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GRANDIAグランディア [X]TREAMエクストリーム


プラットフォームプレイステーション2
開発ゲームアーツ
発売エニックス
発売年月日2002年 1月
ジャンルダンジョンRPG
プレイ人数1人
セーブデータ64KB以上(最大8ファイル、158KBまで?)


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
大ボリューム 簡素 バトル演出が好テンポ バリエーションに乏しい感が 反復性あり 戦闘面の最高到達点





・ゲーム概要

 完成度の高いバトルシステムを持つ「グランディア」シリーズ第三作(外伝含まず)に当たるRPG。
 ストーリー面は拠点一つとダンジョンを往復するだけという非常に簡素な物となり、お世辞にも物語としての読みごたえがあるとは言えないが、その分バトルシステムは徹底的に洗練されたまさに「エクストリーム(極限的)」な一本。
 モンスターの3Dモデルなど多くの要素を「2」から流用しているようなのであちらの外伝と見ることもできるが、世界観やストーリーには一切関連がないので要注意だ。


・バトルシステム

 というわけで「グランディア」の特徴的なバトルシステムは健在だ。
 例によって概要はおおむね同じなのだが確認の意味でまとめると、

 本作はシンボルエンカウント制であり、フィールドやダンジョンでエネミーのモデルと接触すると「エンカウント」して戦闘に突入する。
 戦闘においては箱庭状の空間内にパーティーメンバーとエネミーそれぞれのモデルが現れ、「位置」や「距離」の概念がある攻撃が交わされることとなる。
 「剣」による攻撃ならば対象まで接近してから攻撃し、「弓」による攻撃ならば遠くからの攻撃が可能、鈍足なエネミーに対しては距離を取ることで攻撃そのものを不発に終わらせることができる・・・などの要素があるものだ。
 他にも「魔法」と「必殺技」の概念があり、直線や円形といった範囲内の敵をまとめて攻撃するアクションもある。

 そして、本シリーズならではのシステムとして「IPゲージ」というものがある。
 これは戦闘に参加しているキャラクターの行動順を視覚的に表現したもので、各キャラクターのアイコンが同一のゲージ上を進み、端に到達したものから行動を選択・実行するというもの。
 アイコンの速度は「行動力」によって決まるほか、ゲージは行動の選択を待つ「待機」ゾーンと行動の実行を待つ「行動」ゾーンに区切られており、行動ゾーンでは選択した行動によってゲージの進み方が変動することとなる。

 このうえで、キャラクターには総合威力が高く隙も小さい「コンボ」と、威力に劣る代わりに相手のIPゲージを後退させる「クリティカル」という2種類の攻撃方法が用意されている。
 特に「クリティカル」は使いづらいが重要なアクションで、上手い具合に連携すれば相手の足を止められるほか、行動ゾーンにいる相手に当てると行動そのものを「キャンセル」させ未然に防ぐことができるのである。
 また、IPゲージの進み具合を調整する「パス」のような役割として移動や防御といったコマンドもある。
 言うは易しだが、このあたりの戦術眼があれば多少の戦力差はひっくり返してボスを攻略することが可能というわけだ。


 さてシリーズ恒例の魔法と必殺技に関しては、
 ・「魔法」はマナエッグを複数装備し、マナエッグごとにMP容量を管理するやや特殊な形式になった。(詳細は後述)
 ・「必殺技」に使用するSPは最大値100固定で戦闘中に溜まりやすくなったが、ダンジョンの外では0になるようになった。
 ・複数キャラクターで繰り出す「合体技」が登場した。(詳細は後述)
 といった具合に仕様が変更・追加された。成長システムとも関連が深いのでのちほど詳しく見てみよう。

