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STRAHLシュトラール められしななつのひかり


プラットフォーム3DO、セガサターン
開発データイースト
発売メディアエンターテイメント
発売年月日1995年 11月
ジャンルアクションアドベンチャー (※自称)
プレイ人数1人
セーブデータなし (セーブ機能がない)


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
「方向ボタン」+「2ボタン」のシンプル操作! 48種類のマルチエンディング!! 全ステージをフルアニメーションムービーで表現! リアルなサウンド、迫力の効果音! 死にゲー なんだよこれ・・・





・ゲーム概要

 1995年にセガサターンから発売された「フルアニメーション・インタラクティブ・ムービーゲーム」。
 パッケージ裏のコピーを引用すれば、

 「ゲームシーンの全ステージをフルアニメーションムービーで表現!
 「リアルなサウンド、迫力の効果音!
 「君は、全ての結末を見ることが出来るか?48種類のマルチエンディング!!
 「「方向ボタン」+「2ボタン」のシンプル操作!

 とのこと。
 実際、ほぼその通りの内容である。

 本作はMEGA-LDゲームの「トライアッドストーン(1994)」の一部を編集してセガサターンへ移植したものであり、その「トライアッドストーン」もレーザーディスクゲームの「キャッシングストーン(1985)」を移植したものであったことから、当時でさえ10年前の内容であったと言える。


・ストーリー

 以下、説明書のプロローグより抜粋。


 アレクシスは、のどかで平和な街に暮らすごく普通の青年だった。
 ある日、その街に行き倒れ寸前のみすぼらしい老人が訪れる。
 老人は、道ゆく人々に一杯の水の慈悲を乞うたが、その姿は息も絶え絶えで、
 いつ命が尽きてもおかしくないと思われたので、人々はかかわりになるのはご免と、
 皆素知らぬふりをしてその脇を通り過ぎていった。
 そんな中で、アレクシスだけが老人にいたわりの言葉をかけ、
 その疲れきった体を自宅に運び込み、暖かい寝床と食事を与え、
 手厚い看病をしたのだった。
 老人の様態は一進一退を繰り返し、何日か付ききりの看病が続いたある夜、
 疲れてウトウトしていたアレクシスの耳に、威厳に満ちた男の声が響いた。
 「目覚めるのじゃ、アレクシス。」
 その声に顔を上げたアレクシスの目の前には、あの老人が、
 つい先程まで病人だったとは思えない
 しっかりとした様子で立っていた。
 その瞳には確固たる意思が宿り、
 ただならぬ威厳が全身にみなぎっていた。
 驚くアレクシスを前にして、老人は語り始めた。
 「アレクシス、汝の真心、しかと見届けた。
 世を制するに足る資質を汝は持ち合わせておる。
 その身が望みさえすれば、神にもなれよう。
 どうじゃ、その力、試してみる気はないか?」アレクシスは動揺し、驚愕した。
 しかし次の瞬間、それは強い憧れとなって彼をとらえた。
 アレクシスは一言も言葉を発したわけではなかったが、
 その心をまるで見通したかのように老人は話を続けた。
 「そうか、汝の心、あい分かった。しからば、我が試練を受け取るがよい!」
 老人が杖を振りかざしたと思ったその刹那、部屋全体が光り始め、
 その中で彼の姿はかき消されたように、
 見えなくなってしまった・・・
 こうして、アレクシスの長い試練の旅は始まったのである。


・主人公紹介

 以下、説明書の主人公紹介より抜粋。
 [アレクシス・ホークフィールド (Alexis Hawkfield)]
 のどかで平和な村に暮らす、ごく普通の青年。だが、
 実はその内部に深い慈悲の心と大いなる勇気を秘め”世界を制するもの”の資質を持っている。
 ある事件をきっかけにその素質を見抜かれ、神になる試練に挑戦することになる。

 ・・・ごく普通の青年が行き倒れ寸前の老人から「神にならないか?」と声をかけられて乗り気になるとは思えないが、ともかく。
 この「アレクシス」なる全身赤タイツ+スネオヘアー+腋チラの青年が主人公としてアグレッシヴに活躍し、7つ+1の試練を攻略してゆくのが本ゲームの内容となっているのだ。

