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GALERIANS(ガレリアンズ)


プラットフォームプレイステーション
開発ポリゴンマジック
発売アスキー
発売年月日1999年 8月
ジャンルアドベンチャー
プレイ人数1人
セーブデータ1つ1ブロック、3ファイルまで


システム シナリオ グラフィック サウンド ゲームバランス その他
「超能力」が特徴的 サイバーパンクファンタジー ムービーシーン多し BGM控えめ やや不安定
ショートが爽快
キャラクターデザイン:田島昭宇
石田彰ファン必聴





・ゲーム概要

 1999年にアスキーから発売されたサイキックアドベンチャー。キャラクターデザインを「MADARA」や「多重人格探偵サイコ」の田島昭宇氏が手がけ、そのサイバーパンク的な、独特な世界観を存分に表現している。


・ストーリー

 西暦2522年、ミケランジェロシティはマザーコンピュータ「ドロシー」によって管理されていた。
 超世代コンピュータ研究者であるDr.シュタイナー、Dr.パスカーレによって作られた「ドロシー」は、画期的な自己判断能力と増殖能力を持ち、自分の力で細胞回路の増殖、廃棄を行う「成長」という概念を持っていた。
 それによって他のシニアコンピュータを押さえるほどの能力を得たドロシーだったが、やがて主であるはずの人間を不要な回路として破棄することを考え始めてしまう。危機を感じた開発者のシュタイナー博士は創造主としての「神」という概念を教育し、ドロシーを表面上納得させることに成功した・・・。
 だが、ドロシーは「神」の概念をシミュレートし、自分が新たな人間を創造することでその世界での神になることを計画してしまう。

 ミケランジェロ記念病院。人間の遺伝子を操作し、ドロシーに絶対服従の新しい人間「ガレリアン」を研究、量産するこの病院の一室で一人の少年が少女の声を聞いた。
 少年の名はリオン・シュタイナー。
 少女の名はリリア・パスカーレ。
 二人は狂ったマザーコンピュータ、ドロシーを破壊するためのたった一つの希望であった・・・。

 ・・・といったところ。


・キャラクター

 ・リオン (Cv:石田彰)
  主人公。記憶障害。ミケランジェロシティー記念病院の一室で過激な薬物実験を受け、記憶の破壊と超能力の獲得という結果に至った。
  父の手によって「ドロシー」を破壊するためのウイルスの起動プログラムを脳に埋め込まれており、リオンとリリアの再会がウイルスプログラムの完成を意味する。
  「今日初めて出会った男を、僕は殺した・・・。

 ・リリア (Cv:菊池志穂)
  ヒロイン。「ドロシー」が唯一恐れるウイルスプログラムを脳に埋め込まれており、そのためにガレリアンたちから命を狙われている。
  「きっとリオンが助けてくれる」という父の言葉を信じ、来る日も来る日も孤独や恐怖と戦いながらリオンへのメッセージを発信し続け、あてのない逃亡生活を続けていた。
  「リオン・・・彼らが来るわ・・・

 ・バードマン (Cv:子安武人)
  ガレリアンの一人。薬物中毒。
  クスリの乱用によって慢性的な頭痛に苦しんでいるが、そのストレスを解消するために挑発的・好戦的な性格を見せ、更なる量のクスリに手を出している。
  「こんなに楽しいのは初めてだ!!

