特にない。

 ・武装第六研究所
 装備ショップ。ゲームを進める毎に品ぞろえが増えてゆくが、品ぞろえを増やす条件が無駄に厳しいのでゲームクリア時点でも「どうのつるぎ」レベルの品物しかないとかザラである
 装備の買い替えはワールドマップ内の別の町で行うことになるだろう。
 レベル補正がきつすぎて多少装備を乗り換える程度じゃ誤差だけどさぁ・・・。

 ・リフレッシュルーム
 喫茶スペース。候補生たちの憩いの場として様々な情報が飛び交っている。
 イベントや依頼が発生することがあるが機能は特にない。

 ・サロン
 談話スペース。リフレッシュルームと比べると人がまばらだがここでも様々な話を耳にすることができる。
 イベントや依頼が発生することがあるが機能は特にない。

 ・テラス
 テラス。見晴らしがよくサロンと同じくらいに人がいる。
 イベントや依頼が発生することがあるが機能は特にない。

 ・チョコボ牧場
 チョコボ牧場。朱雀軍ではチョコボ(大型の飛べない鳥類のようなもの)を兵士の移動手段として運用しており、候補生も軍管理の牧場を利用できるらしい。
 本作のチョコボはワールドマップの移動に利用できるほか「エリア制圧戦」で騎乗して「チョコボキック」による攻撃を繰り出せる戦力という側面もある。
 ただし呼び出すたびに羽数を消費し、いわば消費型のアイテムのような形で管理する。
 そして、消費するチョコボを入手する手段はワールドマップ内で直接捕獲するかこのチョコボ牧場で「繁殖」させるか、となっているわけだ。
 チョコボの有無で移動の快適度は段違いなので頻繁に訪れるとよい。

 ・軍令部第二作戦課
 朱雀軍が魔導院内に置いている作戦司令部。
 「SPP」でアイテムを購入するショップがあるほか、「ミッション」開始の受付でもある。

 ・・・といったところだ。
 最後に軍令部について触れたが、より詳細に言うと軍令部を介さなくても「ミッション」は始まってしまう。
 本作には魔導院内での行動量を制限する「時間」の概念があり、ミッションはこの時間が尽きると始まるという形式、軍令部はこの時間をスキップできるというはたらきである。

 結論から言えば、この「時間」は「レベル補正」と並びプレイヤーへの制約にしかなっていない

 「時間」は章の開始時に一定の猶予があり、魔導院内での行動によって一定量ずつ減ってゆく。
 「特定のイベントの発生」で2時間、「授業」もこれに含み、「ワールドマップ」に出ると6時間、さらに「実戦演習」に参加するともう6時間消費する。
 とはいえ「授業」に限りがあるのは先述の通り、その他のイベントも限りがあるうえプレイヤーが話しかけるまで保留でき、タイトル画面からミッションに参加することはこうした時間には影響しない。

 限られた時間の中で誰と会話するか・・・という取捨選択を必要とする場面もあるのだが限定的で、基本的にワールドマップにさえ出なければイベントの消化にはほとんど支障がない。
 仮にこれが「仲間との絆を育んで後々のイベントを有利に運ぶ」か「黙々と授業を受けて基礎ステータスを高める」か、あるいは「実戦に参加して領地を取り戻す」かといったことを取捨選択する形式であれば計画を練る面白みがあったように思う。ギャルゲーなどで見る形式だ。
 が、本作はそのように作りこまれているわけではない。
 でなければ、特定のサブイベントを見るまで時間が進まないようにして世界観の説明や重要な伏線を見落とさないように配慮するシステムというのもいい。
 が、軍令部でスキップできたりフィールドへ狩りに出て勝手に進んだりする通りこのねらいがあるわけでもない
 もちろん、プレイヤーの過剰なレベリングを制限する機能でもない。
 一度フィールドに出たらリアル時間で数日狩り続けても全く支障が無いし、タイトル画面からミッションを始めればレベリングは自由、効率的に選択肢にもならないが模擬戦闘もある。
 つまりこの「時間」は意図らしい意図もなく、ワールドマップに繰り出すことだけを制限したプレイヤーへの嫌がらせでしかないわけだ。
 ほかに強いて言えば、この時間換算で6時間ごとにチョコボが成鳥になる。