 ほか、細かな変更点として
 ・IPゲージのデザインが円形になった。これによりアイコンが重なりづらくなったり進んだ割合が見やすくなったりと視認性が向上された。
 ・攻撃のヒット数に応じてダメージボーナスが乗るようになった。特に複数ヒットする魔法は必殺技の前準備としての効果が大きい。
 ・ダンジョン中では主人公一人だけが表示されるようになった。隊列の後ろのキャラに接触してエンカウントと言うことが無くなった。
 ・ダンジョン内で周囲の地形やエネミー、アイテムの存在を表示するミニマップが表示されるようになった。
 ・エネミーシンボルと接触する際に「構え」を取ることができるようになり、向きのほかこの状態か否かが戦闘開始時の有利・不利を決めるようになった。
 ・周辺の敵の強さの目安となる「エクストリームゲージ」というものが追加された。ただ、ダンジョン内に突出して強力なザコというのはいないので初見以外であまり意味はないか。

 ・・・など、様々な点が遊びやすくブラッシュアップされている。

 そして、こうしたバトルシステムを中心に据えた本作はダンジョンの内部が再生するようになったという大きな変更点を持つ。
 構造こそ固定だが落ちているアイテムや徘徊するエネミーはランダムに抽選され、入るたびに戦闘やアイテムの入手を楽しむことができるようになったのだ。
 本作は同じダンジョンを何周もしてアイテムを集めたりキャラクターを鍛えたりし、育成したキャラクターで強力なボスを突破するというハクスラ的なゲームデザインとなっているのである。

 ということで、本作にはいわゆる「一品モノ」の装備やアイテムは存在しない。
 ダンジョン内のアイテムは極端な話無視して先に進んでしまっても取り返しがつかないということはなく、取るのが面倒な宝箱やエネミーが多いルートは無視して進んでしまっても構わないと言うことだ。
 前作のようにストーリー上引き返せないわ強力な装備がボロボロ落ちているわでダンジョン全てを見て回らないと気が済まない・・・と言う心配は無用であるわけだ。

 また、作中中盤以降では構造もランダムに生成される「不思議の」系ダンジョンも登場し、ラストダンジョンやクリア後のボーナスダンジョンとしてもこれに挑戦するあたりはこれが本作のゲームバランスが目指した完成形であると言えるだろう。

 一方で、ダンジョン内での行動はだいぶ制限される。
 例えばボス手前にセーブポイントがない。あるのは拠点への帰還ポイントで、しかも利用後は再度入り口ないし中間地点から攻略し直しになるというシビアな設定だ。
 また装備の切り替えも出来ない。敵に合わせて特効武器を持ち替えたり、ボス戦手前で耐性装備に着替えたり・・・といったことが出来ず、道中のエネミーとボスを一括して攻略できる編成を練ることが求められるわけだ。
 このため、エネミーシンボルを見て戦闘を回避したり先制攻撃を仕掛けたりといったことができるシンボルエンカウント制は良くマッチしている。
 アクションの腕前やダンジョンの構造の把握によってボスまでの消耗を減らすことができ、ダンジョン別に上達の面白味を感じることができるわけだ。
 個人の経験を言えば、入り口から貴重品の入った宝箱までの距離が近く、隣のマップに大量のスキル経験値をドロップするナーガがうろつく「波頭の源・海底洞窟」は稼ぎやすく嫌と言うほど回ったものである。

 では、次にこの「稼ぎ」の意義を、本作での「マナエッグ」と「スキルブック」のシステムを詳しく見て見ることとしよう。


・マナエッグ

 本作の「マナエッグ」はダンジョン内の特定のポイントに配置されるアイテムで、キャラクターに装備させることで内包する魔法を使用できるようになるというもの。
 「ウィンドエッグ」なら風属性の範囲攻撃魔法「ヒューイ」と移動速度アップの補助魔法「ランナ」、「アクアエッグ」なら水属性の回復魔法「ケロマ」と範囲睡眠魔法「ムーニャ」、という具合だ。
 そして、本作はこうしたマナエッグを「合成」するシステムがある。
 先の二つを合成すれば「ミストエッグ」となり、水属性の全体回復魔法「ミケロマ」と単体即死魔法「デスト」、単体透明化の補助魔法「フェドーア」を使えるようになる。
 さらに、これにもう一度「アクアエッグ」か「ウィンドエッグ」を加えると吹雪属性の攻撃魔法を持つ「フロストエッグ」へとグレードアップする。
 本作ではこうした合成によって全36種類のマナエッグを作成することができ、「アイテムを集めてより強力なアイテムを合成する」楽しみを味わうことができるわけだ。