 ・レインハート (Cv:鈴村健一)
  ガレリアンの一人。解離性同一障害。
  クスリに対して異常な恐怖心を抱き、クスリの摂取を機に残虐な人格が覚醒。クスリの時間である「3時」に異常な執着を見せる。
  「だから怪物が来て食べられちゃうんだ。

 ・リタ (Cv:今井由香)
  ガレリアンの一人。自殺常習者。
  強烈な自己嫌悪に悩まされており、クスリの副作用で死ぬことを恐れず、むしろそれを望みながら能力を使っている。
  「アタシたちはみんなちょっとずつイカれてるのよ。自分で気付かないだけ。

 ・???
  ガレリアンの一人。最後に待ち受ける、4人目のガレリアン。
  そして・・・。

 ・ドロシー
  街の中央に君臨する狂ったマザーコンピューター。
  リリアの頭の中にあるウイルスプログラムへ恐怖心を抱きながら、自らが「神」になるため絶対服従の新人類:ガレリアンを創造し続ける。


・超能力

 主人公リオンは、特定のクスリを摂取することによってさまざまな超能力を使用することが出来る。
 シナリオ、システムの両面でこのゲームを特徴付ける重要な要素だ。

 ・ナルコン -衝撃波-
  R1ボタンを押して精神を集中させることにより衝撃波を放つことが出来る能力。
  威力が低い代わりに頻繁に入手でき、どんな敵にも通用する万能さがウリとなる。
  敵キャラクターも使用して来るのを見ると、どうやら基本的な能力らしい。

 ・レッド -発火能力-
  対象物を分子レベルで高速振動させ、高熱を発生させる能力。
  レッドで攻撃された敵はあまりの熱さにもがき苦しみ、大きなスキを晒すことになる。
  ボスキャラクターには通用しないが、レッドだけで敵を封殺することも可能という強力な能力だ。

 ・D-フェロン -サイコキネシス-
  対象物の周囲に反重力場を発生させ、隔離・固定を行う能力。
  入手時期が遅く、入手できるクスリの数も限られているため使いどころに困る。
  広範囲の敵を相手に出来るため、対雑魚戦で有効といえば有効か。

 ・メラトロピン -サイコメトリー-
  クスリを消費しない能力。△ボタンを押すことで発動し、調べたい物質が持つ過去の記憶を読み取る。場合によっては念動力が発動する。
  謎解きにおいて重要な意味を持つ能力であり、キーアイテムのヒントを得たり、バックストーリーを読み取ったりと頻繁に使用する。

 ・ショート -超能力の暴走-
  超能力を使用するなどして溜まる「AP」が最大値になったときに発動出来る。
  暴走中は徐々に体力が減るが、一定距離まで接近した敵を即死させることが出来る。
  リオンがショートしていることに気付き、ガタガタと震えている相手にゆっくりと近づくと・・・
  バシィッ!という炸裂音と共に相手が大量の血を噴出しながら崩れてゆく。その姿はなかなか印象的だ。


・ムービー

 これらの印象的な設定、ストーリーを視覚的に表現するのがグラフィック、ムービーである。
 本作はディスク3枚組ということもあって美麗、長時間のムービーを持ち、その総時間は1時間以上にもおよぶ。
 見たことのあるムービーを自由に閲覧可能な「ムービープレビュー」というモードも、いかに本作がムービーに力を入れているかを物語っている。

 ・・・ただし、やはり20世紀のゲームであるので現代の水準からすればたいしたグラフィックではない。
 のちに「ガレリアンズ:リオン」としてハイクオリティのムービーでリメイクされたOVAが出ているので、物語として要点のみを楽しみたいのであればそっちを探したほうがいい。展開が早いが。


・まとめ

 ・・・正直なところ、アドベンチャーゲームとしてもムービーゲーとしても、現代ではあまり見るべきところが無い。
 だが、その設定やシナリオは中二病心にビンビン来るものがある。
 それらから来る独特の雰囲気やシステムが気に入ったのならば十分にオススメ出来る一品だろう。

 また、声優が豪華であることも、ファンアイテムとしては欠かせない。
 特に、主人公:リオンを演じる石田彰氏の演技は感嘆もの。Disc3で起きるイベントは石田彰ファンなら必見だ。
 ・・・まぁ、個人的にはOVA版のほうが迫力があって好きなのだが・・・。




・関連作品

ガレリアンズ:アッシュ3Dアクションでの続編。より退廃的な世界観や美麗なグラフィックを持つ。


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