 では「ワールドマップ」では何ができるのだろうか。
 ワールドマップには「町」や「ダンジョン」が点在しておりそれらに向かうことができるほか、移動中にはランダムに「エンカウントバトル」が始まることもある。
 また、マップによっては「チョコボ」が走っていて捕獲出来るほか、強力な「シンボルモンスター」とエンカウントすることもある。
 ・・・ゲーム最序盤の「トゴレス地方」のシンボルモンスターはLv99のグランドホーン2体との戦闘である
 戦闘から逃げるには「テレポストーン」というアイテムを消費せねばならないが、シンボルモンスターに関してはこちらのバトルメンバー3人が全滅したら満足して立ち去ってゆく。
 キルサイトでこんな理不尽な戦闘もなんとかできなくもないとはいえ、プレイヤーを失敗させる仕掛けとして幼稚すぎる

 「エンカウントバトル」は、移動しているとランダムに発生する戦闘だ。
 それぞれの地方や平地・森といった環境に即したエネミーが登場し・・・まあ一般的なRPGにおける戦闘と同様のものだ。
 ただ本作の場合はまれに「まだ敵の気配がする・・・。」というテロップが出て、少しLvの上がった敵に再挑戦できるというシステムがある。
 戦闘システムの項で行ったダメージ実験はこれを利用したもので、一例としてLv21からLv23、Lv27前後、Lv31前後、Lv41前後、とここまで上がるわけだ。
 あまり経験値効率は良くないが上質な「ファントマ」の入手を狙う機会なので、自己責任で無茶をする選択肢もあるだろう。

 「ダンジョン」はより戦闘密度が高い。
 大概は初めて訪れる時点では太刀打ちできないような強敵で、倒しても倒しても虚空から次々におかわりが現れるとかいうクッソ雑なポップで物量を形成してくる。
 しかしここの敵を安定して狩れるようになるとそこらのミッションより短時間で多量の経験値を獲得できるようになるので、本作はある程度慣れた時点でこうしたダンジョンでのレベリングを中心として行くこととなるだろう。
 ミッションのような報奨金やS.O.報酬は無いが、入るたびに復活する「宝箱」の存在もありちょっとした副賞にも期待できるのだ。

 ただ、まあここまで見てくるともはや驚かないと思うが・・・。

 ルブルム地方(敵Lv10)、コルシの町東→コルシの洞窟(敵Lv22)
 北トゴレス地方(敵Lv19)、またはユハンラ地方(敵Lv27)の洞窟→北の回廊(敵Lv31)
 ユハンラ地方(敵Lv27)の火山→ユハンラ火山(敵Lv67
 旧ロリカ地方(敵Lv26)の洞窟→玄武クレバス(敵Lv76
 メロエ地方(敵Lv34)、メロエの町そば→ベスネル鍾乳洞(敵Lv55

 とまぁ、「強敵」にしても無理ゲーが多すぎる。
 しつこいくらいに言うがLv補正によって格上の強さがさらに倍率でのしかかってくる本作、キルサイトで何とかなると言っても物量による波状攻撃まで加わればどうしようもなくなることも多い。
 特にゲーム序盤ほど「アクセサリ」や「アビリティ」によるビルドの幅が狭く対抗策に乏しいわけで、極端に敵Lvの高いダンジョンはレベリングとしては全く適さないだろう。
 (もちろん、マルチプレイにも対応していないソロコンテンツである)

 なぜここまで極端にLvをブチ上げてくるのかというと、それには本作のある仕様を言い訳にしているためだと思う。
 本作はゲームクリア後にデータを引き継いで初めからゲームをプレイし直す「周回プレイ」を採用しているのだ。
 実のところ一周目のプレイデータから「クリア回数 0」の文字がはっきりと記録されているので、もったい付けるということもなくプレイヤーは早々にこの周回を意識することになると思われる。

