サイトトップ/ゲームレビュー/デュアルハーツ


DUAL HEARTS(デュアルハーツ)


プラットフォームプレイステーション2
開発マトリックス
発売ソニーコンピューターエンターテイメント
発売年月日2002年 2月
ジャンルアクションRPG
プレイ人数1人
セーブデータ104KB以上、10ファイルまで


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
ギミック豊富 ハートフル あたたかでバリエーション豊富 明るめでどこか幻想的 クリアだけなら並。
完全クリアだと
ギャルゲーっぽい可愛らしいパッケージは必見。





・ゲームの概要

 プレイステーション2の比較的初期に発売された3DアクションRPG。多彩なアクションやパートナーの「バク」を駆使して人の夢の中を冒険する、という内容。
 人の夢の中に入って冒険するアクションRPG・・・というと、同社開発のPSソフト「アランドラ」を連想される方がいるかもしれないが、こちらはあんな鬱ゲーではなく、万人向けのポップでキュート、ファンタジーでハートフルなゲームとなっている。見かけだけは。


・ゲームの内容

 「夢見る宝石」を求めてソンノ島を訪れたレリックレイダー(すご腕トレジャーハンター)の少年「ランブル」。
 「ナイトメア」を封印した勇者の末裔でありながらもおっちょこちょいである夢世界の住人「バク」。

 人の夢の中に入り込んでしまった封印のカギを集めて、「夢見る宝石」を手に入れるため、「ナイトメア」を封印するため、でこぼこな二人が協力してさまざまな人の夢の中を冒険する物語。

 ゲームの主な流れとしては、現実世界で悩む人を見つけて夢の中に入り、ステージのさまざまなギミックを解き、時にはボスキャラクターと対決して、その人の悩みを解決させることで物語が進んでゆく。
 夢の中が冒険の舞台であるだけにステージは実に豊富で、天地がぐるりと輪になっている芸術家ファニーの夢、古代の遺跡である考古学者ユーリの夢、絵本を模した少女ハンナの夢、などなど、登場人物一人一人の個性的で不思議な夢は、最後まで新しいステージに入るときのワクワク感を感じさせてくれるはずだ。

 そして、そのステージを冒険するのが主人公ランブルと相棒バク。
 ランブルは剣や槍によって夢の中のモンスターと戦い、バクはランブルを乗せて走り回ったり空を飛んだりしてサポートする。二人のアクションを使いこなすには慣れが必要だが、いずれも軽快で直感的なものだから一度慣れてしまえば見事なコンビネーションを発揮してステージを隅々まで攻略できるようになるだろう。
 ・・・そう、隅々まで・・・。


・豊富なアクション

 ランブルのアクションは基本的にモンスターと戦闘したりギミックを起動したりするもので、「神具」と呼ばれるアイテムを入手することで増えてゆく。
 例えば剣は相手を攻撃するだけでなく、ボールなどを「はじく」ことができる。槍は「うちあげ」、槌は「つぶす」。
 アクションが増え、今まで行けなかった場所、取れなかったアイテム、を攻略出来るようになる喜びがあるため、「神具」を入手する瞬間には強いワクワク感があるだろう。

 一方バクのアクションは高速で移動したり空を飛んだり、あるいはランブルの体力を回復したりとサポートを目的としたものが多い。
 とは言え水の中を探検したり空を探検したりとバクのアクションの重要性は高く、バクがいなければ始まらない。

 最初は二人ともちぐはぐな動きになるかもしれないが、プレイヤーの腕に合わせて二人のコンビネーションも合ってゆくように見えて、上達する楽しみもあるだろう。
 とは言え二人のアクションはゲーム内でしっかりとレクチャーしてもらえるし、徐々に覚えて行くのでそれが苦にはならないはずだ。


・豊富なステージ

 夢の中がステージ、ということでそのバリエーションは実に豊富。
 ステージのグラフィック、音楽、登場する敵キャラクター、ほぼ全てが一つ一つの夢専用に用意されている点は驚嘆の一言。
 似ている物もあるが、現実的な夢、空想的な夢、楽しい夢、恐ろしい夢、遺跡、雪原、などなど。
 クリアするだけならばギミックの解き方をひらめくことでさくさくと進み、次々と新しい夢に挑戦できることもあって飽きが来ることなく最後まで楽しめるだろう。

 そう、このゲームはギミックが実に豊富で個性的なのだ。
 絵本の夢でのエリア移動、慕いあう二人のの夢のつながり、悩みが解決された夢の変化など、それぞれの人物ならではのギミックが用意されており、ステージとしてはもちろん、人物としても強い印象をもって記憶に残るだろう。

 ・・・ところで、「神具」は物語の進行上自動で入手できるもののほか、ステージ内のアイテムを集めて交換できるものがある。
 そういうわけでアイテムを集めるためにステージを隅々まで捜しまわることになるわけだが・・・。
 この隠し方が実にいやらしく、重箱の隅をつつくどころかひっくり返して裏側を調べるくらいでないと全てのアイテムは手に入らない。
 おまけに神具を交換するまでのノルマが異常に厳しく、10%ほど、50%ほどで神具を手に入れた後、いきなり100%の収集率を要求される。
 夢が変化することで手に入らなくなるアイテムもあるような気がするし・・・アイテムコンプリートの難易度に関しては至難の技だ、と言えるだろう。
 その分御褒美アイテムを手に入れた時の喜びも大きいと思われるが。


・まとめ

 豊富なステージや軽快なアクションから来る「冒険する楽しさ」、さまざまな人の心に触れて物語を進める「読む面白さ」、「デュアルハーツ」はこの二つをとことんまで体現した「アクションRPG」の王道だ。

 ひょっとしたら、マイナーということで手を出しづらいかもしれないし、アイテムコンプリートの難易度に抵抗があるかもしれない。
 だが、ネットなどで簡単に中古品が見つかるはずだし、アイテムコンプリートもやりこみの部類だと割り切れば良い。
 アクションRPG好きの人が本作を知らないのはもったいないし、そうでない人にも本作の存在を知ってもらいたい。
 そんな問題点さえ些細な問題と思えるほど、本作はどんな人にもオススメできる、アクションRPGの良作なのだ。


・ワンポイント攻略

 ・タイトル画面でしばらく放置するとゲームヒントムービーが流れる。どうしても倒せないボスキャラクターがいるときは見てもいいかも知れない。
 ・アイテムが集まらない場合、壊せる壁や床が無いか、空中のアイテムは取ったか、夢に変化が起きていないか・・・といったあたりを確認してみよう。





・関連作品

・アランドラ本文でちょろっと触れたゲーム。本作と直接関係はないが「ハード発売後比較的初期に発売された」、「夢の中に入って戦う」、「アクションRPG」と共通点が多い。
名前のあるキャラクターだけでも14人が死亡する上、そのうち半数以上が「助けようとしたが間に合わなかった」形で死亡する。分岐も存在しない。


サイトトップ/ゲームレビュー/デュアルハーツ