 また、こうして合成したマナエッグには「SF(スペシャル・フォース)」という特殊補正が付くこともある。
 魔法ごとに「P」や「S」、「MP」といったマークが付き、それぞれ威力や詠唱速度、消費MPを補正するのである。
 これがどの様につくかは全くのランダムだが、一つの魔法に複数の効果が付くことも珍しくないのでセーブ&ロードで粘って理想の一品を目指すのも一興だ。
 一方でマナエッグは合成するほどにMP容量を上げ、時にはSFが付きやすくなる「☆」マークが付くこともあるので、狙いの結果が出なくとも根気よく再利用してゆけばそれだけ強力なマナエッグに仕上がることだろう。

 マナエッグの収集については、ダンジョンに入り直すとアイテムやエネミーがリセットされることを利用して簡単に集められるのでガンガン合成していって構わない。
 一度に最大24個までしか持てないなどインベントリの上限の方がキツいくらいなので、効率の良い収集ルートに目星を付けてまとめて合成してしまうくらいが無駄がないだろう。
 こうした「アイテム漁り」時には、集めたアイテムでどれだけ強くなれるかに胸が高鳴ること請け合いだ。


・スキルブック

 マナエッグと同様にして手に入る装備アイテムに「スキルブック」がある。
 本作では「スキルブック」の中身は白紙であり、別途「羊皮紙」というアイテムからスキルを生成してセットすることによってはじめて効果を発揮する。
 まあUSBハブとかマルチ電源タップのようなものである。

 「羊皮紙」はモンスターからドロップさせる必要があるアイテムで、初級・中級といったグレードと体術・心術といった分類があり、さらにその中からどのスキルが生成されるかはランダムに決定される。
 「初級体術」であれば物理攻撃力アップの「ストレングス」や物理防御力アップの「タフネス」、「中級体術」であればより特殊な効果として防御時HP回復の「祈願」や被ダメージにひるまず行動できるようになる(IPダメージやキャンセルは受ける)「不動の型」、といった物が生成されるのだ。
 等級の高いスキルは強力だが、基本的に上位互換とはいかないので基礎もおろそかにしないよう注意したい。

 また生成したスキルはいずれもLv1の状態であり、装備した状態でエネミーを撃破し「スキル経験値」を獲得することによって成長してゆく。
 序盤で手に入る「ストレングス」や「タフネス」であっても最大で7Lv*3%、合計+21%という大きな補正が乗り、割合で上昇し複数重複させて効果を発揮できることからこれらはゲーム全編通して通用することになる。
 スキルブックに話を戻すとスキルブックごとに装備できるスキルの等級と数が異なり、中級スキルは強力だが一冊につき二つまで、初級スキルは一冊につき三つまで装備でき重複も可能、という具合に上限が定められており、キャラクターごとに複数のスキルブックを装備できるので割り振りを考えて装備させるようにしたい。

 マナエッグが宝箱の回収と合成によってあまり戦闘を介さずに育成できることに対し、スキルはスキルブックさえ用意すればひたすらに戦闘を繰り返して収集と育成をこなすことになると言える。
 とはいえモンスターによってドロップする羊皮紙やスキル経験値の種類が異なり、装備しているスキルに対応しないスキル経験値は無駄になってしまうのでるので、やはり傾向を見て支度をしてから戦闘をこなすのが望ましい。
 シンボルエンカウント制の本作ではエネミーシンボルを見てエンカウントするエネミーを選べるので、要・不要を見て特定のモンスターを襲撃する「狩り」を楽しんでいこう。


・必殺技

 さて、マナエッグやスキルブックと比べるとカスタムの余地がないが「必殺技」も重要な要素の一つだ。
 本作のキャラクターは個人個人で特徴のある必殺技を習得し、強力な単体攻撃のみならず円形・直線範囲攻撃や味方の応援・回復といった補助技で活躍することができる。
 習得や強化については使用回数に応じて「熟練」し全体的な性能が上がるほか、下位の必殺技に熟練していると戦闘中に「ひらめく」形で習得する。