 ・・・手元のデータでは初クリアに60時間かかったのだが

 「町」についてはリザーブメンバーが蘇生されること以外それほど特記することがないので、次は「周回プレイ」に関する理不尽を見てみよう。


・二周目

 本作の「二周目」はLv・パラメータ・アイテム・魔法の強化・飛空艇の有無とほとんどの要素を引き継いで始めることができる。
 一方で敵のLvにこれといった補正は無く、難易度選択も出来ない(タイトルから受けるミッションにはある)ので内容は大概なパワープレイとなるだろう。

 ただし先のようなダンジョンを攻略するという目標ができるほか、ストーリー中のミッションは「コード:【クリムゾン】」という別のミッションと選択できるようになりこちらが十分な難易度を提供する形となる。
 ただし「コード:【クリムゾン】」の内容は本来のミッションと比べて単調で短い内容が多く、一部を除けばメインストーリーの伏線を回収するようなストーリー上の見ごたえがあるわけでもない。
 ぶっちゃけた話オマケであり、適正なLv設定さえできていれば一周目からプレイできても問題ないような内容ばかりなのだ。
 本来であれば、ここで敵側である皇国やシドの思惑をもっと掘り下げるべきだったように思うのだが・・・。

 また「実戦演習」に参加できるのも二周目からだ。
 いや、一周目の時点で担当者がおり受注する権利はあるのだが・・・

 ・第三章
 通常任務:「イスカ潜入指令(推奨Lv17)」、「魔導アーマー破壊指令(推奨Lv22)」
 実戦演習:「キザイア陽動作戦(推奨Lv35)」、「蒼龍との共同戦線(推奨Lv35)」

 ・第五章
 通常任務:「エイボン奪還作戦(推奨Lv23)」、「ジュデッカ会戦(推奨Lv29)」
 実戦演習:「候補生を援護せよ(推奨Lv38)」、「国境への進撃(推奨Lv38、エリア制圧戦)」、「上陸部隊を殲滅せよ(推奨Lv40、ただし極端に内容が短く一周目でも勝機はある)」、「フェイス大佐の蜂起(推奨Lv41、フェイス大佐のサイドストーリー1つ目)」
 とまともに参加させる気は全くない
 最初にセーブした時点でプレイヤーには「ああ二周目あるのね」と納得するはず(ゲーム初心者はそうでもない?)なので、当然こんなバカげたものはスルーすることになるだろう。

 ・・・ついでに通常任務の推奨Lvも挙げる形になってしまったが、ミッションひとつで5〜6Lvなんて上がるわけもないのでレベリングは絶対・必須の想定なのだろう。
 ダンジョンのLvもあの有様なので探索ついでに上がってゆくのはしばらく後の話、一周目はただただレベリングのためのレベリングが必要になるのだ
 一方見ての通り実戦演習の方は章をまたいでも極端に推奨Lvが上がるわけでは無く、この2つは別の周で回ることを想定していると見て取れる構成である。

 こうして「通常プレイでは見送らざるを得ない」コンテンツを序盤から延々と見せつけたあげく、ストーリーは一周目で完全に完結し、物語に分岐らしい分岐はない(分岐してもなかったことになる)
 ならば適正なLv設定さえできていれば一周目ですべての要素をプレイできても良いではないか
 また一周目で完全に完結するが、ケイトのデジャブが伏線となっていたようにこの世界は何度も流転しておりバッドエンドから物語が続いても世界観上問題ない。むしろそうしてベストエンドを目指すスタイルでも良かったのではあるまいか
 一周当たりのクリアに時間がかかりすぎるRPGとしては理不尽な構成である。「FF8」であえて周回要素をボツにしたのは教訓となっていなかったのか
 あるいは「パラサイト・イヴ」に寄ったのだろうか?本作にも「クリスタルジャマー」によって主人公チームだけが特別に行動できるという設定や、「アギトの塔」という塔型のダンジョンがゲームの最終目標として用意されているが・・・。


