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b.l.u.e.(ブルー) Legend(レジェンド) of(オブ) Water(ウォーター)


プラットフォームプレイステーション
開発ハドソン
発売ハドソン
発売年月日1998年 7月
ジャンル遊泳型海洋アドベンチャー
プレイ人数1人
セーブデータ1つ1ブロック、4ファイルまで


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
臨場感あり 王道的 基本的に丁寧だが、
人物はやや粗い
パターンが少ない? 謎解き中心 バッドエンド注意





・ゲーム概要

 1998年の夏にハドソンから発売された「遊泳型海洋アドベンチャー」ゲーム。
 プレイヤーは海洋考古学者の娘である「マイア」となり、パートナーであるイルカの「ルカ」と協力しながら海底遺跡の謎を解いてゆく・・・という内容。
 パッケージも青い海の中でイルカと少女がたわむれているものとなっており、夏にぴったりの清涼感と共に「イルカとコミュニケーションしながら謎を解く」というテーマが明快に表されている。


・ストーリー

 夏休みを利用して、海洋調査基地<ノーザンクロス>へやって来たマイア。
 父がリーダーを務める国際海洋調査チームUSRが発見した、伝説のムーの神殿と思われる遺跡の発掘という、歴史的調査を見学するのだ。
 しかし、マイアには、もっと大切な何かが、そこにはあるような気がしてならないのだった。

 マイアには、昔からよく見る不思議な夢があった。海底に沈む遺跡の奥から、自分を呼ぶ声がするのだ。
 ムーの神殿らしき遺跡が発見されて以来、その声はますます強くなってきている。
 ノーザンクロスに到着したマリアは、さっそく仲良しのイルカ・ルカと海へ潜ってみた。
 それが、自分の中に秘められた、遥かなる神秘への旅立ちとは知らずに―。


 (説明書より抜粋)


・システム

 本ゲームは大きく分けて、USRの基地内で情報を集める「基地パート」と海洋や遺跡内を探検する「探検パート」によって構成されている。

 「基地パート」では、USRのクルーたちから情報を収集・アイテムを入手することが目的となる。
 このパートは一見自由に操作可能なのだが、実際は調査可能なポイントを選択することで進行する選択式アドベンチャーとなっている。
 初めは戸惑うかもしれないが、会話中心のサブパートとしてはこの簡易さが快適に映るはずだ。

 「探検パート」では実際に海中の主人公を操作し、パートナーと共に謎を解いてゆくことになる。
 主人公の操作は上下左右を向いて前進・後退を行うという直感的なもので、肺活量メーターの許す限り自在に海中遊泳を行うことが出来る。
 この「肺活量メーター」がこのゲームにおけるHPの役割を担っており、潜水している間徐々に減っていくほか、海洋生物に襲われたりトラップに引っかかったりすることでも減少してゆく。メーターは海面に出るか、遺跡内のエアポケット(空気だまり)を見つけて酸素を補給することで回復可能だ。
 つまり遺跡内ではエアポケットを拠点として息の続く範囲で移動や探索を行い、範囲内の謎を解いたら次のエアポケットへと移動する・・・という手順でゲームを進行させてゆくことになる。
 進行の度合いが明確でテンポもよく、「酸素が残り少ない!」という緊迫感・焦燥感がある、よく出来たシステムだと思う。誰かさんと違って即死トラップも無いので安心だ。

 また、主人公の後を泳ぐパートナーには、状況に応じて探索や待機などの指示を与えることが出来る。
 仕掛けの大半はパートナーと協力して解く物なので、状況に適した指示を出せるかどうかが攻略のカギだと言っても過言ではないだろう。

 全体としては、「基地パート」でイベントを進め、手に入れたアイテムを駆使してパートナーと協力しながら「探検パート」をクリア、「基地パート」で再度イベントを進めて全5話の内容をクリアしてゆく・・・というのが本ゲームの流れとなっている。