 そして、本作で特徴的なのは複数キャラクターが連携して繰り出す「合体技」が登場したと言うことだ。
 これは複数キャラクターが足並みを揃えて発動する技であり、IPゲージが揃うまで「待機」するという特殊な待ち時間を挟む必要がある。
 待機が長ければそれだけロスが大きいので事前にゲージが近いタイミングになるよう調整してやる必要があるほか、待機中にキャンセルされることもあり、物によっては2人以上の行動がいっぺんに無駄になることもある、上級者向けの技である。

 一方で敵の側にも合体技を使用するキャラクターがおり、この場合はこうした使いづらい点をそっくり弱点として突いてやることもできる。
 ボスキャラクターの中にも体の複数部位を揃えて攻撃してくるものがいるので、こうした相手と相対するときは普段以上の緊張感をもって大技を阻止することとなるだろう。

 なお気になる演出面だが、プレイヤー側では通常のコンボ攻撃を個別に繰り出すだけという見ごたえのない物が30種、炎や氷の属性を与えて必殺技を放つ物が8種、モーションや演出が専用のものが7種、といったところ。
 シリーズ恒例の竜陣剣をアレンジしたものなどはとても見ごたえが有るが、コンボ系の物はせめて1ヒットごとに交互に攻撃するなどできなかったのかとやるせなさの残るものである。


・ストーリー

 本作のストーリーはあまり内容がない。
 人間に似た「ノーチス人」とエルフに似た「アルカダ人」が長く戦争をしていた世界で、戦争の一方でどちらの民族も「古代人」の遺跡が暴走して周囲に天変地異を巻き起こす「精霊暴走」事件に悩まされていた。
 ノーチスの軍は終戦を機にそろそろこれを鎮圧しようとしたが被害ばかりが増える始末で、地脈を通して精霊の力を感じ取ることができる「地導師」の活きのいいのを中心に案内役としてノーチス人、アルカダ人、また獣の特徴を持つ「ハズマの民」を加えた義勇兵部隊にこれを解決させることになったというあらましである。

 物語の舞台は部隊に与えられた拠点一つと近場の街一つ、あとは各地の遺跡のみで、異なる土地を冒険するような要素は一切ない。
 あとはまあ作戦の裏側で上官が暗躍しており黒幕が二転三転するが、主人公の人間的な成長やヒロインとのロマンスといった見どころがあるわけでもなく淡々と進んで淡々と決着する内容だ。
 むしろ、物語が節目を迎えるとダンジョン内の敵やアイテムの質がパワーアップするというイベントが起きるので同じダンジョンを攻略し直すことすら促されるほどである。
 物語性を期待しているととても残念な内容なので、この辺りは念頭に置いておこう。


・キャラクター

 本作は主人公のエヴァンを固定メンバーとして、残り三人の枠を仲間キャラクターから自由に入れ替えることができる。
 (序盤は特定のメンバーが加入必須になる)

 ・エヴァン (CV:三木 眞一郎)
 主人公。ノーチス人だが最近まで不良としてブラブラしていたので軍と接点がなく、部隊の中では顔見知りがおらず浮いた存在である。
 しかしながら家業の「地導師」としての技能が作戦遂行に不可欠とされてリーダーに任命され、クセの強い部隊の仲間たちを団結させようとあれこれ苦心してゆくことになる。
 能力としてはマナエッグを3つ、スキルブックを3冊装備できるオールラウンダー。
 主人公として絶対にパーティーから外せないという不便なところがあるが、全体的に必殺技の出が早く範囲も広いためどこに行っても腐ることは無いだろう。

 ・カーマイン (CV:水谷 優子)
 ノーチス軍人。とはいえ世のため人のためというより安定した生活のために軍属しているところがあり、ワガママで派手好き。
 能力としてはマナエッグを2つ、スキルブックを4冊装備できる準戦士タイプ。
 コンボ・クリティカルともモーションが使いやすいので直接戦闘に向くが、言い換えるとマナエッグを2つ装備できる点は持て余しやすい。

 ・ブランドル (CV:江川 央生)
 ノーチス軍人。多くの作戦を経験したベテランで炎遺跡のボスを仲間の仇としてにらんでいる。外見と経歴に似合わない24歳。
 能力としてはマナエッグを1つ、スキルブックを5冊装備できる戦士タイプ。
 範囲攻撃がやや乏しいが、終盤以降に強力なスキルがドロップするようになると大化けする。