・魔法

 パラサイト・イヴを思い出せば、周回ごとに主人公のレベルがリセットされ引き継げる要素は「武器」と「防具」、「倉庫のアイテム」に限られていた。
 装備が攻・守の主要パラメータを決定づけるシステムであり、数十も補正すればゲームクリアは余裕というバランスながら、最大「+999」もの余地がありこうした極限的パラメータで挑むのが「クライスラービル」という最終ダンジョンであった。
 育成の成果を試しながら一階また一階と登り挫けても周回を重ねて再挑戦するバランスは、粗くもあったが周回制RPGの隠しダンジョンとして相応しい設計であったように思う。

 ・・・アギトの塔を比較するのは止すとして、本作の育成可能な装備、「魔法」について見てみたい。
 魔法は基本的に誰でも使用できる攻撃アクションで、炎や氷の飛翔物を発射して遠距離や高高度への攻撃手段を担う重要な要素だ。
 本作の魔法はアクションと言うこともあるがシリーズ作と大きく仕様が異なり、「ウォール」や「ケアル」といった防御魔法と「一部の強力な魔法」を別にすれば「ファイア(炎)」、「ブリザド(冷気)」、「サンダー(雷)」の3属性魔法が、それぞれ
 直線単発の「RF(ライフル)」、
 扇状に複数発拡散させる「SHG(ショットガン)」、
 周囲近距離を一斉攻撃する「BOM(ボム)」、
 標的を追尾して飛んで行く「MIS(ミサイル)」、
 高威力だが溜めがあり肩越し視点で曲射する必要のある「ROK(ロケット)」、
 といった挙動との組み合わせで獲得される形になる。
 初期から所有する「ファイアRF」はまっすぐ火の玉を飛ばし、「ブリザドBOM」は周囲を凍らせて、「サンダーSHG」は広範囲に電撃を放つ、という形になるわけだ。
 もちろんファイアは植物や獣に強い、ブリザドは炎属性のエネミーやドラゴンに強い、サンダーは機械に強い、という特効の傾向があるので、エネミーの挙動を想定しつつ強化する魔法を選定することが攻略を左右することだろう。

 育成できる要素は魔法によって異なるが、「威力」、「MP効率」、「詠唱時間」はおおむね共通する。
 「威力」はそのまま敵に与えられるダメージを決定づけ、「MP効率」は使用時に消費するMP、「詠唱時間」は魔法の溜め撃ちに関した概念だ。
 魔法をセットしたボタンを押すと詠唱が始まり、一定時間が経過するごとにファイアがファイラ、ファイラがファイガ、とより強力な魔法として放てるようになるのである。
 何を隠そう本作の魔法はかなりMP消費が激しく、「ファイアRF」の初期消費MPが25、「サンダーSHG」が50、「ブリザドBOM」は85も消費する。「ケアル」も80だ。
 MP容量はアクセサリや育成によって4ケタに届くが、序盤のMP容量はせいぜい200〜400くらい、こうした消費MPは攻撃の中心として使うには厳しいところだ。
 そこで魔法一発あたりのダメージ効率を底上げする「威力」の強化や溜め撃ちの概念は重要であり、またMP効率も優先して上げたいという悩ましいところとなる。

 例えば「ファイアRF」の初期の威力10は同Lv程度の相手にかなり物足りないが、強化してゆけば4倍ほどの威力にまで成長し、またファイガまで溜めて撃つと3発連続で発射されて単純に威力が3倍になる。
 消費MPはなんと「5」まで軽減可能であり、ここまで育成すれば主力としてガンガン使ってゆけることだろう。
 ・・・ただし、ファイアRFに関しては「射程距離」と「弾速」という項目もあり初期値がかなり厳しいのでこれも育成必須ではある。
 繰り返しレベル補正の厳しい本作だが、こうして魔法は威力が倍々に延びてゆくためキルサイトを狙わないにしても大ダメージを期待でき、快適なゲームプレイにつながるだろう。

 なお、キャラクターにより特定の攻撃の硬直をキャンセルして即座に魔法攻撃を行う、というアビリティを習得することができる。
 レムやクイーンは特に早いうちから習得可能で、さらにキャンセルして撃つ魔法が溜め無しでラ系、ガ系になるという強力なアビリティもある。
 操作は難しくないはずなので、アクションに苦手意識を持っているならばこれの習得を狙ってみると十分な戦力になるはずだ。

