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SPYRO THE DRAGONスパイロ・ザ・ドラゴン


プラットフォームプレイステーション
開発インソムニアックゲームス
発売ソニーコンピューターエンターテイメント
発売年月日日本版:1999年 4月
(北米版:1998年9月)
ジャンルアクション
プレイ人数1人
(ポケットステーション用ミニゲーム「とっくん!スパークス」は1〜2人)
セーブデータ1ブロック、3ファイルまで
ポケットステーション用ミニゲーム「とっくん!スパークス」は10ブロック


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
カメラワークに難あり 単純明快 アニメ(カートゥーン)的 軽快 3D酔い注意 「サルゲッチュ」体験版を収録





・ゲーム概要

 北米で制作され、日本でも大きな人気を集めた「クラッシュバンディクー」シリーズの生みの親である「マーク・サーニー」氏が手がけた3Dアクションゲーム。
 ドラゴンの「スパイロ」とトンボ(ドラゴンフライ)の「スパークス」がドラゴンの世界を救うための冒険を繰り広げる、という内容。

 「クラッシュバンディクー」と比較するとステージにスクロール方向が設定されておらず、アイテムの回収などステージ内を自由に探検可能であることが特徴的である。

 以下、日本語版の内容についてレビューを行なってゆく。


・ものがたり

 本作の説明書には絵本を模した「ものがたり」が付属しており、ゲーム内のアニメ的なグラフィックと相まってややディズニー調の雰囲気を味あわせてくれる。
 あらすじとしては、平和なドラゴンの世界をねたんだ悪者「ナスティ・ノーク」によって変えられたドラゴンの世界を元に戻すために、子供のドラゴンである「スパイロ」とトンボの相棒「スパークス」がさまざまな「ガーデン」を冒険してゆく・・・というもの。
 複雑な物語などはなく、「ナスティをやっつける!」、「クリスタルにされたドラゴンを助ける!」と目標も明確なのでお子様にも安心である。


・アクション、ゲームの目的

 クリスタルにされたドラゴンを助け、悪者ナスティ・ノークのもとにたどり着くには3Dの「ホーム」や「ステージ」内を探検して「ダイヤ」を拾い集めたり、ドラゴンたちを探し出したりする必要がある。
 「ダイヤ」は各ステージに一定数だけ隠されており、道に落ちているほか宝箱の中に入っていたり魔法でモンスターの材料にされていたりする。
 「ドラゴン」はクリスタルの台座に触れれば助けられるが、穴に囲まれた場所や高い場所にあったりして近づくだけでも一苦労となっている。
 そんな中で活躍する主なアクションは、「炎を吹く」、「ダッシュ」、「グライド」の3つだ。

 「炎を吹く」はスパイロの基本的な攻撃アクションで、目の前に炎を吹いて攻撃を行なうというもの。

 「ダッシュ」は頭のツノを突き出して突進するもので、素早く移動できるほかに炎で倒せない相手を倒すことが出来る。

 「グライド」はジャンプ中に翼を広げ滑空を行なえるというもので、長い穴を飛び越えたり、高い場所から離れたところへ飛び移ったり、とさまざまな場所で活躍する。
 グライド中も炎を吹いたりダッシュを始めたりできるので、敵に奇襲をかけるときにも有効だ。

 これらのアクションを駆使してダイヤやドラゴンを回収し、「ホーム」内のどこかにいる「気球乗りのプカプカ」が提示するノルマを達成すればその「ガーデン」は一旦クリア。新たな「ガーデン」へと向かえるようになってゆく。
 これを繰り返して最後のガーデンにたどり着き、「ナスティ・ノーク」を倒せば晴れてエンディング・・・と言うわけだ。

 つまりゲームの目的は「アイテムを集めること」にあり、ステージを途中でやめても集めたアイテムは保持されるなど、ゴールを目指したりボスと対決したり・・・といったことがあまり重要視されていないアクションにしては珍しい内容となっている。


・ボーナスステージ

 また、1つの「ガーデン」につき1つ、自由に空を飛んで標的を破壊してゆく「ボーナスステージ」が用意されている。
 これは徐々に高度が落ちてゆく「グライド」とは違って自由に高度を上げることができ、シューティングゲームのようなプレイ感が特徴的だ。

 標的は「ゲート」や「宝箱」、「飛行機」といったものが4種類用意されていて、ある種類の標的を全て破壊したとき1種類につき80個ずつ、ステージ内の標的全てを破壊したとき「パーフェクト」としてもう80個のダイヤがボーナスとして手に入る。
 制限時間を迎えたり水に落ちたりするとアウトだが、特にペナルティもなく、何度でもやり直せるので「パーフェクト」を狙って頑張ろう。


・難点など

 ・・・と、それなりに特色があって無難に遊べるゲームなのだが、システム上ちょっとした問題もある。
 それは「アイテムを集める」という目標上アイテム(ダイヤ)の個数が有限であり、アイテムを集め終わったステージには何も残らないという点だ。
 初めてステージを訪れたときにはダイヤや宝箱で飾られたにぎやかな姿を目にするのだが、一度攻略してしまうとそれらは姿を消し、代わりのアイテムなども配置されず、点々とザコが存在するだけという淋しい姿となってしまう。
 本作はスクロール方向が自由なこともあって「ゴール」にたどり着くこと自体は簡単なため、再挑戦するといった楽しみ方も難しく、やや早めに飽きが来てしまうと予想されるだろう。

 なお、その他の難点としてカメラワークが非常に悪いという点も挙げられる。
 まず主人公であるスパイロが子供の竜であるせいか視界が狭いうえに目線も低く設定されている点が一つ。
 そのうえでカメラの移動が緩慢で、物陰に引っかかったり進行方向に向き直らなかったりする点がもう一つ。
 プレイする上では頻繁なカメラ操作が必要となるだろう。
 (「Wikipedia」によるとこのカメラワークは「日本語版」での変更点だそうで、せめてオプションで変更できる機能をつけて欲しかったものである。


・まとめ

 繰り返しの楽しさに欠けるあたり末永く楽しむにはやや向いていないのだが、決してボリューム不足なわけではなく、逆に言うと「手軽に」3Dアクションを楽しめる本作。
 ステージの広大さや「グライド」の浮遊感などのびのびとした魅力があるので、かわいいドラゴンが好きな人、海外アニメが好きな人、のほか、開放感に浸りたい人などには特にオススメな一本だ。


・ワンポイント攻略

 ・全てのホーム・ステージは、初めて訪れた時点で完全攻略が可能。取れないアイテムというのは無いぞ。
 ・「△」でガケの下などを見てみると、まれに・・・?





・関連作品

・「スパイロ」シリーズ欧米では高い人気を誇るアクションゲームシリーズ。
・「クラッシュバンディクー」シリーズプレイステーション初〜中期に人気を集めたアクションゲームシリーズ。「スパイロ」シリーズの兄弟的存在。


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