 ちなみに、原作「トライアッドストーン」では主人公の名前は「アッシュ」で、冒険のきっかけも自分の島を救うためだったそうな。


ゲームシステム

 本ゲームには8つのステージ(≒ムービー)が存在しており、それぞれジャングルを小船で下るアレクシス、ゴーレムの群れと対決するアレクシス、といったムービーで構成されている。
 そのムービーの中でアレクシスがジャンプする場面では「↑」を押し、力んでいる場面では「A」を連打する、というのが本ゲームの内容なわけだ。
 必要な入力は「方向ボタン4種」と「攻撃ボタン」、「パワーボタン」単体のみ。
 入力が遅れると残機を失い、3機失うとゲームオーバーとなる。


 ゲーム内容は以上である。

 「全ステージをフルアニメーションムービーで表現!」のため、ホントに「ムービーに合わせてボタンを押す」だけ、
 「「方向ボタン」+「2ボタン」のシンプル操作!」は「↑+A」といった組み合わせも必要としないシンプルっぷり。

 この内容でどう「48種類のマルチエンディング!」を実現しているかと言うと、「最初に選択したステージ(3種)」と「失った残機数」によって分岐するようになっており、1機失うごとにエンディングが変化するという設計。

 またこんな内容でも「難易度選択」が存在しており、EASY、NOMAL、HARD、の3種類が用意されている。
 ムービー中に必要な入力数が変化する・・・と思いきやそうではなく、

 EASY・・・コンテニュー無限、エンディング無し
 NOMAL・・・コンテニュー3回まで、エンディング有り
 HARD・・・コンテニュー禁止、入力の表示無し、エンディングはデバッグ画面に突入して1つだけ自由に閲覧可能

 となっている。
 特にHARDのやっつけ感が半端でない。

 入力に失敗したら即死亡、となる本ゲームにおいて必要な入力が表示されないのは相当厳しく、かつ入力失敗時の死亡ムービーが唐突に流れるため、
 「障害物を飛び越えたと思ったら死亡」とか
 「敵に切りかかったと思ったら死亡」、
 あるいは「ドアを開けるために力んだと思ったら死亡」という、某先生も真っ青の死にっぷりをさらすことになるだろう。
 見ている側としては何が起きているかさっぱりである。

 なお、「リアルなサウンド、迫力の効果音!」については「トライアッドストーン」から撮り直してるらしく、確かに臨場感の増した物となっている。


・エンディング

 で、「神にもなれよう」などと言われていたアレクシスはどのようなエンディングを迎えるのだろうか?
 さすがに48回も残機を調整しつつクリアするなんて馬鹿げたやりこみに挑戦する気は無いのでなんとも言えないが、吟遊詩人になるもの、海賊の長になるもの、中にはホントに神になるものなどバリエーションは無駄に 豊富なので、好みのエンディングを探して何度かプレイするのも悪くない・・・かなぁ?


・まとめ

 昨今のゲームが「やるゲーム」から「観るゲーム」に傾きつつある中、遥か昔に行くとこまで行ってしまっていた一品。
 個人的にはこういうゲームが増えないことを願うが、そういった意味で反面教師としての価値は高いかもしれない。
 あとバカゲーと割り切って初見の人間にやらせると意外と盛り上がる・・・こともあるで、大人数でゲームをしているときの息抜きとしてはそこそこオススメである。


・おまけ

 全ステージ簡素譜面集(HARD挑戦者用)

迷宮にひそむクリスタルの番人
 ○ → ○○ →○○ ××× →↑× ←○↑ 

ゴーレムが待ち受ける灼熱の渓谷
 ↓←○×○ ↑ ←↑→↑↑ ×↑××× ↑→× ←← 

凶暴な牙が襲い掛かる密林地帯
 ←←←←↑↑ ↑ →→×××××○ ←↑→←← ↑○ ↑ ↑↑○ 

ホワイトドラゴンが生息する聖域
 →○ → ↓ ↓○ →↑←← →↑→×↑ × 

悪しき意志を持った空間
 → ×→←← →← ←↑× ←←←→○ ←↓ ↑↑→ →←→ ↑ 

影が忍び寄るクリスタルの迷宮
 → × ← ×← ×× ××× ○ ←○ ××○× 

夢魔が創り出す幻想の世界
 →→○○ ○ × →×←←← ×××○ ←→ ←→ ←→←←→↑ →×← × ×→○ 

闇が作り出した光の戦士
 → × ○ ○ × 





・関連作品

・キャッシングストーンレーザーディスクにて開発されていたゲーム。未発売に終わったらしい。
・トライアッドストーンMEGA-LDでキャッシングストーンを復活させたというブツ。これを元に「シュトラール」が作られた。


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