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CHASE(チェイス) THE() EXPRESS(エクスプレス)


プラットフォームプレイステーション
開発シュガーアンドロケッツ
発売ソニーコンピューターエンターテイメント
発売年月日2000年 1月
ジャンルアクションアドベンチャー
プレイ人数1人
セーブデータ1つ1ブロック


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
アクション中心 アクション映画風 粗い 緊迫感あふれる 戦闘中心 今年冬上映予定(嘘)





・ゲーム概要

 2000年にSCEから発売されたアクションアドベンチャーゲーム。アクション映画風の内容で、プレイヤーはアメリカ空軍少尉「ジャック・モートン」となり、国際テロリストによって乗っ取られた列車の中で人質を奪還するべく奔走する・・・というもの。

 ・・・ゲーム概要の時点で、ゲームの舞台が列車内だけって面白いの?という疑問が沸いてくるが、結論から言うと残念ながらその疑問は正解であった


・ストーリー

 NATO軍の護衛の下、フランス大使一家を乗せてロシアからパリへ向かう最新式軍用列車「ブルー・ハーベスト号」。
 ロシア・アメリカ共同の護衛任務は何事も無く終わるかと思われたが、突如として放たれたミサイルによって護衛のヘリコプターは全滅。列車内でもあらかじめ仕掛けられていた時限爆弾が爆発し、混乱に乗じたテロリストの侵入を許してしまう。
 素早い作戦行動で次々と車両を制圧したテロリストは「黙示録の騎士団」を名乗り、フランス大使一家を人質にとって20億ドルもの身代金を要求。さらには核弾頭をちらつかせて欧州全土を脅威に晒すのだった。
 そんな混乱の中、奇跡的に助かったアメリカ空軍ジャック・モートン少尉はフランス大使一家救出の任務を受け、単身テロリストの潜むブルー・ハーベスト号に乗り込んだ・・・。

 ・・・といった感じ。
 本ゲームではそのままアクション映画のストーリーと言っても通じるような、ゲームらしかぬストーリーが展開される。
 それってゲームとしてどうなの?という疑問が沸いてくるが、自分がこなした作戦の成否が物語に影響するなどゲームならではの部分も有るのでまぁとりあえずは大目に見よう。


・登場人物

 ・ジャック・モートン
 本編の主人公。アメリカ空軍少尉で、前線での経験こそ少ない物の数々の戦場を経験してきたベテランである。
 今回運よくミサイルの直撃を逃れ、単身フランス大使一家救出作戦を開始する。

 ・クリスティナ・ウェイボーン
 射撃でのオリンピック出場経験を持つ女性SP。生存者の護衛などでジャックをバックアップする心強い味方である。

 ・ボリス・ズゴウスキー
 今回ブルー・ハーベスト号をジャックしたテロリスト集団「黙示録の騎士団」のリーダー。元KGBで超一流の暗殺者でもある。

 ・ピエール・サイモン
 ロシア駐在フランス大使。職務に熱心な良き父親であり、家族を人質に取ったテロリストに対し怒りをあらわにする。

 ・フィリップ・メイソン
 フランス大使の秘書官で軍隊経験もある優秀な人物。だがゲーム序盤であっさり大使を誘拐されるなどどこか頼りない。

 ・ビリー・マグワイヤ
 運よくテロリストの攻撃から生き残ったブルー・ハーベスト号レーダー管制官。
 実際「自分は幸運」を口癖にしているが、ゲーム序盤で彼の始末書を発見できるあたりそれほど幸運でも無い模様。

 ・ブルー・ハーベスト号
 地域紛争の解決を目的に作られた局地制圧用武装列車。最高時速400Km、装甲車や武装ヘリを搭載、などなど数多くの秘密を持つ。


・システム

 さて、このゲームのシステムについてだが、操作面では「しゃがむ」、「ころがる」という回避アクションと、通路の先を確認するためのカメラ操作以外には特に特徴的な部分が存在しない。
 方向キーの左右が方向転換に割り振られたラジコン操作でキーアイテムを探し、パスワードや仕掛けの謎を解いて進む・・・という点を見ても極めて「普通」のアドベンチャーゲームである。
 だが、そんな本ゲームにも特徴と言える点が2つほどある。
 1つ目は「走っている列車」ならではとも言えるもので、各種の作戦を一定時間以内に攻略しないと列車の進路が変わり物語が別のものに分岐するという点。
 これがそこそこ細かく設定されており、プレイするたびにゲームの内容が異なった物となるという形で繰り返しの面白さを支えている。
 ・・・一応は。

 もう1つは、アイテムBOXやセーブポイントの大半がトイレに設置されているという点。
 特徴というほどのことでもない気がするが、このシステムのせいでボス撃破後にセーブしようと思ったらトイレへ向かうことになり、ロックされたドアなどでキーアイテムを忘れたらトイレへ向かうことになり、なにより昨日の続きを遊ぼうとロードしたらトイレから再開することになる・・・という非常にシュールな光景を目にすることになる。
 列車内のリアルさを追求するうえでどうしても備え付ける必要のあるトイレに存在意義を持たせたかったのか、「レスト(一休み)・ルームって言うからさ、HAHAHA!」なノリで決めたのか、それは不明である。が、ジャック・モートン少尉は「アドベンチャーゲーム史上最もトイレに入り浸った主人公」の名をほしいままにしているであろうことは想像に難くない。


・ゲームの内容

 ・・・と、ここまでストーリーとシステムについて説明したが、「早い話遊んでみてどうなの?」という疑問を抱いた方も多いことと思う。
 一言で言うと、狭い
 何が狭いって、列車の中だけという「物語の狭さ」もさることながら、実際にドンパチ行う通路や部屋の狭さ、登場する敵のほとんどが覆面テロリストという登場する敵のバリエーションの狭さ、ベストエンディングは2周目以降でないと見せないという度量の狭さ、あらゆる部分が狭い。
 狭いトイレが好きなのも納得である。
 そのうえゲーム中盤以降は前部車両に向かったり後部車両に向かったりと列車内を往復させることで内容を水増ししており、「そもそも列車内だけでアドベンチャーゲームを作るのに無理があった」という事実をまざまざと体現する悲惨な状況となっている。
 (もっとも、スタッフもそれにうすうす気付いていたのかベストエンディングルートでは列車以外を舞台としたシーンが登場しているのだが。)

 だが、ゲームとして無理のあるものだとしてもアクション映画風に作られた雰囲気、ストーリーは「それなりに」よく出来た物となっている。
 疾走する列車上での死闘や併走する列車への移動、爆弾解体にテロリストのリーダーとの銃撃戦など見せ場となるシーンはしっかりと押さえており、見ているだけならそこそこ楽しめる点は救いといえば救いである。


・まとめ

 アクション映画風に作られた一品であり、そういったものが好きな人にはオススメできなくもない一品。
 だが、映画として肝心要のグラフィックがたいした物でないこともあって無理をしてプレイするほどの物ではない。

 強いて言えばトイレ好きの人にはオススメできる・・・?とも思ったが、別にインクリボンの代わりにトイレットペーパーを使うなんてお遊び要素は無かった。残念。


・ワンポイント攻略

 ・敵はロックオンカーソルがオレンジになるまで近づいてしゃがみ撃ちするのがオススメ。無理に無視したり素手で戦ったりするのは危険だ。
 ・とはいえ、物陰からローリングで飛び出しつつ射撃戦を行うのもカッコイイ。
 ・兵士やSPの死体は何かアイテムを持っていることが多い。遠慮なく使わせてもらおう。





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