 さておいて、強化に消費するのが「ファントマ」だ。
 一体の敵から一つずつ、ミッションやダンジョンを周回して集める素材アイテムと言った存在である。
 ファントマは各属性に対応した「色」と「ランク」を持ち、目的の属性攻撃で・高Lvの敵を撃破するほど上位の物が手に入るようになっている。
 またキルサイトを決めることでもランクが上がりやすい。
 これはシステムの都合にしてストーリーの伏線、ファントマは死に方によって変化するものであるわけだ。
 さておきどの魔法であっても強化が進むほど高ランクのファントマが要求されるようになってくるので「狩り」や強敵に挑戦するモチベーションのもととなるだろう。
 ただ、単に色付きのファントマで強化しようとすると「威力が上がる代わりに消費MPを増やす」、「消費を減らす代わりに詠唱時間を延ばす」、とデメリットを伴う形になる。
 デメリットのない強化には「ハクジファントマ」を加える必要があるのだが・・・これがまた決まった入手方法のないレアファントマとなっているので、どの魔法のどの強化に使うべきか、各々のプレイスタイルの見せ所と言うところになるだろうか。

 また、ファントマを回収する際には「モンスターのドロップアイテム」が付いてくることがある。
 本作でこれはかなり強力だ
 例えば序盤から登場する「プリン」たちは魔法威力2倍・詠唱時間半減の効果を持つ「プリンの体液」をドロップし、「イビルアイ」たちは消費MP0の効果を持つ「薄い羽根」をドロップする。
 効果時間は物足りないながら入手性が良く簡単に集まるので、魔法を主力とする場合はこれらを積極的に消費してゆくと良いだろう。
 もちろん通常攻撃や防御面にバフをかけるものもあるが、ファントマを意識的に稼ぐプレイスタイルとなればやはり魔法が好相性だ。

 ここまであまりにも理不尽な設計が多かったので「そんな旨い話があるわけない」と思うところだがそうでもない。
 せいぜい属性の相性によって吸収されたり、雨天時のファイアががくっと弱くなったり、一部のエネミーに無効化されたり、そのうえでアビリティと合わせて1人2枠(+防御魔法)までしか装備できなかったり、まあそのくらいで済んでいる。
 誰でも使えるアクションなのだから、これくらい高性能とすることで最低限のバランスを取ろうという意図があったのかもしれない。


・軍神

 ・・・ここまで見てきた結論が、個人的には大っ嫌いなタイトルであり率直な所クソゲーだと思っている。
 それでも自身が本作を攻略しようと思えた原動力は本作が「FINAL FANTASY」シリーズであり「ディアボロス」が登場していると言うことであった。

 「FF8」という幻獣の重要度の高い作品で初登場し、前後のシリーズ作では珍しく直接対決によって下す必要のあった「ディアボロス」は、序盤から入手できる反面「エンカウントなし」に「あんこく」、「時空魔法精製」といった数々の強力なアビリティを習得でき、外見や召喚演出においてもダークヒーロー然としたカッコよさを持つ名幻獣であった。
 その後「FF6アドバンス」や「FFレジェンズ」にゲスト出演したのもむべなるかなと言うところであったが、本作はそれを自分の手で操作可能としたアクションRPG作品だったのである。
 そして「FF6」で思い出深い魔導アーマーを敵として対決することができる。こんな夢のあるシチュエーションには期待を抱かずにはいられない。

 期待を抱かずにはいられなかったのだ・・・

 本作における「召喚魔法」は「軍神」と呼称されている。
 設定でもゲーム内でも召喚のために召喚士の「死」が必須となり、その強大な力とそれに伴う犠牲から「召喚獣」などの呼び方を嫌い「軍神」として敬っている・・・という設定であるわけだ。
 それを踏まえると本作第一章で皇国軍を押し返したバハムートの群れや、バハムートを召喚することを任務として編成された「バハムート隊」なども違ったものに見えるかもしれない。