・ゲームの舞台

 ゲームの中心は「古代遺跡」だが、そのほかにも「沈没船」と、基地からそれらまでの道のりである「基地近海」が登場する。
 「沈没船」は超テクノロジーを連想させる古代遺跡とはうって変わり、ガイコツや石像の仕掛けなどややホラーゲーム調のステージとしてゲームのアクセントになっている。
 「基地近海」では散発的なイベントが発生するのみだが、カラフルな魚たちと心行くまで遊泳を行うことが出来る。
 いずれの舞台でも生身の人間が素もぐり出来るくらいの深さのためか海が明るく、「冷たい」というより「涼しい」という印象でゲームを楽しませてくれることだろう。

 ちなみにゲームは「ムーの神殿」を舞台にしているはずだが、序盤の遺跡にはエジプトの象形文字らしきものが描かれているなど非常にうさんくさい


・パッケージの裏

 ・・・ところで、清涼感ある内容とは対照的にパッケージ裏は非常に暑苦しい
 「マイアの行動によって未来が変化する、マルチシナリオ&マルチエンディング!」、「映画を彷彿とさせるカメラワークムービーで、迫力ある映像美を表現!」、「人気絶頂の声優アイドル”みやむー”宮村優子がヒロインを熱演!
 などなど、青い海を背景にわざわざ赤い文字でベタホメしている文章が敷き詰められているのだ。
 とはいえ、それらはまだいい。それよりも、
 「●古紙配合率40%の再生紙を使用しています。」、「(株)ハドソンは、第7回国際イルカ・クジラ会議 テーマ"All as One―つながりの中で生きる"に賛同し、同会議に協賛しています。
 という、とってつけたような文章の違和感が強烈である。

 いやもう、だからどうしたと。

 ついでに謳い文句について言及すれば、本作のエンディングは全部で5通りある。が、そのうち3つはバッドエンドである
 しかも分岐条件がけっこう厳しく、ちょっと気を抜くと初プレイでどうしようもない鬱エンドを迎えてしまうので気をつけたいところだ。

 あと、海中で言葉を発することが出来るはずも無く、せっかくの「みやむー」も出番はダメージボイスといくつかのムービーのみとなっている。


・丁寧すぎる説明書

 また、本ゲームは説明書の内容が丁寧すぎる
 というのは、操作説明だけで4ページ使っているという点に加え、説明書の中でゲーム中に登場するほぼ全てのキーアイテムを紹介してしまっているほか、1、2話のほぼ全ての仕掛けを攻略している点も見逃せない。
 謎解き中心のゲームでこれはあんまりである。
 他にも「腕輪」の秘密や、「イルカなどのオプションキャラ」という意味深な表記などネタバレ的記述も多く、説明書をくまなく読んでしまうとゲームをプレイする前にやる気が萎えかねないので要注意だ。


・まとめ

 ゲーム本編は夏にぴったりの清涼感がある良作だが、パッケージ裏や説明書でそれを台無しにしかねないという困った一品。バッドエンドの鬱っぷりも厳しい。
 とはいえ、遊泳感のあるアドベンチャーに興味のある人や、「海底遺跡」という言葉にロマンを感じる人はそこそこ楽しめる一品だろう。

 また当然、イルカ好きの人も・・・。
 ・・・。
 ベストエンド目指して頑張ろう・・・。



・ワンポイント攻略

 ・エンディングの分岐条件は5つ。
  ・第1章の遺跡に存在したくぼみを発見したか?
  ・第2章の怪物の断片を入手したか?
  ・第3章でマイアが夜中に目覚めたとき、ヘリポートに向かったか?
  ・第4章の爆弾をすばやく解体できたか?
  ・第5章までパートナーを「待機」させていた累計時間は適切だったか?

 ベストエンド目指して頑張ろう。

 ・オプションでムービースキップのON、OFFが出来る。再プレイ時は活用しよう。





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