 ・ミャム (CV:田村 ゆかり)
 ハズマの民。人懐っこくいつも元気に満ちた少女だが、風遺跡の暴走によって故郷を失ったなど一連の事件には心を痛めている。
 能力としてはマナエッグを4つ、スキルブックを2冊装備できる魔法使いタイプ。
 また弓による遠隔攻撃も重宝し、全体回復や味方単体を即時行動させる必殺技の使い勝手も優れている。

 ・ウルク (CV:石塚 運昇)
 ハズマの民。大柄で無口、他人とはあまり関わろうとしないが言うべきことははっきりと言うかじ取り役。白髪や性格で実年齢以上に老けて見える30歳。
 能力としてはマナエッグを1つ、スキルブックを5冊装備できる戦士タイプ。
 ただモーションが全体的に遅く移動速度も低いので攻撃が不発になりやすい。おそらく多くのプレイヤーにとって留守番役だろう。

 ・ジェイド (CV:稲田 徹)
 アルカダ人。伝統と名誉を重んじノーチス人に不信感を抱いているため部隊内での人当たりは最悪。水遺跡で想い人を亡くしているため同行に強い意欲を示すが・・・。
 能力としてはマナエッグを4つ、スキルブックを2冊装備できる魔法使いタイプ。
 なのだが、必殺技は杖でブン殴って爆発させたり地面を殴りつけて爆発させたりと妙に肉弾派である。

 ・ティト (CV:保志 総一朗)
 アルカダ人。小柄で人見知りが激しくジェイドを保護者として頼っているところがある。
 能力としてはマナエッグを2つ、スキルブックを4冊装備できる準戦士タイプ。
 ・・・なのはいいとしてモンスターから確実にアイテムを入手する「アイテムゲット」という特技を持ち、アイテム収集を目的とする場合はほぼ必須メンバーである。

 ・ルティナ (CV:川上 とも子)
 アルカダ人。作中中盤にエヴァンらを襲撃して意外な事実を告げる人物。加入タイミングが遅い唯一のメンバー。
 特殊工作員としての訓練を受けてきたため常に緊張感を持ち他人を避けようとするところがあるが、たまにデレる。
 能力としてはマナエッグを3つ、スキルブックを3冊装備できるオールラウンダー。
 攻撃モーションや移動速度が速く、特にナイフを投げるクリティカルは出が早く優秀。魔法を使わせてもいいが物理寄りの戦いをした方が強みを生かせるだろう。

 ・クロイツ (CV:子安 武人)
 ノーチス軍人。若くして中佐の位にあり今回の作戦を主導してもいるが、エヴァンにとってはかつての不良仲間として信用のおけない人物でもある。
 専用の戦闘モーションがあるが残念ながらパーティーには加入しない。

 ・ディーネ (CV:矢島 晶子)
 ノーチス軍人。階級は少尉、今回の作戦の指揮官としてエヴァンとクロイツの間の情報伝達役を務めている。

 ・スペクト (CV:立木 文彦)
 ノーチス軍所属の科学者。古代文明の専門家で、表向きは遺跡が暴走した原因を究明する調査顧問である。
 クロイツと組んで悪だくみをしているらしく、あまりそのことを隠せていない。


・まとめ

 「グランディア」が提示した戦術的なバトルシステムは「グランディアII」によって育成システムを充実させつつ引き継がれ、本作「グランディア エクストリーム」においてさらに高次元に完成された。
 バトルシステムの面白さという一点においては、世の多くのRPGの中でも本作を一つの傑作として評価したい。

 一方でストーリーはオマケ程度のものなので、本作への関心はバトルシステム一点に絞って考えればよいだろう。
 戦力差のあるボスに戦術をもって挑みたい人、アイテムやスキルを集めて理想のビルドを練ることに熱中する人、条件を整えた末のオーバーキルに痛快さを覚える人、などなど、RPGの戦闘に何かしらの楽しみを見出す人であれば興味を持ってほしい一本だ。





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