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土器王紀どきおうき


プラットフォームプレイステーション
開発スタジオDEWS
発売バンプレスト
発売年月日1995年 12月
ジャンル異世界紀行
プレイ人数1人
セーブデータ1ブロック、3〜?ファイルまで


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
ドキュメント集め中心 ワクワク、ドキドキ とことん土器ばかり 幻想風土記 一度気付けば簡単 今どき見ても新鮮





・ゲーム概要

 1995年というプレイステーション黎明期に発売された土器世界体験ゲーム。
 家、住人、家具、動物、その他全てが土器で作られた異世界「エスパッシ」での旅を楽しむ・・・という内容。
 ゲーム自体は見聞きした情報「メモ」を使ったコミュニケーションによって進展するテキストアドベンチャー形式を取っている。

 3Dで作成された幻想的な空間は(当時にしては)なかなか美麗であり、その独特すぎるテーマも相まって土器LOVEな人の心を捕えて離さない一本であるようだ。


・エスパッシって?

 本ゲームの舞台は「エスパッシ」という異世界だ。
 ここではありとあらゆるものが土器で作られており、土器人たちが土器で出来た魚を食べ、土器の家に住みながら土器を作り日々を過ごしている。

 ・・・という側面のほかに、あらゆる宇宙が誕生するはじまりの地、という側面も持っている。
 これはゲーム中で解き明かしてゆくべき謎の一つであり、あまり詳細に語るべきではないのだが、この世界に住む「土器人」たちは「宇宙卵」を育てるための殻であり、成熟した「宇宙卵」はやがて我々が住んでいるような宇宙となる・・・のだそうだ。
 そんな中で我々の宇宙は「ウニバル」と呼ばれており、この世界を統べた「土器王」から生まれたとされている。
 この「ウニバル」の法則を管理する「ウニバルの壷」が紛失したことから、本作の物語は始まってゆくのだ。


・ゲームの進め方

 本作は画面内の気になる点をクリックして調査し、「アイテム」を入手・使用することによって進んでゆく。
 鍵を拾い、鍵穴に使用して行動範囲を広げてゆく・・・という流れはいたって普通のアドベンチャーゲームであり、単純にゲームを攻略しようと思えばたいして苦労せず攻略できてしまう。

 が、それとは別にこの世界の情報を記録した「メモ」という概念があり、これがこのゲームならではの面白さを演出している。
 はじめ、プレイヤーはこの「エスパッシ」を何も知らない状態で訪れ、「ウニバル」や「セレブロ」、「テルミナス」といった全くわけのわからない単語の洗礼を受けることになる。
 それらの単語は「メモ」として入手され、これを使って土器人たちに質問することで単語の説明や詳しい情報を得ることが出来、得た情報が新たなメモとなったり、情報の量がレベルとして表示されたりする、というわけだ。

 このメモを埋める作業がなかなかに楽しく、不思議な異世界への理解を深めるほか、物語のヒント、伏線、意外な人物関係などがわかる重要な要素となっている。
 「メモを駆使して証拠を集め、事件の真相を解いてゆく」・・・なんて推理的側面は無いのだが、ゆったり、気長に、話を聞いて回る・・・というのどかさが実にいい味を出していると言えるだろう。


・グラフィック

 また本作のグラフィックについてだが、これは徹底して土器、あるいは石材をモチーフにしている。
 その水準は非常に高く、素焼きの土器ならではの土の色(キャラクターごとに特徴がある)、マットな質感、ヒビやへこみまでリアルに表現されているのだ。
 1995年という古い世代のゲームではあるが、ここまで土器の表現を追及したゲームというのはなかなか無いのではないだろうか。
 なぜそこまで土器にこだわるのか?それは全く理解できないが、その熱い情熱だけはひしひしと伝わってくることだろう。


・まとめ

 不思議な土器世界でのんびりと散歩を楽しむ・・・といったのどかな一本。グラフィック、音楽とも土器好きな人にはたまらない物ではないだろうか。
 そうでなくてもその幻想的な世界観、宇宙創造にまつわる壮大な物語はファンタジー好きな人に興味を抱かせるだろう怪作だ。


 なお、本ゲームはマルチエンディング制であり、不適切な行動を取っているとバッドエンディングを迎えてしまう点には注意が必要である。
 かくいう自分が最初に見たエンディングは・・・「ウニバル生まれの 土器人の誕生や!

 (((((;゚Д゚))))) うわあぁぁぁぁぁ!!


・ワンポイント攻略

 ・メモータルに入るには「オツゲイシ」に挨拶してから正面の扉を調べること。




・関連作品

・ドグウ戦記DCのシミュレーションゲーム。土偶というよりはゴーレムなのだが、一応。
・スタジオPゲームモードの一つに「焼き物を作る」というものが。


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