 ・・・「ゲーム内でも」と言う通り、軍神を呼び出すと即死する
 その分強力な攻撃を繰り出すことができ有象無象の敵兵器をまとめて蹴散らせる・・・はずなのだがここに4つの制約がある。
 一つは「召喚時間」。呼び出した召喚獣には活動できる時間に限度が設定されており、最初に獲得できる「イフリート」ではわずか「35秒」
 シヴァが「40秒」、ゴーレムが「60秒」、と基本として軍神を召喚していられる時間はごく限られた物である。
 それでもなお「イフリート」を召喚すれば入手時点のミッションでほとんどの戦闘を突破しボスにも対抗できるのだから、その性能の高さは疑うべくもない。

 もう一つは「HP」。軍神も「HP」の概念を持ち、攻撃を受け続けて0以下になると召喚が解除されてしまう。
 またこのHPはミッション内で維持されるので少しづつ消耗が蓄積してゆくほか、一度HPが尽きてしまうとそのミッション内では召喚できなくなる。
 もっとも、軍神のHPや防御力は生身のキャラクターよりはるかに高くよほど酷使しなければそのような状況にはなりえないだろう。

 さらに一つは「出撃」。召喚するには複数所有する軍神から一つを選択してあらかじめ装備しなければならない・・・わけだがこの装備確認が「ミッション」でしか出ない。
 ミッション外、つまりワールドマップでのエンカウントバトルやダンジョンでの戦闘には軍神が使えないのである。
 繰り返す通りレベリングとなるとむしろダンジョンでの戦闘機会が多くなると思われ、ここで使えないという制限はフォローが利かず厳しい物と言えるだろう。

 最後の一つは・・・「Lv」。
 軍神は召喚者に依存しない独自のLvを持ち、Lv補正もバッチリ☆受けるのである
 軍神もレベリングが必須なのだ。メンバー1人を犠牲にしてミッションでしか・数十秒しか呼び出せない軍神をレベリングする必要があるのだ
 最初に手に入るイフリートなどは意識しないとあっという間に型落ちしザコ兵士にすらカスダメ連発で逆に殴り殺されるようになるという残酷すぎる有様
 どれだけ不条理な設計を取り入れれば気が済むのか

 ・・・これでレベルアップに必要な経験値は通常キャラクターと同水準、次の項で挙げる経験値ブーストにも未対応で、あえて言うまでもないが「一度に35秒間しか活動できない」ことも「1ミッションにつき13回までしか活動のチャンスが無いこと」もレベリングには全く不向き・・・というか論外の特徴である。
 なお本作には「花サボテンダー」という1体で大量の経験値を持つレアエネミーもいるが、ワールドマップでランダムに出現するエネミーなのでこれも軍神のレベリングには利用できないと来ている。
 これらの制限を無視する裏口としてレムの「死なないで」などでリレイズ状態になって軍神召喚後に復活する・・・というものもあるが、2倍、3倍程度では無く一気に無制限にまで緩和する「死なないで」はテクニックと言うより不具合のレベルではなかろうか
 実際軍神はファントマを回収する能力が無く死亡回数もかさむのでミッションで高評価を狙うには全く不向き。
 ならば現状の制約ではなく、召喚をそのまま評価のマイナスとして換算し、召喚中ファントマ自動消滅や即死以外の召喚コスト(召喚ゲージなど)を必要とするといったアプローチでバランスをとることもできたはずである。
 それをあえてこのような形式で世に出したのはあまりにもプレイヤーの意と乖離した自己満足ではあるまいか。

 ・・・最後に、軍神の入手方法について。
 これは上の方でちらりと触れたが、特定のミッションのクリアや一部のS.O.のクリアだ。
 特にS.O.で入手するものは見落としやすいので注意したい。
 第三章の最後で入手できる「ルビカンテ」などはこのS.O.タイプだ。
 まさかあのルビカンテが!?と「FF4」経験者は思うところだが、ネタバラシすればこれはイフリートの性能違いだ。
 まあそんなもんだよねと思うか、アビリティの選択で作れる差じゃんと思うか・・・。

 結論から言えば本作の軍神はわずか6タイプ。
 「イフリート」、「シヴァ」、「ゴーレム」、「オーディン」、「バハムート」、「ディアボロス」。ラムウは雷になった――。
 ネタ抜きにも雷属性に対応した軍神がいない中、ディアボロスはまさかの大抜擢と言うところではないか。
 またバハムートとディアボロスの入手タイミングはほぼゲームクリア後。
 バハムートはコード:クリムゾンの「作戦名【東の風】(推奨Lv42)」、ディアボロスは実戦演習の「ドラゴンスレイヤー作戦(推奨Lv45)」。
 ・・・加入LvはバハムートがLv40、ディアボロスがLv42である
 「クリア時」に獲得するのだから、当然次の投入機会はさらに推奨Lvが高いと言うことになる。
 ほんっっっとにさぁ・・・!!


・メンバーズ特典

 ・・・また、本作はエリア移動時のロード画面にて「死亡回数/あなたの記録 ○/ユーザー平均 ○」といった謎の統計が表れる。
 マルチプレイをしたプレイヤー同士で記録を共有できるというところだが、「スクエニメンバーズ」に登録してオンラインイベントに参加すればよりグローバルなデータを得ることが出来たのだ。

 とはいえリーダーボードのような表彰システムではないのでそこはどうでもいい。
 本作はこのメンバーズ登録でしか手に入らない数々の特典が用意されていたのである
 ユーザー参加型の討伐イベントや、ログインボーナス、ボーナスチケットを利用してレアファントマと交換可能なショップ・・・とこうしたコンテンツもうらやましいが、個人的にはまあリアルタイムでプレイしていてこその特典と納得できる範囲だ。

 悔しくて仕方がないのは獲得経験値4倍、同時装備で8倍のレベリングアクセサリ「モグのお守り」、獲得経験値2倍の特殊効果がある「武器」、があったこと
 「モグのお守り」は現在でも乱入によって手に入りうるが低確率とされ、武器の方は全く入手手段がない。
 ここまでさんざん「レベル補正が厳しい」、「レベリングが必須」、と述べてきたが、ちょちょいとメンバー登録しておけばその労力が1/10にまで緩和されたのである
 それもゲーム内容とは別の部分での緩和である。それはつまりレベリングを楽しみではなく単なるノルマ、足止めとして捉えていたと言うことではないのか。この格差は果たして妥当という想定であったのだろうか

 ついでに言うと、ジャックの経験値2倍武器の名前が「ブシドーブレイド」。すげー欲しい。

 ・・・一方、ゲーム本編内でも経験値をブーストする装備はある。
 一つは「グロウエッグ」。経験値2倍のアクセサリで、プレイ時間50時間到達報酬か終盤の町の依頼で手に入る。
 つまりほぼほぼ一周目のレベリングが終わった後での入手である。リザーブのレベリングに使えるのでこれが妥当だとは思うが、特典と比べると格差は感じる。
 もう一つはー・・・まあ、今更どころではない入手時期である。

 なお「グロウエッグ」はもう一つ入手方法があり、体験版「ゼロシキ」のデータを引き継ぐと全キャラの「夏服」ともども人数分所有しているというもの。
 これがあるとないとではレベリングに4倍の差が生じるので、これから始めようというプレイヤーにはぜひデータ引継ぎを行ってほしい。

 初期の体験版である「ナツビ」から引き継いだ場合グロウエッグはなく、夏服も様々な条件によって集めるというコンテンツであったのだが

・エミナ隊長

 それから、本作のサブイベントの一つに「スケル」というものがある。
 魔導院には「エミナ」という女性武官がいる。指揮隊長と言う立場ながらどの組にも属さず全ての候補生に平等に接し、時に友人として、時に大人として、そしてまた時に誘惑を交える人柄で候補生の憧れとなっている人物である。
 しかし、一方で経歴に不審なところがあって魔導院の諜報部からミリテス皇国のスパイとして疑われており、プレイヤーは遠隔物質透視魔法「スケル」を用いて彼女を監視するイベントに臨むことになる。

 プレゼントに「スケル」をかけることで遠隔地の視覚情報を得ることができ、隠しカメラのようにしてエミナ教官の私生活を覗く・・・というわけだ。
 「文房具」であれば机の上でたわわにゆがむ谷間をじっくりと観察でき、「壁掛け」であれば部屋を見渡して彼女の健康的なストレッチを余すことなく目にすることができる、とこんな調子だ。
 さらに彼女は部屋の中で水着(ビキニ)を試着するという趣味があり、そのまま日常生活を送ると言うことがあるらしい。下着じゃないからセーフである

 ・・・「VR彼女」でもやってろバーカ!!

 おどけずに本音を言うと一連のイベントが下劣すぎてドン引きした。
 端的に性的な犯罪行為の疑似体験であるし、物語やテーマとは何の関係も無いし、この「スケル」の魔法が本編のスパイ作戦に応用されるというようなこともない。
 ただただ開発者が「やりたいからやった」だけの薄ら寒い悪ノリによるサブイベントである。
 カマトトぶるわけでもないし、FFシリーズの品位を語りたいわけでもない(「このままながめているのもいいか」)が、こんなのは「有害図書」だの「不健全図書」だのとして社会通念的に避けられるものではないか
 ・・・「なんで?」と聞かれたらチ○ちゃんに叱られるレベルで答えられない(むしろ聞かれちゃいけない)ので、掘り下げるのは止そう。
 この一件についても、いかに本作に常識が欠如しているか垣間見えるところである。


・まとめ

 というわけで、もう一度繰り返すが  個人的には大っ嫌いなタイトルに数えているし、ここまで好評なのが心底信じがたい

 攻撃の合間に現れる「キルサイト」を狙い瞬殺する緊張感と爽快感、14人ものキャラクターによる変化に富んだアクション、シリーズの幻獣を自らの手で操作し敵を蹴散らす迫力、カスタマイズによって頼れる武器となる魔法の数々、少々壊れ気味だが強力なアクセサリー群による多彩なビルド、と魅力となる部分はたくさんある。
 「HD版」は解像度などの問題で評価が芳しくなかったがグラフィックにも見ごたえがあり、「ジュデッカ会戦」や「アレクサンダー」などハイライトは映像作品としても楽しめる。
 デザインについて言えば「車輪を暗黙のタブーにする」ことであえてクリスタルによって歪に発展した世界観を描こうとした、というアプローチも好意的に解釈したい。

 が、根っこの部分で「プレイヤーにどのような面白さを提供したいのか」というコンセプトが欠けていた気がしてならない
 キルサイトを理由にしたためか軽視される育成要素の数々、個別にレベリングする必要のある14人ものキャラクター、切り札として用意されたはずが用をなさない軍神たち、周回前提で水増しされた高Lvコンテンツ・・・。
 「レベル補正」ひとつでここまで魅力をブチ壊せるのかと恐ろしくすら思う。

 また、ワールドマップのシンボルからミッション内、S.O.に至るまでとりあえずプレイヤーを即死させとこうという安直にして強烈なペナルティをバラまいているのは失笑に値する。

 ストーリーも専門用語や特殊な設定を並べ立てたあげく内容はスカスカ、「すごいのが来てめちゃくちゃにしていった」で要約できるような幼稚な展開が続き、ルシや「黒幕」などは文字通り神の手として作者の都合の良いように物語を運ぶ存在である。
 12人もいる0組の面々は横の接点が不自然なほどに希薄で一山いくらと言った扱い、さらに宿敵であるシドの目的をはぐらかしたことで物語の主題も捉えづらくなっており、周回制を採用したことと物語の内容も噛みあっていない。

 また重要な魅力として見られていたはずの「マルチプレイ」も意味不明な仕様の盛り合わせであり、HD版での対応に現れている通りここに大したこだわりはなかったのだろう。

 ゲームとしてイビツすぎる
 上に挙げた魅力の数々を踏まえてなお、本作は誰にも勧めえないと言うことにしておきたい。





・関連作品

・「ファイナルファンタジー」シリーズ言わずと知れた国内2大RPGブランドの一方。
毎作毎作異なる世界観やシステムを展開することから「FFらしくないこと」が「FFらしさ」だと思ってはいたが、本作はさすがに異端が過ぎる。


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